234 :963:2006/12/06(水) 21:25:26.34 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜1


「え〜・・・みなさん!ついに今年もこの季節がやってきました!待ちに待った秋です!
そしてもちろん!秋と言えば・・・・・・・・スポーツだぁーーーーーーーーーーー!!!!!!

!!」
説明役の体育教官のテンションの高い挨拶だ。まったく鬱陶しいことこの上ない。
そう,今日はぶどうヶ丘高校全学年で球技大会があるのだ!

「ねぇねぇミキティ〜今回の種目はなんだろうね〜?」
後ろから真希ちゃんが話しかけてくる。

「さぁね〜?どうせバレーとかじゃね〜の?」
「私ねぇ〜意外とバレー得意なんだ〜だからほんとにバレーだったらいいな〜」
「まぁ美貴は〜全部得意だから何でも良いけどねぇ〜?」
「うっそだぁ〜」
真希ちゃんはおもいっきり怪しげな顔をしている。

「うそじゃないって!見てなよ、絶対勝たせてやっからさ!」
美貴は自信満々に言い放った!


235 :963:2006/12/06(水) 21:29:24.20 0
「お〜い!静かにしろ〜!種目発表するぞ〜!!」
体育教官がそう叫ぶとざわついた生徒たちが静かになっていく・・・

「・・・・・よし!それでは発表します!今年の種目は・・・・」
体育教官はそこで無駄にためる。



ゴクリ・・・



全生徒たちは息をのみながら体育教官に注目している。
種目一つで得手、不得手ややる気が大きく変わってくるからである。
そして十分にためた後体育教官は口を開いた・・・



「ドッジボールだぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」



  バァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!





236 :963:2006/12/06(水) 21:32:25.56 0
・・・・・・・はい?いったい何だって?ドッジボール?
なんてこった・・・・
め、めちゃくちゃだりぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

「しかも今回は特別企画!1年〜3年まで合同です・・・題して・・・・」


“先輩後輩共々恨みっこなしよ?『下克上』ドッジボール!”


「マジかよぉ〜なんで美貴たちがそんなもんやらなきゃなんないわけ?
あぁ〜〜〜〜マジで最悪だよぉ〜〜〜〜」
美貴は止めどなく押し寄せる不満をはき出す。

「んぁ〜ドッジボールかぁ〜小学校以来で血が騒ぐぽ!」
真希ちゃんは案外乗り気なようだ。

「えぇ〜ドッジとかつまんね〜じゃんかよ〜動き回って疲れるだけじゃんか〜
しかももしかしたら演劇部員ともやらなきゃならないかもしれないんだぜ?」
「なんで〜?それが楽しいんじゃ〜ん!ほら!行くよ!」
真希ちゃんは美貴をつかんで引っ張っていく。
「え!い、いやだ!美貴は、絶対にサボるんだぁーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・



237 :963:2006/12/06(水) 21:35:00.06 0
チクショウorz
今美貴はグラウンドで真希ちゃんと亜弥ちゃんと一緒にキャッチボールをしている・・・
やる気満々の真希ちゃんにがっちり捕まれてしまい逃げられなかったのだ。

「みんな!勝つよ!」
「がんばるぽ!」
「・・・・・・・・・」
「もー!美貴たん!テンションあげてガンバローよ!」
どうやらこの特別企画に亜弥ちゃんもノリノリだったようで
真希ちゃんと一緒に盛り上がっている。

「だってさ〜まったくやる気起こんないんだも〜ん」
「さっき絶対勝たせるって言ったの誰だったかな〜?」
「ぐっ!?むぅ〜〜〜・・・」
くそ〜意地張ってあんなこと言うんじゃなかったぜ〜。

突然!スピーカーからの声が運動場に鳴り響く!
「は〜い注目〜!今から対戦カードを発表します!ボードを用意してあるので
見ておくように!以上!」
どうやら時間が来てしまったようだ。でもどうせもう逃げられないんだから
とりあえずやってやるか!



ざわざわざわざわ・・・・・・・・・・・・



対戦カードの張られたボードの前ではたくさんの生徒が一喜一憂している。


238 :963:2006/12/06(水) 21:37:38.46 0
「え〜と美貴たちの相手は何年の何組とかな・・・と」
「oi!ミキティ!」
美貴が表を見ていると隣からニヤニヤした麻琴が話しかけてきた。

「なんだ麻琴かよ。今対戦カード見てんだから邪魔すんなよな!」
「oioi、ワタシが話しかけてきたってことは・・・・分かるだロ?」
「・・・・・なるほどそういうことかよ!それじゃあ楽勝だ・・・・・」
美貴はそういいかけてとあることを思い出してしまった。

「藤本さん!お互いがんばりましょうね!」
「まぁ誰が相手でも勝つのはあっしらやよ!」
「ま、そういうことだからこっちも負けねぇゼ?」
くっ・・・麻琴のクラスにはこの3人がそろっているのを忘れてたぜ・・・・

「なにそれ〜こっちだって負けないからね〜だ!」
「そうそう!ごとーたちも負けちゃいないもんね!」
近くにいた真希ちゃんと亜弥ちゃんが麻琴たちの発現を聞いて反論した。
「そ、そーだ!てめーら後で後悔すんじゃねぇぞ?」

「それはこっちの台詞がし!」
「その通りだゼ!oi!」
「ほらほら!張り合ってないで行くよ!二人とも!それじゃあまたあとで会いましょう」
こんこんが二人を諭して連れて行く。

「ちっ!いきなり強敵だな・・・・それになんか嫌な予感がするんだよな〜」
「大丈夫!私たち3人がそろえば怖いものなしだぽ!!」
「そうそう!返り討ちにしてやるんだから!」
どうやら二人の闘志はさらに燃え上がってしまったようだ。
やっぱりただでは済みそうにないな・・・・


271 :963:2006/12/07(木) 23:25:07.96 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜2


「それでは第一試合を始めます!互いに礼!」
両チーム一礼するとぞろぞろとコート内に入っていく。

「全員準備はできたか?それでは・・・・始め!!」
審判が試合の開始を告げる。

先攻は美貴たちからだ。
「それじゃあいくぜ!真希ちゃん!亜弥ちゃん!」
「OKだぽ!」
「まっかせといて〜!」
中に美貴と真希ちゃん、外野に亜弥ちゃんが入りちょうど“三角形”だ


272 :963:2006/12/07(木) 23:26:39.30 0

「オラァ!」


ドゴォ!!!


「せい!」


ドガァッ!!


「んあぁ!」


ズガッ!!!!


美貴たちのトライアングルアタックに麻琴チームの生徒は次々と脱落していく!

「ちょろいちょろい!美貴たちにかなうと思ってんのか・・・よっ!」
「oioi・・・ワタシたちのこと忘れてねぇカ?」
「何っ!?」


バシィッ!!




273 :963:2006/12/07(木) 23:29:36.06 0
美貴のボールが受け止められた。もちろんそれをとった相手は・・・・

「ちっ!やっぱてめぇかよ・・・麻琴!!」
「こんどはこっちの番だぜ・・・oi!!」


ドスッ!!!


「やっと出番がきたやよ〜☆」


ズンッ!!!


「まったく・・・半分はやられてしまいましたね・・・・しかし!!!」


ガスッ!!


「こっちだってまだまだ負けてねぇゼ!!!oioioioioioioi!!!!!」



  ドガドガドガドガドガドガドガドガドガッ!



麻琴チームは3人とも最初は外野で少なくなってから内野に入ってきたようだ。


274 :963:2006/12/07(木) 23:33:37.10 0
「まずいぜ・・・こっちも3分の1はやられちまった・・・しかもあいつら体力温存してやがった


それに麻琴はボールのスピードががめちゃくちゃはぇぇ!!このままじゃあ・・・・・・あ?」
美貴は見えてしまった・・・麻琴が投げる瞬間に見えた緑色の腕を・・・

「どおりで速いわけだ・・・しかし種が分かったところでどうやって止めれば・・・・あっ」
「美貴た〜ん!ごっち〜ん!ごめんねぇ〜〜〜!」
少なくなった内野に入ってきてすぐに亜弥ちゃんが『神速弾』の餌食になってしまった!!

「し、しまったぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「ど、どうしよう!まっつーがやられちゃた!!これは確実にやばいぽ!!」
「ちっくしょ〜あの野郎きたね〜!!」
美貴は麻琴をにらみつけた。

「どうやら気づいたようだな?oi・・・でも・・・分かったところでどうにもならねぇゼ!」
麻琴は容赦なく神速弾を放ってくる!!



275 :963:2006/12/07(木) 23:36:56.70 0
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
足下に来た神速弾をかろうじてジャンプで避ける!

「くそっ!初戦敗退なんて美貴のプライドがゆるさねぇ!なんとか!なんとかして
神速弾を破らなくては!!!」
「ぶぉぉぉぉぉぉ!!!」
真希ちゃんはそう叫びながらジャンプで神速弾を避ける!


!!!!!!!!!!!!!!!!!!


美貴はさっきの光景を見てピーンときた!
「見えたぜ・・・・神速弾を破る方法がな!!!」




  ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!




276 :963:2006/12/07(木) 23:40:22.89 0
「ぶつぶつ言ってんじゃねぇゼ!oi!」
麻琴は美貴に向かって神速弾を放ってくる!

「よっと!」
「何ぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
麻琴の神速弾は強烈な威力!だからこその弱点がある!
それは足下を狙わなくてはならないということ!
なぜならクラスメイトにそんなものがとれるわけがないからだ!
だから美貴は麻琴が投げた瞬間後ろに跳んだのだ!

「ふぅ〜〜〜〜ようやく美貴たちの番だぜ〜〜〜これでもくらえ!」
美貴は下投げでボールを放つ!

「oioi・・・下投げかよ〜そんなもん・・・・・・ぐぉ!!!!」
下投げにあきれていた麻琴にボールがヒットする!!!!

「満月の流法・・・ボールの時間をほんの数秒戻してやったぜ・・・ボールはあんたが
投げたスピードであんたに戻る!!」

「ちくしょう・・・やられちまった・・・こんこん!愛ちゃん!後はまかせたゼ!」
「特攻隊長の麻琴がやられてしまうとは・・・しかし、まだ負けたわけではありません!」
「その通りやよ〜あっしもまだまだピンピンしとるし・・・・・・」


「「勝負はまだまだこれから!!!」」



277 :963:2006/12/07(木) 23:44:14.24 0
「な〜に言ってんだよ。お前らに麻琴以上の攻撃力があるとでも?」
「・・・その言葉・・・後悔するときが来ますよ・・・・・・?」
「言ってな!真希ちゃん!準備は?」
「OK〜〜〜!」
「オラァ!」


ドゴォォォン!!!!


麻琴チームの生徒が美貴のボールをくらって吹っ飛ぶ!
「むっ!?やっぱりブギートレインですか!!」
「あったりまえよ!!!これでもうお前らに勝ち目はねぇな?」
美貴はさらにクラスメイトたちに向かってボールを放つ!!

「むむむ・・・・わかっていたことですが・・・予想以上に威力が高いですね・・・
愛ちゃん!!!」
「・・・・・わかったやよ〜」


ガシィィィィッッッ!!!!!!



278 :963:2006/12/07(木) 23:48:03.89 0
「くっ・・・・・・」
「なっ!?美貴の剛速球が止められた!?」
「ありがとう!愛ちゃん!今は後ろに下がってて!」
「それじゃ・・・ありがたくそうさせてもらうやよ・・・・」
愛ちゃんはよろめきながら後列に下がっていく。

「美貴のボールを止めたのは驚いたが・・・戦力が半減しちまったなぁ〜
それにこっちは真希ちゃんはまだまだ元気なんだぜ?」
「もりもりだぽ!」
「フッ・・・そんなことはありません。今からは私一人で十分ですよ・・・」



  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ・・・・・


322 :963:2006/12/09(土) 15:47:59.59 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜3


「随分とでかい口たたいてるけどほんとに大丈夫か?
ま、手加減する気なんかさらさらねぇけど」
「それはこちらの台詞ですよ・・・すぐに後悔しますよ・・・」
といいながらこんこんは外野にボールを送る。

「なんだ?後悔させてくれるんじゃなかったっけ?」
「しますよ?そう、すぐにね」
こんこんのその言葉の後、いきなり外野からボールが放たれる!

美貴は軽々と避ける。
「おっと!・・・ってこの程度かよ?こんなもん避けるほどでもなかったかもな?」

「やはり藤本さんには一筋縄ではいかないようですね?」
そういいながらこんこんはボールを真希ちゃんの足下に向かって投げる。

「こんなもん当たらないぽ〜」
そう言いながら真希ちゃんは後ろに跳ぶ!
が!真希ちゃんがいきなり体勢を崩し尻餅をついた!
「qあwせdrftgyふじこlp;@」
そして・・・


バシィン!




323 :963:2006/12/09(土) 15:50:43.05 0
真希ちゃんはボールをとることができず当たってしまった!
「ま、真希ちゃん!大丈夫か?それになんでいきなり尻餅なんてついたんだ?」
「だ・・・大丈夫・・・それがさ・・・何かにつまずいたんだぽ・・・」
「と、とりあえず保健室行ってきなよ。ここは美貴が何とかすっからさ?」
「わ、わかった・・・」
(しかし・・・・つまずいただって?跳んだのに?)

「ね?後悔したでしょ?」
こんこんは不敵な笑みを浮かべている。

「ちっ!てめぇら何しやがった!」
「何って・・・ボールを投げただけですが・・・それが何か?」
(考えろ・・・なぜ真希ちゃんがこけたのか・・・
でないと美貴も二の舞になっちまう・・・)
「ぼんやりしてていいんですか?」
「!!!!!!!!!!」
その言葉に美貴は急いで後ろを振り向く!

「なんだよ・・・まだボールきてねぇじゃん・・・・・??」
なにかおかしい・・・この状況でなくてはならない物が・・・・


ハッ!


「なんだ!?ボールが見あたらない!?これじゃあ誰が持ってるのかがわからねぇ!!」
「さ〜て、いったいどこからくるでしょう〜〜?」
美貴は前後左右を見回す。
(どこだ・・・どこからくる・・・)


324 :963:2006/12/09(土) 15:53:12.28 0


ドシュッ!


(!!!後ろか!)


バッ!


美貴はすぐに後ろを向いてボールをとろうとした。


コツッ・・・


「こ、これは・・・」
美貴の足下に小さな凸ができている!

「あら〜跳ぶと思ったんやけどねぇ〜?」
「真希ちゃんのこけた原因はこれか・・・はっ!」
(そういえばボールが迫ってきてるんだったーー!!)


ドンッ!




325 :963:2006/12/09(土) 15:56:11.37 0
美貴はいきなり誰かに押され、ボールの軌道から体が離れる。
だがその代わりに押したやつがボールに当たった。
「あ、あんたは!!!・・・・誰だっけ?」
「ちょっ!お前なぁ〜〜クラスメイトの名前ぐらい覚えててくれよ・・・ま、いいけどさ?
とにかくだ!すまねぇが男子はダメダメだ!まったく戦力にならねぇ!
だからもう頼りはミキティだけなんだ!だから絶対に勝ってくれよな!」
「お、おう!まかせとけ!」
名前は知らないがクラスメイトが外野に下がっていく。

「こりゃ負けられねぇなぁ・・・・」
美貴はそばに落ちているボールを拾う。

「ついでに言うとさ、もうお前らの手口はさっきのですべて読めちまったぜ?」
「な、なんですって!?」
「まず、外野にボールを回してクラスメイトに後ろとかに隠しておいてもらう。
麻琴はあえて使わずにな。そして美貴の死角からボールを投げる。
ここまではいいが、それはある種のフェイク・・・
本当の狙いはそれを避けるために跳ぶことにあった!」
「むむむ・・・・・」
「クラスメイトたちにどう仕込んだかはしらねぇが、
LA・ルノアールのせり出しが足を引っかけて倒れた無防備な時に
当たるっていう仕組みだ・・・・そうだろ?」
「さすがですね・・・・でも!次はそうはいきません!」
「次なんてねぇよ・・・もうお前らにボールは回さねぇ!!」
美貴のボールがこんこんに向かってすごいスピードで打ち出される!


ドガァッ!!




326 :963:2006/12/09(土) 15:58:19.08 0
「ぐっ・・・!!!愛ちゃん!ごめんね!」
「・・・勝負やよ!あんたには負けんがし!」
愛ちゃんはそう叫びながら美貴に指を突きつける!!!

「さ〜て、ボールは今どこかな?」
美貴はこんこんのまねをしながら言った。

「はっ!」
「もう遅せぇぇぇぇぇぇ!!!亜弥ちゃん!」
そう、さっきこんこんを当てたボールがすでに亜弥ちゃんに渡っていたのだ!

「真希ちゃんの仇ぃ〜〜〜!!!!」
亜弥ちゃんが愛ちゃんにボールを投げた!

しかし、その瞬間愛ちゃんがニヤリと微笑む。
「そんなんお見通しやよ」


パシッ


愛ちゃんはすぐに振り向くと軽々とボールをキャッチした!
「な、なんで捕れんだよ!」
「あれあれ」
愛ちゃんは美貴の後ろを指さす。


327 :963:2006/12/09(土) 16:01:11.52 0
「あ?・・・・・・あぁーーーーっ!!!」
麻琴がジェスチャーで後ろからボールが来ることを教えていた。

「まさかそんな古典的な手を使ってくるとは・・・」
「古典的で結構がし!でも、そのおかげでまたこっちの番やよ〜☆」
(やばい!やばすぎる!外野からは麻琴の神速弾がくる!かといって
前を気にしないわけにも・・・・どうすりゃいいんだ!!)

「ほらほら!考えてる暇なんてないやよ!」
愛ちゃんは容赦なくボールを投げてくる!

「ちぃっ!考える暇ぐらいよこせよな〜」
時間を稼ぐためにとりあえず避ける。

「oioi・・・避けていいのかヨ?」
ボールを麻琴がキャッチする。

「いいんだよ!しかし・・・どうすっかな〜」
(こっちは4人向こうは5人か・・・・)
「oioi・・・焦りすぎてな〜んか忘れてねぇか?」

「もらいましたよ!藤本さん!」
麻琴が持っているはずのボールが横から飛んでくる!


328 :963:2006/12/09(土) 16:04:53.09 0
麻琴は軽い神速弾で横にいたこんこんに高速パスをしていたのだ!!!
「おお!?オォォォラァァァァァッ!」


ドゴォッ!


「な!?」
「避けられそうになかったなら・・・こうするしかねぇよな?」
今ボールはどこにあるのか・・・それは・・・

「だからって・・・打ち上げるなんて・・・・」
美貴は落ちてくるボールを楽々キャッチする。


「そんじゃ・・・いくぜぇぇぇ!!!!」
美貴はブギトレで本気で投げつけた!!!

「負けねぇぇぇぇぇぇ!!!」
愛ちゃんは手を広げて構えている!!


 ポォ〜〜〜〜〜〜ン・・・・


「な〜んてなw」
「えっ!?」
ブギトレはただのフェイク!本気のフリをしてボールを外野に回すためだ。
その目的は・・・・・


329 :963:2006/12/09(土) 16:08:09.81 0

「頼んだぜ!“真希ちゃん”!」
「なっ!?そんなばかな!保健室にいるはずじゃ!?」
「ぶぉぉぉぉぉぉ!!!!」
上空に浮いたボールに真希ちゃんが追いつく!

「ごとーはそんなにやわな体じゃないぽ!アァァタァァァァァッッッックゥゥゥゥゥ!!!」
真希ちゃんはバレーのアタックのようにボールを打ち付ける!


ドガァッ!!


「そ、そんな・・・ばかな・・・・」
真希ちゃんの豪快なアタックは愛ちゃんのみぞおちにめり込んだ!


ドサァッ!


愛ちゃんはその場に崩れ落ちる。
「ふぅ・・・危なかったが・・・これで勝負はもらったな!」

その後、麻琴チームの残りは言うまでもなく美貴が蹴散らしたのだった・・・


330 :963:2006/12/09(土) 16:10:39.71 0
「試合終了〜!!!」
審判が試合の終わりを告げた。試合は美貴たちの辛勝だったが・・・勝った!!!


  バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!


「ふぅ〜あっぶねぇぜ〜しかもまさかスタンドつかってくるなんてよ〜
思いもしなかったぜ」
「腕だけだからなんとかなるか思いましたが・・・やはり少々無理があったようですね」
「あったりめぇだ!美貴を舐めんなよ?」
「まったく・・・虹村くんたちがサボらなければこんなことには・・・・」
「あいつらか・・・確かにあいつらがいたら確実に負けてたな。
っとそれよりだ!愛ちゃんは大丈夫なのかよ?」
「ええ、特に問題はないようです。でも一応心配なので麻琴にたのんでおきました。
本人は大丈夫と言ってますがね」
どうやら愛ちゃんは強制的に保健室送りになったようだ。

「そっか!ならいいんだ。それじゃぁな!」
「2回戦がんばってくださいね!応援してます」
「おう!まかせとけ!」
そう言って二人はお互いのチームに戻っていった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





331 :963:2006/12/09(土) 16:12:39.00 0
「やった!やった!美貴たんナ〜〜イス!!!」
戻るとすぐにテンションMAXの亜弥ちゃんが抱きついてきた。
「まっかせてよ〜でもま、元から美貴は球技得意だから〜♪」
「え〜うっそだぁ〜」
亜弥ちゃんも真希ちゃんと同じ反応をする。

「な、なんだよ亜弥ちゃんまで〜・・・あれ?そういえば真希ちゃんは?」
「保健室!ついでに次の対戦相手見てくるって!あ、帰ってきた!おーいごっちーん!」
亜弥ちゃんは陽気に手を振っているが・・・・真希ちゃんは浮かない顔をしている。

「どうした?なんかあったのか?」
「次の相手・・・亀井ちゃんのクラスだったぽ・・・」
最悪だ・・・またスタンド勝負になっちまいそうだ・・・


15 :963:2006/12/15(金) 01:40:20.54 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜4


『は〜い!第一試合に勝ったチームはグラウンドに集合してください!
第二試合始めますよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!』
またテンション↑↑の体育教官のアナウンスが鳴り響く。

「あいかわらずうるせぇな〜もう少し落ち着けないのかねぇ?」

「「無理」」

「だよな」


「藤本さ〜ん!!!」
「お〜い!もっさ〜〜〜ん!」
来やがったか・・・・亀垣コンビ!!

「えへへ〜お互い頑張りましょうね〜さぁテンションあげて!はい!
ピコピコピコピコ〜〜〜♪」
「コラ〜〜〜〜!!!亀!あんまり調子に乗りすぎるんじゃない!」
「えへへ〜ごめんごめん!」
なんだこいつら・・・超うぜぇ・・・


16 :963:2006/12/15(金) 01:43:24.16 0
「お前ら漫才しに来たのか?」
「ちょっ!ちがいますよぉ〜僕らはですねぇ・・・」
「もう!話が進まないでしょ!亀は少し黙ってなさい!」
「はぁ〜い・・・」
「さて、私たちが言いに来たのはただ一言!この試合・・・勝たせてもらうのだ!」
「そりゃぁこっちの台詞だっつーの!ボッコボコにしてヒィ〜ヒィ〜言わしてやるよ!」
「あの〜藤本さんこれ喧嘩じゃないんですけど・・・」
「それぐらい完璧に勝ってやるっつってんの!」
「僕達はそう簡単には負けませんよ〜?なんたってこっちには秘密兵器が・・・」
「コォラーーーーーーーーーー!!亀!何言ってんの!ほら!戻るよ!」
亀がガキさんに説教されながらクラスに戻っていった。

「あいつらもう少しおとなしくできないもんか?」

「「無理」」

「だよな」


「しかし・・・いったいなんだったんだ?あいつら」
「美貴たん!始まるよ!」
「お、おう!」
(秘密兵器か・・・いったい何用意しやがったんだ?)


「え〜それでは!第二試合を始めます!互いに礼!」
両チームがコート内に入り内野と外野に分かれる。


17 :963:2006/12/15(金) 01:46:42.26 0
「よ〜し準備はできたな?それでは試合開始!!」
次の先攻は亀垣チームからだ。が・・・とんでもないものが目に入る!

「おいおい・・・何の冗談だ・・・?」
なんとどこから湧いてきたのかしらないがムッチムチマッスル野郎が立っているのだ!

「冗談なんかではないのだ!これが秘密兵器!スーさん!!」
「Hey!よろしくぅ!」
スーさんと呼ばれた奴は筋肉もりもりの手をさしのべる。

「うるせぇ!近寄るな!キメェ!マジでキメェよ!」
「OH!MY!GOD!」
握手を拒否されたスーさんは悲しそうに叫ぶ。

「スーさん!この怒りをボールにぶつけるのだ!」
「OK!Hoooooooooooooooo!!!!」
スーさんはガキさんからボールを渡されるとものすごい勢いで
投げ放った!!!変な叫び声を上げながら・・・


ギュオォォォ!!


「え?」
スーさんが放ったボールは美貴の顔をかすめて後ろに飛んでいった・・・


メシャァァァァァァァァァァッ!!!!!



18 :963:2006/12/15(金) 01:50:34.83 0
「ギャァァァァァぁぁぁぁ・・・・・・・」
スーさんのボールが直撃したクラスメイトがすごい勢いで吹っ飛んでいった・・・

「マジかよ・・・あんなの反則だ!助けてくれ!あいつは
人間じゃねぇ!審判!あいつは人間じゃねぇんだよぉぉぉぉ!!」
「そ、そんなことを言われても・・・・一応彼はれっきとしたここの生徒だから
僕にもどうしようもないんですよぉ〜〜・・・・」
「嘘だ!あんな高校生いねぇよ!ヘルプ!ヘルプミィ〜〜!!!」
美貴が審判に猛抗議している間に美貴のチームは魔神スーさんの手にかかり
すでに半数近くが保健室送りになっていた!!

「やばい・・・やばすぎる・・・・亜弥ちゃん!真希ちゃん!集合!」
外野にいた二人を呼び戻す。

「あいつを倒す作戦を考えて!」
「おっけ〜まっかせといて!」
「まかせるぽ!」
「よし!とりあえず逃げて!考えついたら教えて!それじゃ解散!」
手早く緊急会議を終わらせるとコート内に散っていく。

「ふっふっふ・・・このスーさんから逃れる術など存在しないのだ・・・
スーさんGO!」
「Yeah!」
スーさんはガキさんからの合図を受けボールを振りかぶる!!!

「うおぉぉぉぉ!!!」
美貴はスーさんがボールを投げた瞬間に横に跳ぶ!


19 :963:2006/12/15(金) 01:52:49.47 0


ギュァァァァッ!!!


「怖えぇ!めっちゃくちゃ怖えぇよぉぉぉ!!!あの筋肉バカ弱点ねぇのかよ!?」


ピクッ・・・・・・・・・・・


「あなた・・・今なんと・・・・??筋肉バカ・・・・?ゆ、許せない・・・・
このすんばらしい筋肉にケチをつけるなんて・・・・Hooooooooooooooooo!!!!!!!!」
スーさんの顔は真っ赤に紅潮し、見事に素の日本人がでている。

「はやくボールをワタシに!!!!はやく!!!!」
「お、落ち着くのだスーさん!取り乱してはいけない!!」
「Shut up!アナタには触れてはいけない『Sanctuary』はないのですか!?」
「サ、サンチュ?・・・とにかく!今は落ち着かなくてはならないのだ!わかってくれ!
スーさん!!」
「フシュー!フシュー!フシュッ!シュォォォーー・・・・・ふぅ・・・
とりあえず今はニイガキさんに免じて落ち着くとしましょう・・・だが!あとで覚えてなさい!」
スーさんはガキさんの必死の説得によりなんとか怒りがおさまったようだ。

(ふむ・・・あれは使えるかもしれねぇな・・・)
そしてまたスーさんにボールが渡る。


20 :963:2006/12/15(金) 01:59:15.24 0
「それでは行きますよ!標的はもちろんア・ナ・タ!Hooooooooooooooooo!!!」
スーさんは美貴に狙いをつけおもいっきり振りかぶる!!

「ヘタレマッチョが・・・」
美貴はスーさんに聞こえるか聞こえないかぐらいの声でまた侮辱の言葉を吐いた。

「お、お、おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
美貴の言葉を聞いたスーさんの筋肉が今までの投球時よりも硬質化していく!!

「はっ!ま、待つのだスーさん!投げてはいけない!やめるのだ!!!」
ガキさんがはスーさんを止めようと必死に叫ぶ。しかし・・・
「うがぁ!!!」
スーさんは最大まで振り絞った筋肉でボールを投げた!!!


ヒョロッ・・・・・


「うが!?」
スーさんは驚き戸惑っている!それもそうだろう。自分の筋肉を最大に使用した
まさに大砲のように重たく、光のように速いボールを打ち出した!!
・・・はずが幼稚園児が投げるような超へなちょこボールを投げてしまったのだから・・・

「ははっ!引っかかってやんのw」
美貴はへなちょこボールを楽々キャッチする。

「な、なぜ!いったいなぜ!?ワタシはMAXの力を出して投げたのに・・・・」
「それはな・・・筋肉を“最大まで”使用したからだ・・・・ぜ!!」
今度は美貴のブギトレボールがスーさんを襲う!!


21 :963:2006/12/15(金) 02:03:54.92 0


ドゴォ!!!


完全に取り乱したスーさんは避けることも取ることもできず
動かない的のごとくみぞおちに見事に直撃してしまった。
「ウ・・・それの・・・何がいけなかったんだ・・・・?」

「筋肉を最大まで・・・それは筋肉がそれだけ硬くなるということ・・・
確かにものすごい速さのボールを投げるにはそれだけ筋肉も必要だ。
しかし、ボールを投げるには柔軟性も必要になってくるわけだ
つまり!硬すぎたせいでうまく投げられなかったんだよ!」

「OH・・・MY・・・・・GOD!・・・・・・・パタッ」
「す、スーさん!!だ、誰か保健室まで運んであげてほしいのだ!」
そんなこんなで強敵スーさんは倒れ、保健室に搬送された。

強敵スーさんを倒した美貴の次の標的はもちろん・・・・

「ガ〜〜キさん!」
「ん?なんなのだ?」
「・・・おっぱい・・・ボソッ」
「えっ!!!!ちょっ!あ、あんたな〜に言ってんの〜!そ、そんなはしたない!
あーもーダメ!もーダメだこりゃ!あーあー・・・・」
ガキさんは面白いほど取り乱し始めた。

「ほれっ!」


22 :963:2006/12/15(金) 02:06:56.17 0


ペシッ!


ガキさんは慌てふためいていたせいでボールに普通にあたってしまった。
「え?あ、あれ?・・・・し、しまったぁ〜〜〜〜!!!」
「くくく・・・わかりやすくて助かったぜwww」
「卑怯な・・・覚えてるのだ!絶対に仕返ししてやる!」
「したけりゃどーぞw」
ガキさんは恥ずかしさなのか怒りなのかは分からないが
顔を真っ赤に染めて外野に下がっていった。

「さてさて一気に形勢逆転!後はちゃっちゃと片付けますか・・・オラッ!」
美貴はガキさんが外野に下がったのを確認し、安心してブギトレボールを投げた。


「そうはいきませんよ」


フワァッ・・・・


突然ブギトレボールが勢いをなくし、空中をフワフワと漂いだした!
「こ、これは・・・亀か!」
「えへへ〜僕のこと忘れてました?ガキさんばかり気にしてちゃダメですよ?」
いつも通りのニヤニヤ顔の横にサイレント・エリザベスが寄り添っている・・・


23 :963:2006/12/15(金) 02:09:06.37 0
「美貴のブギトレボールが無力化されるなんて・・・甘く見ていた・・・
本当にやっかいなのはガキさんの知力ではなく亀の無重力だった!!!」

「それじゃあ僕の番だ!とぉ!!」
亀はボールを投げた・・・・特に遅いわけでも速いわけでもない
まったく特徴のないボールだ。

「ったくよ〜こんなもん取れないわけがねぇ・・・だが・・・」
特徴がなさ過ぎて怪しかったので避けることにした。
しかしそれがまずかった・・・・・


ガッ!


「な、何ぃ〜〜〜〜〜!?」
なんと!美貴の足下に木の根が絡みついていたのだ!そして・・・


24 :963:2006/12/15(金) 02:11:20.96 0


バシィッ!


足下の木の根に気を取られて亀のボールにやられてしまった!!!
「だから言ったのだ・・・覚えておけとね・・・・」
ガキさんの足下には穴が掘られてあり、そこから美貴の足下まで地中を掘ってきたようだ。

「ふっふっふ・・・亀のエリザベスを意識しているのはわかっていたのだ・・・
だから、取ろうとすればエリザベスで!そしてそれを避けようとすれば
私の木の根で足を引っかける。つまり・・・・・“2重の策”なのだ!!!」


ババァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!


259 :963:2006/12/25(月) 00:56:57.29 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜5


「美貴が・・・この藤本美貴様が・・・・やられちまうなんて・・・!!!!」
(なんてこった・・・こんなところで負けちまうのか・・・・くそぉ!みんなすまねぇ!!)
美貴はその場で呆然と立ちつくす・・・・

「・・・・・・・ミ・・・・・・・・・ィ・・・・・・・・・・・・キティ・・・・・・!」
(微かに声が聞こえる・・・いったいだれだ・・・?)


「ミキティ!!おーい!ミキティ!しっかりするぽ!」
真希ちゃんだ!

「まだごとーも、まっつーも残ってるんだからさ!まだ試合には負けてないじゃん!」
「そうそう!全部背負い込んじゃダメ!ここからは私たちにまかせて!」
「・・・・そうだな!まだ、まだ負けてねぇんだよな!よし!外野からの支援はまかせとけ!」
「ねぇねぇ!気合い入れようよ!仕切り直しの意味も込めてさ!」
「おっ!いいねぇ〜そんじゃいくぜ!・・・せーの!」


「「「ぶっつぶす!!!!」」」


261 :963:2006/12/25(月) 00:58:50.09 0
「ちっ・・・せっかくもっさんを仕留めてこっち優勢ムードだったのに・・・・
亀!頼んだよ!こっちも支援するから!」
「OK!藤本さんのいなくなったチームに負けるほど僕達は弱くない!
それに今ボールを持っているのは僕達のチームだ!先手必勝!」
亀はボールを構える。

「ごっちん!足下見ててね!」
そう言いながら亜弥ちゃんは亀のボールの前に立ち
真希ちゃんはそばでガキさんの蔦攻撃がこないか見張っている。

「むぅ・・・むこうもチームプレイをしてきたか・・・これでは2重の策は使えないのだ・・・
しょうがない。亀!!作戦β開始!!」
「了解!!」
そう言うとガキさんは外野のクラスメイト達に隠れ
亀はニヤニヤと笑う。

「なんかやばそうだな〜・・・ごっちん!やっぱり一歩引いて全体を見てて!」
「OK〜!」
真希ちゃんは亜弥ちゃんの言葉を受けて後列に下がる。

「それじゃあいきますよぉ〜〜!!」
亀はボールを勢いよく投げる。

「ありゃ?全然たいしたことなさそうだな〜・・・」
「ダメだ!亜弥ちゃん!油断しちゃあいけない!」
美貴は亜弥ちゃんに向かって大声で叫ぶ!!

「もう遅いですよ!!」


262 :963:2006/12/25(月) 01:03:21.79 0


ギュン!!


「うわぁっ!?」
亜弥ちゃんはかろうじてボールを避ける。

「んあ?どうしたの?あんなボール簡単に捕れるはずじゃあ?」
「ちがうの!いきなり速くなったの!美貴たんが声かけてくれなかったら危なかったよ〜」
「ミキティはそれでやられたから気づいたのか・・・それよりもいきなり速くなったって?」
「うん!普通に捕ろうとしたんだけどほんとにいきなり速くなったの!」

「おやおや?どうしたんですか?こんなボールも捕れないんですか?」
「うるせぇ!てめぇはちったぁだまってろ!」
美貴は亜弥ちゃん達に話しかける亀を怒鳴りつけた。

「おー怖い怖い♪あ、そういえばまだ僕達の攻撃は終わってないんで!」
言い終わると同時にボールを投げてくる・・・しかし


ギュァァ!!


「「「!?」」」
亀の球は急に加速するのではなく投げた瞬間から速い球だったのだ!


263 :963:2006/12/25(月) 01:07:07.04 0
「あぶねぇ!亜弥ちゃん!」
「ひゃぁ〜!!」
亜弥ちゃんに向かって亀の速球が当たりそうになったその時・・・


ブワァァァァァ!!


一陣の風が吹いてボールの軌道が逸れた!
「使いすぎるとさすがにみんなおかしいと思っちゃうからあんまり使えないけどね・・・」
真希ちゃんのゴシップ・セクシーGUYだ!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!


「ナイス真希ちゃん!!」
「??・・・よくわかんないけどありがとう!ごっちん!」
「いや〜危なかったね〜まっつー・・・痛っ!」
「どうしたの?」
「いや・・・なんか頬に当たったの・・・・」
「砂とかじゃないの?」



264 :963:2006/12/25(月) 01:09:10.79 0
「コラーーーーー!!!!今は試合中であって雑談の場ではないのだ!
私語は慎むのだ!まったくこれだから最近の若者は・・・・」
「が、ガキさん!落ち着いて!」
「ハッ!?す、すまない・・・私としたことが・・・と、とにかく!
おしゃべりする暇があったら私たちからボールを奪ってみるのだ!
亀!やっちゃいなさい!!」
「了解!」

「どうしよ〜!まだあの加速の謎はとけてないのに〜!」
「いや、ひとつだけヒントがでたぽ・・・」
「えっ?ほんと?」
「うん・・・それは急にあの新垣って子がしゃべり出したこと・・・
つまりボールの加速にはあの子が関係している可能性が高い!」

「だからおしゃべりはやめなさいって言ってるじゃないですか〜!」
亀は会議中の亜弥ちゃん達にボールを投げる。

「まっつー!一回だけ囮をやって!この一回でトリックを見破る!!」
「OK〜・・・絶対だよ!信じてるからね!!」
そう言って亜弥ちゃんはまだゆっくりのボールの前に立つ。


ギュン!!


「ほっ!!!」
亜弥ちゃんは加速してきたボールを落ち着いて避ける。


265 :963:2006/12/25(月) 01:12:18.36 0
「やったよまっつー・・・種がわかったぽ!」
「さっすがごっちん!それでそれで?」
「このトリックはさっき言ったとおり“種”が種だった・・・
外野のクラスメイトに隠れた新垣って子が亀井ちゃんが投げたボールに
素早く撃ち出した“種”を当てて加速させていた・・・これが答えだぽ!」

「だ・か・ら!私語は禁止です〜!!」
「まっつー!普通に捕っちゃって!」
「え!?ボールが速くなるんじゃ・・・」
「いいから!もう一度だけ信じて!」
「・・・わかった!!」
亜弥ちゃんは再度亀のボールの前に立つ・・・


パシッ


亜弥ちゃんは普通の全く加速しないボールを楽々キャッチした。
「・・・と、捕れた!やったぁ!!」

「ど、どうしたのさ!なんで加速させなかったの?」
「ぐぅ・・・・やられたのだ・・・・私の種が風に弾かれてしまったのだニィ・・・」

「今度はこっちの攻撃だぽ!いくよ!まっつー!」
「まっかせて〜!」
「ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


ズガバキメシャドガァ!!!!



266 :963:2006/12/25(月) 01:17:13.26 0
今までほとんど無傷だった亀垣チームだったが
燃える亜弥ちゃんと真希ちゃんの働きにより残すは亀と数人になった。

「さて・・・問題は亀だな・・・どうすればあいつに当てることができる?」
美貴は一人黙々と亀を倒す方法を思案していた。
すると巨大な影が美貴を覆う・・・

「コォォォォ・・・・いったい何をそんなに考えているのデスか?」
「!!!!!!!!!!!!!!!」
そこには保健室で寝ているはずのスーさんがいたのだ!!


ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


「Hooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!
今からアナタのチームを全員病院送りにしてあげマス!」
「て、てめぇ・・・なんでここにいやがる!
保健室で安静にしてるんじゃなかったのかよ!」

「ククク・・・私の筋肉にかかればダメージを最小限に抑えることも可能なのデスよ・・・
ソレデハ!あなたはそこで傍観しているがいいでしょう・・・アナタのチームが
ワタシの手で蟻の如く潰されていくのをネ!!HAHAHAHAHAHAHA!!!」
そう言い残すとスーさんはチームに戻っていった・・・・

(や、やばい!あいつにボールが渡ったらもうこっちに勝ち目はなくなる!
でも亀にはボールを当てられねぇ・・・くそっ!どうすりゃあいいんだ!!)


364 :963:2006/12/27(水) 09:07:08.69 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜6


「えぇ!?ごごごご、ごっちん!マ、マッスルが戻ってきたよ!」
「んあ?そんなこと・・・あるわけ・・・・・・・わぁぁぁぁぁぁ!?」
「どど、どうしよう!これは確実にやばいよ!」
「ど、どうするって言われても・・・なんとかして亀井ちゃんに当てなくちゃ・・・
それさえ出来ればこっちの勝ちだぽ!」
「そんなことわかってるよ〜!でも、何でかわかんないけど当てようとしても
亀井ちゃんに当たる前に失速しちゃうし・・・いったいどうしたらいいんだろ・・・」
亀の攻略法を必死で考える二人をよそに亀垣チームは魔神の復活に活気を取り戻していた。

「スーさん!よく戻ってきてくれたのだ!しかし、体の方は大丈夫なのか?」
「モチロン!ワタシの気絶は血圧の上がりすぎな上にみぞおちにボールが
ヒットしたからなので体の方は特にたいしたことはないのデス!」
「それを聞いて安心したのだ!今はまだボールは向こうのチームだが
亀が絶対に捕るから・・・私たちの勝利は確定したのだ!」

「「わーっはっはっはっはっはっはっはっはっは」」



365 :963:2006/12/27(水) 09:10:27.35 0
「ごっちん・・・すごいむかつくね・・・」
「そうだね・・・まっつー・・・・」
「ハッ!!」
「ど、どうしたの?まっつー?」
「亀井ちゃんは無理だけどあのマッスルを抑える方法を思いついたよ!」
「ま、マジで!?ど、どうやって?」
「それはねぇ・・・ゴニョゴニョ・・・・・・・・」
「おお!!もしかしたらいけるかも!!!」
「でしょ!あとは・・・・」
亜弥ちゃんは美貴の方を向きジェスチャーを始めた。

「ん?なにしてんだ?・・・・・・・・・・なるほどね・・・でもほんとうに大丈夫なのか?
ま、とりあえずあいつがつぶれて士気が下がれば穴が見つかるかもしれねぇし・・・
よっしゃ!いっちょやりますかぁ!!!」

「おーーい!!!バカ筋肉!お前って脳みそも筋肉で出来てるから
そんな頭弱いのか〜?そんな気持ち悪い筋肉鍛える暇があったら勉強しろよ
バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカ!!!!!」
美貴はスーさんに向けて大声で叫ぶ。


・・・・・・プッツーーーーン!


「おおおおおおおおおおお!!!てめぇ今なんつった!?バカ筋肉?
筋肉脳みそ?そしてこのすんばらしい筋肉が気持ち悪いだとぉーーーー!?」
スーさんは完全にキレて顔中に血管が浮き出まくっている。


366 :963:2006/12/27(水) 09:12:36.32 0
「おお!?す、すげぇキレてる・・・あとで襲われねぇかな・・・
やることやったんだからあとは頼むぜ?亜弥ちゃん・・・」

「ふふふ・・・どんどん血圧が上がっていってるね・・・・ごっちん!心の準備は?」
「OK〜〜〜〜〜!!!」
「ちょっとそこのマッチョさん!」
亜弥ちゃんはブチキレ状態のスーさんに話しかける。

「フシュー!フシュー!なんどいワレぇ!いてまうどオラァ!!」
「(こ、怖いよぉ〜・・・)こ、こっちをよぉーく見てなさい!!」
「(うう・・・なんでいきなりヤクザっぽく・・・子供なら即泣いてるぽ・・・・)
そ、そう!しっかり目に焼き付けるぽ!」

「「せ〜の・・・」」

「「亜弥&真希の!!!!」」
「セクシィーーーーーーー!!!」
「ダイナマイツ!!!!!!!」


ババァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!



367 :963:2006/12/27(水) 09:15:38.50 0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
美貴、スーさん、亀、ガキさん、そしてコートにいる全員が沈黙した。

亜弥ちゃんと真希ちゃんは胸を強調したセクシーポーズをしているのだ!
美貴にとってはなんともうらやましい限りだ・・・まぁ美貴だってできるけどね・・・
それはおいといて、次の瞬間!とんでもないことが起こった!


ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!・・・・・・・・・ドサッ


なんと、スーさんが勢いよく鼻血を噴き出し倒れてしまったのだ!!!

「す、スーさーーーーーーーん!!!だれか保健室に運んであげて!!
はやくぅ〜〜〜〜!!!ガキさんも言って!・・・よ・・・・」
必死に助けを求める亀だったがその時ガキさんはというと・・・・・・・・・

「ちょっ!も〜なにやってんですかぁ〜!!!そんな・・・は、ハレ、ハレンチなぁ〜!」
ガキさんは顔を真っ赤にして取り乱していてまったく聞いてなかった。


368 :963:2006/12/27(水) 09:18:35.83 0
「(な、なんてあほらしいんだ!!!でも・・・結果オーライってやつかw)
よっしゃぁ〜〜〜〜!!!真希ちゃん!今がチャーンス!!」
「まかせるぽ!必殺!・・・・・ウインドボール!!!」
真希ちゃんは亀に向かって風でスピードをあげたボールを投げ放つ!


ギュォォォッ!!


「うわぁぁ!!」
亀はとっさにその場でしゃがんだおかげで回避に成功した。
そしてすぐに立ち上がり、後ろを向くが・・・


ギュォォォッ!!


「えぇぇぇ!?そんな!エリザベス・・・ダメだ!間に合わない!!!!」


ドグシャァァァ!!!


「そ・・・んな・・・・ばか・・・な・・・ガクッ」
亀は腹にボールをくらい、倒れた。


369 :963:2006/12/27(水) 09:22:14.34 0
「満月の流法・・・真希ちゃんのボールを数秒戻した!ま、簡単に言えば
はね返したっつー感じかな」
「やったぁー!!!ごっちん!美貴たん!ナイス連携!!」
「これでもう敵はいないぽ!!・・・・・・・・???」
勝ちを確信し、はしゃぐ美貴達だったが・・・・
突然!真希ちゃんを巨大な影が覆う!!・・・そう・・・『奴』だ!!

「フシュー!!!たしかに・・・あれはそうとなダメージを負いました・・・
だが!無駄無駄無駄無駄ぁぁ!!!ワタシを甘く見ていたようですネ!」
「生きてやがったのか・・・・スーさん!!」


ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!


「勝負はまだまだこれからデス・・・カメイさんは最後にいい仕事をしました
Hey!誰かカメイさんの持っているボールをワタシに!!」
「なんだって!?」
亀の方を見るとスーさんの攻撃につなげるためにボールを掴んだまま
気絶していた・・・亀はスーさんが生きていることに気づいていたのだ!!

「カメイさん・・・アナタの無念はワタシが晴らしましょう!!
Hoooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!」
「気をつけろ!亜弥ちゃん!真希ちゃん!今のこいつには
もう小細工は通用しねぇ!!!」


692 :963:2007/01/03(水) 10:47:36.87 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜7


「さて・・・それでは再会しましょうか・・・ショータイムを!!」
スーさんはゆっくりとした動きでボールを構える。

「みんな!下がれ!避けに徹しろ!」
「クックック・・・無駄デスよ・・・もう誰も逃しはしない・・・コォォォォォ!!!」
スーさんはボールを構えたまま気をためている!


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・


「やばい・・・普通なら聞こえもしない音まで聞こえだした」
「俺たちに任せろ!」
突然美貴のチームの男子が3人ほど縦に並んで受ける構えをしだした。

「3人よれば、なんとやらだ!さぁ、かかってこ〜い!!」
男子3人組はやる気満々のようだ。

「・・・・・・・・・ボソッ・・・・・・・・」
「あ〜ん?もっとはっきりしゃべれ!マッチョ野郎が!」
3人組の1人がスーさんを煽る。

「You aren't invited!(お前らはお呼びじゃないんだ!)」
そして大砲は撃ち出された・・・・


693 :963:2007/01/03(水) 10:49:04.15 0


ギュァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


「「「へっ?」」」


ズゴオォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!


さっきまで騒いでいた男子3人組は言葉を発することなく吹き飛び
そしてものすごい衝撃の反動によりボールはスーさんの手元に戻っていった。

「な、なんて威力だ・・・あんなの誰も取れねぇぞ・・・」
「も、もういやだよぉ・・・」
「あんなのに勝てるわけがねぇよ・・・」
クラスのみんなから次々と弱音が聞こえはじめる。
それは当たり前のことだ、なんせ男子3人がたった一球で吹き飛んだのだ。
しかし、諦めていない人間が3人!!

「まだだ!まだ試合は終わっちゃいねぇぜ?」
「そうそう!まだこれだけの人数がいるのに諦めるなんて
かっこわるすぎだよ〜!」
「みんな!ネバギバだぽ!」
もちろん!美貴、真希、亜弥の3人組だ!


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



694 :963:2007/01/03(水) 10:51:59.40 0
「とは言ったもののさすがに私たち3人じゃマッチョには勝てないのはわかってる」
「そこで、みんなに協力してほしいんだぽ!」
「協力って言ったって俺たちにいったい何が出来るんだよ・・・」
「さっきは男子3人だからやられちゃったけど、今私たちを含めて内野に
14人いるよね?そこで10人ほどでさっきみたいに縦に並んで
あいつの球を受け止めてほしいんだけど」
「えぇっ!?嫌だよ!もし止められたとしても一番前は絶対死ぬじゃん!
とにかく絶対ヤダね!命は惜しいもん」
美貴にはこの会話は聞こえていないがどうやら亜弥ちゃんの
作戦にケチをつけている奴がいるようだ。

「お〜い!お前ら亜弥ちゃんと真希ちゃんの言うこと聞かなかったら
後でお仕置きするからな〜!!」
「え・・・マジで・・・?」
「ま、そういうことだから協力してくれないと美貴たんの・・・・」
「ミキサマミキサマオシオキキボンヌ(;´Д`)ハァハァ」
「はい?」
「・・・お〜い!協力『したら』お仕置きにしてくれるか〜?」
「まかせとけ〜!きっちりお仕置きしてやるよ〜!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
「聞いたか野郎ども!協力したらお仕置きしてもらえるぞ!」
「よし!絶対に止めるぞ〜〜!!」


おぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!




695 :963:2007/01/03(水) 10:54:00.57 0
「うお!?な、なんかわかんねぇけどまぁよしとするか・・・」
「ムムム・・・数で勝負してきましたか・・・ワタシも負けませんヨ!!
Hoooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!」
そう言うとスーさんはまた力をためはじめた。

「お前ら〜気合い入れろ〜!ミキサマのお仕置きがかかってるぞ〜!!!」


おぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!


「コォォォォォォォォォォォォ・・・・・・・・!!!」
「来るぞ!!」
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!」
スーさんは大砲を撃ち出した!!


ギュァァァァァァァァァァァァ!!!!!!


「そういえばさ、一番前はたしかに吹き飛ばないけど受けられずに死ぬんじゃね?」
と一人の男子がほんの些細な疑問を口にした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・


「「「「「「「「「「気付くの遅せぇよ・・・orz」」」」」」」」」」」




696 :963:2007/01/03(水) 10:56:15.83 0


ブワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!


その時ボールに対して向かい風が吹いた。

「おぉ!向かい風だ!これならもしかしたらいけるかもしれん!頑張れ!」
「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!かかってこい!!!」
男子達はこの急に起きた奇跡に再びやる気を取り戻した!


ドシィッ!!!


「う・・・お・・・重い・・・・」
「頑張れ!耐えるんだ!お仕置きが待ってるんだ!」
「そうだ!すべてはお前にかかってるんだぁぁ!!!!!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ボールを受けた男子は叫び声とともに気を失った・・・

「ありがとう!これで道は開けたぽ!」
「あとは私たちに任せて!美貴たん!準備は?」
「OK〜!いつでもいけるぜ!!」
美貴達はこういう時のためにとある作戦の準備をしていた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



697 :963:2007/01/03(水) 10:58:29.15 0

〜対麻琴チーム戦後〜

「亜弥ちゃん、真希ちゃんこれからまだまださっきみたいな強敵がでてくるかも
しれねぇから今のうちに何か秘策を作っておこうと思うんだけど・・・」
「大丈夫だよ〜!もぉ〜美貴たんは心配性なんだからぁ〜」
「そうそう!あんなのはそうはいないから大丈夫だぽ!」
「だ・か・ら!美貴は可能性の話をしてんだろ?それに絶対に0%だ
とは言い切れないわけじゃん?」
「まぁ・・・そう言われるとそうなんだけどさ?」
「だろ?じゃあ考えようぜ!ま、美貴が必殺技を作りたいだけなんだけどねw」
「おぉ〜!そういうことなら協力するぽ!」
「あたしも〜!!」
突然の提案ではあったが二人は快く承諾してくれた。



698 :963:2007/01/03(水) 11:00:02.32 0
「それじゃまず、もし美貴がやられてしまった場合のことを考えようか」
「う〜ん・・・もしそうなったらまっつーとごとーが内でミキティーが外だね?」
「そうなるかな?そうすると少し攻撃力が落ちちまうだろ?そこでどうするかってことだ」
「ねぇねぇ!こんなのどうかな?私とごっちんで一緒に投げるの!
そしたら二人分のパワーでK.O.!ね?よくない?」
「それじゃ3人の必殺技じゃないじゃん・・・あ!じゃあさ
いったんそのまま後ろにスルーさせてそれを美貴がぶん殴るってのどう?」
「うん!それいいかも!結構あっさり決まったね〜」
「そんじゃ最後に名前をつけようか!」
「それだけど、もうごとーに案があるんだ!」
「「え〜なになに?」」
「それは・・・・・・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・


「それじゃいくよ!ミキティ!」
「絶対に失敗しちゃダメだからね!」
そして二人は片方が右手、そしてもう片方が左手をボールに添え
力を集中させている。

965 :963:2007/01/10(水) 00:38:31.29 0
「まかせけって!あたしを誰だと思ってんだよ!」
美貴の言葉を聞いた二人はボールを投げ放った!!


ズギャォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!


投げ放たれたボールは二人のパワーと真希ちゃんの風のスピードに加え
ジャイロ回転をしながら亀垣チームの残りの一人に向かって飛んでいく!

「逃げるのデスか!?ワタシを倒さずに?アナタ達はそんな勝負に勝って
何を得られるというのデスか!」
スーさんは一人しかいない自チームの味方を狙ったものと思い、
美貴達に向かって大声で叫んだ。

「んなわけねぇだろーが・・・・お望み通り仕留めてやるぜ!!!!」
ボールは残りの一人をスルーして美貴の方へ飛んでくる。

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
美貴はボールを思いっきり殴り返した!


ドギュゥーーン!!




966 :963:2007/01/10(水) 00:40:07.63 0
美貴が殴ったボールはさらに速度を増していく!!
「フフフ・・・そうデス!強者であるならばそう来なくては!!」

「甘いな・・・決め台詞いくぜ!」

「SHALL!」
「WE!」
「ラァァァァァァァァァァァァァァヴゥゥゥゥゥゥ!」


ズギャァァァァァ!!!!!!!


通り過ぎる際に真希ちゃんと亜弥ちゃんのダブルアタックが追加され
最高に加速し、ものすごいスピンのかかったボールがスーさんに向かっていく!!

「ワタシは・・・絶対に!負けなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!」


ガシィィィッ!!!!




701 :963:2007/01/03(水) 11:06:36.90 0
スーさんは美貴達の必殺ボールを手で掴んだ!!!

「はぁ!?あれを捕った!?」
「いや!まだだぽ!」


ギュルルルルルルルルル!!!!!!!!


「Hooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!」
スーさんは弾かれないように、そして回転を抑えようと手に力を込めている!



967 :963:2007/01/10(水) 00:45:46.50 0
「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
「フ・・・フフッ・・・・フハハハハハハハハハハ!!!」
「な、なにがおかしい!」
「フフ・・・ワタシの・・・負けのようデス・・・」


バチィィィッ!!


ボールはスーさんの手をはじき、美貴チームのコートへ転がる・・・

「と、いうことは・・・やったぁぁぁぁぁ!!」
「倒したぁぁぁ!!」

最後の一人であった超強敵スーさんを倒したことで美貴達は事実上の勝利を得た!!


ババァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!!


その後、最後の一人は諦めずに粘ったが美貴がトドメをさしてやった。

「試合終了〜!!」
審判が激闘に終わりを告げた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


703 :963:2007/01/03(水) 11:10:52.93 0
「スーさん・・・強かったぜ・・・」
「ほんとだよね〜でも、あれに勝ったんだよね!」
「でもさ、新垣って子が亀井ちゃんについて保健室にいったから
うまくいったかもしれないぽ」
「そうかもな・・・ということはあのセクシィーダイナマイツが役に立ったってことかw」
「さぁ〜て次の試合に行こうか。まっつー」
「そうだね」
二人は美貴を置いてスタスタと歩いていった。

「ちょっ!ちょっと待てって!冗談だろ〜?w」

こうして美貴達は第三試合へと向かった。


138 :963 :2007/01/29(月) 02:07:50.01 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜8


「さ〜て次の相手は誰が来るかねぇ〜・・・」
「さぁね〜?でもあのマッチョを倒した私たちチームなら誰が来ても楽勝でしょ!」
「まっつーいいこと言うねぇ〜このまま優勝はもらったぽ!」

「はい。え〜みなさん三試合目始めますよ。集まってください。
はい。全員集まりましたね。じゃあ礼。はい。始めてください」
今回は鬱陶しい体育教師ではなくインテリ気取った先生が審判を務めるようだ。
ハイテンション過ぎるのも困るが陰気くさいのも美貴は嫌いだ。
そしてなにより『これ』だ。

「わーっはっはっはっはっはっはっは!!!勢いに乗ってきているようだが
勝つのは俺たちのチームだぁ!!」
まったく知らねぇやつらが無駄にテンションMAXで突っかかってくる。
それに見た感じ演劇部員はいねぇし・・・・先攻は美貴達だからやることはただ一つ。

「ほれほれ!かかってこい!ギッタンギッタンにしてやるぜぇ〜!!
わーっはっはっはhーーーーー」


メシャァッッッッ!!!!!




139 :963 :2007/01/29(月) 02:10:26.04 0
さっきまで偉そうに高笑いしていた奴をブギトレボールでおもいっきりぶっ飛ばしてやった。
「そう、今美貴がやること・・・それはめんどくせぇお前らをぶっ飛ばすことだ」
「さっさと終わらせようよ・・・」
「そんじゃなんかイライラしてきたんで手加減なしの方向で」
「「OKで〜す」」
「ゴールデンゴール決めてッ・・・」
「お、おい、待て!こんなのありかよ!助け・・・」
「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV・・・・・・・」


バキドゴグシャメキッゴシャッ・・・・


「は〜いいっちょあがりぃ〜♪」
「試合時間どれくらいだろ?3分?早すぎたんじゃない?」
「早すぎだよ〜!他の試合が終わるまで暇じゃ〜ん!こういう時はさ
もっといたぶっていたぶってさぁ・・・」
(なんて頼りになるやつらなんだろう・・・)

「と、とりあえず・・・・第三試合を終了します・・・礼・・・」
インテリ気取りの先生はあまりのことに軽く放心状態になってしまっている。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




140 :963 :2007/01/29(月) 02:11:56.40 0

「弱すぎて逆に困っちまうよなぁ・・・」
「でも次はいよいよ準決勝だぽ!もうそろそろ試合終わるんじゃないかな?」
美貴達は教室に戻り雑談しながら時間をつぶしていた。そこに・・・

「あ、あ、マイクテス、マイクテス・・・準決勝に残ったクラスはグラウンドに
集合しなさ〜い!!急げよぉ〜?先生はもう限界寸前(?)だぞぉ〜!」
突然スピーカーから体育教官の声が聞こえてきた。
どうやらもう自分が何を言っているのかすらわからなくなっているようだ。

「お、もう対戦チーム決まったのかな?」
「よぉ〜し!今度こそテンション上げていこ〜!!」
そして美貴達はグラウンドに向かっていった。
しかしそこで待ち受けていたのはとんでもない事実だった・・・


ザワザワ・・・・


「は〜いみなさん!今回わざわざ集まってもらったのは今から
説明しなければならないことがあるからなのです。
え〜今回の準決勝、トーナメント式なので準決勝が3チームということになりますね?
ということはシードがでてきてしまいます。でも私はシードという楽をさせたくありません。
しかし三つ巴の試合をするのはさすがに無理があります。
そこで!先生は考えました!それが・・・・これです!」
そういうと体育教官はホワイトボードに文字を書き始めた。


141 :963 :2007/01/29(月) 02:13:38.48 0
美貴は書かれていく文字を追いながら順に音読していく。
「・・・え〜っと、杜・・・王・・・・・・・オールスターズ?」

体育教官はすべてを書き終えるとまたこちら側を向いて話し出した。
「はい!ということでこれについて説明をします!
これはこの私が!わーたーしーが!!考えたものすごく画期的な!
超大型プロジェクトであります!この杜王町から明らかに強そう、
もしくはこの計画にノッて来た方を集めたチームなのであります。
まぁ簡単に言えば精鋭集団みたいな?感じなのです!
シード枠にいるチームをボッコボコにするために、今日のお昼の休憩時間に
町内を探し回ってきました!反論は許しません!反論するなら先生のお昼の時間を返せ!
というわけでコートにわかれてください!!」
話が終わったとたんに即コートに移動させられる。だが、そんなのだまってられない!!

「待ったぁ!!」
「むっ?なんですか?反論は聞かないとさっき・・・」
「反論じゃねぇ!『提案』だ!わざわざ戦わなくて済むものを戦うんだ。
しかも精鋭の集まりとな。だからこっちのチームにすでに負けたチームから
誰か味方につけさせてくれよ!それを認めてくれるならもう何も言わねぇよ」
美貴は体育教官の言葉を遮り自分の『提案』を話す。


142 :963 :2007/01/29(月) 02:15:31.22 0
「ふむ・・・ま、いいでしょう。そういう展開も燃えるし・・・それでは
二人!二人だけ敗北したチームから仲間にすることを許可しよう」
「うっし!サンキュー!」
というわけで美貴達のチームに味方が増えることになった。
(しかし・・・誰にしようかな・・・)

「なぁ、亜弥ちゃんと真希ちゃんは誰を味方に入れたらいいと思う?」
「う〜ん・・・そうだなぁ〜・・・・・・・あっ!みうなちゃんなんてどう?」
「おお〜いいね〜!確かに運動全般得意そうだしな!それじゃ一人決定〜!」
「あともう一人はどうする?」
「マッチョの人は?」
「スーさんか・・・ダメだな。確かに戦力にはなるがさっきあれだけ
好き放題悪口言っておいて仲間になってくれつーのは無理があるだろ?」
「そっか〜でも他に思いつかないんだけど」
「ごとーも全く思い浮かばないぽ」
(他に運動できそうな奴か・・・誰かいるかな?)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「いや〜暇ですね〜負けチームは教室にも戻っちゃいけないなんて・・・」
「そうだよな〜oi・・・まぁ別に会話禁止なわけではないからいいんだけどなぁ?」
「うう・・・もっと試合やりたかったやよ〜・・・・」
一試合目から敗北してしまったあっし達のチームは他のクラスの試合を観戦しなくてはいけなかった。
といっても観戦などしているはずもなく、あっし、コンコン、麻琴の3人は
ずっと会話を楽しんでいた。


143 :963 :2007/01/29(月) 02:17:35.28 0
「だよなぁ〜まったく初戦からミキティのところとあたるなんてついてねぇ〜なoi・・・」
「というより藤本さんのチームがあそこまで強いとは思ってなかったというのが正しいでしょう。
私の策はすべて破られましたしね」
「あっしをもっと攻撃で使ってくれればよかったのに・・・」
「いえ、愛ちゃんを攻撃で使うまでもないと思っていたんです。
でも気付いた時にはもうすでに手遅れでしたので・・・」
「ん〜〜・・・あっしが強いから温存しておきたかったのか・・・
ま、今回は仕方がないようやね」
(でも、やっぱりもっと試合やりたいやよ〜・・・ん?)
まだまだ試合への未練が残っていたあっしの耳に吉報(?)が聞こえてきた。

「待ったぁ!!」
「むっ?なんですか?・・・・」
(?・・・ミキティと体育教官が言い争ってる?なんやろ?)
あっしは二人の言い争いに神経を集中させ耳を傾ける。

「反論じゃねぇ!『提案』だ!わざわざ戦わなくて済むものを戦うんだ。
しかも精鋭の集まりとな。だからこっちのチームにすでに負けたチームから
誰か味方につけさせてくれよ!それを認めてくれるならもう何も言わねぇよ」
(な・・・なんだって!?み、『味方』!?これは・・・チャンスやよ〜〜!!!!)

「ちょ、ちょっとトイレにいってくるがし・・・」
「お〜わかったぜ〜」
「いってらっしゃ〜い」
(よし!自然に抜け出せた!あとは定員に間に合うだけ!)
こうしてあっしはミキティのチームに加入するべく猛ダッシュでコートに向かった・・・


144 :963 :2007/01/29(月) 02:19:21.89 0
「そういえばガキさんと亀は大丈夫なのカ?」
「たしか保健室送りになったって聞きましたけど・・・後で休憩がてら
お見舞いに行きましょうか」
「そうだナ!愛ちゃんはどうする?」
「そのうち帰ってくるでしょうから書き置きだけ残しておきましょうか」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「お〜い!まだか?もうこっちは準備できてるんだぞ〜ぅ!!」
体育教官が待ちきれずに呼びかけてくる。
そう、まだ美貴達は二人目を決められずにいたのだ。

「ほらほらぁ〜〜!!先生はもう待ちきれないぞ〜!そうだな・・・
残り1分!1分だけ待つ!それを過ぎたらもう二人目は諦めなさい!」
「そんなこと言われたって・・・思いつかねぇもんは仕方ねぇだろうが・・・」
必死で頭を回転させるがなかなか適任者が思いつかない・・・と、その時だった。


145 :963 :2007/01/29(月) 02:21:34.72 0
「ふっふっふ・・・お困りのようやね?」
「あ、愛ちゃん!?」
どこからか突然愛ちゃんが現れたのだ!

「たったの一試合だけでまだまだ暴れたりないんやよ〜
しかも役割が後列支援やったからあんまり攻撃に参加できんかったし・・・
でもあっしにとっては攻撃がメイン!支援なんて元からむいてないんよ」

「たしかにそうかもな・・・よし!二人目は愛ちゃんに決めた!」
「ん〜・・・でもごとーはおもいっきりボールぶつけちゃったし・・・」
「ん〜なことはもうええんよ。それよりもこれからの試合に集中やよ〜!!」
「ま、そういうことだし、そろそろ行くか!」

「「「「「おぉ〜〜〜〜〜〜〜!!!」」」」」

こうして美貴達はみうな、愛ちゃんの二人を加えたチームで次の準決勝に向かう。
だが、そこで待ち受けていたのは予想もしない事態だった・・・


507 :963 :2007/02/12(月) 23:37:54.14 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜9


「それでは両チームメンバーが揃ったようですので試合を開始します。
互いに礼!始めてください!」
どうやら今回はまともな人が審判のようだ。しかし、オールスターチームに
見知った顔を見つけてしまった。

「す、スーさん!?」
「ム?Oh!フジモトさん!また会いましたネ!」
スーさんは陽気に笑いながら手を振っている。

「おい!先生よぉ〜なんで生徒が一般人のチームに混ざってんだよ!」
「社会勉強の一環ですがなにか?」
「はぁ?何言ってんだ!完全に日本人だろうが!」
「彼は帰国子女ですから早く日本に慣れなきゃいけないでしょ?」
「ぐぅっ・・・・卑怯だぞ!どうせさっきの試合見てたんだろ?」
「さぁ〜てどうだったかな?先生忙しいからなぁ〜」
体育教官はあくまでもシラをきるつもりのようだ。



508 :963 :2007/02/12(月) 23:38:54.30 0
「チッ!まぁいいや、今回は味方もいるしスーさんも全快はしてねぇだろうから
なんとかなるだろ」
先攻は美貴達のチームだ。

「ほれ、愛ちゃんいっちょ暴れてくれよ!」
「一般人やからあんまり強すぎはよくないとは思うけど・・・7割くらいで!」
そういうと愛ちゃんはボールを投げた。


シュッ!


なかなかのスピードだ。これなら捕れないだろうと思っていたが・・・・


ガシィッ!


「な、何でぇ!?」
愛ちゃんは予想外の事態に驚き、目を見開いている。

「私はは言いましたよね?『精鋭』を連れてきたと・・・この人達は球技の精鋭達なのです!
そーんなちょっと早いだけのボールなんて捕れないわけがないでしょう?ざまぁみろ!」
「な!?ありえねぇだろーが!女子もいるのに何でそんな男ばっかり連れて来てんだよ!」
美貴は体育教官の常人の沙汰とも思えぬ行為に声を荒げる。


509 :963 :2007/02/12(月) 23:39:28.90 0
「君はさっきの私の言葉を聞いてなかったのかい?この試合の説明の時私は
『シード枠にいるチームをボッコボコにするため』といったんだがね?」
そう言う体育教官の顔はいつのまにか極悪人の顔になっていた。

「くっ・・・しかたねぇ、みんな、本気でいくぞ!手加減なしだ!」
「「「「お〜!!!」」」」

「ふふふ・・・今ボールはこちらにあります。手加減しないのは私たちのほうです!
みなさん!やっちゃってください!」
体育教官の言葉が終わると同時にラグビーっぽい人がボールを投げてきた!


ギュオオッ!!


「おおっ!?速えぇ!だが・・・」


ガシィッ!


「スーさんのに比べたらこんなもん屁でもねぇぜ」
「さっすが美貴たん!かっこいい〜!」
「ぐっ・・・まさか逆に私たちの方がしてやられるとは・・・しかし!
さっきのでわかったでしょう?あなたたちの攻撃は私たちには通用しないんですよ!
つまりあなた達に勝ち目なんてないのです!」
それを聞いた愛ちゃんの目つきが変わった。


510 :963 :2007/02/12(月) 23:40:22.61 0
「もう一回投げてええかね?もうさっきみたいなヘマはせんから」
「そうこなくちゃな!それでこそ愛ちゃんだぜ!
落ち込むどころかこのすさまじい気迫!さ、あのおっさんを黙らせて来てくれ」
「オラァッ!!!」


ギュォォォッ!!


(今度はスピードバッチリだ!捕れるモンならとってみやがれ!)


ドゴォォォッ!!


「ぐわぁぁぁ!!」
「えっ!?ちょっ、ちょっと!え?どうなってんの?」
体育教官は派手に吹っ飛んだ味方と美貴達を交互に見ながらオロオロしだした。
こういうのを滑稽っていうのか?w

「まだまだ終わらんやよ〜!ほれっ!」
そういうと相手コートのボールが弾かれたように愛ちゃんの前に飛んできた!

「捕られん限りはずっとこっちの攻撃!もういっちょ!」


ギュォォォッ!!




511 :963 :2007/02/12(月) 23:41:24.10 0
「だ、誰か!このボールを止めてくれ!じゃないとせっかく私が苦労して集めた
オールスターズが!敗北してしまう!」


ズギャァァン!!!


「うわぁぁぁぁ!!!」
「ひいぃぃぃぃぃぃ・・・」
次々と本気になった愛ちゃんに吹っ飛ばされていくオールスターズ。
だがただで終わるはずもなかった・・・


ガシィッ!!


「やれやれだぜ・・・面倒なことに参加させられたと思っていたが
スタンドが関わっているのなら話は別だ。話を聞かせてもらおうか?」
白い帽子と学ランを思わせるようなジャケットを羽織った長身の男が
後列からボールを持って歩み出てきた。

「『スタンド』だって?愛ちゃんの本気のボールを捕ったことも含めて
普通のスタンド使いってわけでもなさそうだな」
美貴はその男に対抗するように前に出る。


512 :963 :2007/02/12(月) 23:42:08.85 0
「君たちはいつどうやってスタンドを手に入れた?生まれつきか?」
「答える義務はねぇよ」
「それとも・・・『矢』か?」
「てめぇ!なぜ『矢』を知ってやがる!はっ!!」
「なるほど・・・君は『矢』でスタンドを手に入れ、そして『矢』について知識があるな」
(こ・・・こいつ・・・やばい!!美貴の勘がそう言ってる!!!)

「俺は別に君に危害を加えたりするつもりはない・・・だから君がスタンドと矢について
どれだけ知っているのかを話してくれないか?」
「なんであんたに話さなきゃいけないんだ?あんたはそれを知ってどうするつもりだ?」
「・・・もし・・・いや、君のような人がすでにいるのならまだスタンドを持っている人は
まだいるのだろうな・・・『矢』は回収させてもらう・・・そして君たちも試させてもらおう」
「試す・・・だと?」
「危険な存在であるか、そうでないか・・・」
「もし危険なら?」
「再起不能になってもらう・・・二度とスタンドを使おうなどと思わないようにな・・・」
「そうか・・・それじゃああんたは美貴にとっての危険分子ってわけだな!」
「なにっ!?」
「あんたにはぶっ倒れてもらうぜ・・・ただし・・・ドッジボールでな」
「ふっ・・・いいだろう・・・」
そう言い終わると美貴と男は中央まで下がる。

「そこの君、君が攻撃してくれないか?俺に彼らの力を調べさせてほしい」
「OK〜〜!!了解でゴザルヨ〜!!!」
「ちっ・・・いきなりスーさんからかよ・・・」
「フジモトさ〜ん・・・完全ではないとはいえ彼との約束を果たすために
今出せるすべての力でいきマス!Hooooooooooooooooo!!!!!!」
スーさんの咆吼により準決勝の第二幕が始まった・・・


709 :963 :2007/02/21(水) 02:08:30.69 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜10


「それではいきマスヨ〜!!!!!」
投げる瞬間にスーさんの腕が丸太のように太くなる!


ゴォォォッ!!!


「集まれ!ミキサマにつなげろ!」
「「「「おぉ〜〜〜〜〜っ!!!」」」」
声が聞こえたのと同時に5人の男子がスーさんのボールの前に立ちはだかる。

「フッフッフ・・・甘いデス・・・私が満身創痍だからその人数でも
大丈夫だと思ったのでしょうがネ・・・」


ゴシャァァァァァァッ!!!!!!!!!!


「「「「「ぎゃぁぁぁぁ・・・・・」」」」」
意気揚々と待ちかまえていた5人は遙か後方へ吹き飛んでいった。


710 :963 :2007/02/21(水) 02:08:59.93 0
「そんなばかな!?前の美貴達との試合で力は使い切ったはずなのに!」
「それが甘いといっているのデス・・・ワタシは一応センセイに呼ばれるまで
ずっと休憩していたのだからある程度回復するのは当たり前でしょう?」

「だけど!」

「『一度に5人も吹き飛ばすほどの力はないはず』・・・そう言いたいのでしょう?」
「!!!!!」

「アナタがワタシを倒したとき何人がかりで止めましたカ?10数人でしたよネ?
それがたかだか5人程度で抑えようトハ・・・笑止千万!!!」

「ぐっ・・・(なんだ?この異常なまでの迫力は・・・)」

「男と男の約束を命をかけて果たす・・・それが・・・・・・・・・
ジャパニィーーーーーーズ!!!!サムラァーーーーーイ!!!!!!!」


バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!


その瞬間このコートの時が止まった。


711 :963 :2007/02/21(水) 02:09:25.51 0
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「why!?なぜ黙るのデス!カァ〜ッコウィ〜じゃないデスカ〜♪」
よほどこの空気がつらかったのかスーさんはさっきまでの気迫が嘘のように笑い始めた。
かと思うとまた引き締まった顔に戻る。

「しかし、ワタシがこの約束を果たすために全力でアナタ達に挑んでいる!
それは紛れもない事実デス・・・さぁ、始めましょうカ?フジモトさんッ!」
そう言ってスーさんは外野から投げられたボールを受け取った。

「望むところだ・・・かかってきやがれ!!」
美貴はスーさんと決着をつけるべく前へ出る。

「この一球で終わらせマス・・・アナタも全力を出さないと
無傷では済みませんヨ・・・・いざ!」
スーさんの腕は初めの時よりさらに太くなっていく。


メキッ!メキメキッ!




712 :963 :2007/02/21(水) 02:10:19.87 0
「お、おい・・・なんか変な音が・・・」
「もう・・・遅いデス・・・我が腕の『命』を懸けた最後の攻撃・・・
Hoooooooooooooooooooooooooooooooo!!!!!!!!!!!!!」
スーさんは大きく振りかぶり、投げ放った。


ズギュォォォォォォォォォ!!!!!!!!


「美貴たん!避けて!じゃないと・・・」
「ダメだ!それだけは・・・できねぇぜ・・・この球はスーさんの魂の球・・・
男の生き様を見せられちゃ捕らねぇわけにはいかねぇよ・・・
うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


ガシィィィィィィッ!!!!!


「やった!とった!さっすがミキティだぽ!」
「へっ・・・これは・・・そんな簡単に捕らせてもらえるほどヤワな球じゃねぇぜ・・・」
そう、美貴の腕の中でまだボールは回転と直進を続けているのだ!


ギュギュッ!ギュッ!ギュルッ!ギッ・・・・・


「ちくしょぉ・・・・・・まさかこれほどとは・・・思わなかったが・・・捕ってやったぜ」
「「「やったぁぁぁぁ!!!!!」」」
真希ちゃん、亜弥ちゃん、愛ちゃんが駆け寄ってくる・・・・・・・・?
誰か忘れている気がするけどまぁいいや。


713 :963 :2007/02/21(水) 02:11:33.44 0
「さっすが美貴たん!あの球を一人で捕るなんて最強だよね!」
「あっしもちょっと見直したやよ〜」
「はは・・・捕れたのはいいけどもう今日は腕が使い物にならねぇみたいだ・・・」
「「「!!!!!!!!!」」」
美貴の腕はボールすさまじい回転によりズタズタになっていた。

「すまないな・・・俺がこんなことを頼んだせいで君にとんでもない
重傷を負わせてしまったようだな・・・」
「フフ、なんてことはないデス!一週間もすれば元通りになるでしょう。
それよりも・・・ワタシは役に立てましたか?」
「あぁ・・・あいつはパワーもスピードも根性もあるやっかいな奴だ
しかし、君のおかげでその憂いも消えた・・・ありがとう」
「それではワタシはここで退場することにしマス・・・
居ても邪魔になりますからネ。」
「そうか・・・本当にありがとう。君が約束を果たしてくれた代わりに俺も
情けはなしで行くことにしよう。そしてきっと勝って見せる。」
「楽しみにしていマス・・・それではGood Luck!」

「さぁ・・・今度は俺が相手だ・・・いくぜ!!!」


222 :963 :2007/03/26(月) 00:07:04.06 0
銀色の永遠〜ぶどうヶ丘高校球技大会〜11


「みんな・・・すまねぇ・・・・・だが幸いボールはこっちにある後は任せた!」
そう言い残して美貴は外野へと下がる。

「さて、それじゃゴト・・・」
「あっしが行くやよ!」
真希ちゃんの言葉を遮り愛ちゃんが前へ出た!

「あんた強そうやねぇ〜はよぅ始めよか!体が疼いて仕方ないんよ!!」
愛ちゃんは言い終わると同時に地面に転がっているボールを拾い上げ
即座に投げ放った!!!


シュッ!


(速い!!!!これならあの野郎も捕れねぇぜ!!!)
ボールを拾うときの前への推進力とルノアールの力
この二つでの相手の後を顧みない愛ちゃんの本気!!
スーさんのボールにも劣らない程の速さだ!!!!
だが、美貴はまだあいつをどこかで甘く見ていた・・・その瞬間までは・・・


223 :963 :2007/03/26(月) 00:07:51.57 0


ガシィッ!!!!


捕った・・・普通に・・・そう、何の反動もなしに捕ったのだ・・・あのボールを!!!!!
スーさんのボールを捕った美貴の腕はあまりの力に腕が使い物にならなくなった。
それに劣らないはずの愛ちゃんのボールを捕ったのに・・・なぜ平気なんだ!!!

愛ちゃんは渾身の力で投げたボールを軽く捕られ、放心している。
「愛ちゃん!!早く!早く構えるんだ!!」
美貴は男の動きに気付き、叫ぶ。
(けど・・・さっき捕ったばかりなのになぜすでに投球モーションが最終段階なんだ?)
美貴が考え終わると同時に男はボールを投げた。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!


美貴は自分の目を疑った・・・ほんの一瞬の動作で
さっきの愛ちゃんのを上回る速さでボールが飛んで行ったのだ!!!


224 :963 :2007/03/26(月) 00:08:21.62 0
「ほえ〜?」
愛ちゃんは美貴の叫び声に数秒後に反応して顔を上げる。


メッシャァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!


男のボールは愛ちゃんの右肩の部分に当たり、そのまま後方の外野まで飛んでいった。
愛ちゃんは・・・前のラインから一気に外野のラインまで吹き飛んでいた・・・
これほどの威力・・・あの一瞬からどうやったら生まれるんだ?
「まず一人・・・とりあえずこれで分かったぜ・・・お前達は『危険』とみなす・・・
当分の間再起不能になっていてもらおうか・・・」
男は外野からボールを受け取り、動作に入る。

「くっ・・・こいつは危険だぽ!ゴシッ・・・・・・・・プ・セクシー・・・!?」
真希ちゃんが前に出てスタンドを出そうとした瞬間、男はすでにボールを投げ終わって
ボールはすでに真希ちゃんの目の前に来ていた!!!!


ドゴァァァァァァァァァァッ!!!!


真希ちゃんはみぞおちに直撃を受け、その場に倒れ込んだ・・・
「ごっちん!ごっちん!大丈夫!?」
亜弥ちゃんがすぐに真希ちゃんに駆け寄るがすでに気絶しているようだ。
愛ちゃんも真希ちゃんも確実に保健室送り・・・愛ちゃんに至っては病院かもしれない
美貴は当然病院に行かなくてはならないが・・・あの男は私たちにとっても『危険』だ・・・


225 :963 :2007/03/26(月) 00:09:15.15 0
「これで二人だ・・・・・・・駆け寄った奴もその仲間ということはスタンド使い・・・
もしそうでなくてもなる可能性があるということか・・・」
男は言い終わるとまた投球動作に入った。

「亜弥ちゃん!!逃げろ!とにかく逃げるんだ!!!!」
美貴は必死で亜弥ちゃんに叫ぶ。
(もう・・・・・・間に合わないのか・・・・・ん?)
男は投げる直前の形で止まっている・・・・
「くっ・・・侮ったか・・・・まさかこの俺がスタンドを使っていることに気付かないとは・・・」
男の手からボールが落ちて転がっていく・・・その先にいたのは・・・・

「みんな・・・ひどいよ・・・・・私のこと忘れるなんてさ・・・・」
みうなだ!!!!!!!
あの時なんか忘れてると思ったら・・・みうなだったのか・・・あとであやまっとくか。

「うわぁぁぁん!!!!!!!」
みうなはボールを拾うと抵抗の出来ない男に当てては拾い、当てては拾い
それを繰り返し続け、男はどんどんボロボロになっていく・・・・・・・


ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!


「みうな!やめろ!!こいつを怒らせちゃだめだ!!」
こいつは敵に回したらやばいという予感・・・そしてこのまま続けたら
確実に敵に回してしまうのを恐れ、みうなに向かって叫ぶ。


226 :963 :2007/03/26(月) 00:11:25.52 0


ドガッ!!ドガッ!!ドガッ!!


「くっ・・・どうやら・・・この学校の生徒は・・・・・・要注意のようだな・・・覚えて・・・おくぜ・・・」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」



プァァァァァァァァン・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・はっ!戻ってきたのか?・・・今は・・・昼休みか!
どうにかしてあの男との戦闘はさせなくちゃ・・・・・おっ!」
美貴の視線の先にちょうど外にオールスターズを探しに行く体育教官が目に入った。

「あのぉ〜ちょっと相談があるんでぇ〜一緒にこっちに来てもらえますぅ〜?」
「むっ!?今忙しいんだが・・・ちょっと!ほんのちょっとだけだぞ!」



227 :963 :2007/03/26(月) 00:12:02.86 0
―体育館裏―
「おりゃ」
「ウッ!!」
美貴が体育教官のみぞおちにブギトレの拳をくらわせると体育教官はすぐに眠りについた。
「すいませんね〜外に行ってもらっちゃ困るもんで・・・あ〜あ今日一日だけで
やばい奴を二人も見つけちまった・・・あぁ〜もう!だりぃ!帰って寝る!!
それじゃあセンセイおやすみなさ〜い」

藤本美貴 球技大会をサボって途中で帰る

松浦亜弥、後藤真希 藤本の帰宅を知り試合にわざと負ける

亀井絵里、新垣里沙、小川麻琴、紺野あさみ、高橋愛 
敗退者同士で全試合終了まで保健室で遊ぶ

スーさん 全試合終了まで筋トレ

生徒負傷者多数



・・・TO BE CONTINUED・・・