2 :915:2006/11/10(金) 21:30:39.29 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる@〜

〜鈴木愛理〜

「ミキティ、みうなからメール来たよ。向こうは今交戦中だって」
「そっか。戦況はどう?」
「そこまでは・・・・。敵は鈴木亜美ともう一人って書いてるから
 浜崎あゆみじゃないみたいだね」
「まあみんなを信じるしかないね。
 それにしても向こうについては梨華ちゃんの推測当たりまくりだな」
「こんこんの情報収集と安倍さんから鈴木亜美の性格とか
 聞いていたおかげだけどね」

藤本さんと石川さんとそして私、鈴木愛理は新入部員の栞菜ちゃんの家を
少し離れた位置からもう何十分も見張っている。




昨日の夜、石川さんから愛理に電話がかかってきた。
桃子ちゃんが敵(若槻千夏)に捕まって脱出してきたということ、
桃子ちゃんは誰かと間違えられていたらしいということ。

何か思い当たる節はないかと聞かれて愛理はあることを思い出した。
そう、あの紙を操る敵(阿部絵里恵 )と戦った時に
敵が栞菜ちゃんを桃子ちゃんと間違えた事、
敢えて訂正せずに向こうの勘違いに乗った事を。


3 :915:2006/11/10(金) 21:31:38.42 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるA〜

石川さんはそれだと言った。

それからまた十数分後、再び電話をかけてきた石川さんは
浜崎あゆみの狙いが栞菜ちゃんだと言った。
なんで栞菜ちゃんなのか石川さんは言ってくれなかったけれど、
石川さんは舞美ちゃんと桃子ちゃんに
栞菜ちゃんの家に泊まるように指示をしたと言っていた。

桃子ちゃんは昨日敵に捕まっていた時に
桃子ちゃんの自宅には舞美ちゃんの家に泊まると工作していたから問題無かったし、
(思ったより早く帰ってきたからそれ自体は無駄骨だったんだけど)
舞美ちゃんも桃子ちゃんを家に泊めなくて済むということで
喜んで二人で栞菜ちゃんの家に昨日のうちに移動している。

栞菜ちゃんをどこかにかくまっておいて
栞菜ちゃんの家で石川さんたちが待ち伏せするという作戦もあったんだけど
敵の情報網もバカには出来ないし、裏をかかれたら栞菜ちゃんを守れないから
栞菜ちゃんは敢えて避難させない事にさせたらしい。

幸か不幸か、栞菜ちゃんと一緒に住んでいる
お祖父さんとお祖母さんは旅行中なので栞菜ちゃんの方も問題無かった。


4 :915:2006/11/10(金) 21:32:16.95 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるB〜






「なんであんたたちまでいるの・・・・・」
今から数十分前、栞菜ちゃんの家に到着した石川さんはため息をついた。

昨日電話をもらってから愛理はみんなに電話をかけまくった。
入院しているちな(徳永千奈美)、なかさきちゃん(中島早貴)、まぁ(須藤茉麻)、
そしてまだこないだの怪我のダメージが大きい
めぐ(村上愛)、くまいちゃん(熊井友理奈)をのぞく
りぃちゃん(菅谷梨沙子)、佐紀ちゃん(清水佐紀)、
えり(梅田えりか)、雅ちゃん(夏焼雅)、私(鈴木愛理)、
そしてもしものためと連れてきた舞ちゃん(萩原舞)が待っていたからだ。

「あんまりあんたたちを巻き込みたくなかったんだけど・・・・」
「そんなこと言ってられませんよ。
 栞菜はつきあい短いけどもう私たちの友達なんだし、
 まぁたちもやられてるんですから敵討ちもしたいですし」
雅ちゃんが語気を強めて言った。


5 :915:2006/11/10(金) 21:33:03.05 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるC〜

「私たちだけじゃなくて関係ない千聖ちゃん(岡井千聖)まで
 スタンド使いにやられましたしね。
 もう先輩だけの問題じゃないですよ」
えりも続いた。

「梨華ちゃん、来ちゃったもんは仕方ないんだし手伝ってもらおうよ」
現実的な藤本さんの意見に石川さんも渋々承知した。

それで今は部屋の中では栞菜ちゃん、桃子ちゃん、舞ちゃん、りぃちゃん、
佐紀ちゃん、えりでゲームとかして遊んでいる。





石川さんの作戦はこうだ。
もしも浜崎あゆみとその仲間が近接戦闘タイプで、
なんらかの方法で近づいてきても
舞ちゃんの『アフタースクール・オブ・ミルクホワイト』で
スタンドが発動しないからその地点で向こうもただの人。
大人と小中学生と言っても6人も部屋の中にいるのに
いきなり栞菜ちゃんを生身の身体でどうこうは出来ないだろう。


6 :915:2006/11/10(金) 21:34:05.11 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるD〜

万が一、部屋の中で何か異変があった時はすぐわかるように
部屋の中の子たちが交代で
一人はカーテンからこちらに合図を送るようにしている。
もしも鏡を落としたりしたら異変があると考えて良いだろう。
また、部屋には盗聴器を置いてあって、
みんなの遊んでいる声を石川さんがチェックしている。

舞ちゃんのスタンド能力を敵がなんらかの方法でかいくぐっても
二重のチェックで異変が起こればすぐにわかるというわけだ。

問題は敵が遠距離タイプの場合。

「千奈美ちゃんがいれば良かったんだけどね・・・」
石川さんの嘆き通り、先日の戦いでリタイアしているちながいれば
近寄ってくる敵を感知することも出来たし、
それなら小学生の舞ちゃんを巻き込む事も
引っ張り出してくる必要も無かったんだけど・・・・・・・・。


7 :915:2006/11/10(金) 21:34:41.36 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるE〜






「それにしても梨華ちゃん、おかしくないか?
 杜王港近くの栄米大ゼミナールハウスから
 杜王町の北はずれにあるこの栞菜ちゃんの家と
 S市のコンクール会場じゃあこっちの方が近いんだぜ?
 浜崎はどこで何やってるんだろう・・・・・・・・・・」
藤本さんは双眼鏡をのぞきながら思わずつぶやいた。

藤本さんがのぞく双眼鏡の先には栞菜ちゃんの部屋のカーテンから伸びた腕と
その先の手の中でキラキラと反射している鏡の光があった。

「う〜ん・・・・。
 でも鈴木亜美に攻撃させておいて自分は動かないって事は無いだろうし
 こっちにくるはずなんだけどね・・・・・・・」
イヤホンの音を聞きながら石川さんも不安そうに言った。

「今は我慢比べですね」
隣にいたジャージ姿の愛理は双眼鏡をきょろきょろさせながら言った。


8 :915:2006/11/10(金) 21:35:24.47 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるF〜

視線の先には舞ちゃんのスタンドの射程距離ギリギリ外で
物陰に隠れて警戒している雅ちゃんと舞美ちゃんがいる。

相手を視界に捕らえさえすればセカンドの発動条件が整う。
だから愛理は敵を探すのを手伝っているし、今日は最初から
セカンドを出す覚悟をしていたからこの格好だ。

『カッタルイゼ〜』
「こら、エンジェルも文句言わないッ!」
愛理は自分のスタンドの頭をぺしっと叩いた。

「そうだね。がんばろっ」
石川さんも同意して再び双眼鏡で周りをチェックし始めた。





その時だった。


ひゅううううううううううううううううううううううう


何か風を切るような音が遠くでした。


317 :915:2006/11/16(木) 22:00:14.82 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるG〜

「あれ?何だろ、アレ・・・・」
愛理は石川さんの声に双眼鏡を空に向ける。



飛行機・・・・・・・?
いや、飛行機は飛行機だけど・・・
どっちかって言うと映画『トップガン』とかに出てくる戦闘機みたい。

ずいぶん遠くを飛んでいるみたいだけど
なんでこんなところに・・・・・・・・・


「あれ、何か乗ってない?」
もう一度石川さんに言われてよく見てみると、たしかに
戦闘機の上に何かが乗っている。



あれは・・・・人?



戦闘機と同じサイズの大きな人が乗っている???


318 :915:2006/11/16(木) 22:01:07.12 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるH〜







違うッ!



人が大きいんじゃなくて、戦闘機が小さいんだ・・・・




つまり・・・・・・・・







遠くじゃないッ!すぐ近くを飛んできてるんだッ!!!


319 :915:2006/11/16(木) 22:01:52.22 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるI〜





愛理が気付いたその時だった。
戦闘機から何かが栞菜ちゃんの家に向かって発射されたッ!

バリイイインッ!!!!!!!!

ドゴオオオオオオオオオオオンンンンンンッッッッッッッ!!!!

その途端、栞菜ちゃんの部屋の窓ガラスが割れ、爆音が生じるッ!!

「あうッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

それと同時に石川さんが思わずイヤホンを耳からむしり取る!

『ナ、ナンダヨナンダヨ!!!!』

!!!!!!!!!!!!!!!!!

のぞく双眼鏡の向こうでカーテンの先から伸びた手から
手鏡がするりと落ちた・・・・・・・・・・・・・・。


320 :915:2006/11/16(木) 22:02:51.24 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるJ〜

「梨華ちゃんッ!!手鏡がッッッ!!!!!!!」
「わ、わかってるッ!中で何か異変が・・・・・・・、耳が・・・・」
石川さんはイヤホンをしていた左耳を押さえながら言った。

さっきの爆発音はみんながいる部屋の中からッ!


「えりッ!えりッ!応答してッ!!
 ダメですッ!返事ありませんッッッッ!!」
愛理はトランシーバーを持って叫んだ。


「ちいっ!あれスタンドだぜ!
 岡井ちゃんと同じように背中に本人を担いで移動するタイプかッ!!!!」

まさか空を飛ぶスタンドとはッ!

「行くわよッ!!」
石川さんがあわてて家の方に走り寄ろうとした。

「ダメですッ!!!あぶないッ!!!」
愛理は思わず石川さんにしがみつくッ!


321 :915:2006/11/16(木) 22:03:37.90 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるK〜

その瞬間・・・・・・・・・




ひゅうううううううううううう・・・・・・・・・・



戦闘機からミサイルがこっちに向かって発射されたッ!


ドグシャアアアアアアアアアアァァァァンンンンンッッッッッッッッ!!!

ミサイルは私たちの手前で道路に当たって激しく爆発する。


「うわあッ!!!」
愛理たち3人は目の前の爆発に思わずのけぞる。


「くっ!近寄らせないつもりかよッ!みんなを早く助けなきゃ・・・・・・」


322 :915:2006/11/16(木) 22:05:04.54 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるL〜

失敗だッ!
スタンド能力さえ無効にしてしまえば
あとは人数で栞菜ちゃんを守れると思ったのに
逆に負担になってしまうとは・・・・・・・・・・。

そのとき。
「ミキティ、愛理ちゃん、来たわよ・・・・・・・・・・」
梨華ちゃんが言うので逆の方向を見る。






ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド






浜崎あゆみッ!!!!!


323 :915:2006/11/16(木) 22:05:54.90 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるM〜



「来やがったか・・・・・・・・・」
藤本さんもつぶやく。
ダウンジャケットのポケットに手を突っ込んでガムを噛みながら、
浜崎あゆみが悠然と歩いてくる・・・・・・・・・。




「あ、あれ・・・・!」
愛理は再び戦闘機の方を見て思わずつぶやいた。

戦闘機は・・・・・・・・・・・・
まるで変型したかのように胴体部分の一部が可動して
手と足が生えたようになっている・・・・・・・・・。

ドシュウ、ドシュウッ!!

手と足が生えた戦闘機は栞菜ちゃんの家に近づきながら、
手に持ったライフルから光線を発射して舞美ちゃんと雅ちゃんを牽制している。


324 :915:2006/11/16(木) 22:06:43.68 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるN〜

「なんだよあれ、まるで変型ロボットじゃん・・・・・・・・・」
「さあ、困った事になったね・・・・・・・・・・。
 浜崎あゆみともう一人と、それぞれ相手しなきゃいけないけれど
 みんなを守らなきゃいけないし・・・・・・・・。
 まさか全滅するとは思ってなかったから・・・・・・・・・。」
石川さんは浜崎と戦闘機を両にらみしながら言った。

そうこうしているうちに戦闘機は栞菜ちゃんの家の屋根に両足で着陸した。
そして背中に乗っていた女が降りると、
さらに変型して今度は完全なロボットの形になった。

「ひぇ〜、かっけ〜」
藤本さんが吉澤さんの口まねで思わずつぶやく。

「私達を家の中に入れないつもりね・・・・」
「梨華ちゃんどうするよ?」

「石川さん、藤本さん、愛理が家に入るのを向こうの二人とサポートしてください。
 とにかく今は愛理がみんなを守ります!」
「守るって、愛理ちゃんのスタンドは相手ありきだろ?
 どうやって・・・・」
「雅ちゃん!『アレ』をやるからサポートしてッ!!!」
愛理は藤本さんの質問に答えず、家の方向にいる雅ちゃんに叫んだ。


477 :915:2006/11/20(月) 23:05:00.50 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるO〜

「『アレ』!!??やって良いの?」
「今はみんなを守る事が先決だからッ!」
「わかったッ!!!!!!!」
遠くから雅ちゃんが叫ぶと同時に
雅ちゃんはセクシー・アダルティーの穂先を地面に突き刺すと
深紅の槍を空に向かって伸ばした。

「私もわかった、今は愛理ちゃんを信じるッ!」
石川さんも家に向かってかけだした。
私もそれについていくッ!

『ア、愛理タン待ッテクレヨ!』
エンジェルもあわてて愛理にしがみついてきた。

「じゃあ美貴は・・・・・・。
 舞美ちゃん!こっち手伝ってッ!!」
「了解ですッ!」

ギュルルルルルルルルルルウウウウウウウウウッッッッッッ!!!!!

藤本さんの声に舞美ちゃんはスタンドを発動させて身にまとうと、
ローラースケートのようにしてこっちに向かって走ってきた。


478 :915:2006/11/20(月) 23:05:50.31 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるP〜

舞美ちゃんは地上でこそ能力をフルに発揮出来るタイプ。
空を飛ぶ相手には相性が悪いからそれが正解なんだろう。

その舞美ちゃんが走っていくのに敵が気を取られたその一瞬、
セクシー・アダルティーを使って屋根の高さまであがってきた雅ちゃんが
そのまま敵に蹴りを仕掛けるッ!

「くらえ、夏焼流槍転脚ッ!」

ガシイイイッッッッッッッ!!!!!!

ロボットはとっさにガードしたがそのまま屋根の上から本体ごと吹っ飛ばされた。
やっぱりパワーはたいしたことないみたい。

バシュッ!!!!

しかし、空中に放り投げられたロボットはすぐに戦闘機に変型すると、
本体の女を背中に乗せて再び距離を取った。

「雅ちゃんサンキュウッ!あとは任せたよッ!!」
愛理はその間に栞菜ちゃんの家に入り込んだ。


479 :915:2006/11/20(月) 23:06:40.60 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるQ〜




「良かった、気絶しているだけだッ!」
愛理は栞菜ちゃんの部屋に入って倒れているみんなを確認した。
あのミサイルも威力はいうほど無いみたいだけど
爆発によるショックでみんな気絶しているみたいだね。

愛理は窓を開けると外にいる石川さんに叫んだ。
「みんな気絶しているだけです!
 愛理がみんなを守りますから
 家に直接ミサイルが撃ち込まれないようにだけお願いしますッ!」

愛理は何か言おうとしている石川さんの返事も聞かずに窓を閉じると自分のスタンドを見た。

「エンジェル、お願いね」
『愛理タン〜、ヤッパヤメヨウヨ・・・・』
「今更言わないのッ」
『ワカッタヨ・・・・・』
「それじゃあよろしく。
 『ミスチーフ・エンジェル・サード「As ONE」』ッッッッ!!!!」


569 :915:2006/11/23(木) 01:13:53.77 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるR〜

〜夏焼雅〜
愛理が家の中に入った。

「石川さん、これであいつに集中出来ますよ。
 あとはどう捕まえるかですね」
こっちにやってきた石川さんに私は言った。

「雅ちゃん、どういう事よ?」
「エンジェルって名前ついているけれど、
 愛理のスタンドは本当は悪魔みたいなスタンドって事ですよ」
私は石川さんに向かってにやりと笑った。

「だからどういう・・・・・・・」
石川さんが言いかけたその時だった。

「あッ!あいつが・・・・・」
石川さんは戦闘機の方を見る。

敵は、私達を無視して家に突っ込もうとした。
愛理ちゃんに先に入られた事で、私達の相手をするより
先に栞菜ちゃんを確保しようということか。


570 :915:2006/11/23(木) 01:15:00.97 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げるS〜

「大変ッ!私達も・・・・ッ!」
石川さんはあわてて玄関から家に入ろうとする。

「ダメですッ!」
私は石川さんの肩をつかむ。

「え?どういう・・・・・・」
石川さんが私を見たその時、

「ぐわあッ!!」
さっき割った窓ガラスから栞菜ちゃんの部屋に突っ込もうと
飛んできた敵が部屋の中からまるで放り出されるようにして
庭先に転がり込んできた。

茶髪にストレートのロングヘアーの女の人だ。

「な、何だよ、コレ・・・・・・」
女はなまっているというより、カタコトの日本語と言った感じでうめく。
日本人じゃない?

「石川さんもああなるところでしたよ」
「あれは愛理ちゃんの仕業?」
「そうです。『ミスチーフ・エンジェル・サード「As ONE」』。
 使い終わったあとは愛理がしばらく眠ってしまって起きないっていうくらい
 スタンドパワーを激しく消耗する愛理の禁断のモードですよ」


571 :915:2006/11/23(木) 01:15:47.70 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる21〜

「サード・・・・・。えぇッ?」
石川さんは家の方を見てびっくりした。

家の壁にあの小さいマスコット人形みたいな
愛理のスタンドの顔が浮かび上がっている。

「何あれ・・・・・・・・」
「愛理のスタンドが家と同化してるんですよ」
「それで・・・・・、どうなるの?」
「それは秘密です。知ってるのは私くらいだし、
 愛理に許可無く私がスタンド能力を言うわけにはいきませんよ」
「そりゃそうか」

石川さんと受け答えしながら私は女の方を見た。

「ちいッ!いったい何なんダヨ!!!」

再び進入しようとした女に向かって
部屋の中から矢がたくさん飛んできていて
女はスタンドでかろうじて防いでいた。

「まあなんとなくわかってきたけれど・・・・・・・」
「相手を選べないから私達も家の中に入れないんですよね」
「ふむ。それより今よ、雅ちゃんッ!」
「はいッ!セクシー・アダルティーッッッッッッッ!!!」
「ザ☆ピースッッッッッッッッ!!!」


572 :915:2006/11/23(木) 01:16:33.11 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる22〜

私は女にとびかかり、石川さんはスタンドの腕を伸ばして女を狙うッ!

「ちッ!!」

ドシュウウッッッ!!!

私達に気付いた女のスタンドはライフルでこちらに光線を撃ってきた。
私と石川さんは左右に飛び退く。

「仕方ない、先にアナタたちを始末するヨ」
「それはこっちのセリフだけどね、せめて名乗りなさい」
石川さんと女がにらみ合う。

「私の名前はクォン・ボア。韓国からの留学生ネ。
 そして・・・・・・・・・・・」

女のスタンドが戦闘機に変型すると上空高く舞い上がった。

「私のスタンド、VALENTIの攻撃をくらええええッッッッッッ!!!!」


バシュバシュバシュバシュバシュウウウウウッッッッッッ!!!!!


戦闘機型スタンドはまるで落下するかのように急降下しながら
何十発ものミサイルを私と石川さんに向かって撃ちこんできたッ!!!!


759 :915:2006/11/26(日) 21:38:34.70 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる23〜

ミサイルは急な角度で曲がりながら私達を襲う。

「う、うわあッッッッッ!!!!」
私はあわててセクシー・アダルティーを頭上で回転させてミサイルを防御する。

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴオオオオオオッッッッッ!!!!

爆音の中で「雅ちゃん、ちょっとよろしくね」という石川さんの声が聞こえたような気がした。

ミサイルの爆発による煙の中、
突然、目の前に中間形態の敵が出現する!!

「うぐッッッッ!!!!」

敵は私の横をホバリングするように通り抜けていった。

ズシャアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!

私は翼で腕を切り裂かれふっとぶッ!
とっさに避けたから傷は浅いけど・・・・。

「くそッ・・・・・・・・・・、アレ?」

私は戦闘中にもかかわらずキョロキョロと周りを見渡した。
爆煙がだんだん晴れていく中に石川さんがいない?


760 :915:2006/11/26(日) 21:39:20.16 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる24〜


ボアという女もその異変に気付いたようだ。

「おい、もう一人の色黒の女は・・・・・・・」






「色黒で悪かったわね」








ズシャアアアアアアアアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!


突然、ボアの背後の地中から石川さんが飛び出してきたッ!!


761 :915:2006/11/26(日) 21:40:17.02 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる25〜

「栞菜ちゃん家って広い庭があってうらやましいね。
 でも助かったわよ。
 チャーミング・フィンガー・エンドマークで地面を掘る作戦って
 一度はやってみたかったんだよね」

敵スタンドと本体の間には距離がある。
そして石川さんはボアの背後を完全に取っている。

「悪いけど再起不能になってもらうよッ!!!」


勝った!



「ゲームでも試験の問題でもネェ〜〜っ 予想したことがそのとおりハマってくれると
 今の私みてえにウププってな笑いが腹の底からラッキーって感じデ・・・・・・!
 込みあげて来るンダヨネ〜 幸せってこういう気持ちをいうんだよネェ〜〜 ウプププッ ウププッ」



え?


762 :915:2006/11/26(日) 21:41:09.08 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる26〜




「うぐうッッッッッ!!!!」


かろうじて直撃をかわした石川さんの左肩から血が噴き出す・・・・・・ッ!

「なッ????」
私はその光景が信じられなかった。

ボアの側には、あの変型するスタンドとは
まったく別の人型のスタンドが立っていたッ!!!

「そ、そんな・・・・・・ッ!スタンドは一人一体なはず・・・・・・・・
 あッ!!!!!!」

思わず呆然とする私にロボット型スタンドが殴りかかってきた。
私はあわてて飛び退く。



「やられたわね・・・・・・・・」
肩を押さえながら石川さんがうめいた。


867 :915:2006/11/29(水) 20:38:25.88 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる27〜

「さすが経験だけはあるようネ。
 アナタの仲間はまだ気付いてないようだケド」
ボアが私を見ながら言う。

何?いったいどういう事???

「雅ちゃん!あなたはそいつに集中して!
 別スタンドなのよッ!!!」
石川さんが血が流れている左肩を押さえながら私に向かって叫んだ。

「べ、別スタンド??????」
私は思わずロボット型スタンドを見た。



「夏焼雅、スタンド名はセクシー・アダルティー。
 伸縮自在の槍型スタンドで本人が持って闘う。
 手に持つ武器そのものがスタンドってタイプは拳銃のスタンドとか、
 いないことは無いけれどタイプとしては少数派のスタンドだよね」




突然、ボアとは別の女の声がした。
どこ?どこから聞こえてる????

私はキョロキョロと周りを見渡す。


868 :915:2006/11/29(水) 20:39:14.20 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる28〜



「そして向こうで浜崎さんと闘ってる矢島舞美。
 スタンド名はシンクウェル。
 自分の身にまとうタイプのスタンドでこれはもっと少数派・・・・」





身にまとう・・・・・・・・・・・・。

あッ!!!!!



ドグシャアアッッッッッッッ!!!!!




私は気付いたその隙に、ロボット型スタンドのパンチでふっとんでいた。


869 :915:2006/11/29(水) 20:39:59.84 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる29〜

「いたあ・・・・・・・・」
起きあがりながら私はスタンドを見る。


気付いた通りだった。


ロボット型スタンドと思われた相手の顔の部分がオープンになり、
中から女性の顔がのぞいている。

「あ、あのボアって女のスタンドだと思っていたら
 まさか中に人が入っていたとはね・・・・・・・・・」

私はヨロヨロとしながら言った。

「そういうこと」
女は再び顔をスタンドで隠しながら言った。

「私の名前は島谷ひとみ。スタンド名はシャンティ。
 覚えたら病院のベッドの上で復唱してなッ!!!!!!」



ズバババババババババババババババアーッッッッッッッッッッッ!!!!!


870 :915:2006/11/29(水) 20:40:39.50 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる30〜


島谷と名乗った女は再び戦闘機形態になると
さっきと同じように急上昇したあと、
急降下しながらミサイルを撃ち込んできた。

私はさっきと同じように自分の頭上で槍を回転させてガードする。


ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!
ジュシュウッッッッッッッッッッッ!!!!!!



ぐッ・・・・・・・・・・・・・・。
まただ・・・・・・・・・・・・・・・・。


私は激しい爆音のあと、翼で切り裂かれた痛みにひざまずいた。

上からのミサイル攻撃を防御していると
そのあいだに急降下から地面に到着してロボットと戦闘機の中間形態に。
そしてそのまま上を向いている私に
ミサイルの爆煙に紛れてホバリングのように地面にそって移動しながら翼で攻撃。
これがアイツの行動パターン・・・・・・・。


871 :915:2006/11/29(水) 20:41:25.31 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる31〜

なんとか破る方法考えないとなあ・・・・・・・。

そう思いながら島谷という女を見た。
ちょうどその視線の先にはボアのスタンドが石川さんに殴りかかろうとしていた。

石川さんのザ☆ピースも決して近接型じゃないけれど
敵はそれ以上にすっとろいパンチを繰り出している。
石川さんなら充分避けられるだろう。


え?


私の予想とは裏腹に、石川さんはボアのスタンドの右パンチを
避けられずにまともにくらっていた。
避けられずというより・・・・・・・・当たりにいっていた???

「何よそ見してるんだよッ!!!!」
気が付くと島谷は三度戦闘機の状態で急上昇していた。

あの攻撃が来る、三度目くらったら・・・・・・・・・ッ!!!


872 :915:2006/11/29(水) 20:42:05.76 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる32〜

〜石川梨華〜
「な、なんで・・・・・・・・・」
意味が分からないッ!!

確かに敵の「スタンド一体に見せかける」という作戦にはまって
ダメージをくらってしまったけれど、そのおかげで分かったことがある。
このボアという女のスタンドは大してパワーもスピードも無い。
逆に言うと、だからあんな作戦で来たんだろう。
ザ☆ピースなら充分勝てる相手だ。

私はそう判断した。

そこへ、VALENTIと名乗ったボアのスタンドが左パンチを繰り出してきた。
すっとろいパンチだ。あくびが出そう!!

私は余裕でパンチを避けた・・・・・・・はずだった。
だけど、気が付いたらパンチをまともにくらって吹っ飛んでいた・・・・・。

なんで?完璧に避けたはずだったけど・・・・・・・・。

動揺する私にVALENTIは今度は左ハイキックを打ち込んできた。
ザ☆ピースに防御させる。

ギャンッ!!!

しかし、またも私は吹っ飛んでいた。


9 :915:2006/12/03(日) 00:33:19.66 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる33〜

「な、なんで・・・・・・・・・」
口に開きかけてハッとした。

「その表情、自分に今何が起きているか
 少しは理解しつつあるみたいダネ」
ボアが言うまでもなく、
パワーやスピードが無い分、ボアのスタンドには何か能力があって、
私はそれに「はまってしまった」ということに私は気付いた。

この手の「状態変化」系のスタンドの場合、
まず考えなきゃいけないは「何故術中にはまったか」。
これは最初の不意打ちのせいと考えて良いだろうね。
栄高には「攻撃をくらったら身体が大きくなる」スタンド使いも
いるって報告だったし、その手の類だろう。
「スタンドの影に触れたら子供になる」って話も聞いたことある。

ただし、あくまで私にかかった状態が「進行形」の場合は
原因を突き止めないといけないけど、
私の状態変化がすでに「完結」していたらこれ以上考えても仕方ない。
本体を倒す事でしか状態が元に戻らない可能性が高い。

では実際どういう能力にはまってしまったのか・・・・・・・。


10 :915:2006/12/03(日) 00:34:04.16 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる34〜

そう思いながら私は立ち上がりつつ
痛みにうずいている最初に攻撃でひっかかれた右肩を押さえた。



あれ?



なんか違う・・・・・・・・・・。




私は肩の傷を押さえていた左手を見た。



血がついてない?



あれ?あれあれあれ?


11 :915:2006/12/03(日) 00:34:44.44 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる35〜






私が見ているのは・・・・・・・右手?????





「気が付いたようネ・・・・」
ボアが近づいてくる。




そうか・・・・・。
やはり私への「状態変化」はすでに「完結」している!
つまり、このボアって女を倒さない限り私の状態は元に戻らない。
でも・・・・、こいつの能力はやばすぎるッ!!!!!

12 :915:2006/12/03(日) 00:35:27.92 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる36〜

そう思っているところにボアのスタンドが蹴りを入れてきた。
私の右からの・・・・左ハイキックッ!



いや・・・・・・・・・ッ!!!



ドグオッ!!!!


一瞬のとまどいが私の顔面に蹴りを入れさせる・・・・・

「ゲフッ!!!」

くらいながら、私はチャーミング・フィンガーを左方向に伸ばすッ!
かろうじてチャーミング・フィンガーはVALENTIをかすめる・・・・・・・。

「おっと、アブナイ。さすがに気付くのも対応も早いネ。
 デモ、反射神経が良いってのはこの場合逆に不利ネ」
ボアは一端距離を取って言った。

13 :名無し募集中。。。:2006/12/03(日) 00:36:28.07 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる37〜

その通りだ・・・・・・・。
頭でわかっていても身体がすんなり動くとは限らない・・・・・。

はっきり言ってボアのスタンド能力は地味なもんね。
でも地味だからこそ・・・・・・やばすぎる・・・・・・・・ッ!




まさか、「自分の五感が全部左右逆になる」事がこんなに効果があるとはッ!!!





今見えているものは実際にはすべて左右逆!!
身体の痛みや肌に感じる風も左右逆!!
耳から聞こえる音のする方向もすべて左右逆!!

ボアが左パンチを繰り出して私の右ほほにヒットしたように思ったら
実際には右パンチで左ほほを殴っている!


14 :915:2006/12/03(日) 00:37:41.17 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる38〜



そんな事考えている間にも私は良いように攻撃をくらう・・・・・。



わ、私のスタンドはこいつとは相性悪いな・・・・・。

ミキティとかみたいに拳でゴリゴリってタイプならともかく、
私のザ☆ピースは10本の指を伸ばして自在に操るのが攻撃パターン。
細かい指の動きだけに、左右の感覚が入れ替わってしまったら
どんなに頭で分かっていてもどうしてもこんがらがっちゃうし、
普通には操る事が出来ない・・・・。

このままじゃあ・・・・・・・ッ!


151 :915:2006/12/04(月) 21:34:48.03 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる39〜

〜夏焼雅〜
「やらせるかああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!」

私はセクシー・アダルティーを上に向けるとそのままのばし始めた!
あの攻撃の弱点は急上昇から下降する時の旋回する瞬間ッ!
無防備かつスピードがゼロになったその時にセクシー・アダルティーではたき落としてやる!!


戦闘機はさっきまでと同じ高さまで来ると上昇をやめ、急旋回し始めた。
今だッ!!!!
私はセクシー・アダルティーを振りかぶった。


その私の思惑は見事に外れた。



島谷は・・・戦闘機状態から急降下せずにロボット型に変型していた。

「読んでいるんだよ、それくらい」

島谷はライフルを私に構えながら
自分めがけて迫っていたセクシー・アダルティーの柄の部分を
片方の手で受け止めるッ!


152 :915:2006/12/04(月) 21:35:31.03 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる40〜

「終わりだよッッッッッッッッッ!!!!」


ドシュウッッッッ!!!!!

「ゲフッ!」

ライフルから放たれたビームが私に直撃した。
一瞬記憶が飛んだあと、私は地面にはいつくばる・・・・・・・・。


スタッ。

島谷はロボット形態のまま私の少し向こうに降り立った。
そして、島谷の向こうでは石川さんが良いようにやられている・・・・。
石川さんの様子がなんか変だ・・・・・・・。

「い・・・・・・石川さん・・・・・・・ッ!」

私は思わずさけんだ。
私から向かって左を向いて敵と相対していた石川さんは
何故か右を向いてから思い出したように左方向にあたるこっちを向いた。


153 :915:2006/12/04(月) 21:36:20.14 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる41〜

「雅ちゃんッ!こっちこないでッ!」
「でも・・・・石川さんもやられてるじゃないですか・・・・ッ!」
「私はこの女のスタンドの術中にはまっているけどッ!
 雅ちゃんまではまったら意味無いでしょッ!」
石川さんが叫んだ。

やっぱりだ。石川さんはそのせいであんなぬるい攻撃がかわせないんだッ!



「はい、おしゃべりはここまでだよ。
 あなたの相手はこの私なんだから、
 他人の心配をする前に自分の心配をしたら?」
島谷はスタンドのフェイスをオープンして言ってきた。

「そ、そうだね。
 でももう私には勝ち目無い・・・・・・・かな・・・・・・・・・」
私はヨロヨロ立ち上がりながら言う。

「へ〜、やけに素直だね。あきらめた?
 まあ命までは取らないから覚悟を決めなさい」
再びフェイスクローズすると島谷のスタンド、シャンティは
ライフルの照準を再び私にあわせて身構えた。


154 :915:2006/12/04(月) 21:36:52.40 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる42〜




「命は取らないとかぬるい事言ってるその口から『覚悟』だと?」





私はセクシー・アダルティーの穂先を島谷に向けて
「突き」の構えでまっすぐ身構えた。

「『覚悟』とは!!暗闇の荒野に!!進むべき道を切り開くことだッ!
 あきらめたり絶望したりすることじゃないんだッッッッッッッッッッ!!!!!!
 のびろッ!セクシー・アダルティーイイイイイイイィィィィィッッッッッッッッッッッ!!!!!!」

私はセクシー・アダルティーを伸ばしたッ!

「何を今更・・・・・、!!!!!?????」

島谷が私の行動に対する疑問から一瞬身体の動きが止まるッ!
そう、私はセクシー・アダルティーを、『後ろ』に伸ばしたッ!
真紅の槍は地面に平行に走るとすぐに有原家の壁にささり、
そして伸び続ける槍は今度は壁を支えに私ごと島谷に突っ込むッ!


155 :915:2006/12/04(月) 21:37:31.74 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる43〜

「ふん、一瞬びびったけど、そんなもの・・・・・・・・・」
島谷は余裕の表情で突っ込んできた私を避けた。
私は島谷の目の前を通り過ぎる・・・・・・・・・・。

島谷が自分から離れていく私に向けてもう一度ライフルを構える。
「これで終わりだ・・・・・・・・・、何ッ!!??」
「み、雅ちゃんッッッ!!!???」
「うわあッ!!!!!?????」

ドゴッ!!!!!

3人、つまり・・・・島谷の他に、意表を突かれた
石川さんとボアのびっくりした声が聞こえた・・・・・・・。

私の狙いは島谷じゃなくてボアッ!!!!!!

セクシー・アダルティーにしがみついたままボアに体当たりした私は
槍を放さないまま、ボアに抱きつくッ!!!

「お、オマエッッッッッ!!!」
「石川さんッ!あとは頼みましたアアアアアアッッッッッッ!!!」
「雅ちゃん、まさか・・・・・ッッッッッ!!!」


156 :915:2006/12/04(月) 21:38:10.62 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる44〜

「もっと伸びろ、セクシー・アダルティーイイイイイイイッッッッッッッッッ!!!!!」
私はボアに抱きついたまま、さらにセクシー・アダルティーを伸ばすッ!!
「な、何をする気ダ、離せ・・・・・・・・・・・・・、あああッッッッ!!!!」
「別にね・・・・、最終的に『私たち』が勝てば良いんだよね・・・・・。
 だからッッッッッッッ!!!!!!!
 天使の作り出した地獄に・・・・お付き合いしてもらうよッ!!!」

私とボアを連れて槍が伸びていく先は・・・・・・・・・



さっき、ボアが突入しようとして割った・・・・・・



愛理のミスチーフ・エンジェルと同化した有原家の部屋の窓ッ!!!!




「雅ちゃんッ!!!!!」
「石川さんッ!!!あとは頼みましたアアアアアッッッッッ!!!!」


157 :915:2006/12/04(月) 21:38:44.35 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる45〜




ドゴオオオオオオオッッッッッッッッッッッッン!!!!!!



私達二人は家の中に突っ込み、家の中の壁にそのままぶち当たったッ!!

「雅ちゃんッ!なんて無茶を・・・・・・・ッ!!」
遠くから愛理の声が聞こえた。

「愛理イイイイイッッッッッッッ!!!
 私は・・・・・・・覚悟してるんだッ!!
 スタンドを解除したら・・・絶交だからねッッッッッッ!!!!」
愛理に向かって叫んだ私に
愛理のスタンドで家に施された数々の「しかけ」が迫ってきた・・・・・。


158 :915:2006/12/04(月) 21:39:16.89 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる46〜

〜石川梨華〜
「あ、ああ・・・・・・・・・・・」
私は呆然としながら雅ちゃんが突っ込んでいった栞菜ちゃんの家を見ていた。

ドゴッ、ボゴッ、グシャッ・・・・・・・・・・

いくつかの音がボアの悲鳴とともに聞こえた。
そして・・・・・・・・
庭の壁から家に向かってまっすぐ伸びたセクシー・アダルティーが消え・・・・


ドサッ・・・・・・・



二人が飛び込んだ窓からまるでゴミでも投げ捨てるかのように、
ボロぞうきんのようになった雅ちゃんとボアがはき出された。

「雅ちゃんッ!!!」
私は倒れている雅ちゃんに駆け寄る。
もう・・・・、左右逆に見えたりしていない・・・ッ!

私が雅ちゃんを抱きかかえると彼女は完全に気を失っていた。


50 :915:2006/12/12(火) 01:06:36.46 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる47〜

「石川さん、ごめんなさい・・・・・・・・・・・。
 でも雅ちゃんが・・・・・・・・・・・・・・・・・」
家の中から愛理ちゃんの泣き声が聞こえた。

「ううん、雅ちゃんも愛理ちゃんも、やることをやったんだから仕方ないよ。
 私が早く片づけるから、一緒に雅ちゃんを病院に連れて行こうね」
私は家の中にいる愛理ちゃんに聞こえるように叫ぶと、
雅ちゃんをそっと寝かせた。

そして、もう一人の敵、島谷という女の方を向く。

「あなた達って無茶苦茶だね・・・・・・・・・」
島谷があきれたような声で言った。

「無茶はうちの部の専売特許でね」
「でも彼女の行為も無駄に終わるね」
「無駄?」
「だってあなたが私に倒されるから」
「冗談・・・・・・・・・」
「冗談のつもりじゃないけどね」
島谷は笑った。

でも・・・・、雅ちゃんと闘っているのを遠目に見ていたけど実際どうしよう。
雅ちゃんがやられていたあの攻撃をどうやってかわせば良いか・・・。
とりあえず地面に潜るのはダメだな。
すでに一回潜って地面が緩くなっているから、
上からミサイル攻撃を受けたら今度は生き埋めになってしまう可能性が大きいな。


51 :915:2006/12/12(火) 01:07:22.72 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる48〜

バシュウッッ!!!!!

私が考えていると、島谷は戦闘機形態に変型して急上昇した。
あのミサイル攻撃が・・・・・・来るッ!!


ドゴドゴドゴドゴドゴドゴバシュバシュバシュバシュバシュウウウウウウウッッッッッッ!!!!


「おんなじ技を何回も見せんじゃねええええええッッッッッッッッッ!!!!!!」
私はとっさにザ☆ピースの腕を庭の端に植えられている木に伸ばした。
木に腕を絡ませると私の身体ごと引っ張らせてミサイルから逃げるッ!

爆煙と砂埃が激しく舞い上がり、視界をゼロにする・・・・・・。










52 :915:2006/12/12(火) 01:07:56.72 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる49〜





「ホル・ホース?誰やよそれ?」
「ホル・ホース・・・・。
 『D』の部下で『皇帝』の名のスタンドを持つ男ですね」
「そうだよ。私達は『DIO』って呼んでるけどね。あゆはホル・ホースと取引したんだ」
「取引・・・ですか?」

「あゆは・・・・、小室学園がぶどうヶ丘演劇部に敗北したのを見届けた後、
 高校の卒業旅行と言ってヨーロッパを旅したんだ。
 そこで偶然か故意か知らないけど、『弓と矢』に関わるある『秘密』を知ったらしい。
 帰国後、あゆは『試したけど大失敗した』と言っている。
 それが何かは私も知らない。
 ただ、あゆは去年、さらに謎を追究するためにエジプトに行ったのよ。
 そこで出会ったのがかつて『DIO』の部下だったホル・ホース。
 ホル・ホースもある目的のために『DIO』の死後、
 何年もエジプトに居座り続けていたらしい」

「なるほど。安室さん、ホル・ホースという男は
 『D』の部下でありながら心底従っていたわけではなく、
 また、かなり利己的な性格だったらしいですね」
「らしいね・・・・・。てか紺野って言ったね、あなた。
 なんでそんなことまで知ってるのよ?」
「何故でしょうね。私も気になってるんですよ。
 何故日本の片田舎の高校の部室にそんな記録があるのか・・・。
 それはともかく、ある目的があったホル・ホースと
 『弓と矢』の秘密を追っていた浜崎あゆみは利害が一致した、そういうことですね?」


53 :915:2006/12/12(火) 01:08:53.68 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる50〜

「その通りだけどちょっとだけ違うね。あゆが追っていた秘密とホル・ホースの目的は
 基本的には関係無かったらしい。
 正確に言うと、ホル・ホースの目的を知ったあゆにとって
 ヨーロッパで知った『弓と矢』の秘密なんかどうでもよくなったんだって」

「そういうことですか。だいたいわかりましたよ」
「こんこん、何がわかったなのだ?私にはさっぱりなのだ」
「そうやよ、意味不明やわ」
「まあ聞いてよ。安室さん、これは紺野の想像ですけど、
 浜崎あゆみは鈴木亜美を利用しただけですね?
 おそらく『ホル・ホースとの取引』の事までは知らないのでしょう。
 知っているのは栄米大や栄高の仲間でも安室さんとごく一部。
 そうでないと取り分が減りますからね」
「取り分?どういうことやよ?」
「あなたするどいね・・・・・・。そこまで気付いていたか。
 そうだよ、実際のところ亜美自身は『弓と矢』とかどうでも良くてね、
 あんた達ぶどうヶ丘演劇部に復讐出来ればそれで良いって思っているけれど、
 亜美は、あゆがヨーロッパで知った秘密を実行するために動いていると思いこんでる。
 いや、あゆがそう思いこませている」
「こんこん、話が読めないのだ」


54 :915:2006/12/12(火) 01:10:09.67 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる51〜

「さっき私が言った通りです。
 安室さんはお子さんの親権を取り戻し、手術をさせるためにお金が必要です。
 そしてホル・ホースも非常に利己的な性格。
 浜崎あゆみもそうですよね」
「こんこん、つまり・・・・・・・・」
「浜崎あゆみの目的は『お金』ですね」
「あぁ、そうだよ。」
「お金????」
「悪いと思ったんだけど、何故栞菜ちゃんが狙われているのか、
 栞菜ちゃんの過去を調べてみました。
 栞菜ちゃんのお母さんは放浪癖があって、
 小さい栞菜ちゃんを連れて世界中を旅していたそうです。
 その途中にエジプトにも寄ってますね」

「エジプト?」

「はい、『D』のいたエジプトです。
 栞菜ちゃんのお母さんはエジプト滞在時に『D』と何か接触があったのでしょう。
 むしろ、それよりももっと直接的に・・・・、
 いえ、それは話がそれるし栞菜ちゃんのためにも置いておきましょう。
 ただ、そのお母さんが亡くなり、
 栞菜ちゃんは杜王町でお祖父さんとお祖母さんと生活するようになった、
 そういう事なのです。
 私は、『D』の手によって、栞菜ちゃんに何か『しかけ』が施されたとにらんでいます。
 それが・・・・・・・・・」
「その通りだよ。
 『DIO』が遺した隠し財産をホル・ホースは
 100億円相当と言っているらしい・・・・・・」


55 :915:2006/12/12(火) 01:11:12.20 0
銀色の永遠 〜石川梨華は空を見上げる52〜




「「ひゃ、ひゃくおくう〜???????」」






TO BE CONTINUED…