1 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 21:28:27 0
外伝 銀色の永遠


「お願いします、あたし、どうしても演劇部に入りたいんです」
「ごめんなさい、何度も言うようだけど、無理なんです」
「どうしてですか?あたし、歌には自信あるし、ダンスだっていけますよ」
「う〜ん、確かに実力は認めるけど、それだけじゃダメなのよね」
「それだけじゃダメ?」
「ごめんね、ここはあなたが思っているような部じゃないの。ホント、ごめんね」

そう言うと、演劇部の部長らしい長身の美人の先輩はバタンと扉を閉めた。
それだけじゃダメ?あなたが思っているような部活じゃない?
この美貴がこんなに頭下げてるのに?
「マジうぜぇ」
あたしはドア越しに、部室の中にいる部員に聞こえるようにしてそう言った。
絶対、この中にいる奴らよりは歌うまい自信あるのに。
ま、いいさ。部長に頼んでもダメなら顧問に頼み込むもんね。
あたしの実力は文化祭の有志で亜弥ちゃんや真希ちゃんと舞台上がった時に証明済みだし。
「見てろよばーか!」
再び部室の中に聞こえるような声を出すと、あたしは職員室へと駆け出した。


そう言えば、真希ちゃんがこんなことを言っていた。
「あの部にはマジで入んない方がいいよ、もう普通には戻れなくなるから」


5 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 21:42:52 0
次の日、あたしは珍しく早起きした。
昨日あれから顧問の先生に入部を希望したら、明日の朝、つまり今朝に入部するための
オーディションをしてくれるとの事だった。
ま、楽勝だろう。あたしには文化祭での実績がある。あれ以来美貴はモテモテよw
まだ眠かったが、家を出ると太陽の日差しが瞼を貫き、これから行うオーディションとやらに
自然とやる気が湧いてきた。
「絶対入部してやるかんな」
自分にそう言い聞かせて、学校へと駆け出すあたしはたぶんどの町の女子高生より
輝いているだろう。
ちなみに美貴の町「杜王町」はS市のベッドタウンとして1980年前半から急速に発展した
町らしい。まぁ興味ないんで詳しいことは知らないけど。



6 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 21:54:04 0
学校に着いたあたりから、あたしはらしくない「緊張」を抱えて込んでいた。
さっきまで上履きを左右逆に履いてて気づかなかったぐらいだ。
そういえば、オーディションって何すんだろう。寺田先生何も言ってなかったし。
やっぱ歌とか唄うんだろうか。ダンスとか軽く踊らされんのかな?
体力測定とかしたりして。
やべえ、なんもわかんねー。
自分で自分を余計緊張させてしまった。こんな時に自爆してどうすんだ。
演劇部の部室の前まで来て、あたしは深呼吸した。
もう、先生は来ているんだろうか。
「くそ、あたしは天下の藤本美貴様だぞ。負けッかよ」
自分にそう言い聞かすと、手のひらにかいた汗を制服のスカートで拭い、
あたしは部室の扉を開けた。

8 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 22:07:38 0
「おはようございます」
一歩部室に入ると、さっきまであたしを蝕んでいた「緊張」がサーッと消えていった。
どうだ、これがあたしの強みだ。本番になると強いんだ。
オーディションの内容は知らないし、根拠もないけど、今のあたしには合格して
入部する確固たる自信がある!
部室を眺めると、いろんな衣裳があって、どれもあたしの女心をくすぐった。
「まあ、そこの椅子に座れや」
「あ、ハイ」
いかんいかん、衣裳に見とれてる場合じゃないな。あたしはオーディションしに
来ているんだった。
あたしがおしとやかに椅子に腰掛けると、対面して座っている寺田先生は
どこからか取り出した手帳を読み始めた。
「ふむ。普通科2年6組、藤本美貴。成績はクラスで下から3番目。中学の時は
バレー部。キティちゃんが好きで、友人は美貴の「貴」とキティの「ティ」を
つなげて「ミキティ」と呼んでいる…か」
…なにを言ってるんだろう。
なんだか、嫌な胸騒ぎがしてきた。

24 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 22:36:54 0
「あの先生、オーディションの内容って…どんなものか聞かされてないんですけど」
「ん、せやな」
寺田先生は立ち上がると、あたしの目を睨むようにして見た。
なんだか、あたしの中の「何か」を見られている気がして、心地が悪い。
が、あたしも目をそらしたりはしない。ここで目を離したら、スター失格だ。
藤本美貴はスターになるんだッ!!
「いい目や」
「え?」
目つきが悪いとはよく言われるけど。
「俺らーはな、ナイフを集めてンねや」
「ナ…イフ?」
「そう、大量によく切れるタフなナイフやねんけど・・・」
その時、あたしは先生の手に二本の棒が握られているのに気がついた。
い、いや…これは…棒じゃない。
弓矢だ、しかもとてつもなく古い。なんか、何百年も経ってるッ!そんな感じだった。
「さて藤本、オーディション始めよか…」
そう言うと寺田先生は、あたしに向かって弓矢を引き始めた!
「せ、先生!一体なんのマネですかッ!!」
「動くなや、狙いが定まらん」
狙いが定まらんって…こいつマジだ!
「て、てめえッ!何考えてんだよ!それをこっち向けんなッ!!」
あたしは立ち上がり、部室から逃げ出そうと走ってドアに近づいたが…
ドスゥ!!
あまり発育していない胸元を見ると、さっきまで寺田先生が持っていた矢の刃先が
胸の辺りから突き出ていた。
バリバリバリ…ドッパアアアアアアアァァァァ!!
「う、うげ…」
体の中を電気が走ったようだった。
いやだ死にたくない。あたしはスターになるんだ。美貴は…
「お…お母さ…」
そして、目の前が真っ暗になった。

46 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 23:38:50 0
「今朝アンジェロ岩の前とおったらさ〜アギッとか声出したの」
「はあ〜お前寝ぼけてんじゃないの?」
「いやマジよマジ!」
「じゃあ放課後見に行こうぜ」

ったく、朝っぱらからでけー声で話してんじゃねーよ。
朝のHRが終わって、あたしは机に突っ伏していた。体がだるい。
せっかく早起きしたのに遅刻とかサイテー。
今朝は早起きして、寺田先生のオーディションを受けに行った。
そして、なんか知らないけど弓矢で射抜かれて、死ぬ夢を演劇部の部室で見た。
そして朝のチャイムで目を覚まし、あたしは演劇部の部室でぶっ倒れていた。
演劇部の部室でオーディションを受けに行ったのは事実だ。
でも、弓矢で射抜かれたのは夢だったんだろうか。
なんとなく射抜かれた矢が突き出た胸をさすってみる。
うん、胸もなけりゃ傷もない。
緊張のしすぎで、オーディションの後そのまま寝ちゃったのかな。
でも、オーディションの内容ってなんだっけ?
「ミキティ〜今日で通算8日連続遅刻じゃんよ〜」
思案してるあたしに、数少ない友達の一人である後藤真希が話かけてきた。
「あんただって、また髪の色注意されてたでしょ。いい加減その金髪やめたら?
プリンになってんよ」
「これはごとーの黄金の意思の表れなの」
「あっそ…あ、あのさぁ」
「なあに?」
今日変な夢見てさ、先生に矢で射抜かれてさ。
「いや、やっぱなんでもない」
「なにそれ」
こんなこと言っても、誰だって夢としか思わないしね。それにしても体がだるい。
「あたし保健室行って来るわ」
「はあ?一コマ目から?」
「うん、ちょっとマジにだるくて」


47 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/06(火) 23:56:37 0
保健室は、やはり朝っぱらだからか、サボりできた生徒もそれ以外の生徒もいなかった。
「あらミキティ、こんな早くからサボりにきたの?」
「いや違いますよ。マジで体がだるくて」
「ふ〜ん熱は?」
「ないと思うけどなあ」
「どれどれ」
保田先生はあたしのおでこに手を当て、自分のおでこにも手を当てていた。
ちょっとあたしには照れくさい行為である。
「センセ、ガキじゃないんだから平気っすよ…」
「すごい熱!!」
「へ?」
すごいのは保田先生の表情だと思った。
「すぐ横になりなさい!!」
「はぁ?う、うん…」
まぁ横になりにきたつもりだからベッドには入るけどさ。
「今薬持ってくるからね!」
「薬ィ!?いいよ、んな大げさな!!」
あたしの声なんか耳に入ってない様子で、保田先生は保健室から出て行った。
…熱なんかあるかな。むしろ熱出してんのは保田先生の方じゃないかと思った。
あんな騒がれたら、自分では大したことなくても不安になるじゃん。
あーあ、今日は奇妙な事ばっかだなぁ…一時間だけ寝よ。
きっと疲れてんだ。あたしはうつ伏せになって枕を抱いた。


48 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 00:22:45 0
「ミキティ…」
「ミキティ起きなさい…」

う〜ん…保田先生の声がする。
「ったく起こすなよ、眠りかけてたのに…」
「お薬の時間よぉ〜」
「だからいらないって…」
だるい体で仰向けになるとビンをもった保田先生が立っていた。
「ミキティ〜ッヒッヒィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!」
そのビンをあたしの顔の上に持ってくると、ビンの口を逆さにした。
硫酸だ!!
直感で気づいたあたしはベッドから転がるようにして逃げた。
「いってえ!!」
勢いよく床に落ちて身体を打ったが、痛がってる余裕もない。
「な、なに考えてんだよオメーッ!!」
「オメェ?」
空にしたビンを床に捨てて、保田先生は近づいてきた。ベッドからは、
丁度あたしの頭があった位置がシュワシュワいっている。
「先生に…」
やべぇ、壁側に逃げちまった。
「オメェだなんて口の聞き方…」
ドアはあっちか…に、逃げられない!
「許さないわよミキティイイイイイイイイイイイイイイッ!!
「うげっ」
保田先生は片手であたしの首を締め上げる。
「な、なんだ…女のパワーじゃないぞ…これ…」


49 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 00:34:13 0
くそ…このままじゃ落とされちゃう…
その時、保田先生の口からヨダレが垂れているのに気がついた。
眼もイッちゃった眼をしている。と言うか、意識がなさそうな眼つきだ。
ふ、普通じゃないぞこれ。
よく見ると、保田先生の口の中に何かがいる。
「ミ〜キ〜ティ〜…」
「なんだこ…れは…口ン中に金色の変なもんが…」

「やっぱり…見えるのね、あたしの『ザ☆ピース』が…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


50 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 01:02:26 0
どこからともなく聞こえた声の主を探そうと、あたしはここから見える範囲で
目を保健室中に配らせた。
そして、見つけた。
あたしと保田先生以外にも、保健室にいるヤツがいたのだ。
そいつはあたしが寝ていたベッドの隣のベッドの下の隙間から頭を出していた。
「て、てめぇはッ!?」
「あたし?」
そいつはベッドの下から出てくるとベッドの上に立った。
「デリバリピザ!いつも悩む!!世界一可愛いチャーミングな笑顔を持つ乙女!
モーニング娘。第3の首!その名も石川梨華!!!」
「い、『いしかわりか』だとぉ…」
「ま、演劇部員なんだけどね。スタンドの名は『ザ☆ピース』よ」
こいつ、一体何を言ってるんだ?
「スタ…ンド…?何だ…それ」
「スタンドとは魂のビジョン!意思の強さ!あなたももう持っているはずだけど…
スタンドはスタンドを使うものにしか見えないから」
ぐぐっと保田先生のあたしの首に手に込める力が強くなった。
「あ、そうそう。あたしの事はチャーミー石川って呼んでね☆」
「い、いしかわ…こいつを止めろ…」
「チャーミーと呼べと言ったろうがああああああああああああッ!!お前!人の話は
聞いてないし態度もでかいなッ!!!絞め殺す!!!!!!!!!!!!」
「ふん、チャーミーだかなんだか…知らないけど…」
保田先生、ごめんなさい。
「ふざけた劇は舞台に立ってからやりやがれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
ゴキィッ!!!!!!!!!!!!!!!!
あたしは保田先生の口に頭突きをかました。



51 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 01:09:24 0
すると、どうだろう。
保田先生は力なく床に倒れ、石川梨華とかいうバカも頭を抱えているではないか。
「いっつ〜…」
「ハァ…ハァ…一体なんなの?」
「ついにスタンドを出したわね…藤本美貴!!」
「え?」
自分でも気づかなかったが、背後になにかが立っている。
「こ、これは…」
銀色に輝くこいつは…

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


54 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 01:39:38 0
両肩に電車の車両のような鎧、胸からも電車が突き出しているこの華奢な戦士は…
『ブギートレイン03』
ふと、そんな単語が頭に浮かんだ。
「保田先生からあたしを追い出した事…」
石川梨華の背後には、あたしと同じように金色のフリフリ人形が立っていた。
「後悔させてあげるわよミキティ〜…」
石川梨華がそう言うと、背後の金のフリフリ人形の指が眩い光を放ち始めた。
「なんだ…ヤツの指がキラキラと…」
「そう…これは破壊のビジョン…あたしはね、どんな事だってするよ」
その時、石川梨華の人形(ザ☆ピースとか言ってたな)の指がすごいスピードで
伸びてきた!!
「くらえ!!チャーミングフィンガー!!!!」
「うわあああッ!!!」
ドスッ!
襲ってくるうちの一本の指が、あたしの腕に刺さる。
「刺されたッ!いってえ!!」
「間髪いれずにほとんどの『指』から逃れるとは…でもあたしのチャーミングフィンガーの
威力は絶対のはずよ。悪いとこがあったら教えて?ねえ?」
ピリリリリ…
その時、あたしのブレザーに入っている携帯電話が鳴った。どうやらマナーモードに
するのを忘れたらしい。
「何よ、人が真剣な勝負してる時に。電源切ってよ。あたしのことぶっ殺したくて
そのスタンド出したんでしょ!?」
こ、こいつ狂ってる!!
「ま、いいや。もう勝負はついたようなもんだし。周りを見てごらんッ!」

バーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「こ、これは…ッ!」

61 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 02:07:18 0
「こ、これは…ッ!」
天井に張り巡らされた無数の金の糸。それは石川梨華のザ☆ピースの指
から伸びていた。
もっと詳しく言えば、指が伸びて糸になっていた。
「あたしのスタンドはね、力がないの。でもその代わりにどこまでだって伸びる
ことができるし、人の身体の中に入って操ることだってできる…」
「ずいぶんゲスな能力なのね」
「自分のスタンドの力もわかってないあなたに言われたくないわ」
「あたしのこいつにも何か能力があるの?」
「そうね。あたしとはまた違う能力があるはずよ。見た感じ、近距離パワー型と
見たけど…強いか弱いか、利用できるかできないかはわからない」
なるほど、つまりあたしのこいつ『ブギートレイン03』にも何か能力があるのか…
で、でもそんなんどうやって知るんだよ!!
「さ、雑談はこのくらいで終わりにしましょ」
石川梨華があたしを指差す。
「このチャーミー石川の『指』十本はッ!すでにッ!あなたを捕らえているッ!」
「うっうっ…」
くそッ!どうする…!!!
「くらえッ!半径五メートル・チャーミングフィンガー!!」
やられるッ!そう思ったときは遅かった。天井から指が襲ってくるとばかり思っていた。
片手5本の指は天井から襲ってきてかわすことができた。
しかし、もう片方の5本の指は纏まってベッドの下からドリルのように襲ってきたのだ。
グショオ!!

胸に刃物が刺さったのは、今日で二度目か…今度こそ死ぬかな、痛みがリアルだし。
いや!あたしは死ねない!!あたしはスターになるんだッ!それまで死ぬもんか!!

「…もんか…」
「ん?なんか言った?」
「ブギートレイン…オオォスリイィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!!!!!!!」


62 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 02:27:01 0
ぬるっとした血の感触をさっきあたしは覚えた。
石川梨華のスタンドの指のドリルと一緒に胸から噴出したから。
あれは致命傷だったと思う。あれであたしは死ぬはずだった。
だが、無我夢中で自分で名づけたスタンド『ブギートレイン03』の名前を叫んだ時。
列車の出すプワアァァァァンという音と共に、あたしは…

ピリリリリ…
「何よ、人が真剣な勝負してる時に。電源切ってよ。あたしのことぶっ殺したくて
そのスタンド出したんでしょ!?」
さっき体験したはずの時間に戻っていた!!
「ま、いいや。もう勝負はついたようなもんだし。周りを見てごらんッ!」
「こ、これは…ッ!」
どういうこと?あたしは確かにさっきこいつの指に貫かれたはず!
「あたしのスタンドはね、力がないの。でもその代わりにどこまでだって伸びる
ことができるし、人の身体の中に入って操ることだってできる…」
も、戻ってきている!ついさっき体験したばっかの時間に戻ってきているッ!
「ふふ…ザ☆ピースの凄さの恐怖に声も出ないようね」
石川梨華があたしを指差す。さっきとまるで同じポーズだ。
「このチャーミー石川の『指』十本はッ!すでにッ!あなたを捕らえているッ!」
言ってることも同じかよ!もし、そうだとするなら…!
「くらえッ!半径五メートル・チャーミングフィンガー!!」
さっきと同じだとするのならッ!!
あたしは咄嗟にベッドにダイブした。
天井からは5本の指が床に突き刺さり、ベッドの下から突き出てきた5本纏まった
指のドリルは空しく壁に突き刺さった。
「な、なにいィッ!!」
すべての攻撃を外してしまった石川梨華が、驚愕した。



64 名前:名無し募集中。。。 :2005/09/07(水) 02:46:47 0
「バカな!あたしの完璧かつ巧妙な作戦が!!」
石川梨華は同様して、うろたえているようだった。
これを逃す手はないッ!!!
「この野郎ッ!」
あたしはブギートレイン03を無意識に動かして、ザ☆ピースのベッドの下の隙間から
伸びている指のドリルを殴った。
ボキボキボキッ!!!!!
金色の指の芯が折れたような感触があった。指のドリルはへにゃへにゃと曲がり、
床に落ちてしまった。
「ぎゃあああああああああああああっ!いったあああああああああああああい!!!!」
刹那、石川梨華が泣き叫ぶ。右手の指がグシャグシャに折れて曲がっていた。
そうか、スタンドへの攻撃はそれを操っている本体へのダメージにもなるのか!
「ミキティ…なんであたしの攻撃が…」
「さあね、自分でもちょっと頭の整理ついてないからわかんないけど…」
あたしは石川梨華の前に立ってこう言った。
「この勝負、美貴の勝ちってことで」
「ひっ」
石川梨華のスタンドが動く!やらせるもんかッ!
「おおおぉッ!ゴールデンゴール決めてッ…」
「いやあああああああああああああああああああああああああ…」
「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV
VVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドッギャ〜ン!!

石川梨華  再起不能  
スタンド名:ザ☆ピース 

TO BE CONTINUED…