230 :915:2005/11/30(水) 19:47:08 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい@〜

「あ〜、もう最悪!!」
散乱した臓器を見ながら、私は思わずため息をついた。
今日はなんてついてないんだろう・・・・・・・・・・。

そもそも、財布が無い事に気づいたのは部活が終わって
着替えている時だった。

一瞬焦ったけど、どこに財布を忘れたかははっきりしている。
今日は理科室の掃除当番だったので間違いなくその時だ。

せっかく今日は部活も早く終わったのに・・・・
職員室で理科室の鍵を借りて教室に向かった私は
すぐに自分の財布を見つけた。

中身も無事だ。良かった・・・・・・

その時、人体模型に肩が触れ、模型が横倒しに。

がっしゃ〜ん!!!!!!!!!!!


231 :915:2005/11/30(水) 19:48:04 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいA〜

あ〜あ・・・・・・・・・・・・
派手な音を立てて、不気味な顔した人体模型から心臓やら肺やら
いろんな臓器の模型が散乱してしまってる・・・・

「あ〜、もう最悪!!」
私はため息をつきながら模型を起こして、
散らばった臓器を元の位置に戻し始めた。

なんか位置がわかんないな・・・・
適当でいっか♪

やっとの思いで模型を元(?)に直して理科室を出た。
職員室に鍵を返して校舎を出る頃には外も薄暗くなっていた。

「はぁ〜、30分は早く帰れたのになあ・・・・」
自分が悪いんだけどね。
ぼやきながら歩いていると、後ろから声をかけられた。

「あれ、今帰り?」
振り返るとそこにいたのはあこがれの吉澤先輩!

「は、はい!」
「でも陸上部ってもっと早く終わってたじゃん?
 こんな時間まで何してたのさ」
「そ、その、実は忘れ物をして・・・・・」


251 :915:2005/12/01(木) 00:22:19 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいB〜

私、中等部の矢島舞美。
今は陸上部の大会が間近で練習が結構忙しいけれど
実は演劇部も掛け持ちで所属している。
自慢じゃないけれど、陸上では全国大会に出たりもしてるんだ。

それにしても吉澤先輩と二人っきりで話が出来るなんて!

私は陸上部がメインだし、吉澤先輩もサッカー部と掛け持ちしてるので
なかなか先輩と演劇部で会う事自体がないし、
こうして二人きりでしゃべる機会なんて今までほとんどなかったのに。
それもこれも財布を忘れて理科室で人体模型を倒したおかげかな。
今日はついてないと思っていたけれど、実はめちゃくちゃラッキーじゃん!

しかし、その思いはすぐ失望に変わった。

「ちょっとごめん」
公園にさしかかった時、吉澤先輩は何かに気づき、公園の方に向かった。
私もあわてて後を追う。


252 :915:2005/12/01(木) 00:23:01 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいC〜

「袴田先輩!」
どうやら吉澤先輩の知り合いが公園にいたようだ。
がっくり。せっかく二人っきりでいられると思ったのに・・・・・・・

「おう、吉澤じゃないか。久しぶり、元気にしてたか?」
「先輩こそ」

後から聞いた話だと、この男の人はサッカー部のOBで、
去年、つまり吉澤先輩が高校1年の時のキャプテンだったらしい。
現在は大学生なんだって。

「なんだ、かわいい子連れて。彼女か?」
「ただの演劇部の後輩ですよ。」

ただの、かあ・・・・・・・。そうなんだけどね。ただの後輩なんだけどね。
「初めまして・・・」
私はおずおずと頭を下げた。
「おう、初めまして。
 しかし吉澤、おまえまだ演劇部やってるのかよ。
 おまえがサッカーに専念してくれればチームも
 もっと良いところ行くと思うんだけどなあ・・・」
半ば無視された事よりも、私は別の事でむっとしていた。



253 :915:2005/12/01(木) 00:23:39 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいD〜

吉澤先輩も私と同じ事を疑問に思っていたようだ。
そう、この袴田という人、私たちと会話しながら
リフティングを続けているのだ・・・・・・・・・

私たちの表情を見て気づいたのだろうか、袴田先輩が口を開いた。
「あぁ、これな、実は口車に乗ってしまって、今ちょっと賭の最中なんだよ」
「賭?」
「そこの男とな、リフティングが1000回出来るかどうかでね」

薄暗くなっているので気づかなかったけれど、
少し離れたベンチに座った若い男の人が
ペットボトルの水を飲みながらこっちをじっと見ていた。

「この円から出ずにオレがリフティングを1000回出来るかどうか。
 1000回出来たら10万円オレがもらう。
 失敗したら逆に10万円払う。そういう賭なんだ」
たしかに、袴田さんの足下には土を足か棒で削ったような
半径2メートルほどの円が描かれている。

「じゅうまんえん〜?????」
吉澤先輩が目を丸くした。私もびっくりだ。

「あぁ、ホントに口車に乗ってしまってね。
 でも1000回くらい出来ないわけじゃないし、はい、900!」
そう言いながら袴田さんはリフティングを続けた。


254 :915:2005/12/01(木) 00:25:35 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいE〜

「もちろん、あの山崎という男はこちらの邪魔をしない、
 あのベンチよりこっちには近寄らないという約束。
 誰にも邪魔されなければ1000回くらいわけないさ」
袴田さんがそう言ったその時だった。

ドスッ!!!

鈍い音が袴田さんの背中から聞こえた。
「ごめんなさ〜い!」そう言いながら小学生の男の子が走り寄ってくる。
キャッチボールしていた小学生のボールがそれて
袴田さんの背中に当たった・・・・・・・・・・
男の子はボールを拾うともう一度謝ってすぐに走り去った。

三人の間に気まずい空気が流れる・・・・
そう、野球のボールが当たったせいで、
袴田さんはリフティングに失敗したのだ・・・・・・

「ちょ、ちょっと待ってて!」
あわてた袴田先輩がベンチに走っていく。
「これは、アクシデントだよなあ・・・・」
袴田さんが蹴っていたサッカーボールを拾って、
吉澤先輩がそう言ながらベンチの方を見た。

ベンチの男の人と袴田さんが何か言い合ってる。
きっと、袴田さんは妨害による無効を訴え、
向こうはそれを認めてないのだろうな・・・・

「!!!!!!!!」
その時、袴田さんと男の間に何かが出現した。


271 :名無し募集中。。。:2005/12/01(木) 13:48:51 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいF〜

「矢島!スタンドだ!」
吉澤先輩はそう叫んで走り出した。
私も思わず吉澤先輩の後をついていく。

私たちがベンチに向かった時には、
出現したスタンドが袴田さんを捕まえていた。

「な、なんだ、身体が・・・・・・・・・」
「オマエ、4万円シカ持ッテイナイノカ」
顔には貯金箱のような穴と金額カウンターを持ったスタンドが言った。
「ジャア残リハオマエノ身体デ払ッテイタダコウ」
スタンドはそう言いながら二股のフック状の手を
袴田さんのお腹につっこむ。

「てめえ!!!!!!!!」
吉澤先輩がMr.ムーンライトでそのスタンドに殴りかかろうとする。
「やめろ、無駄だよ」
吉澤先輩の動きを止めたのはベンチに座っていた男だった。
「貴様のスタンドか!!貴様、何の目的で!!」
「俺のスタンドは自動操縦だ。その男は俺に賭で負けた。
 だから取り立て人が発動したんだ。取り立て人はその男の心の影。
 取り立て人を攻撃する事はその男を攻撃することになるんだぜ。」
言いながら男はペットボトルの水を飲んだ。


272 :915:2005/12/01(木) 13:49:25 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいG〜

聞いたことがある。
自動操縦型のスタンドは何か一定の条件で発動し、
こちらのスタンド攻撃も受け付けない。
じゃあどうやってそのスタンドを倒すかと言うと・・・
「それじゃあ本体を叩く!!」
相手の言っている事が嘘じゃないと思ったからだろう、
吉澤先輩は山崎を攻撃しようとした。

「うわあ!!!!!!!!」
袴田さんの叫び声に、またもや吉澤先輩の拳が止まる。

袴田さんの背中で隠れてよくわからないけれど、
敵スタンドのフック状の手が何かを持っている。
あれは・・・・、さっき見た覚えが・・・・

「キサマノ肝臓ヲイタダイタ。コレヲ売リサバイテ金ニスル」
敵スタンドがそう言った。
そうだ!あれはさっき人体模型の中に・・・・

「がっ、はがが・・・・・・・・・・・・」
袴田さんは崩れ落ちた。
「袴田先輩!」
吉澤先輩が袴田さんを抱きかかえるが
袴田さんは苦しそうにうなり続けるだけだ。


374 :915:2005/12/02(金) 21:52:51 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいH〜

「き、貴様!!」
吉澤先輩が敵スタンドをにらむ。
「ソノ男ハ賭ニ負ケタ。勝負ニ負ケタノダ。」
『取り立て人』は続けた。
「コノ男ヲ助ケタケレバワタシト賭ヲスルガヨイ。
 賭ニ勝テバコノ男カラトリタテタ金モ肝臓モ返シテヤル。
 シカシ、負ケレバオマエカラ10万円イタダク。」
「だれがそんな・・・、あっ!」

私と吉澤先輩が気づいた時には山崎という男が逃げ出していた。
走っていった先にあるのは・・・・バイク!!
「先輩!あの人バイクで逃げるつもりです!!
 私があの人を追います!!」
「待て、矢島!なんか・・・・」
吉澤先輩は私を制止しようとしたけれど、
山崎はすでにバイクにまたがってエンジンをかけていた。


375 :915:2005/12/02(金) 21:53:34 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいI〜

「敵スタンドは今ここにいます!
 向こうは生身なんだから私でも大丈夫です!」
そう言いながら私は自分のスタンドを発動させた。
「シンクウェル!!!」
私の身体をプロテクターが包んでいく。
スタンドの種類でも少数派な纏衣装着タイプのスタンドだ。

「サア、コノ男ヲ助ケタケレバワタシト賭ヲスルガヨイ」
『取り立て人』がもう一度言った。
実はこの時、手から臓器が消えている事に気付いたのは吉澤先輩だけだった。

「追いかけます!」
私は走り始めた。
もう一度、吉澤先輩は「待て」と言ったけれど
そのとき私はすでに公園を飛び出していた。


376 :915:2005/12/02(金) 21:54:17 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいJ〜

何かが変だ。そう、何かが・・・・・

たしかに、実際山崎という男はバイクで逃げた。
それを私は追う事は出来ないし、矢島なら追跡は可能だ。
私のMr.ムーンライトでは追撃は無理だ。
でも何だろう、この違和感は・・・・・・・
敢えて言うなら、出来すぎている・・・・・・・

そうは言っても、今の私に出来ることはこの敵スタンドと闘う事だけだ。
それとも矢島が山崎を倒してくれるまで待つか?
しかしもしも矢島が取り逃がしたら袴田先輩はどうなる?

賭をするしかない、か・・・・・
私は決断した。


377 :915:2005/12/02(金) 21:54:44 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいK〜

「わかった。賭をしよう」
「GOOD!」
「条件は?」
「オマエハアノ円ノ中でりふてぃんぐヲ1000回スル
 山崎ハコノべんちヨリ円ニハ近ヅカナイシ邪魔モシナイ
 成功スレバコノ男ノ金モ肝臓モ返シテヤロウ
 失敗スレバ10万円イタダク。ドウダ?」
「袴田先輩と一緒か。それで良い」
山崎って、今逃げたじゃないか。白々しい。
それにしても10万円かあ・・・・。
私はお金を使わない事で有名だ。
みんなでコンビニに行ってもほとんど何も買わない。
毎月の小遣いも3000円あればそれで十分だ。
だから10万円くらいなら貯金がない事もない。
って思ったけど、こないだ大きな買い物したばっかりだった・・・・。
やっべ、負けたら肝臓取られるのかな。
どっちみち先輩助けるためには負けられないけど。

「わかった。」
「ソレデハキサマガアノ円ニ入ッタラすたーとダ。」
リフティング1000回か。
やったことはあるけれど集中力が持つかどうかが鍵だな・・・・
私はベンチを離れ、袴田先輩がリフティングをしていた円の方に歩いていった。

肝臓って取られたらどうなるんだろう・・・・・・・・・



378 :915:2005/12/02(金) 21:55:18 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいL〜

クワァーン!!!!!!

爆音をかき立てて山崎がレースに出るような赤いバイクで逃げていく。
大型じゃないけれど結構スピードが出ているっぽい。
っていうかエンジン音うるさすぎ!

なんて思ってる場合じゃなかった。急いで追わないと!
私は走り始めた。いや、正確に言うとすべり始めた。
これが私のスタンド能力。

ギャルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!

ローラーブレードのローラーがチェーンソーの様に回転し始めた。
この能力と陸上で鍛えた私の脚力があれば時速80キロくらいなら普通に出せる。

「GO!」
私は足に力を込めた。
生身の人間が時速80キロで走ってるのを見たら
普通の人ならびっくりするだろうな。
でも幸い人通りも少ない時間帯だし、
それに山崎は山に向かってるし。
これならそうそう誰にも見つからないだろう。


379 :915:2005/12/02(金) 21:55:58 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいM〜

私は山崎の走るバイクのエンジン音が近くなってきているのを感じた。
もうすぐ追いつけるな。

それにしても幸運だったかも。
相手はバイクで逃げる用意をしていたわけだし、
何人かバイクを持っている人はいるらしいけど、
演劇部でもスタンド自身で追撃可能なのは私くらいじゃないかな。

そう思いながらコーナーを曲がると山崎のバイクを視界にとらえた。
よし、もう少しで追いつける!

向こうもサイドミラーに私の姿を発見したのだろう。
走りながらちらほら後ろを確認し始めている。

その時だった。
山崎が左手でピストルの形を作って一旦人差し指を
口にくわえたかと思うと、後ろ、つまり私の方向に指さした。

ドギュドギュドギューン!!!!!!

381 :915:2005/12/02(金) 21:56:49 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいN〜

なっ???????????????

山崎の指から何かが飛び出した!
走りながらだから狙いがつけられないのだろう。
私に当たる心配は無かったが、しかし今のは?
本物のピストルじゃなかったし、でもそれじゃあスタンド攻撃?

いきなり撃たれたショックと敵の攻撃という意味がわからず
私が混乱している間に再びバイクとの距離は拡がった。

あわてた私は再び加速をかけた。
と、近くのお寺か何かの観光用だろう、
山の中腹にある大型駐車場にバイクが向かって行き、そこで停車した。

私も駐車場に入り込む。
すると私を待ちかまえていたかのように
山崎が右手で鉄砲の形をとり、左手を右手に添えて
私を狙いすましている。

やばい、さっきのが来る!!

ドギュドギュドギューン!!!!!!

またもや三発、山崎の指先から何かが発射された。
今度は確実に私に向かっている。



382 :915:2005/12/02(金) 21:57:18 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいO〜

ジャギィィィィィィィィィィィン!!!

「へえ〜」
山崎が感心したように声を漏らした。

私は山崎の撃った弾(?)をすべて切り裂いていた。
私の手首につけたプロテクターから刃が直角につきだしている。
これが私のスタンド「シンクウェル」の「装備」の一つ、輝彩滑刀の流法(モード)。
原理はローラーブレード、輝彩滑走の流法(モード)と一緒で、
刀身を小さい刃がチェーンソーの様に細かく回転している。

私は輝彩滑刀をかまえて山崎をにらむ。
「そうにらむなって、かわいい顔が台無しだぜ」
そう言いながら山崎はペットボトルの水を飲んだ。

「おまえ、さっき俺のフー・ファイターズ弾を切り裂いただろ?
 後悔するぜ。三発撃ったのを切り裂いたからな。」

ズゴォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

突然、私の周りの地面から何かが飛び出した。いや、「膨張」した。


439 :915:2005/12/03(土) 19:41:42 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいP〜

「なっ????????????」
私は六体のまるで宇宙人の様な人型に囲まれた。
「さっきおまえが切り裂いたフー・ファイターズ弾だ」

やっぱりこれがこの男のスタンドなんだ!
じゃああの『取り立て人』は?
亀井さんの様にスタンドが成長して使い分けるならともかく、
あまりにも違いすぎる!!!
私は考えながらも襲ってくる敵スタンドを輝彩滑刀で切り裂いた。

ビチャ!!!!

敵スタンドは肩口からまっぷたつに切り裂かれて地面に叩きつけられる。

「また斬ったな」
山崎が笑いながら水を飲んだ。

ウジュルウジュルウジュル・・・

切り裂かれた二体がまるで細胞分裂を繰り返すかの様に増殖し、
またそれぞれ一体となって立ち上がった。
これ、斬れば斬るほど敵の数増えるんじゃない?


440 :915:2005/12/03(土) 19:42:17 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいQ〜

あちこちに痛みを感じる。
くっ、切り裂いている間に何カ所か別の敵スタンドから攻撃くらってるっぽいし・・・・・

やばい、斬ったらダメなんだ・・・・
私のシンクウェルはこいつと相性が・・・・悪すぎる・・・・!

「サービスだ、教えてやる。
 俺のフー・ファイターズは微生物の集合体でな、
 増殖を繰り返してその形になってるんだ。
 不定形だからある程度の変形も出来るしな」

山崎が言ったその時、フー・ファイターズの一体の手が
突然鞭のように伸びて私を襲った。
鞭は私の首を締め上げる・・・・・・・・

苦しみの中で私は考える。
今、変形と言った。変形って・・・・・・・・・

突然私の中で今日一日の光景が浮かび上がった。
理科室、吉澤先輩、『取り立て人』・・・・

やられた!!!!!!


441 :915:2005/12/03(土) 19:43:01 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたいR〜

私はだまされていた事に気づいた。
まずい、吉澤先輩が危ない!!!!!!!

私は鞭を輝彩滑刀で切り裂いた。
そして首に巻き付いた鞭をつかんで地面に叩きつける。

これで何体になったっけ?
もう数えるのも面倒なくらい取り囲まれている・・・・
だけど、こうしてはいられない!!!

「行け、フー・ファイターズ!!!」
山崎の号令とともに、フー・ファイターズたちが一斉に私を襲う。

「輝彩旋風の流法(モード)!!!!!!!」

私はフィギュアスケートのスピンの様に
ローラーブレードを使って高速回転を始めた。
まるで竜巻のようになった私は
回転しながらの輝彩滑刀でフー・ファイターズを次々と切り裂き、
そのまま移動してフー・ファイターズの囲みを強行突破した。

囲みを脱出した私は一旦回転を止めてかまえる。

「オマエ、今ので何体斬ったのかわかってるのか?」
山崎が言うと、フー・ファイターズがどんどん地面から増殖して立ち上がってくる。
もう20体は軽く越えているだろう・・・・・・


442 :915:2005/12/03(土) 19:43:44 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい20〜

「観念しなよ、もう勝ち目無いって」
山崎は言いながら水を飲んだ。
あぁ、この男、さっきから水ばっかり飲んでるけど、
もしかしてそれがこのスタンドの秘密なのかな。
ふとそう思った。思ったけれど・・・・

「演劇部にはね・・・・・・・・
 伝統的な必勝法があってね・・・・・・・」
「なんだよ、まだ打つ手があると思ってるのか?」
「うん、絶対負けない。必勝法って言っておいて
 負けないっていうのも変だけど・・・・」

私は山崎に突然背を向けた。
「それはね・・・・・・・逃げる!!!!!!!」

輝彩滑走の流法をフル回転させて一目散にその場を逃げ出した。
一瞬ぽかーんとした山崎は我に返り、
「てめえ!!!」
と言いながらバイクにまたがった。


443 :915:2005/12/03(土) 19:44:24 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい21〜

さっきとは逆の展開。今度は私が逃げて向こうが追いかける番。
バイクで追いかけてくるということは
スタンドを操作出来る射程距離自体はそう長くはないのだろう。
そう考えながら私は足に力を込める。

でも2メートルとかそんな事はないだろうな。
5メートルとか10メートルとか・・・・。
向こうには鉄砲みたいに撃ってくる能力もあるし、
それがたとえ私自身に命中してダメージを与えなくても
プロテクターに当たるだけでもそれで実体化して捕まってしまうと考えなきゃ。
今度はさっきと違って自分の進行方向に弾を撃つわけだから
命中率もさっきより高いだろう。
逆に後ろを振り返れない私の方が不利だ。
やっぱり、引き離すしかない!!!!!!

私の思いもむなしく、エンジン音は確実に大きくなってきている。

ドビュッ!!!!!!!!!!
「観念しやがれ!!」
山崎の叫び声とともにフー・ファイターズ弾が発射される音が聞こえた。
後ろを振り返れない私は勘で蛇行して弾を避ける。


444 :915:2005/12/03(土) 19:45:15 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい22〜

「いつまで逃げられるかな!?」
山崎が続けざまに連発した。
そのうちの一発が耳元をうなりを上げて通り過ぎていく。

フー・ファイターズ弾は前方の地面に着弾したあと増殖し、
上半身だけの状態で私を待ちかまえる!

操作可能な射程距離に入ってしまった!
私は待ちかまえているフー・ファイターズにローラーブレードを向けて
そのまま回転しているブレードで斬りつけた。

「メシャアアアアアアア!!!!!!」
フー・ファイターズが叫び声をあげる。
たぶんまた分裂しているだろうけれど
私が通り過ぎていく分には射程距離を離れていくから問題無い。

それよりも、山崎のバイクがどんどん近づいてくる・・・・
もう、捕まる・・・・・・・・・・・!!

私は奥の手を使う事にした。
これ、はっきり言って怖いからあんまりやりたくないんだよね・・・・

「輝彩滑刀逆回転!」
私は手首に垂直に立っていた輝彩滑刀を寝かせて
腕と平行な状態にした上で、刃を通常と逆回転させた。

「輝彩神速の流法(モード)!!!!」


445 :915:2005/12/03(土) 19:45:57 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい23〜

「なっ!?」
山崎がびっくりして叫んだ声とエンジン音がどんどん遠くなる・・・・
これが私の奥の手、輝彩神速の流法!
腕を背中に持ってきて仰向けに寝転がる。
そして冬季オリンピックで見る「リュージュ」の様に
足のローラーブレードに加えて腕の輝彩滑刀の回転も使って
大幅に滑走スピードをアップさせる!!

「キャアアアアアア!!!!!!!」
自分でやっていても思わず叫んでしまう。
時速にしたら150キロはゆうに越えているだろう・・・
めちゃくちゃ怖いんですけど!!!!

もちろん、向こうも見たところバイクの性能は
100キロ以上は出す事は可能だろう。
でもこの山道を下り降りるにはテクニックと度胸が必要だ。
そしてそれ以上に・・・・・・・・・・
少しでもこっちが早く公園に戻れば勝ちだ!


446 :915:2005/12/03(土) 19:46:25 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい24〜

スカートがものすごい勢いでめくれあがってる。
これパンツ丸見えだろうなあ。
でもこれだけのスピードなら万が一人に見られても
何かわからないか・・・・・・・
なんて一瞬だけ余計な事を考えたあとは
運転(?)に意識を集中させる。
コーナリングでは身体を傾けて
スタンドのプロテクターで地面を激しく擦りあげる。

バイクのエンジン音がだんだん小さくなる・・・・
そして、さっきの見覚えある景色が近づいてきた・・・・
公園だ!まずは逃げ切った!

私はそのままの勢いで公園に飛び込んだ。
入り口の段差で大きく跳ね上がった私の身体は
宙に浮いたあと、重力に従って地面に落下する。
私は身体を丸めてプロテクターで身を守りながら一回転した。
なんとか無事到着したみたい。

でも安心するのはまだ早い!吉澤先輩は・・・・!!


477 :915:2005/12/04(日) 14:14:00 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい25〜

「吉澤先輩!!」
吉澤先輩はリフティングをしていた。
良かった、まだ無事だ・・・・・・・・

「矢島か。帰ってきてくれて助かったよ。
 ちょっと悪いんだけどさ、あの人をなんとかしてくれないかな。
 この円から出られないからね・・・・・
 向こうもこっちの射程距離わかっていて近づいて来ないんだよ。
 さすがにスタンドを使いながらリフティングはしんどいや」
吉澤先輩は無理に笑った。

そう、吉澤先輩が円から出られない事を良いことに、
Mr.ムーンライトの射程距離外からエアガンで吉澤先輩を
撃って妨害している男がいた。
Mr.ムーンライトでエアガンをガードしているものの、
吉澤先輩も限界の中でリフティングを続けていた事になる。

私はエアガンの男をにらむ。
そう、ベンチの近くで倒れていたはずの、袴田という男を!!



478 :915:2005/12/04(日) 14:14:39 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい26〜

私はMr.ムーンライトに代わってエアガンから吉澤先輩を守る。
「俺たちすっかりだまされていたよな。
 あの山崎って男のスタンド、何かに化けたりする事でも出来るのか?」
「はい、微生物の集合体が増殖を繰り返すスタンドで、
 簡単な変形も出来るって言ってました!」
「おかしいと思ったんだよ。肝臓をもらうって言ってたけどさ・・・」
「私も後から気づきました。あのスタンドが持っていたものは
 肝臓じゃなくて・・・・・・・・・・・・・・・・・腎臓でしたよね!」
「あぁ、それも山崎のスタンドが作った偽物だろ?
 肝臓と腎臓くらい間違えるなよ、って俺たちも気づかなかったんだけどな」
吉澤先輩が自嘲気味に笑った。

私は輝彩滑走の流法で慌てる袴田さんに向かって走っていくと、
袴田さんが防御する間も与えず、お腹に速度に乗ったままパンチを入れた。
「げふぅっ!!!」
今度こそ、演技ではなく袴田さんは崩れ落ちた。

「袴田先輩!」
吉澤先輩がリフティングしながら言った。
「まさか貴方が『取り立て人』の本体だったとはね。
 最初出現した『取り立て人』は山崎のスタンドが作った偽物で、
 山崎がバイクで逃げるために俺たちが目を離した隙に
 あなたの本物のスタンドと入れ替わったんですね。
 そして矢島を追わせて俺を一人にしておいて・・・・
 確かに俺が約束したルールでは『山崎は邪魔しない』だった。
 だから貴方が邪魔し放題というわけですね。」



479 :915:2005/12/04(日) 14:15:16 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい27〜

吉澤先輩は続けた。
「このままリフティングを続けてゲームクリアして良いですけどね、
 さすがに面倒くさいからもう解除してもらえませんかね?
 それがイヤならこの子が貴方をぶちのめすだけですが・・・」

その言葉を聞いて、私は大事な事を言うのを忘れていたのを思い出した。
「吉澤先輩、違います!!
 私、逃げてきただけで山崎はまだ・・・・!!」

クワァーン!!!!!!

聞き覚えのあるバイクのエンジン音がもうすっかり暗くなった公園に響き渡る。
山崎がバイクごと公園につっこんできた!!!

「逆転したな!!!」
袴田さんが叫ぶ。
と同時に、袴田さんのポケットから
何かが飛び出してきた。
これは・・・・・・・・・、フー・ファイターズ!!!

「最初の取り立て人に化けていたフー・ファイターズの一部を
 万が一に備えて袴田のポケットに隠しておいたんだよ!!
 そして射程距離に入った!!!」
山崎が叫んだ。


480 :915:2005/12/04(日) 14:16:03 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい28〜

ポケットから飛び出したフー・ファイターズは
みるみる増殖して人型になったかと思うと
不意を突かれた私を拘束する・・・・・!
しまった!!!
私は形勢が再逆転した事を激しく後悔した。
私がさっさと袴田さんを倒しておけば・・・

「勝負あったな。」
山崎が言った。

「あぁ、勝負あったぜ」
吉澤先輩はそう言って笑いだした。
そして突然リフティングしていたボールを大きく蹴り上げたかと思うと
円を出て私たちの方向に走り始めた!

「バカめ!ゲームオーバーだ!!」
袴田さんが叫んだ。
「取り立て人!ヤツをぶっ殺せ!!!」

ボールが地面に落ち、大きくバウンドする・・・
リフティング失敗だ・・・・

「あぁ、ゲームオーバーだぜ。オマエ等のな!」


509 :915:2005/12/04(日) 21:51:16 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい29〜

走ってきた吉澤先輩がそう言うと
Mr.ムーンライトが白く輝き出す・・・・!
「良い感じで月も出てきたぜ!!!」
「な、何故だ!取り立て人!!!早く・・・」
「お、おい、袴田!!何やってんだ!」
山崎もあわてて叫ぶ。

ドガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!
Mr.ムーンライトが地面を何度も激しく殴りつける!
「うおぉぉぉ!決めるぜえええええ!!!!!!!」
「くっ!フー・ファイター・・・・」
「HEY! LET'S HAVE A DANCE, MY DEAR!!!!!」

吉澤先輩の決めゼリフと共に、Mr.ムーンライトが蹴った
無数の見えない<衝撃>が山崎を襲った!

バゴドギャグゴメキグギャア!!!!
「げろぼぇ!!!!!!!!」


510 :915:2005/12/04(日) 21:51:58 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい30〜

山崎が吹っ飛ばされると同時に、
私を捕まえていたフー・ファイターズが
ボロボロと崩れ落ちる・・・・

ぶっ飛ばされた山崎が地面に落ちてきた時には
私は自由になっていた。
すかさず私は腰を抜かして
みっともなく倒れている袴田さんののど元に
輝彩滑刀を突きつける。

「これでホントにゲームオーバーですね」
吉澤先輩が言った。
「何故だ・・・・、何故取り立て人は・・・」
「まだ気付かないんっすか?袴田先輩」
吉澤先輩は続けた。
「山崎はバイクで思いっきり公園に突っ込んできたじゃないっすか。
 ベンチよりこっちに山崎は近寄らないってルールだったでしょ。」
「あ・・・・・・・・・・・」

『取り立て人』は、いや、袴田さんは
(演技だったけど)自分がリフティングしていた時の
ルールをそのまま吉澤先輩との勝負に適用させた。
つまり、「山崎が邪魔しない」というルールを成立させ、
それを逆手に取って自分が吉澤先輩の妨害をしていた。
でも・・・・、バイクで公園に乗り込んできた山崎は
もう一つのルール、「ベンチより円に近づかない」に違反していた!!


511 :915:2005/12/04(日) 21:52:41 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい31〜

「ルールを逆手に取ったつもりが墓穴を掘りましたね」
吉澤先輩が言った。
「さて、こっちもいろいろ聞きたいんですけどね・・・」
こうなると戦闘用スタンドでないスタンド使いは無力だ。

「ひっ、ひぃ!!!ごめん、本当に悪かった!
 オレってスポーツ推薦で大学に入ったんだけど
 実はケガをしてクラブは辞めていたんだ。
 だから免除されていた授業料とかも・・・」
「そんな事はどうでもいいです。」
吉澤先輩が冷たく言い放った。

「俺が聞きたいのは・・・・・・・・
 どうやってスタンド能力を身につけたかという事と・・・・
 何故俺と矢島が二人で帰るって事を知っていたかという事ですよ」

え?どういう事?私は思わず吉澤先輩を見た。

「今回の罠は相手が俺たち二人でなければ
 罠として成立しなかったはずだ。
 用意周到というか、都合が良すぎるんですよ・・・・!」

そう言えばそうだ・・・・。
サッカーが得意な吉澤先輩、高速移動出来る私のスタンド・・・・。


512 :915:2005/12/04(日) 21:53:43 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい32〜

「俺もわからないんだよ・・・・
 サッカー部も大学も辞めて、荒れていた俺は
 たまたま知り合った山崎とつるむようになっていたんだけど、
 ある日スタンドがあらわれて俺たちにも
 スタンド能力が発現した事を教えてくれて・・・」
「スタンドが?本体じゃなくて?」
「あぁ、スタンド自身がだよ。
 なんでスタンド能力が身に付いたのかはわからない。
 前日に二人とも矢で刺された夢を見たから
 それが関係してるのかなとも思ったんだけど・・・」

それは、夢じゃなくて・・・・事実だ・・・・。
私は話を聞きながら思った。

「で、自分のスタンド能力を理解した俺たちに
 そのスタンドが教えてくれたんだよ・・・。
 これから吉澤ともう一人女の子が一緒に下校してくるから
 俺たちのスタンドを使って二人をペテンにはめろって・・・」
「そのスタンドってのは?」
「知らないよ、いつもものの陰から話をしてくるから
 ちゃんと見たことは無いんだよ・・・・
 ただ、人型で派手な横縞だったような・・・・」


513 :915:2005/12/04(日) 21:55:08 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい33〜

結局、それ以上の事は聞き出せなかった。
たぶん、袴田さんが言っている事は嘘じゃないし、
それですべてだったんだろう。
少なくとも吉澤先輩はそう判断したようだ。

もちろん袴田さんは吉澤先輩のMr.ムーンライトに
「また悪さしないように&おしおき」
って事でボッコボコにされたんだけど。

吉澤先輩ってそういうところ容赦無いな・・・・・・


514 :915:2005/12/04(日) 21:56:09 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい34〜

「あ〜あ、すっかり遅くなってしまいましたね」
「うげっ、もうこんな時間。
 ちっ、今日はサッカー部終わったらさっさと帰って
 見たいテレビがあったのになあ・・・・」
「でも私も先輩もたいした怪我なくて良かったです。
 私、来週大会なのに怪我したら大変でしたよ」
「おいおい、陸上部も大事だけど、
 演劇部の方もちょっとは出てくれよ」
吉澤先輩が笑いながら言った。

「はい、大会終わったらちゃんと出ますよ。
 放課後職員室で寺田先生に捕まった時にも
 同じ事言われましたし・・・」

「寺田先生に?」
吉澤先輩が怪訝そうな顔で私を見た。

「はい、部活終わって忘れ物したので理科室の鍵を取りに
 職員室に寄った時にちょうど寺田先生がいて。
 最近どうやねんって色々話しかけられたんですよ」
「そうか、じゃあ私はそのあとだなあ・・・・」
「あと?」
「あぁ、練習終わってサッカー部の北澤先生の所に
 部の用事で行った時にさ、
 私も寺田先生に捕まってね、同じ事しゃべってたよ。
 最近部員の出席率はどうなんだってね」
「ふ〜ん、じゃあ私と吉澤先輩入れ違いだったんですね」
「そうだな・・・・・・・・、そうなるな・・・・・・・」


515 :915:2005/12/04(日) 21:56:55 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい35〜

「二人はなんで負けたかわかるか?」
『せっかくこっちがいろいろと作戦を練ってやったのに
 肝心なところでミスをいくつも犯していたな』
「う〜ん、それじゃあ50点やわ。」
『ほう?』
「あの袴田という男、相手をペテンにかけんのに
 相手をだますためやなくて、自分が傷つくのがイヤやから
 内臓の偽物を作らせたんや。相手を騙すには徹底せなあかん。
 ホントに自分の腎臓を取り出すくらいでないとな。」
『その程度の男だったと言うわけか』
「どうせ腎臓は二つやし後で戻すんや。
 それくらいせんとどうすんねん、はっはっは」
『笑いながら恐ろしい事を言う男だな、君は。
 そもそも相手は自分の生徒、いや、部下じゃないか』
「ナイフはな、集めるだけじゃあかんのや。
 よう切れるためにはちゃんと研いで手入れせなあかんのや」
『だからって・・・・。とんだ聖職者だな、君は。
 まあいい。私は君に協力した。あとは約束通り、私自身の為に
 用済みとなったあの二人のスタンドをいただくだけさ・・・』
「はっはっは。あんたかってとんでもない聖職者やないか、なあ、神父はん。
 しかし便利なスタンドやなあ」
『そんな全てがうまく行く訳では無いよ。スタンドは個人の才能だ。
 強すぎるスタンドは誰にも扱えないし、
 例え扱えてもオリジナルと全く同じ能力が発現するとは限らない・・・』


516 :915:2005/12/04(日) 21:58:29 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは早く帰りたい36〜




「なあ、吉澤。袴田先輩が行方不明で家族から
 捜索願が出されているんだって。
 オマエなんか知らないか?」


矢島舞美
スタンド名:シンクウェル

袴田吉彦 再起不能→?
スタンド名:取り立て人マリリン・マンソン

山崎裕太 再起不能→?
スタンド名:フー・ファイターズ

TO BE CONTINUED…