銀色の永遠 〜藤本美貴は殺人鬼に恐怖する〜

今朝は早起きした。
日曜寺田先生から電話があって、今日の朝練で増員式とかいうのをやった。
こんなことすんの、この学校の演劇部くらいなもんね。
で、部員全員(梨華ちゃん以外)と初めて顔を会わせた。
そうそう、あたし以外にも三人、入部するためのオーディションに合格した子がいて、
しかもその中に先日家に来た秘書のプリンセスさゆみんそっくりの中等部の子が
いたのよ!!
話によれば、それはお姉ちゃんで、自分はその妹ということらしい。
お兄さんもいるらしいが、あまり触れて欲しくなさそうな顔をしていた。
まあそんなわけで、はれて演劇部に入部したのはいいが、いかんせん早起きは
苦手なのがこの藤本美貴サマ。昼休みの頃には授業中の居眠り疲れで
身体はだるだるになっていた。
あー、家帰りてえ〜。
「ミキティ〜。サンジェルマンで昼飯買いに行かない?」
真希ちゃんは元気そうである。
「マンドクセ。それに今から行ってもどーせほとんど売り切れよ」
「そんなの行ってみないとわかんねーじゃん」
「あんたどーせあれだろ。最近入ったイケメン店員目当てなんじゃないの?」
「よくわかってんね。あの店員さん、ごとー好みのジャニーズ系なんだぽ」
ぽ、じゃねーよ。
「そんなだるそうな目してないで一緒に行こうよ〜。なんならごと−がおごったげるよ」
おごりか。まあ今月は小遣いもそこをつき始めたし、それなら悪くない。




49 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:47:24 0
サンジェルマンの前まで来て思った。
ぜって〜売り切れてんな。なんか店の周り、嵐が過ぎ去った気配あるもん。
テリヤキチキンサンド食べたかったな…昼は肉食わないと力でねーよ。
「何買おッかな〜」
真希ちゃんはご機嫌だ。お前が食いたいのはイケメン店員だろ、どーせ。
ああ、なんかイライラしてきた。
店に入ろうとした時、サラリーマン風のスーツの男と勢いよく肩がぶつかった。
「ッってーな!!前見て歩けよ!おっさん!!!」
思わず毒づいてしまう。
「…」
その男は、何も言わずにあたしを見た。
なんつーか、普通の男だった。でも、その瞳は吸い込まれそうな黒い瞳をしていた。
まあ、日本人だから黒い瞳はあたり前か。
「うわ〜ミキティ!運がよかったよ!テリヤキチキンサンド、一個だけ残ってるよ!」
「え、マジマジ!?」
うお〜ッ!ついてきてよかったッ!気分の悪さが一瞬で飛んでった!!
あたしって意外と単純なのかも。
なんとなく振り向くと、サラリ-マン風の男はもういなくなっていた。




50 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:47:49 0
真希ちゃんはルンルンと音を出すほど機嫌がいいらしい。
それもそのはず、イケメン店員と携帯の番号を交換することができたからだ。
にしても、男って何なのかね。
見ず知らずの女子高生に番号聞かれてホイホイ教えちゃうなんてね。
ま、真希ちゃんギャルにしては汚くなさそーだし、やらせてくれそ〜な顔してるし。
あたし達はいつも昼飯を食べている校舎の裏に来ていた。
ここは生徒も先生もほとんど来なくて静かなので、あたし達のシークレットベースに
なっている。亜弥ちゃんは男が出来てからあまり来なくなったけど。
あ〜、あたしも男欲しい。
「あ、ジュース買ってくんの忘れた」
やべ、飲み物なしで炭水化物食うのってきついんだよなァ〜…
「あ、いいよいいよ、ごとー買ってくるよ」
「マジで?え、おごり?」
「あったりまえでしょ!今は気分が最高にハイってやつよ」
すると真希ちゃんは、あたしにサンジェルマンで買ったサンドイッチの袋を渡すと、
自販機のある校舎の方へ駆け出した。
「あ、飲み物なんにするー?」
「う〜ん(胸でかくしてーな)…牛乳!!」
「それに牛乳かよ、ゲー。じゃ先に校舎裏行ってて!ごとーのサンドイッチ、
かじるなよ!!」
「わかってるー!」
そう、いつもと変わらない昼下がり…のはずだった。
51 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:48:46 0
「綺麗な町だよな…杜王町って」
これで彼氏いたら文句ないよな〜…なんて思う。
あたしは真希ちゃんが戻ってくるのが待ちきれず、すでに3分の1ほど
テリヤキチキンサンドをかじってしまっていた。
いつもと同じ場所、同じ時間。
でも、なんだろう。この普段と違う、そわそわするこの気持ちは。
カサッ!
「!!?」
「にゃー」
なんだ、猫か。学校に忍び込むなんて、物好きなやつ。
「おー、よしよし」
「フー!!」
猫とじゃれ合おうと近づくと、突然その猫は、身体を伏せてあたしを威嚇した。
いや、正確にはあたしではなかった。すぐ気づいた。猫が威嚇しているのは
あたしではなく、あたしの後ろに立っている…

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

スーツの男だった…




52 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:49:53 0
「だ、誰だッ…!」
いつのまに後ろに来ていたんだ!?つーか、こいつはさっき店の前で肩がぶつかった
男じゃあないかッ!!?なんでここに…学校の中にいるんだ!?
「女子高生か…あまりに若いような気もするが…」
何を言ってるんだ…この男は。
「な、なんなの?なんで部外者が学校の中にいるの?」
なんなんだ、この異常な緊迫感は。
まるで、これから死ぬかも知れないと思ってるようなこの胸の圧力は…

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「わたしの名前は吉良吉影…君の名を聞かせてもらえないか?」
「は…?あんた、何を言って…」
「君の名を聞かせてもらえないか?わたしは名乗ってみせたんだ…
聞かせてくれてもいいじゃあないか?」
「ふ、藤本美貴…だけど」
なんだコイツは…コイツの中に得も知れぬ不気味さを感じるッ!
蛇に睨まれた蛙になったよーな気分だ…やばい。何かやばい。
直感だけど…何かとてつもなくやばい!!!
「そうか…美貴…ん〜」
そいつ吉良吉影とかいう男はあたしの『手』を見て思案しているようだった。
「読んで字のごとく、美しい名前じゃないか…気にいったよ」
「あ、あんた一体…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
53 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:52:02 0
突然、吉良吉影は指を軽く広げた手の甲をあたしに見せた。
それだけの行動に、あたしはビクついてしまう。
ブルってるのか…あたしは…こんな普通にそこら辺歩いてそうな男に…
「爪が伸びているだろう…自分の爪が伸びるのを止められる人間がいると、
美貴さん…君は思うかね?」
いきなりなにを言い出すんだ…この男は。
「そんな人間はいない…同じように…もって生まれた『性』を抑えられる人間も
いない。困った話だよ、本当に…」
「ハァ…ハァ…」
あたしは恐怖した。こいつの全身から吹き出ている恐ろしいオーラにビビっていた。
「怯えて…いるのかね?」
「許して…さっきのことなら謝るわ…」
「許す?なにか勘違いしてないか?わたしは別に怒っているわけではないよ。
こうして君の前に現れたのは…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

怖い…ダメだ、もう耐えらんない。
「『趣味』なんだ。君を選んだのもわたしの『趣味』だっただけであって、君がわたしに何か
したからここに来たということではないんだよ」
あたしは吉良吉影が言い終わる前に、後ろに飛んで吉良と距離を離した。
それにびっくりして、猫は逃げてしまった。
「ン?」
「てめえぇッ!!!!それ以上近づくなよド変態!!!!美貴にはお前をボコボコにして
ケーサツにつきだすくらいの力はあるんだッ!!!あんたには見えないだろうけどねッ!」
あたしは恐怖のあまり、一般人であろう吉良吉影を相手にスタンドを発現させた。



54 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:53:13 0
「これ以上近づいてみろッ!あんたは何が何だかわからないうちにここで
昼寝することになるぜッ!!もっとも、目が覚めたら牢屋の中かも知れないがなあッ!!」
どうするッ…こいつをあたしのブギートレインでボコしてトンズラこくか…!
あとの処理は…そうだね、先生達、頼むよッ!!!
「なんだ…その銀色の闘士のようなものは…?」
「…え?」
こ、こいつ…今なんて!?
「わたしと…『同じ能力』を持っているということか…!その銀色の戦士は!!」
「あ、あんた…!見えてるっていうの!?あたしの『ブギートレイン03』が…ッ!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

「手荒なマネはしたくない…わたしが最も嫌うことだからね…だが、仕方ない」
ズゥオオオオオオオオオオオオオオ…
「そ、それは…ッ!?」
「これから静かになる君は、とても魅力的だと思うよ」
ドン!!
吉良吉影の背後から、猫のような顔をした、たくましいスタンドが発現した。
「こ…これがッ!?」
「『キラークイーン』!わたしはこいつをそう名づけて呼んでいる」
そう言うと、吉良吉影は一歩あたしに歩み寄った。
「…それ以上近づくなって警告したはずだけど?」
今、あたしの中の恐怖は消えていき、有り余る闘士が生まれ始めた。
この吉良という男、あたしが初めてじゃあないな…あたし以外の女にも、同じように
して恐怖に陥れたことがあるなッ!この男は!!
「あたしは本番になると強い女だ…それが自分の長所だと思ってる」
「ム?」
そう、だからあたしはスターになる。眩い脚光を浴びて!大スターになるんだッ!
「オオオオオオオオオッ…ブギートレイン!オオオスリイイィッ!!」
あたしは持てる力を両の拳に注ぎこみ、吉良吉影に立ち向かっていった!!
「ゴールデンゴール決めてッ…VVVVVVVVVVVVVVVVVVVV
VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!!!!!!」
55 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:55:40 0
梨華ちゃんを病院送りにした猛ラッシュ!!
パワーもスピードも自信がある!!
うおぉぉッ…頭蓋骨を勝ち割って!!鼻から脳味噌ぶちまけさせてやんよッ!!!
「キラークイーン」
パッパッパッパッパッパッパッパッパッパッパ…
「え?」
あたしの猛ラッシュを…受けとめてる?しかも全部?
「フン」
バキィッ!
「あうッ!!!!!」
吉良吉影のスタンド『キラークイーン』に殴られたあたしの『ブギートレイン03』の
ダメージは、そのままあたしに返って来た。
あたしは茂みの中に吹っ飛んでしまう。
「う…いてえ…」
顔を…顔を殴ったなッ!女の顔を平気で…ッ!!!
「君のその…ええと『ブギートレイン』とか言ったっけ。すごいパワーとスピードだ…
まあキラークイーンのパワーとスピードほどではないがね」
つ、強い…自信が音を立てて崩れちまいそうだッ!!
「しかもそれだけじゃない…このキラークイーンにはちょっとした特殊な能力があるのだが…」
「特殊な…能力?」
「ウム…君は気づいてなかっただろうが、実はこのキラークイーン、先ほど
君を殴った時にそこの木…そう、その左隣の木だ。その木に触れていたのだよ」
「な、なにを言ってるんだ…あんたは…?」
木に触れた?それがなんだと言うんだ…?
「キラークイーンの特殊能力…それはッ!触れた物はどんな物でも『爆弾に変える』ッ!!」
触れたものを…爆弾に?
「木であろうと…なんであろうと…」
「ハッ!!!!!!!」

ボッグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!
56 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:57:42 0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「うっぐ…」
「咄嗟に身を起こしてガードしたか…でも、おやおや。木の破片が身体に
刺さりまくってるじゃないか…」
梨華ちゃんの台詞が頭を過ぎる。

「スタンド使い同士っていうのはね、なんでかわからないけど…引かれ合う
ものなの。いずれどこかで出会うのよ。味方か敵か…それはわかんないけどね」

と、とんでもない話だ!こんな…こんな凶悪な力持ったヤツと出会うなんてッ!!
「左手が血まみれじゃないか…ガードした時に甲を木の破片で傷つけたか…
大事な手だ…もっと大切に扱わなくてはダメだ」
うっ…わき腹に木の破片が刺さって立てない…力も入らない…ッ。
「…さて、あまり長いしてるわけにもいかないな。これから君をキラークイーンの
『第一の爆弾』でふっとばすわけだが…」
吉良はあたしに近づくと、あたしの右手を握った。
「ひッ!!」
「この右の手は置いていってもらうよ…わたしのところにおいで、清い心で
お付き合いが出来るよ…」
こ、こいつ…完全にイカレてるわッ!こんなやつがこの杜王町にいたなんて…ッ!!
亜弥ちゃん、真希ちゃん、お母さん、お姉ちゃん…
みんな…
「ミ〜キティ!わりーちょっと中等部の体育倉庫でコーヒー入れてこようかと
思ったんだけどさ〜!先客がいたのよ〜!トゲトゲ頭のぽっちゃりした子だったんだけど〜」
「…ん?」
ご、ごまき!!



57 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 22:58:37 0
こんな時に戻ってくるなんて…巻き込まれちまう!!
「友達がいたのか…君を吹っ飛ばしてここから去るつもりだったが…
どうやら遅かったな…見られてしまったようだ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「な、なによ…これ」
真希ちゃんは持っていた紙パックの牛乳と、コーヒー牛乳を落とした。
「やれやれ…見られてしまっては仕方がないな」
「ミキティ…なにその傷は…?この人にやられたの…?」
「真…希ちゃん…逃げ…」
くそ、痛くて声もでねえ…
「運が悪かったな…ええと真希さん…今、この瞬間君はこの吉良吉影にとって
『トラブル』となり『敵』となった」
吉良吉影がスタンドを発現させた。やばい!!
「よって…君を始末する」
「逃げろ!!真ギッ…ガフッ!」
やばい!真希ちゃんがやばい!!キラークイーンに吹っ飛ばされる!!!
「ごとーとマジにやろうって?」
「何?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「これは…君もこの能力を持っているというのか…一体何人いるんだ…?」
これは…この背中から紫の羽を生やした悪魔は…
「『ゴシップ・セクシーGUY』!!久しぶりだよ…こいつを人前で出すなんて」
スタンド!!真希ちゃんもスタンド使いだったのか!
そうか、だからあたしが演劇部に入ろうとした時あんなことを…

「あの部にはマジで入んない方がいいよ、もう普通には戻れなくなるから」


58 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 23:04:07 0
普通には戻れない…つまりスタンド使いになったら、もう普通の人には
戻れないっていうことなんだね…真希ちゃん。
「ミキティちょっと待ってなよ。今こいつを吹っ飛ばしたら病院連れてってあげるから」
「愚かだ…そんな歳からそうやって敵を作ろうなんて…君はまだ若い、平穏に生きることは
わたしより簡単にできることだと思うが…もっとも今気づいたところで生きて帰すことは
できんがね」
「ごちゃごちゃ何言ってんのよおっさん。まあいいや、難しい事嫌いだし。
ごとーのこの『ゴシップ・セクシーGUY』のヤリで…」
真希ちゃんとそのスタンド、ゴシップ・セクシーGUYが跳んだ。
「さよなら!さよなら!!さよなら!!さよおならあッ!!!!」
真希ちゃんのスタンドが繰り出す槍の突きは早い…が、キラークイーンはさらに
それより早いッ!!
「なかなか早い…が、キラークイーンには及ばないな」
あたしの近くに着地した真希ちゃんは、もう息が荒れていた。
「ま、真希ッ…大丈夫なの…ッ?逃げたほうが…」
「やっぱり…ミキティにもスタンドが見えるのね。いや、見えるようになったのか…」
「何を話しているのかね?」
吉良が真希ちゃんににじり寄る。
「危ないッて…逃げ…」
「大丈夫…きっと大丈夫!全部自分次第だから!!」
真希ちゃん…あんた、どうしてそこまで出来る!?
「キラークイィィィィィィィィィィィィィィィンンン!!」
「ゴシィィィィィィィィィィィィップ!セクシーGUY!!!」
ビョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
「くらえッ!ゴシップ・ハリケエェェェェンッ(風の噂)!!!!!」
真希ちゃんのスタンドが羽ばたくと、辺りの風が吉良の背後に集まり、勢いよく吹いた!
「なにぃッ!風がッ!!か、身体が押されるッ!!!」
「ごとーのスタンドは風を自由に操るッ!さあッ!!このヤリのとこまで吹っ飛んで来い!」
真希ちゃんはスタンドの鋭いヤリを吉良吉影に向けた。



59 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 23:07:16 0
「さあ!ここまで押されて来いヘナチン野郎ッ!串刺しにしてあげるよッ!」
「む、むぅ…」
風の勢いは止む事を知らず、吉良吉影は一歩、また一歩とヤリに近づく。
か、勝てるッ!触れる事ができなければ、たとえ爆弾に変える能力があっても
意味はないんだ!!
「さあ…もうすぐチェックメイトだよ!おじさんッ!!」
「こ、このわたしが…こんな小娘ごときに…こんなことでえええッ!!」
その時だ。吉良吉影が左手を真希ちゃんに向けた。
「シアーハートアタック(爆弾戦車)!!!!!!!!!!!」
ドッギュウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!!!
キラークイーンの左腕から、何かが発射された。それは真希ちゃんの作り出した
風に乗って、すごい速さで真希ちゃんに向かっていく。
ボスッ!!
「ぐええっ!!?」
風が病んだ。真希ちゃんの腹に穴が開くと同時に。
「な、なにが…一体…ッ!?」
キュルキュルキュルキュルキュルキュル…
この音は…真希ちゃんの身体から聞こえる。
「オイ…コッチヲ見ロ」
な、なんだあれは〜ッ!真希ちゃんの肩に小さな戦車みたいなもんが…
「コッチヲ見ロッテイッテルンダゼ…」
「!?」
真希ちゃんが肩まで登ってきたそいつを振り返った時!

チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

真希ちゃんは跡形もなく消し飛んだ。
60 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 23:11:04 0
「て…てめガフッ!!真希をどボしたああああああッ!!!」
尋常じゃない痛みの脇腹を抱え、あたしは立ち上がった。
「ここまで無茶苦茶なことになるとはな…高いスーツが砂埃で汚れてしまったよ。
キラークイーン第二の爆弾、シアーハートアタック…これがなかったら危なかった」
「て、てめぇ…」
こいつ!!絶対にぶっ殺して…
「狙った獲物は必ず爆死させる…」
キュルキュルキュルキュルキュルキュル…
こ、この音は…
キュルキュルキュルキュルキュルキュル…
「オイ…コッチヲ見ロ」
「ッ!?」
「コッチヲ…見ロッテイッテルンダゼ」
あたしの命も…ここまでか。
「美しい手をしているというのに…本当、残念だよ」
「う…うああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!」

ボッグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!

「…これで今夜も安心して眠れる」


61 :名無し募集中。。。:2005/09/10(土) 23:13:26 0
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ハッ…ハァ…ハァ…」
「ミキティ?どうしたの?」
も、戻ってきた…!また、時が戻った!
ブギートレインの能力は…発動したんだッ!!
でも、一体どこまで戻ってきたんだ…?
目の前には、サンジェルマンが見えてきている。
「何買おッかな〜」
「こ…この景色は…ッ」
間違いない!あの男と…吉良吉影と初めて遭遇した時間だ!!
「真希!!」
「な、なに?いきなり呼び捨てなんてびっくりするじゃん!!」
絶対に遭遇してはならない!あんな男とマトモにやりあって勝てるわけがないッ!
「今日は幕の内食べよ!ね!?」
「ええッ!ここまで来て!?」
「おごるから!!!」
「う、う〜ん。しょうがないなあ…」
「よし!じゃあ行くよ!!」
あたしは真希ちゃんの腕をつかんで走り出した。
早く、あの男が店から出てくる前にここからいなくならないとッ!!
「ああ…イケメンの店員さん…会いたかったぽ」
もし、もしまたあの男『吉良吉影』と遭遇してしまったとしたら!あたしは…ッ!
「くッ…!」

…今度こそ確実に殺される。

 吉良吉影               後藤真希
 スタンド名:キラークイーン     スタンド名:ゴシップ・セクシーGUY

TO BE CONTINUED