銀色の永遠 〜リアルレコーダー@〜


8月3日 pm9:05

「そう消えてなくなる・・・アハッ・・・・アハハハハハハハハハハッッッ!!!!!!!!!」

少女の嗤い声が夏の夜空に溶ける

「こ・・・・コイツッ!!!笑うのをやめろッッ。」
正気を失った笑い声に雅は耐えかね『セクシー・アダルティ』の柄で志田未来の身体を地面に打ち付ける!

「ぐッッ・・ッ・・・ふ・・・ふふふ。今の内にに勝機の喜びに浸っておきなよ・・・・・直ぐにお前達を
 皆殺しにしてやるッッ!!!順番なんてもうどーでも良いッ!!あの腐れ小説家なんかよりお前等『ぶどう
 ヶ丘』の連中を一人残さずッッッ!!!!!ブチ潰し
 
    。 ・。・。・ ・。  ・・・。・。・ ・。            

「!!!!!!」

突如!未来の身体が蛍火の様な光に包まれ消えた・・・・・・。

「き・・・・消えた・・・・・?」
一瞬の出来事に雅は呆然と立ちすくんでいた。

「最後の最後で・・・・・逃げやがった・・・・」

その声に振り返ると気配も見せず血塗れの村上愛が立っていた。

「めぐッ!その出血・・・・・大丈夫!!!????」
雅は愛に駆け寄りその身体を触れようとした
「別に大丈夫・・・・それより・・・あいつらって?」
愛は雅の手を払うと件の敵達の事を問うた。

「『ライナーノーツ』そう言っていた・・・」
雅は唇を噛み締めながら答える。
「そう・・・・麻由子とかいうヤツも言ってたよ・・・『ライナーノーツ』って」
愛は吐き捨てるように呟いた・・・。
「今年の2月に千奈美と友理奈が交戦した敵集団・・・・・4月に石川さん達のチームが交戦して以来
 姿を現さなかった・・・・・集団・・・・・の名前・・・・」
雅は考え込む様に言葉を落す・・・・

「?・・・・・・どうしたの?みや?」
雅の様子の変化に愛は妙な感情を抱いた。
「・・・・ずっと疑問に感じてた事が有るんだ・・・・」
俯きながら雅は言葉を紡ぐ・・・・
「疑問?」
雅の様子のおかしさ・・・・・言葉の重さに愛は疑問符を投げかける。


銀色の永遠 〜リアルレコーダーA〜


「寺田先生のやってる事は正しいのかな?」

「何・・・・言ってんのさ・・・・いきなり・・・」

「めぐは『リアルレコーダー』って知ってる?」

「知らない・・・・・何かの機械?」

「・・・・正確には「演劇部行動記帳」・・・副題が『real recorder』・・・この間・・・・
 夏期講習の間の休部申告をしにいった時に・・・先生の机の上にあったの・・・・・」

「行動記帳?何でそんなのが必要なの?何かオカシク無い?大体、部にも顔出さないヒトがどうやって・・・」

「ウチのお母さんは・・・・・ぶどうヶ丘総合病院で働いてるんだ・・・・めぐも知ってるよね?」

「うん・・・知ってるけど?それが?」

「4月13日・・・・この日に石川さん達が敵集団と戦った・・・それと同じ日にね・・・・数人の急患が
 病院に運ばれたの・・・・」

「・・・・?」

「本当は患者さんの個人的な事は話しちゃいけないんだけど・・・お母さんが教えてくれたんだ・・・・
 その急患は『半蔵門ひとみ』だって!」

「はんぞうもんひとみって・・・・・・あの芸能人の?」

「そう・・・でもそれだけじゃないの。他にいた三人は『村田めぐみ』『柴田あゆみ』『大谷雅恵』・・・
 三人とも『演劇部』とは繋がりのある『スタンド使い』・・・・言いたい事が解る?」

「・・・半蔵門ひとみも『スタンド使い』で何者かと交戦して負傷・・・で病院送りになったってコト?」

「入院した患者の名前は病院関係者か・・・私しか知らないハズなのに『リアルレコーダー』には細かく記帳
 してあったわ・・・・」

「・・・・? 何それ?」

「まだ有るわ・・記帳は今年からしか無かったけど暗躍してる『チーム』の存在も記帳してあった・・・
 ・・名前だけしか解らないのが『菅沼英秋』『伊達謙』『遠見塚正宗』『ジォルジュ・エネスコ』・・
 ・・・・知ってるは1ッコ上の『片倉景広』。」

「カタクラって・・・・・あの影の薄そうな?」

「そうあのフツーそうな・・でもスタンドは凶暴で未だにコントロール出来ては居ないって記帳されてた・・」

「凶暴でコントロールも出来ないスタンド使い・・・・!」

「記帳だとある時期から『菅沼英秋』と『伊達謙』達と行動を共にしてる・・・その二人が『敵』ならば
 ・・・・・・あの人達も倒すべき敵なのかもしれない・・・。」

「倒すべき敵?・・もしかしたら・・・みやは柴田さん達を襲ったのがその『チーム』だっていうの?」

「・・・・・解らない・・でも彼等が『何者か』・・・突き止めないと・・・・この先どう動いていいのか
 解らない・・・・状況によっては『味方』になってくれるかも・・・・・」

「・・・この話は聞かなかったコトにするよ・・・」

「めぐ・・・・?」

「ヤバいよ・・・理屈でいってんじゃあない!この話、本能でヤバい!そう感じる・・・・・・。
 これ以上・・・首を突っ込むのはやめなよッ!」

「そ・・・そんな・・」
雅は愛の袖口を掴む。

   「ッ・・・・・」

軽く引かれただけで愛の身体は崩れ地面に倒れ込む・・・・。

「ッッッめぐ?!!!!!」
雅は直ぐさに倒れた愛の身体を引き起こす。

「ちょっとね・・あたしも疲れてるンだからさ・・・・ったく・・ちょっとこのまま寝させて貰うワ・・・」
愛の身体から力が抜ける・・・・

「・・・・めぐッ!ねぇ・・・ウソでしょ?   めぐぅッッッッ!!!!!!!」


銀色の永遠 〜リアルレコーダーB〜


8月3日 pm9:35


夏焼恵美子は壁に掛けた時計を見ながら未だ帰宅しない娘の事を心配していた・・・。




ガラリ

居間の戸が開き義父である夏焼雅十郎が姿を現す・・・

「あっ・・・・お義父さん・・・何処へ行ってらしたんですか?」

「あぁ・・・帰りが遅いので雅の所にな・・・・。友達が事故で怪我をしたらしい・・付き添って居る様なので
 病院に迎えに行ってくれまいか?」
そう言うと雅十郎は椅子に深く腰を掛けた。

「そうなんですか?すみませんお義父さん。今すぐ行ってきます!」

「そうしてくれ・・・・あれだな・・・雅も何時までも子供だと思っていたが随分と成長したな・・・」

「・・・・はぁ・・・」

口端を軽く上げ珍しく笑顔を見せる雅十郎に恵美子は度肝を抜かれ気の抜けた返事をした。






夏焼雅
スタンド名:セクシー・アダルティ

村上愛  
スタンド名:サッドレディ

志田未来 
スタンド名:タヒチ80

福田麻由子
スタンド名:コールドプレイ

夏焼雅十郎
スタンド名:ディープ・パープル


TO BE CONTINUED…