38 :1:2005/09/30(金) 03:41:58
銀色の永遠 〜ラッキー7オーディション〜

伊崎右典先輩と央登先輩、かっこいいっちゃ…
れいな、中学入ってすぐ双子の先輩に一目惚れしたと。
でもこんな小ヤンキーのれいなに二人が振り向いてくれるわけないっちゃ。
れいなも、もっとでかい女になると!!
そうだ、なにか目立つことしてれいなの名前を轟かせるッちゃ!!

中学3年生になってから、無事合格した演劇部だったんだけど、
いまだ大きな結果は出せずじまいだったと。
れいなは無名のままで、クラスでは『小ヤンキー』だの『はぶられいな』だの
屈辱的なあだ名で呼ばれてる始末たい。しかも影でコソコソと!!
悔しい…。
そんなれいなの元に、寺田先生から大役の話が来たと!!
演劇部の新入部員(れいなたちは新メンバーと呼んどると)になるかもしれない
一人の二次審査員に、この田中れいなが選ばれたとよ!!
新顔か…楽しみっちゃ。
まあ再起不能にさせないよう、適正かどうか見分けるとよ!!
ちょっと緊張するたい。ドキドキ。
その審査のコードネームは…そう、ラッキー7オーディションっちゃ
放課後、れいなはオーディションの会場となる演劇部の部室にやってきたとよ。
「あ、れいな」
「絵里にさゆ。帰ると?」
「うん、れいなこれから二次審査するんでしょ?すごいじゃん!!」
「尊敬するの」
そんな褒めんといて。照れるたい、うひひ。
「じゃあ頑張ってね」
「あ、あ、よかったら審査見ていかん?」
二人にれいなのカッコイイとこ見せてやりたいと。
「あー僕たちはいいや。これから映画見に行くからさ」
「そ、そう…」
映画!?
行きたい!!れいなも映画行きたいと!!!
見るならイタリア映画がいいと!!
「じゃあねれいな。相手の子、再起不能にしちゃダメだよ」
い、いきなり現実に戻される一言っちゃね…。
「あ、わかったとよ…」

ポツーン…

なんか空しいっちゃ。
まあいいたい。れいなにはこれから大仕事が待ってるっちゃ!!
とりあえず、部室で待ってることにすると。



58 :1:2005/09/30(金) 15:16:15
「うわ〜きったないと」
いつ来ても散らかった部室ばい…菓子の袋ぐらいゴミ箱捨てんと。
黒板も剥がれっぱなしで、いつ直すとね。
この衣裳、ホコリかぶってなかとか?
なんかクシャミ出そうッちゃ。
こんな無様な部屋を新メンバーになるかもしれん人に見せるんか…。
「片付けよ」
と思ったが、やめとくたい。
どうせ審査やったらグチャグチャとよ。
そういえば、どんな人が来るンだろう…能力、聞かされてないと。
まあ能力を見るための審査だから、当たり前っちゃそうだけど。
審査員か…マジで大役たい。
難しい仕事っちゃ…再起不能にしないように、させられないようにする、
なんとも実力が問われる仕事たい。
負けるつもりはないけど、愛ちゃんや石川さんみたいに、れいなが再起不能に
させられる可能性もあるってことっちゃ。油断はせんばい。
まぁ弱いようなら、ちゃっちゃと倒すと。

コンコン…

部室のドアが叩かれたっちゃ。
きっきっきっき…キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!!!!!!!!!!



59 :1:2005/09/30(金) 15:19:57

「ど、どうぞ」
「失礼します…」
お、おお…けっこう可愛い子たい。
黒髪ロングヘアーで、なかなかの美少女っちゃ。モテそうな女ばい。
制服の右胸あたりにイルカのワッペンがしてあると。これも可愛いたい。
耳にはウズマキ貝殻のピアス。れいなもちょっと欲しいっちゃ。
センスの有無はともかくとして。
「あの、演劇部の二次審査受けに来たんですけど」
「あ、待ってたとよ。れいながあんたの能力見るたい」
余談ではあるが、昔の審査はもっと厳しかったそうっちゃ。
審査員が相手を急襲したりとか、罠にハメるだとか。
それを考えると、最近の審査はなまっっちょろいのかも知れんね。
「高等部の人っちゃね?」
「はい、あなたが田中れいなさんですね?中等部の」
「そ、そうたい」
この人、れいなのこと知っとーと?
う、うちも有名になったもんっちゃね…うひひ。
「あなたの事はよく知ってますよ」
「ホント?な、なんか照れるたい」
って、いかんいかーん!!
なごんでどうすると!!!
審査はもう始まってるっちゃよ!そろそろ気ィ引き締めんと!!
れいながそんなことを考えてると、高等部の彼女は、突然こんなことを言い出した。
「審査員があなただなんて…私はツイている」

60 :1:2005/09/30(金) 15:24:48

「…は?」
なんだ…今なんて?どういう意味っちゃ?
「いいもの見せてあげますよ、これなーんだ」
その高等部の人がれいなに見せてきた一枚のプリクラ。
こ、これは…ッ!!!?
「それ、私の友達の玉置さん。となりに写ってるのは…わかりますよね?」
「い、伊崎せんぱ…い?」
プリクラが小さくて双子のどっちかはわからんけど…。

ショ、ショックたい…ちょ、待ってや。

「あれ?田中さん、ショック受けてます?」
「うぅ…」
「でも、田中さんと伊崎くんって『知り合いでもなんでもない』よね?
一方的に追いかけてるだけで」
な、なぜ…それを?
「何で知ってるかって顔してますね?じゃーこれも見せちゃうッ!!」

バーン!!!!!

「こ、これは…ッ!!!」
れいなが昔、授業中に友達と交換してた手紙ッ!?

61 :1:2005/09/30(金) 15:28:17
「これ、いつ書いたのかしらないけど…中学生のやりそうなことね。授業中に
手紙で友達と好きな人の話か…」
は、恥ずかしいッ…!!
めっちゃくっちゃ恥ずいと!!!!
「返すッちゃ!!!」
「こんなもん廊下に落とす田中さんが悪いんじゃないんですか?」
こ、こ、こっ…この女!!
ケンカ売っとるんとなかとね!!!!?

ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド…

「もっとなんか見ます?私、伊崎くん達とけっこう仲いいんですよ」
この女、れいなのことバカにしとーとね。
厨房の『小ヤンキー』だと思ってナメてかかっとるとね…。
「話はもう言いッちゃ…審査を始めるとよ。あンた、名前は?」
「あれ、もしかして怒ってます?」
「質問を質問で返すんじゃなかと。れいなは名前を聞いているんっちゃよ…」
すると高等部の女は、カバンを部室の隅にほおり投げて名乗ったと。

「高等部1年A組、国分亜美」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
68 :1:2005/09/30(金) 16:04:34

「『デュエル・エレジーズ』ッッッ!!」
ドギャン!!!!
れいなはこーいうナメた態度のヤツは嫌いだと!!
確実に倒す…ッ!
「ヘェ〜…それが田中さんのスタンドかあ…なんか緑色って中途半端」
「早くスタンドを出すとよ!!審査はもう始まっているッちゃ!!!」
うちが怒鳴っても、国分亜美は依然ヘラヘラとしている。
ああ〜ッ!ムカつくッちゃ!!!
「なんならこっちから行くとよ!!行けッ!!!れいなのデュエル・エレジーズッ!!!」
「慌てないで下さいよ…もうあなたは私の海域に入った」
海域…?なんのことっちゃ?
領域の間違いじゃなかとね?
「『アビス・ガール』ッ!!!!!」
国分がスタンドを出したとッ!!
青い…なんというか、水っぽいビジョンだっちゃ。
見た感じ、近距離パワー型っぽいと。
国分のスタンド『アビス・ガール』が、れいなのデュエル・エレジーズが近づくより
早く、床を殴ったと。

ジャプンッ…

アビス・ガールの拳が、床にまるで水がこぼれたかのように弾けたっちゃ!

ドプン!!

「え?」
いきなり右足を突いていた部分が凹んで…いや違う!!



69 :1:2005/09/30(金) 16:06:39
「れ、れいなの足が…沈んでるッ!!?」
な、なんじゃこりゃああッ!!?くるぶしまで浸かってると!!
床の一部が、まるで水たまりのようになってるっちゃ!!
は、早く足を抜かんと…やばい、直感だがなんかやばいと!!!

カッチィーン!!

「なッなにぃぃぃぃぃぃッ!!床がッ!!」
また元に戻ったと!!
れいなの右足を浸からせたまま、元の硬い床に戻っちゃったと!!!
「ぬ、抜けなくなったと!!うわあああッ!!!」
なんてこったい!!
足の自由を奪われたら…圧倒的に不利ッちゃ!!
「これが私の『アビス・ガール』の能力です…殴ったものを一時的に液化する能力。
最も、殴った場所から半径2メートル以内なら自由な場所を液化させられるンですけどね。
実はまだ生きてるものを殴ったことがないんですよ。どうなるんですかねェ…」
国分がれいなに近寄ってくる。
「ねえ、どうなると思いますか?」
あ、あの拳で殴られたら…れいなはどうなるっちゃ?
78 :1:2005/09/30(金) 22:34:57

国分がスタンドを出してれいなに迫ってくるッ!
「田中さんで試してみましょぉぉぉぉかねぇぇッ!!!」
拳を振り上げたと!!
ゴオォォォォォォォォォォォッ!!!!
や、やられるッ!!
「うおあああーッ!!エレジーズ!!!!!!!!!!」
ドドドド!!!!
「甘いっしゃああああああああああッ!!!」
国分はそう叫ぶと、アビス・ガールでまたも床を殴ると同時に、液化した床の
一部を天井に、まるで水をかけるかの様に大量に巻き上げる!!
ドッパアアアアアアアアアアアン!!!!
ガコガコッ!!
「なっにぃぃぃぃっ!?」
液化した水は巻き上がった状態で一瞬のうちに固まり、壁となって国分を守ったとよ!!
その結果、れいなの焦りだらけで繰り出したラッシュはガードされてしまったっちゃ。
「水が固まったッちゃあああッ!!」
そして焦りだらけだったうちは、デュエル・エレジーズの能力を使わずに
床の『壁』を殴ってしまっていたと。
「言ったハズですよねェッ!私の能力は一時的だとッ!!!!」

バキッ!
バッシャアアアアアアアンッ!!!

壁になっていた国分を守っていた床を再び彼女のアビス・ガールが殴ると、
瞬く間に壁は液化して元の床に戻ったと!!



79 :1:2005/09/30(金) 22:36:38
目の前には国分の姿が。
も、もろにコイツの射程距離だっちゃ!!
くそっ!こいつのスピード、めちゃくちゃ速いとッ!!
れいなのデュエル・エレジーズよりも…ッ!!!
「脳天溶かして貫いてッ!!床とミックスさせてやりまっしゃああああッ!!!!」
アビス・ガールの振り上げた拳が頭上に迫り来る!!
や、やばすぎるっちゃ!!あ、足を…足…
「うぬおおぉぉぉッ!!」

メキャッ!ブショォォォォッ!!!!
ジャプンッ!!




80 :1:2005/09/30(金) 22:39:55
「なんて子なの…床にハマってる足を無視して倒れこみ、アビス・ガールの
『液化させる拳』をかわすなんて…」
いてえ…いってえええええええッ!!
足がクソ痛いっちゃ!!
骨折はしてないけど、捻挫は確実ッ!!しかもれいなの右足と床の断面みたいなもんで、
足首が切れて血が出たと!!
でも、でもこれで…。
「へへ、足が自由になったとよ」
れいなが攻撃をかわした際に、国分のスタンドは足のすぐ近くの床を殴ったとよ。
おかげでハマッてた足の部分の床もギリギリ液体化して、素早く足を引っこ抜いたわけっちゃ。
そして、急いで国分の射程距離から逃れるッ!!
「前髪が冷や汗でデコにくっついてますよ、田中さん。この元に戻った床を見て
ごらんよ。あなたの血が大量に混ざって赤いマダラを描いてる…」
「それが何だっつーんたい!こんぐらいじゃれいなは蚊に刺された時よりも
痛くもかゆくもないとよ」
「どうして中学生の小ヤンキーってこうも負けず嫌いなんだろ?もっと賢く
なろうよ」
国分は先輩風を吹かせて言ったと。
「ごちゃごちゃうるさいっちゃよ!!デュエル・エレ…」
「私をこのまま『合格』させてくれれば、伊崎兄弟たちと友達くらいにならしてあげる
んだけどなあ〜」

ピタッ。

な、何だって?



81 :1:2005/09/30(金) 22:40:40

「今…なんて言ったと?」
「『合格』させてくれたら伊崎くん達4人を紹介してあげるっつったんですよ」
『合格』させたら…紹介だって…?

ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ…

ふふっ、と国分亜美は笑った。




82 :1:2005/09/30(金) 22:43:08

「うちは…この田中れいなは…クラスじゃ不良にもなりきれてない『小ヤンキー』の
レッテルを貼られているっちゃ…つるんでる男のヤンキーもいなけりゃタバコも吸ってないと。
しかも一目惚れした先輩には影でキャーキャー言ってることしかできないへタレたい…
演劇部に入部した動機も、ぶっちゃけ不純っちゃよ…だがなッ!!!」
うちは自らのスタンド、デュエル・エレジーズと共に、国分亜美を指差したと!!
「今は違うッ!!この演劇部、この能力、すべてがれいなの誇りたい!!
そんなくっだらねぇワイロなんかで、くっだらねぇ考えのお前を誇りある演劇部に
『合格』させるわけにゃあいかネェ〜とッ!!」

バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!

今決めたと!!
この女、国分亜美は全力でぶっ潰すッ!!!
「そう…そうですか…それなら…」
国分もれいな同様、スタンド『アビス・ガール』を発現させて、れいなを指差したっちゃ!
「死ぬしかないねッ!田中れいな!!!!」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

95 :1:2005/10/01(土) 03:19:07

「どおぉぉぉぉぉッ!!デュエル・エレジーズッ!!!」
ドギャン!!
れいなはスタンドを発現させると、クソッたれ国分に向かって歩み始めたっちゃ!!
「そんな足で何が出来るっての?見よ、半径2mアビス・ストライク(水く屍攻撃)ッ!」

バッシャアアアン!!

国分のアビス・ガールが三度、部室の床を殴る!!
「さっきから部室をビシャビシャと散らかすんじゃねえとおぉぉぉぉぉッ!!」
「うるさいね!!深淵に引きずりこんだりゃああああああああああッッ!!!!!」

スーッ…フー…シュー…
コオォォォォ…

ダッシュして急接近するとッ!!
「んっどあああッ!!!!」
「な、なにッ!あの足…捻挫だけでは済んでいないはず!!走ってくるだとおおッ!?」
ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!
「だが忘れたのッ!?半径2mアビス・ストライクを放ったことを…を…なにぃッ!!」
国分の作り出した液化した床の水面に起こした波紋エネルギーと体内の波紋エネルギーを
磁石の同極が反発するような効果を生み出し、アビス・ガールの海域を沈むことなく走ると!!
「深緑色の波紋疾走(ディープグリーンマウンテン・オーバードライブ)ッ!!!!」
「うおぉぉッ!!アビス・ガールッ!!!」

ドッコォォォォッ!!バチバチッ!!!!!

その一瞬の間に、液化した床を巻き上げ、スタンドの両腕に纏わせ元の硬さに
戻した床の『盾』で国分はれいなの波紋疾走をガードしたっちゃッ!!
な、なんて速さたい…。



96 :1:2005/10/01(土) 03:24:49

「おっおっおっ…ビリッときたあああああッ!!!」
だが波紋の勢いで殴った力は抑え切れなかったようっちゃ。
国分は部室の壁に背中からつっこんで行ったと!!
背中から壁に激突する衝撃はかなりのもののはずっちゃ!!
「アビス・ガールッ!!!」

バシャアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!

「な、なに…吹っ飛びながらも背後の壁を殴るなんて…ッ!!」
ヤツがギリギリ殴った壁は当然液化し、そのまま吹っ飛んできた彼女は水中に
飛び込んだかのように沈んだっちゃ!!
そして、壁から体を半分出して、れいなを睨んできたと。
なんという瞬発力…恐ろしいたい。
「…ふぅ、危なかった。それがあんたの能力?今ビリッときたのが」
「ちっ…」
「私の作り出した水の上を歩くなんてけったいな事しやがって…見てなよ」
国分は壁から体を半分出したまま、上へ上へと上っていく。
「な…なにをするつもりっちゃ!!」
「液化した壁の足元をもとの硬さに戻して、上方をアビス・ガールで液化して
自動的にせりあがらせる…名づけてアビス・エレベーター」
そしてついに国分は天井まで到達したっちゃ。
上から見下ろされるこの気分、胸糞悪いとよ。
「上から見下ろすこの気分…心底気持ちいいわ」
「降りてこんかッ!!」
「ふふ、悪いけどもう勝負はついたも同然。演劇部ったって、所詮こんなもんか。
この調子じゃみんな合格しそうだね」
ヤツを…国分を引きずり下ろすたい。
壁に波紋を流して追い出すか…いや、ヤツの真下に行くのはまずいっちゃ。
下っていうのは、どんな時でも不利になるたい…どうするか…ッ!!


97 :1:2005/10/01(土) 03:28:12
「あなたは今、私をどうやって引きずり下ろそうか考えてるでしょ?」
げえっ!バレてるッ!!?
「当たったみたいだね。でももう遅いよ、アビス・ガール!!!」
バシャアアン!!!
て、天井を殴ったとッ!!
射程距離は…ハッ!!?
国分とは2mは離れてる。だが、アビス・ガールの殴った天井はれいなの
真上まで能力の影響を及ぼしていたとッ!!
「天井を…水にッ!?」
「勝負あったね。そのまま液化した天井の滴に貫かれて逝っちまいなァッ!!」
う、うおぉぉぉぉぉッ!!
天井が…液化して落ちてくる!!しかも元の硬さに戻りつつっちゃ!!!
潰されるわけにはいかんと…ッ!!
「デュエル・エレジーズッ!!どららららららあッ!!!!」
落ちてくる天井の滴を破壊!!身を守って…
「おしまいッ☆」
その落ちてくる天井に隠れて、国分があたしの前に落下してきたっちゃ!!
「な…に…ッ?」
れいなは上に両腕を上げて落ちてくる天井を砕いていたので、胴体はガラ空きたい!!
こ、これは…!!初めからこれを狙って…ッ!!!!?
「アビィス…ガアァァァァァァァァルッッ!!!!!!!!!」

ドグショオッ!!

国分の全身全霊を込めたパンチは、見事れいなの腹に入れられちまったと。
「田中れいなさん…勝負事ってのはね、常に一手先を読むの。
まあ今回のあんたの一番の失敗は、戦う前に一手先を読まなかったってことね。
『負ける』って事が読めなかった結果、あなたは『死ぬ』わけよ」
が…はッ…れいなの体は…崩れてしまうと?
国分はれいなに背を向けると、うちに別れを告げた。

「お疲れ様。死体はこの部室の床に沈めてあげる…」

101 :1:2005/10/01(土) 05:03:09

「さてと…とりあえず寺田ティーチャーに報告して、入部させてもらったら…
あとは私を待ってるのはエースの座だけよ…」
「私が…この国分亜美が…この演劇部を変えてやる…」

「『殴ったものを一時的に液化する能力』…か」
「…えッ!?」
国分亜美は振り返ると、ヤツは驚愕の表情でれいなを見たッちゃ。
それも、そうたい…こいつは今、れいなが液化して死んでると思っとったに
違いないンだから。
「た、田中れいな!!?な、何でッ!?」
「『似ている』っちゃ…あんたの『アビス・ガール』とれいなの『デュエル・エレジーズ』…
ホントよく似ているっちゃ…似ているけど…まったく逆の性質たい…」
「あ、あんた…ッ!!一体何を言って…?」
「磁石のN極とS極が引かれあうようにうちらは出会ったんっちゃね。炎と氷のように…対となる能力たい。
あんたのおかげで、少しれいなも成長したっちゃ」
「だ、だから何を言ってんの…?」
無言で制服の上着を捲り、れいなの殴られた場所を、国分に見せ付けてやる。
「なっ…なんだこれはああッ!!なんなのよ!その身体は…ッ!!!」
これが、れいなの覚悟たい…国分に殴られた場所が液化を始める瞬間、殴られた
場所をデュエル・エレジーズで殴って石化して固めたっちゃよ。
おそらく、れいなの石化が解ける前にこいつの液化の効果が解けるっちゃ。
だから、こいつとれいなの能力は似ているとよ…物質だろうと生物だろうと、
一時的に変化させる点に関して。



102 :1:2005/10/01(土) 05:04:20
「お前の負けッちゃ」
「は…あはは…ちょっとびびっちゃったけど、なんてことないわ。要するに、
もう一回叩きこみゃいい話じゃん。アビス・ガールッ!!」
ドヒュン!!
国分のスタンドが床を殴りつけ、その水しぶきをれいなに向かってかけてきたと。
「どうさッ!!」
「橙色の波紋疾走(サンライトオレンジ・オーバードライブ)ッ!!」

バッシャアアアアアン…

れいなの波紋も調子いいっちゃ。
国分の作り出した、床を液化して作った水しぶきを一撃で全部弾いてやったと。
「う、うお…」
来た来た…水を全て弾かれるなんて思ってなかったとね、きっと。
国分亜美は勢いよくれいなに突っ込んできたっちゃ。
「アビス・ガアァァァァァルッ!!!!!!!!」
「デュエル・エレジイィィィィィィッッッッズ!!!!!!!!!!!!!」

メシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!



103 :1:2005/10/01(土) 05:05:41

「『一手先を読む』…か。あんたの言ったことは正しかったと」

ビ…ビキビキビキッ!!
がむしゃらに殴りかかってきた国分の右ストレートをかわし、国分の左腕に
カウンターで右の拳を叩き込んでやったっちゃ!!
「あっあっ…イヤ…私の腕が…石に…ッ!!!!!!?」
「ほらほら、自分で腕を殴って液化させたらどうっちゃね?」
「そ、そんなことしたら…腕が溶けてなくなっちゃうよ…ッ!!!!」
「それが、あんたとれいなの覚悟の違いたい…」
審査の結果は…出たッちゃね。
「発表すると。1年A組、国分亜美…不合格ッ!!!!」




104 :1:2005/10/01(土) 05:06:42

「ふ、不合格…だって?この…私が?」
なんだっつーとねコイツは。
まさか、まだれいなとやろうとしてるんと?

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

「認めない…私はエースになるんだ…ア、アビス・ガアアアッ…」
「くどいっちゃ!!」
バキッ!!
「ア…アビス…」
「しつこいとよッ!!」
ゴキッ!!
「ア…アビ…」
「なんだっつーとね!!」
メシャアッ!!

「もう審査は終わったと!!『不合格』ッ!!あと何回言えばわかるとね!?」
「ご、5回…」
よーしわかったと。
ホント、その執念となめた根性だけは認めるッちゃ。

ドカバキズコボカメキャッ!!!!!!!




105 :1:2005/10/01(土) 05:11:35

ハァハァ…5回、しっかりぶん殴らせてもらったと…これで…
「ア、ア、アビス・ガァ…」
「お、おいオメエェェェェェッ!!!!5回でわかるっつったじゃねえかッ!!」
「エースに…なッ…て…ッ!!」
マジで切れたっちゃ!!!
「あんたみたいなヤツは、やっぱ口で言ってもダメみたいっちゃね…食らうとよ!!」
美貴姉ッ!!あんたの技、ちょっと真似させてもらうっちゃよッ!!!

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!!!!!!!ソリソリソリソリソリソリソリ
リソリソリソリソリソリソリソリソリソリソリソリソリ…!!!!!!!!!!」
ドカバキメシャゴキドカバキメシャゴキドカバキメシャゴキ…

「ソリ!!ソリ!!!!!」
バキィッ!!!!!!!ゴキィッ!!!!!!

「ソリッド・ファイ(硬まりな)」

ドッギャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!

『ア…ギ…』
「石になって反省してろ、アホんだら」

こうして、れいなが審査したラッキー7オーディションは『該当者なし』と
いう結果で終わったっちゃ。
ところでこの部室、どうしよう…デコボコになっちゃったと。


国分亜美 再起不能
スタンド名:アビス・ガール

TO BE CONTINUED…