7 :915:2006/08/16(水) 21:46:57.30 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある@〜
「んで、梨華ちゃんやよっすぃ〜は誰が次期部長にふさわしいと思ってるんだい?」
「さぁ、私は考えた事もないし、
よっすぃ〜もわからないからこうして試しているんでしょ」
「実力から言ったらやっぱり愛ちゃん?」
「う〜ん、それは無いと思うなあ。
うちって安倍さんとか、逆にエースは部長にしないって風潮あるみたいだし。
それに愛ちゃんは人をまとめるって言うよりまとめられる方だね」
「あ、ひでぇ(笑)
まああの子はみんなを引っ張るってタイプじゃないわなあ」
「うん、そうなんだよね。ただ・・・・」
「ただ?」
「逆に言うと、愛ちゃんみたいな子をうまくコントロール出来る子が
部長に向いていると言えるかもしれないね」
「たしかにねえ・・・・」
8 :915:2006/08/16(水) 21:47:37.16 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるA〜
「どわぁ〜〜〜〜〜〜ッ!!」
アッシはあわててアスファルトを殴った。
まるで柱のように地面がせり上がるッ!!
ドガッ!!!!!
バリバリバリバリバリバリバリバリバリイイイイイイイッッッッッッ!!!!
安室って女のスタンド『トライ・ミー』がアッシを殴ろうとして振りかざした
警棒に当たったせり出しは激しい音を立てて感電しているッ!!
「うわッ!!!」
電圧を避けるようにアッシとマメは一端距離を取った。
「なんてことなのだ・・・。私たちは鈴木亜美さえ倒せばなんとかなると思っていたッ!
だけど・・・・・・・・・・・
栄高一派の中で本当にやっかいなのは『時間を操る』鈴木亜美ではなかった。
真に恐ろしいのは・・・・・・!!この『電撃』の女の方だった!」
アッシの隣でマメがうめくように言った。
9 :915:2006/08/16(水) 21:48:38.31 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるB〜
「闘う場所が悪いわなア・・・・・・・。
アッシは部屋の中とかでないと能力を生かせないもん・・・・・・・・・」
「愛ちゃん、それは本質的な問題ではないよ。
あの安室って女、かなりのやり手なのだ。
あの『触ると感電する』という能力が相当やっかいなのだ。
近距離では警棒、遠距離ではベアリング弾。
遠近どっちも闘える上に一撃食らったらアウト。
おまけにスタンド自身もパワーとスピードを兼ね備えたタフなスタンドなのだ」
警棒もベアリング弾もスタンドじゃなくて普通の物質だから
ライク・ア・ルノアールやラブ・シードで受け止めてもどうってことはない。
だけど・・・・・、あの電撃はスタンドでも耐えられそうにない・・・・・・・・・・・。
「それはわかったからどうスンよ?」
アッシは半分イライラしながらマメに言った。
「コソコソと何を相談してるんだい?」
安室奈美恵が不適な笑いを浮かべながら近づいてくる・・・・。
「愛ちゃん、良い考えがあるのだッ!
その場所から地面を45度の角度で殴るのだッ!」
「45度?」
「いいから!安室が迫ってきているのだッ!!」
「わ、わかったがし・・・・」
ドガッ!
アッシは地面をライク・ア・ルノアールで殴った。
100 :915:2006/08/18(金) 22:26:40.49 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるC〜
「もっとなのだ!」
「もっと?」
ガシッ!!
聞き返しながらアッシはさらに殴った。
「もっともっと!連打連打ッ!!」
「うっさいなあ・・・・。
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラーッ!!!」
アッシは半分やけくそで言われるままに地面をラッシュする。
アスファルトはライク・ア・ルノアールの能力で
大きく大きくくぼんでいく。
「よし、これぐらいで良いのだ」
くぼみをのぞいてガキさんが言った。
「ハァ、ハァ、ハァ、何がしたいんヨ?
こうしている間にもアイツ来てるやよ・・・・」
アッシは近づいてくる安室奈美恵を見ながら言った。
と・・・・・・・・・・・。
101 :915:2006/08/18(金) 22:27:31.08 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるD〜
マメがくぼみの中に足から入っていく。
「な??????」
アッシは目を白黒させた。
「んじゃ、愛ちゃんの健闘を祈るッ!」
くぼみの中からマメが言いながら敬礼のポーズを取った。
「へ?」
ボヨオオオオオオオオンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッ!!!!!
アッシが首をかしげた瞬間、ライク・ア・ルノアールに殴られたくぼみは
大きな音を立ててその反動で大きくせりだした。
くぼみの中にいたマメは当然その反動で・・・・・・・・
102 :915:2006/08/18(金) 22:28:03.95 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるE〜
まるで人間大砲のように、
空の彼方に飛び出していってしまったッッッッッッッ!!!!!!
「よーろーしーくーなーのーだあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」
飛んでいきながら叫んだマメの声が段々遠くなる・・・・・・・。
アッシも、そして安室奈美恵もさすがにぽかーんとマメを見送った。
328 :915:2006/08/24(木) 21:47:45.14 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるF〜
「ねえ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ねえッ!!」
「は、はいッ!!」
安室の声に思わず我に返る。
「ねえアンタ、もしかして仲間に逃げられたんじゃないの?」
「やっぱり・・・・・・・そう思うざ?」
「客観的に見たらね・・・・・・・・・」
「あんバカは・・・・・・・・・・・」
そう言いながらアッシはきびすを返した。
「ちょっと、どこ行くのよ?」
安室がアッシを呼び止める。
「どこって・・・・、逃げたマメを追いに・・・・・・・」
「いや、そんな事言ってアンタまでどさくさに紛れて逃げようとしたら
さすがに私も困るんだけど・・・・・・・・」
「あ、やっぱりバレたぁ〜?」
「そりゃね・・・・・・・・・」
う〜ん、困ったな・・・・・・・・・。
まさかあのマメが逃げちゃうなんて。
つきあい長いアッシ的にもあんまり考えられないんだけど。
329 :915:2006/08/24(木) 21:49:14.50 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるG〜
でも逃げたのは事実だし、帰ってくるとか甘い予測は
自分を窮地に追い込むだけ。
ここは『逃げて帰ってこない』って最悪のパターンで
自分一人で勝つ方法を考えるしかないやよ。
とは言ってもマジでこの安室って女に勝つ手だて思いつかないぞ?
もう一度整理しよう。
安室奈美恵の『トライ・ミー』は近距離パワー型のスタンド。
能力は「感電させる」こと。
そしてマメが言っていたように、ベアリング弾と警棒の
遠近両方から攻撃してくるから隙がない。
加えて一撃食らえば感電でアウト。
それよりも状況が悪いのはここが文化ホールの駐車場内で
周りに何も無い広いスペースということ。
おまけにこの時間帯、まだ駐まっている車はほとんどない。
せめて壁際に移動出来ればマシなんだけど、
ライク・ア・ルノアールの能力を生かすための『面』が
足下しか無いんやよね。
これじゃあ安室に攻撃を当てる事が出来ない。
「まあ、仕方ないわナア・・・・・・」
アッシはつぶやきながらライク・ア・ルノアールを身構えさせた。
闘いながらコイツを倒す方法考えるか〜!!
3 :915:2006/08/28(月) 22:35:17.97 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるH〜
安室のスタンドは左手にベアリング弾、右手に警棒を持って構えている。
「うおおおおおおおおッッッッッッッッッッッ!!!!!!」
アッシは安室めがけて突っ込んだ!!
ドシュウッ
トライ・ミーが左手でベアリング弾をこっちに向かってはじき飛ばす。
予測していたアッシは紙一重でベアリング弾をかわすッ!
ほほの付近をベアリング弾が通り過ぎていく・・・・。
そしてアッシは安室の懐に潜り込んだ。
「おちょきんしねまあああああああッッッッッッッッッッッ!!」
アッシは下からアッパーカットの要領でトライ・ミーに殴りかかる。
パシイイイイイイイッッッッッ!!!
「結構動きは速いみたいだねえ」
安室は冷静にアッシの動きを冷静に分析しながら
左手でライク・ア・ルノアールのパンチを受け止めた。
そしてトライ・ミーの右手に持った警棒を振り下ろしてくる。
4 :915:2006/08/28(月) 22:36:21.03 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるI〜
「うげっ!!」
アッシはとっさにライク・ア・ルノアールの左手で
トライ・ミーの右手を受け止めて攻撃を防ぐッ!
と・・・・・・・・・・
トライ・ミーは警棒を持っていた手の力を緩めてきたッ!!
触れば感電する警棒がアッシの頭上に落ちてくる・・・・・・・
み、右手を捕まれたままだから逃げられないッ!!!!
アッシはとっさにライク・ア・ルノアールの左手を地面に叩きつけたッ!
ガツーンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!
「ンガッ!!」
せり出しはまるでアッパーカットのようにアッシ自身のアゴを下からかち上げ、
その勢いでアッシは捕まれた右手がほどけると同時に横に吹っ飛ぶ。
バリバリバリバリバリバリバリバリバリイイイイイイイイイイイイ!!!!!
せり出しは落下してきた警棒を押し上げ、激しく感電しながら
一定の高さまであがるとまた元に戻っていった。
5 :915:2006/08/28(月) 22:38:17.97 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるJ〜
バチッ!バチバチバチッ!
さっきまでアッシがいた付近のアスファルトがかすかに電気を放っている。
「へぇ、今のは完全にアウトだと思ったけど
まさか自分自身へのダメージと引き替えに
そんなかわし方するとはねえ・・・・・・・・・」
安室が感心しながら地面に転がっている警棒を拾った。
「いってえ・・・・・」
アッシは自分の能力でまともに当てられたアゴを押さえながらつぶやいた。
「アレ?」
アッシは変な感触に気づいてアゴを押さえた手のひらを見る。
「血?」
手のひらにはわずかに血が付いていた。
アッシはもう一度アゴから右ほほのあたりをさわってみる。
どうやらほっぺたの辺りを切っているようだ。
横に薄い切り傷が出来ていた。
切り傷?
あ、そうか。これはライク・ア・ルノアールの能力じゃなくて
その前に飛び込んだ時にベアリング弾がほほをかすめたんだな。
小さい玉が高速回転で擦っていったから切り傷みたいになったんだろう。
108 :915:2006/08/31(木) 21:09:13.21 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるK〜
・・・・・・・・・・・・・。
あれ?
なんや?この違和感は・・・・・・・・・・。
アッシがそう思ったその時だった。
バシュウッ!!
空気を切り裂く音がこちらに近づいてくる・・・・・。
「ドワアッ!!!」
アッシは反射的に飛び上がった。
ガリガリガリッッッッッッッッ!!!!
バルバルバルバルバルバルバルバルバルウウウウウッッッッッッッッ!!!!
アッシの足めがけて飛んできたベアリング弾は、
アッシが飛び上がったすぐ足下でアスファルトを削り、
ベアリング弾に削られているアスファルトは激しく放電している・・・・・。
109 :915:2006/08/31(木) 21:09:54.33 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるL〜
スタッ
「あうッ!!!!!!!」
ブシュウウウウウウウッッッッッッッ!!!
地球の重力に逆らえずにアッシの両足は、
まだ放電し続けるアスファルトの上に着地した。
アスファルトからの電気にダメージを受け、
足の甲やふくらはぎから激しく血が吹き出す・・・・・・・・・・・。
「いってえええええええぇぇぇぇぇぇ・・・・・」
アッシは思わずひざまづいた。
「こういう使い方もあるんだよねえ〜」
安室が言いながら近寄ってくる。
まさか地面を感電させてダメージを与えてくるとは・・・・。
直接じゃないし、面積が広い分、分散して三好さんたちみたいに
アッシを気絶させるまではいかなかったようだけど・・・・。
09 :915:2006/09/03(日) 23:32:14.73 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるM〜
アレ?
やっぱり変だ・・・・・。
安室のスタンド能力は、『触ったものを感電させる』じゃなくて、
何か媒体が必要なのまではわかった。
『スタンド能力で蓄電させたもの』、つまり警棒やベアリング弾に
触って初めて感電するんだ。
うん、そこまではわかった。
でもなんやろ、この違和感は・・・・・・・・。
210 :915:2006/09/03(日) 23:33:29.84 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるN〜
って、考えてる暇なんてねえ〜!!!!
安室はひざまづいているアッシめがけてまたベアリング弾を撃ってきた。
アッシはとっさに転がって逃げる。
バチバチバチッ!!!
ベアリング弾はまた地面に突き刺さり、
感電したアスファルトが火花を散らしながら放電する。
「うぐッ・・・・」
アッシは逃げ切れずに、腕や背中に電圧を感じ、そしてダメージを負った。
「その足じゃちょこまか逃げられないね」
安室が余裕の表情でまたベアリング弾の発射態勢に入った。
まずいなあ・・・・・・・・。
近寄らなきゃアッシのスタンドじゃ攻撃できないし、
ベアリング弾を避けられたとして、近寄ったら警棒が待ってるし・・・。
211 :915:2006/09/03(日) 23:34:51.51 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるO〜
あ・・・・・・・・・・・・・・・・。
そういう事か。やっと違和感の正体がわかったやよ。
それなら・・・・・・・・・・・・・・・。
ドシュウウウウウウッッッッッッッッッッ
安室のスタンドから再びアッシめがけてベアリング弾が放たれたッ!!!
271 :915:2006/09/06(水) 00:40:48.49 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるP〜
「マメ!アンタの逃亡のやり方をマネさせてもらうやよッ!!!!
うおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッ!!!!!!!
ライク・ア・ルノアールうううううううッッッッッッッッッ!!!!!」
しゃがんだ状態のアッシはまず右手で地面を後ろ斜め方向に叩き、
そして次に左手で同じように地面を叩いた。
ボゴンッッッッッッッ!!!!!!!!
ボゴンッッッッッッッ!!!!!!!!
アッシの右側で地面が大きくせり出し、少し遅れて左側も大きくせり出す。
アッシはとっさに左のせり出しの頭に手をかけたッ!!
ギュイイイイイイイイイイインンンンンンッッッッッッッッッッ!!!!
地面から生えた二本のせり出しは安室に向かって伸びていく。
ガスッ!!!
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリイイイイイイイイイッッッッ!!!
右のせり出しは飛んできたベアリング弾に接触して激しく電気がほとばしるッ!!!
272 :915:2006/09/06(水) 00:41:39.21 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるQ〜
「うぅッ・・・・・!!!」
左のせり出しに手をかけて一緒に伸び上がったアッシは、
とっさにせり出しの裏にまわって盾にすることで
右のせり出しからの放電によるダメージを最小限に食い止める。
「いくやよおおおおおおッッッッッッッッッッッ!!!!」
マメの時ほど溜められなかったから飛び出すほどの勢いは無いけれど
それでもせり出しのおかげでずいぶん安室に近づく事は出来た。
アッシは伸びきったせり出しから腕に力を入れて
安室に向かってとびかかったッ!!!!
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラアアアアアアッッッッッッッッッ!!!!!」
ライク・ア・ルノアールがラッシュを繰り出すッ!!!
「ちぃッ!!!!」
ガスッッッッッッッッッッッッ!!!!
安室の舌打ちとともに、ライク・ア・ルノアールの拳は
トライ・ミーの持つ警棒で受け止められたッ!
273 :915:2006/09/06(水) 00:42:23.30 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるR〜
だけど・・・・・・・・・・
アッシは感電していないッ!!!!!!!!!!
ヨシッ!予想通りッ!!
アッシの背後で感電している地面の音が段々収まっていく。
まずい・・・!
「オラアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!」
安室の頭上から飛びかかった状態のアッシはとっさに
ライク・ア・ルノアールの両足でトライ・ミーの顔面に
ドロップキックをかました。
ドタアアアアンンンンンンンンッッッッッッッ!!
スタッッッッッッッッ
アッシに蹴られた安室は後ろに倒れ、
アッシは蹴った反動で一端安室と距離を取って
後ろに飛び退いた。
351 :915:2006/09/08(金) 01:25:09.66 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがあるS〜
「い、いっでえええええ・・・・・・・・」
着地の瞬間、アッシは思わず悲鳴をあげる。
足に電撃のダメージあることを忘れてドロップキックなんかしちゃったし、
おまけに着地した時の衝撃がさらに痛みをひどくしちゃった・・・・・。
「あ、アンタバカ・・・・・?
自分の怪我を忘れてあとから痛がるなんて・・・・・・・」
アッシに蹴られた安室が顔を押さえながら起きあがって言った。
「う、うるさいやよ。それにアンタのスタンドの秘密はわかったやよ」
アッシも重い足を起こしながら言った。
「このアッシのほっぺたの傷、最初のベアリング弾がかすった時の傷なんやけど
これっておかしくない?
なんでアッシに触れてるのにアッシは感電しないのさ?」
安室は黙ってる。
「アンタのスタンドは何かものを『触ったら感電する』ように変化させる能力やけど
同時に何個も、いや、一つしかそうさせる事が出来ないんやよね?
だからベアリング弾と警棒のどっちかしか感電はしないんや」
アッシは安室を指さして言った。
352 :915:2006/09/08(金) 01:26:12.92 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある21〜
ふっ、決まった!
これで安室の攻撃を二つともかわさなきゃいけない必要は無くなったわけだし、
自分のスタンドの秘密を暴露されて安室も相当動揺しているはず・・・・ッ!!
「うん、そうだけど」
「へッ?」
「アンタの言うとおりだよ。それで?」
「い、いや、アンタのスタンド能力の弱点が明らかになったわけで
つまりアッシが有利に・・・・・・・・・・・・・」
安室が全然動揺していないのでアッシが逆にたじろいでしまった。
353 :915:2006/09/08(金) 01:27:18.75 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある22〜
すると、安室のスタンドは両手にベアリング弾を一つずつ持って
こっちに見せるように構えてそして言った。
「ねえ、どっちの玉に能力使ったかわかる?」
「それは・・・・・・・・・・・・・・」
「それがわからなきゃ結局両方避けなきゃいけないじゃん。
もしも触っても助かる確率が二分の一になるだけでさ。
アンタ、そんな博奕で私に勝とうって思ってるの?」
え〜っと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たしかに言うとおりやよorz
401 :915:2006/09/09(土) 11:35:44.97 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある23〜
ドシュドシュウウウウウウウッッッッッッッ!!!!!
って、言ってる側から安室がそのベアリング弾を2発とも撃ってきた。
「うわッ!!!!!!!」
ドゴッ!!!!!!!!
ボオオオオオオオンンンンンンンッッッッッッ!
アッシはとっさに地面を殴ってせり出しを一つ柱状に出現させた。
気持ちの準備が出来てなかったので、
今回はせり出しを一つ作り出すだけで精一杯やよ。
アッシは安室とせり出しの直線上に入りつつ、
感電にやられないようにせり出しと少し距離を取る。
ガスッッッッッッッッッッ!!!!!!!
ベアリング弾のうちの一つはせり出しにかち当たり、
そしてもう一つはアッシの横を通り過ぎていった・・・・・・・・・。
せり出しが元に戻り、アスファルトにベアリング弾が埋まっている。
402 :915:2006/09/09(土) 11:36:35.95 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある24〜
ふう、危ない危ない・・・・・・・・・・
カツーン・・・・・・・・・・・
って、アレ?
アッシの後ろの方で、避けた2発目のベアリング弾が地面に落ちた音が聞こえた。
アレ?なんで?
どっちのベアリング弾も放電していない・・・・・?????
アッシが疑問に思ったその時だった。
「??????????????」
アッシは声にならない叫びとともに崩れ落ちる・・・・・・・・・・。
足下からしびれが身体をはい上がるのを感じる・・・・・・・・・・・・。
な、なんでアッシ感電してるんやよ・・・・・・・・・・・・・・。
血が沸騰して全身の血管が切れそうな感覚の中、アッシは足下を見た。
さ、さっきせり出しで防いだベアリング弾から放電している????
な、なんでやよ・・・・・・・・・・・・。
ちゃんとせり出しに接触したやろさ・・・・・・・・・・・・・・・・・。
403 :915:2006/09/09(土) 11:37:22.24 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある25〜
「アハハハハ!!!!」
安室の高笑いが遠くで聞こえる。
「私の『トライ・ミー』の能力、『電撃地雷』には実は二種類あってね、
一つは何かに触ったら感電させる『接触地雷』、
そしてもう一つは『着弾点火地雷』。
『接触地雷』に比べて威力は劣るけど
私の好きなタイミングで感電や放電させる事が出来るんだよね」
安室の声がかろうじて聞こえた・・・・・・・・・・・。
404 :915:2006/09/09(土) 11:38:19.57 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある26〜
ちぇっ、やられちゃったみたいやね・・・・・・・・・・・。
アッシは薄れゆく意識の中で思った・・・・・・・・。
405 :915:2006/09/09(土) 11:39:32.72 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある27〜
「愛ちゃんッ!まだ寝るには日が高いのだッ!!!」
崩れ落ちようとするアッシの肩をつかんだ声に我に返る。
506 :915:2006/09/11(月) 23:48:30.54 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある28〜
「マメ・・・・・・・・・・・、アンタ・・・・・・・・・・・・・・」
「しっかりするのだ。この程度でやられるなんて愛ちゃんらしくないのだ」
「じょ、冗談を・・・・・・・。
アッシは無敵の高橋愛様やよ・・・・ッ!!!」
アッシはマメの手を振り払って自分の両足だけで踏ん張る。
「それでこそ愛ちゃんなのだ」
マメが満足そうに言う。
「何アンタ、せっかく逃げたのに戻ってきたの?」
安室の声にアッシは思い出す。
「そ、そうだッ!
マメ、アンタ自分だけ逃げておいて今更・・・・・」
アッシはマメにつかみかかった。
「お〜お〜、それだけ元気があればまだまだやれるのだ」
マメがニヤニヤしながら言った。
「ハァ?」
マメのあまりにも堂々とした言いぐさにアッシもさすがに首をかしげる。
507 :915:2006/09/11(月) 23:49:11.05 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある29〜
「心配するななのだ。
誇りあるぶどうヶ丘演劇部に戦術的撤退はあっても戦略的撤退はあり得ないのだ」
「わ、わけわからん事言うなやよ・・・・・・・・。
とりあえずこの女の能力、ものに触ったら感電するけれど
二つ以上同時に能力を有効にさせるのは無理みたいやよ・・・・。
でも、触ったら感電する他に、好きなタイミングで感電させる方法もあるみたいやし
それに気をつけんとアッシみたいになるやよ・・・・・・」
「さすが愛ちゃん、そこまで判明すればもうちょっとなのだ。
だから今はこのニイガキがヤツの相手をするからその間に体力回復に努めるのだ」
「む、ムチャ言うなやよ。
オメェのスタンドでどうやってヤツの攻撃を防ぐやよ?」
「言ったのだ。
誇りあるぶどうヶ丘演劇部に戦術的撤退はあっても戦略的撤退はあり得ないと!!」
そう言うとマメは安室にとびかかった!!!!
「おバカッ!!!!隙だらけなんだよッッッッッッ!!!!!!」
安室は冷静にとびかかってきたマメに向かってベアリング弾を放つ。
ドスッ!!!!!!!!
ベアリング弾はマメのみぞおち部分を直撃するッ!!!!
508 :915:2006/09/11(月) 23:50:36.33 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある30〜
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリリリリリリリリイイイイイイイ!!!!
そして、激しく放電の音が聞こえ、マメの服が激しく鳴動する・・・!!!
「マメッ!!!」
何考えてんだ、アイツは・・・・ッ!!
人の説明聞いてるだろうにッ!!!
それなのに何の策も持たずに飛び込むなんて・・・・・・・・ッ!!!
「ニィ・・・・・・・・・・。
オマエの能力はその程度なのか・・・・・・・・」
マメがにやりと笑った・・・・・・・。
548 :915:2006/09/13(水) 01:10:44.88 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある31〜
「くらえッ!!!!!!!!
まゆげビイイイイイイイイイィィィィムウッッッッッ!!!!!!!!!!!」
「なッ????????」
「ま、マメ・・・・・ッ!?」
アッシと安室は予想外の出来事に思わず叫んだッ!!!
ドリュリュリュリュリュリュウウウウウッッッッッッッッ!!
マメのひたいからいくつもの鋭い木の枝が安室を狙うッ!!!
ドスドスッ!!
とっさに逃げようとした安室の左肩にまゆげビームが深々と刺さるッ!!
「うぐッ!!!!」
安室はとっさに木の枝をへし折ると逃げるようにマメから距離を取る。
549 :915:2006/09/13(水) 01:11:31.79 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある32〜
「ふむ、さすが、運動神経もそこそこ良いようなのだ」
マメは安室を観察するように言った。
「てめえ・・・・・・・・・・・、うぅッ!!!」
安室はマメをにらみながら、肩に刺さった木の枝をひっこ抜く。
そして、ボロボロになった服の袖を引きちぎった。
「なんで、なんでオメェ無事なんやよ・・・・・・・・・・・」
アッシはびっくりしながらマメに問いかけた。
「言っただろう、戦術的撤退だと」
マメがアッシを見ながらにやりと笑う。
「お、オマエ・・・・・。まさか絶縁体か・・・・・・・・・・・・・・」
安室がヨロヨロしながら言った。
「お、ご名答。バラすつもりは無かったんだけどさすがだねえ。
まあ自分のスタンドの弱点くらい承知していて当然か」
マメはそう言いながら電撃でびりびりになった自分の服を指さした。
「今日はこっちもやる気で用意してきたからボロボロになっても良いお古の服着てきたんだよね。
制服とかで襲われたらあとが高くつくし、親への説明が大変なのだ」
550 :915:2006/09/13(水) 01:12:54.42 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある33〜
マメはたしかに数年前のデザインの着古したトレーナーを着ていた。
マメの言うとおり、今日は戦闘になることがわかっていたから
アッシも同じような格好だ。
だけど・・・・・・・・・・・・・・
マメのトレーナーには白い何かが一面にこびりついていた。
「マメ・・・・・、それは!?」
「ニィ、ゴムなのだ」
「ゴムうッ????」
「ちっ、やっぱり・・・・・・・」
安室が舌打ちした。
「正確にはパラゴムノキという木から得る事が出来る樹液で天然ゴムの原材料なのだ。
日本でゴムノキといえばインドゴムノキが有名だけどインドゴムノキは主に観賞用でね、
一般的にはパラゴムノキから天然ゴムが採取されるのだ」
そう言いながらマメは手に持っていた2枚のタオルのうちの1枚をアッシに投げ渡した。
「ゴム・・・・・・・・」
アッシは手に取ったタオルを見てつぶやく。
タオルは白くカビカビになっている。
6 :915:2006/09/20(水) 22:07:52.99 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある34〜
「ラブ・シードでパラゴムノキを育てて採取した樹液に服やタオルを浸して固めたのだ。
これで通電性がかなり悪くなったからヤツの攻撃を防御出来るのだ」
「もしかしてそのために・・・・・・・」
「パラゴムノキを育てて樹液を採るのに少々手間と時間がかかるのでね。」
マメは手に持っていたもう1枚のタオルを
パタパタと振りかざしながら言った。
「オマエら、それで勝ったつもりかよ・・・・・・」
話を聞いていた安室がアッシたちをにらんで言ってきた。
「ほえ?」
「ゴムの原料になる樹液を採取してって作戦は確かに有効だったかもしれないけれど
ゴムが本当に絶縁体として有効なのは不純物ゼロの時だけ。
精製も加工も出来ずに服にひたして固めただけなら・・・・
ほら、そっちの女のトレーナー、もうボロボロじゃないか」
安室が指さした通り、マメのトレーナーはところどころ
焦げたり穴が開いていたりしていた。
7 :915:2006/09/20(水) 22:08:58.92 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある35〜
「マメ・・・・?」
「その女の言うとおりなのだ。
いくら樹液を採っても、それで100%ゴム製の防御服でも作れるならともかく、
そんな加工する技術も無いし、
おまけにゴムノキを栽培してそこから樹液を採るには
時間がかかりすぎるから量があまり採れなくてね、
タオル2枚とトレーナー一着を樹液に浸して固めただけで精一杯だったのだ。
だからトレーナーの部分が電気を通すんでその部分から破れたり燃えたりして、
何回もってわけにはいかないのだ」
「あぁ、そういう事か」
アッシは納得した。
「そういう事って、意味わかってるの?」
安室が半ば呆れたように言う。
「わかってるやよ。
少なくともタオルでアンタの攻撃を一回は防げるって事でしょ?
それだけ防げたら十分やよ」
「さすが愛ちゃんは賢いのだ・・・・・・」
マメはそう言いながらボロボロになったトレーナーを脱ぎ始めた。
2 :915:2006/09/28(木) 22:31:40.11 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある36〜
「一回防げるなら充分やよ。
アンタは片方の手でベアリング弾を打ってきて、
もう片方の手に警棒を持って遠近両方を防御しつつ攻撃ってスタイル。
でも、『電撃地雷』の能力が一つにしかつけられないってわかった上に
このタオルで一回は防げるってなったからには、
アッシとマメでそれぞれアンタの攻撃を一つずつを防げばもう無防備やよ」
アッシは言いながらライク・ア・ルノアールの左手にタオルを巻き付ける。
「その通りなのだ。」
マメはボロボロになったトレーナーを脱ぎ捨てると
自分の右手にタオルを巻き付けながら言う。
「これは単純な算数の問題なのだ。
私は本来近距離タイプじゃないけれど愛ちゃんと一緒に突っ込む。
アンタは私と愛ちゃんの二人の攻撃を防がなきゃいけない。
もしベアリング弾に能力をつけるなら
私たちは一人が防いでもう一人がその間にアンタを攻める。
ベアリング弾がダミーで警棒が本命なら
警棒を受け止めて二人で攻撃する。
どっちみちアンタは攻撃を受けるのだ。
あとは、受け止めた電撃が放電し終わって
次の電撃が出来るようになるまでに二人の攻撃を耐えられるか。
それが勝負の分かれ目なのだ」
「何を・・・・・、なっ!!!!????」
3 :915:2006/09/28(木) 22:32:39.54 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある37〜
安室が何か言いかけて思わず言葉に詰まる。
マメの周りから黄色い穂先の植物がアスファルトを割って次々と生え出す・・・・
植物は安室の周り半径2メートル周囲を取り囲むように、
さらにアッシたちの身長よりも高く生えて
アッシたちの姿を安室から隠した・・・・・・
「てめえら・・・・・・・・」
「これはセイタカアワダチソウなのだ。
外来種でね、繁殖能力の高さは在来種を駆逐し、
その駆除に頭を悩ませているそうなのだ・・・・・・」
草むらの中からマメの声が聞こえる。
「目くらましのつもりか、それなら・・・・」
安室は手に持っていたバッグから重そうな袋を取り出した。
そしておもむろに袋の中身をぶちまける。
ジャラジャラジャラジャラジャラ・・・・・・・・
袋の中からベアリング弾が大きな音を立てて地面にぶちまけられた。
416 :915:2006/10/12(木) 22:59:11.11 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある38〜
「・・・・・?」
自分の武器をぶちまけちゃった。何をする気なんやろう?
安室はさらに手に持った警棒を投げ捨てると、
カバンの中に両手を突っ込んで何かをわしづかみにして取り出してきた。
手にいっぱい持っているのは・・・・・・・豆まき用の豆?????
「節分にはちょっとだけ早いかな・・・・・・・。
今までは狙いを定めて確実に遠距離から当てるためにベアリング弾を使っていたけどね、
オマエらが飛び込んでくるなら狙いを定める必要は無いんだよ。
いっぱい投げつけてそのうちの一つが当たれば良いんだし、
逆に言うとその方がどれが電撃地雷かわからないから
いくら防御しようにも難しくなるでしょ」
そう言いながら安室は豆をいっぱい持った両手をクロスさせた。
「なんや、ベアリング弾に今度は豆まきて、アッシたちのマネばっかりやね」
「別にアンタたちの能力や武器なんて知ったこっちゃないよ。
ただ単にぶちまけるのに適当なものを選んだだけの話だから」
417 :915:2006/10/12(木) 23:00:43.35 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある39〜
安室は・・・・・このセイタカアワダチソウの中に入ってくる事はありえんやろ。
なぜなら、安室の武器である『接触地雷』がアッシやマメに触る前に
セイタカアワダチソウに触ってしまうから。
だから円の中で待ちかまえている安室に
アッシとマメはこの草むらの中から同時にとびかかる。
半径2メートルのどこから飛び込んでくるかわからないから
安室は二人の攻撃を両方ともかわすなんて事はできんやろう。
そこで安室は言っていた通り、
アッシとマメのどっちかに電撃地雷の能力がついた豆を投げつけてくる。
正確には、投げた瞬間の他の豆と接触しなくなった瞬間に
電撃地雷の能力を付加させるんやろう。
そうなると、豆の全部をタオルで防ぐことは不可能。
アッシとマメのどっちかは電撃を浴びる事になってまう。
「マメ!覚悟は出来てるやよ?」
アッシは姿の見えないマメに向かっていった。
「愛ちゃんこそ!
私達のどっちかが電撃を食らわずに安室を倒せばそれで良いのだ!」
マメはアッシが思っていた事を言ってくれた。
「てめえら・・・・・・・」
「そういう事やよ。
最後にアッシか豆のどっちかが立っていれば
それでアッシたちの勝ちなのやよ」
418 :915:2006/10/12(木) 23:03:27.23 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある40〜
言いながらアッシはしゃがんで地面を斜めに叩く準備をする。
足をやられているアッシは直接飛び込む事は無理やから
せり出しに乗っかって飛びかかるしかない。
その時やった。
ボゴ、ボゴボゴボゴ・・・・・!!!!!!
「なにぃッ!?」
突然安室の足下が盛り上がり、安室がバランスを崩すッ!
マメが何かの植物の根っこを生えさせて
その生長で安室の足下を歪ませたんだッ!
それを見たアッシは地面を斜めに殴ったッ!
ボコオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!
ライク・ア・ルノアールの能力で一度凹んだ地面は
安室に向かって激しく伸びていく。
そしてアッシはそのせり出しに手を掛けて
その勢いで安室に殴りかかったッ!
それと同時に反対側からマメが飛び出してくるッ!
419 :名無し募集中。。。:2006/10/12(木)
23:04:38.88 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある41〜
「おちょきんしねまアアアアッッッッッッッ!!!!!」」
「眉毛ビイイイィィイイィィイイッッッッッッッッッムゥッ!!!!」
ビシッ!!ビシビシビシッッッッ!!!!!!!
アッシの身体のあちこちに安室の投げつけた豆が突き刺さる!
しかしなんともないアッシはライク・ア・ルノアールの拳を
深々と安室の顔面にヒットさせたッッッ!!!!!!
そして、アッシの向かいでは・・・・・・・
マメもその眉毛から伸びた木の枝を安室の肩に突き立てていたッ!!!
?????
二人とも・・・・・・無事?????
マメも電撃を受けていない?????
420 :名無し募集中。。。:2006/10/12(木)
23:06:04.34 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある42〜
「ふ、二人とも・・・・・・・・・・
私に触ったな・・・・・・・・・・・・・
これを待っていたんだよ・・・・・・・・・
も、もちろん、投げつけた豆には
スタンド能力を使っていなかったんだよ・・・・・・・・・・・」
殴られ、突かれながら安室が口を開く・・・・・・・・・・・・
「『電撃地雷』の能力は・・・・・・・ッ!!!!!
私の身体にしておいたんだよおおおおおッッッッ!!!!!!」
421 :915:2006/10/12(木) 23:07:51.91 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある43〜
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリッッッッッッッ!!!!!!!
激しい電圧が安室の身体からほとばしるッ!!!!!!
「あ、あはは・・・・・・・・・
わ、私もただでは済まないけれど・・・・・・・・
オマエたち二人も道連れだッ!!!!!!!!
オマエたちさえ倒せば、倒せばああああッ!!!!」
電気に痺れ、苦しみながら安室が叫ぶッ!
なんという執念ッ!!!!!
462 :915:2006/10/14(土) 01:19:48.38 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある44〜
だがしかし・・・・・・・・ッ!!
「安室奈美恵と言ったな。
キサマのその執念は尊敬に値するのだ。
栄高の一味にもこんなに気高いヤツがいたのはな。
しかし・・・・・・・・・・・・・・・・」
「アンタはさっきアッシにいったやよ。
博奕で自分に勝つ気かと。その通りやよ。
アッシたちもアンタに博奕で勝てるとは思ってないし、
アンタも博奕を打つ気はないから
二人ともしとめる方法を選ぶのはわかっていたやよ」
「な、なぜ・・・・・・・、はッ!!!???」
安室は自分に触って痺れているはずなのに
ピンピンとしているマメとアッシを交互に見た。
「やっと気付いたようやね。
アッシが殴ったのはタオルを巻き付けた左手やよ」
「私も眉毛ビームの先端に、さっき脱いだトレーナーの切れ端をかぶせておいたのだ。
つまり二人とも、直にアンタに触らずにゴムで防いでいるのだ」
「て、てめえら・・・・・・・・・・・・・」
463 :915:2006/10/14(土) 01:20:31.05 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある45〜
「もう自分自身が感電して身体も満足に動かないかもしれないけど、
その執念に敬意を表するやよ」
アッシは安室に突き立てた左拳を引いた。
パキッ
一方のマメは安室に刺さった木の枝を折るとその枝を手に持って
安室が身動き取れないようにした。
「戦士よ、全力で倒す事が私達が示す敬意なのだ」
マメがそう言うと、マメのスタンドから次々とツタが生えてきて
すでに能力が切れて放電し終わっている安室の身体に
次々と巻き付いていく・・・・・・・・・・
「うおおおおッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
アッシはマメからもう一枚のタオルを受け取ると
念のためにライク・ア・ルノアールの右手に巻き付けた。
(もっとも、安室はもう『電撃地雷』をやるだけの
体力は無かっただろうけど)
464 :915:2006/10/14(土) 01:22:50.80 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある46〜
「さよならさよならさよならさよならさよならさよならさよなら
さよならさよならさよならさよならさよならさよならさよならあああッッッッ!!」
ドグオオオォォォンンンンンンンンンッッッッッッッッッッ!!!!
安室が自分の絡まったツタを引きちぎりながら吹っ飛ぶッ!!!
「しーゆーあげいんやよ」
「アディオス、バイバイチャッチャ・・・・なのだ」
ドグシャアッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
安室は悲鳴も上げずに地面にたたきつけられた。
「ふう、終わったやよ・・・・・」
アッシはさすがに立っているのがつらくてへたり込んだ。
「そうだね」
マメがアッシを見下ろしながら言った。
812 :915:2006/10/22(日) 21:44:52.49 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある47〜
「そうだねじゃないやよ。いきなり逃げるなんてひどいがし」
「だ〜からただ逃げたんじゃないってば。
愛ちゃんもそのおかげで勝てたんだし」
「だったらちゃんと言ってくれたらいいがし!
こっちはてっきり逃げたと思って・・・・・」
「私が敵にしっぽ巻いて逃げる女なわけないでしょが」
「そりゃそうやけどさあ・・・・」
アッシは口をとがらせた。
「そんなことより」
「そんなことよりじゃないやよ!」
アッシは抗議するが、マメは無視して話を進める。
「安室に聞かなきゃいけない事があるのだ」
「聞かなきゃいけない事?」
「そうなのだ。浜崎あゆみの目的を聞かなきゃいけないのだ」
「目的って、3年前に・・・・・・」
「3年前の事を恨んでいるのは鈴木亜美なのだ。
浜崎あゆみはそんな感情的な事よりも
もっと計算高くて自分の得のためにしか動かない女だから
別の目的があるはずなのだ。そして・・・・・・」
813 :915:2006/10/22(日) 21:45:48.42 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある48〜
マメは突然自分のスタンドのツタをのばすと
安室の左肩を辺りをツタで縛り始めた。
「うっ」
安室が苦痛に顔を歪める。
「マメ?何してるんやよ?」
と・・・、さっき眉毛ビームを直撃されて
血で真っ赤になっていた安室の肩の辺りから
流れていた血が止まり始めた。
「とりあえず動脈を縛って止血したのだ」
「あ、アンタ・・・・、それで恩を売った気?」
安室が苦しそうに言う。
「誤解するななのだ。これについて聞きたいのだ」
マメは流血が止まった安室の左肩から腕にかけての部分を指さした。
「ん?何か書いてあるやよ。入れ墨?」
アッシは安室の左腕をのぞき込んだ。
814 :名無し募集中。。。:2006/10/22(日)
21:46:31.68 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある49〜
「HARUTO May 19 1997」
安室の左肩にはタトゥーでそう彫り込まれていた。
「なんか人の名前と日付みたいやけどこれがどうかしたん?」
「それを聞きたいのだ。
1997年の5月といえば3年弱前、小室学園と我が演劇部の
戦いが終結してまだ数ヶ月の話なのだ」
「か、関係ないだろ、オマエらには・・・・」
「関係あるか無いかはこっちで判断するのだ」
マメが安室を問いつめる。
その時やった。
「それは・・・・安室さんの子供の名前と生まれた日ですよ」
815 :915:2006/10/22(日) 21:47:18.21 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある50〜
「えっ?」
背後からの声にアッシたちは思わず振り向く。
「こんこん!」
みうなに肩を借りて、こんこんがつらそうに歩いてきた。
「こんこん、まさか鈴木亜美にやられたの?それにまことは?」
マメが駆け寄ってみうなと反対の方の肩を持ってこんこんを支える。
「ううん、鈴木亜美は倒したよ。向こうでのびてる。
私も麻琴も結構やられたけどなんとか大丈夫。
麻琴は今は木陰で三好さんと唯ちゃんと一緒にいるよ」
「勝ったのか、それならよかったのだ」
「それよりも子供ってどういう事やの?」
アッシはこんこんに問いかけた。
816 :915:2006/10/22(日) 21:47:53.61 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある51〜
「私、最近女性週刊誌をよく読むんですよね。
ほら、スタンドのせいで病院通いがここのところ多かったから。
病院って待ち時間がやたら長いですしねえ。
待合室で女性週刊誌を読む機会が多かったんですよ」
こんこんは安室の横に座ると左肩のタトゥーを見つめながら話し始めた。
「そもそも、安室さんの存在は栄高とやりあうようになって
3年前のデータを調べている時から気になっていたんですよ。
小室学園の中でもかなり中心にいたみたいなのに
早期に、それも別にやられたわけじゃないのに戦闘から離脱しているし。
安倍さんも理由はわからないって言っていたんですよね」
「それと女性週刊誌がどう言う関係が?」
マメが首をかしげる。
「それで、安室さんについて色々調べていたんですよ。
で、安室さんって小室学園でも結構有名人だったんですね。
歌やダンスが上手いってことで文化祭でライブをやったりしていたそうです。
だから安室さんの写真を入手することが出来て、
それでその写真を見てピンと来たんですよ」
アッシとマメ、そしてみうながこんこんの話に聞き入る一方、
観念したのか、安室はそっぽを向いてこんこんに目をあわそうとしない。
11 :915:2006/10/28(土) 22:00:51.18 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある52〜
「S市に丸山病院ってあるでしょ?」
「あぁ、国道沿いの大きな病院なのだ」
「週刊誌に載っていたんですよ。
『難病のはるとちゃんを巡る骨肉の争い!』って」
「その話聞いたことあるよ。テレビでもやってたね」
「あぁ、アッシも見たことあるがし」
アッシはみうなの言葉でその話を思い出した。
あれは、少し前の話やった。
S市に済む男性の長男、はるとちゃんが難病にかかっていて
手術には海外に行かなくてはならず、
また多額の費用が必要だって事で募金活動が行われていた。
そこまではどこにでもある話やったけど、
その後からその男性に関わるスキャンダル(?)が
インターネットを中心に騒がれ、
また、マスコミにも情報がリークされていた。
12 :915:2006/10/28(土) 22:01:31.52 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある53〜
スキャンダルというのは、その男性は
M県きっての大病院であるS市の丸山病院の御曹司やのに
その事を公表してなかったのだ。
自分の家が金持ちなのに募金を呼びかけてるって非難が集中したので、
その男性は自分はダンサーを志して医者も継がずに
家を飛び出した身だから実家の事は黙っていた。
でも今回の件では親に頭を下げてお金を出してもらっている、
それでも足りないんだという釈明をしていた。
それで世間も納得してこの話は収まりそうになっていた。
募金も順調に集まっていた。
ところが今度は、調子に乗った週刊誌が
その男性の離婚歴について書いてしまった。
まあ、男の子の父親だけテレビに出たりで全然母親は出てこないって
不自然なんだから調べられたのは自然の流れやけど。
その離婚した相手というのが10歳以上年下のまだ大学生で、
男の子を産んだのが18歳の時だと書かれたから騒ぎは再燃した。
騒ぎは、男性の別れた妻がマスコミの前に出てきた事で最高潮に達する。
13 :915:2006/10/28(土) 22:02:40.48 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある54〜
「たしか・・・・、その母親ってのは高校生の時に出来ちゃった結婚で、
大学に進学してすぐに子供を産んだ、
でも結局数年で破局したって話やったよね・・・・・・・」
「そう、そして問題は子供の親権問題・・・・・」
こんこんはアッシの言葉に続けた。
「女性は子供の親権を自分のものにしたかった。
しかし自分の身分は大学生、
しかも子供は難病で手術を受けるには莫大な費用がかかる。
とても病気の子供と二人で生きていく事は出来ない。
そう言われると男性に親権を譲るしかなかった。
それなのに、その女性はテレビで『だまされた』『親権を取り戻したい』
って訴えた始めたんですよね」
「その話が安室と何の関係があるのだ?」
マメが多少イライラしながらこんこんに聞いてきた。
14 :915:2006/10/28(土) 22:04:08.51 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある55〜
「関係あるもなにも、テレビではモザイクがかかっていましたが
金髪に近い茶髪のストレート、南国を思わせる色黒な肌・・・・」
「あっ!それってもしかして・・・・・・」
みうなが安室を見た。
「そうです。安室さん、あなたの事ですよね」
「あ、じゃあ子供の生まれた年って・・・・」
アッシはハッとした。
「そうです。うちの演劇部と小室学園の戦い最中に
安室さんは妊娠して、そして戦いが終わってしばらくしてから
お子さんが生まれているんですね。
つまり、安室さんは妊娠したから離脱していたんですよ」
安室は相変わらず何も言わずにそっぽを向いている。
「ふむ、この安室って女が3年前、うちとの戦いに積極的に
参加していない理由は子供が出来たからということと
今、別れた夫ともめている事はわかったのだ。
でも私達には関係ない話なのだ」
15 :915:2006/10/28(土) 22:05:05.78 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある56〜
「いいえ、もしかしたら関係あるかもしれませんよ」
「「「どういうこと?」」」
思わずアッシとマメ、そしてみうなはハモった。
「安室さん、いい加減答えて欲しいんですけどね・・・・」
こんこんは安室に問いかけた。
「急に親権を取り戻したいと言い出したあなたを
あなたの別れたお相手やその家族、そしてマスコミや世間も
今度は一転して非難するようになりました。
『どこにそんな金があるんだ』『親権より子供の命が大事だろう』と・・・・・。
でもあなたはこう反論したんです」
アッシたちはこんこんと安室を交互に見る。
16 :915:2006/10/28(土) 22:06:52.22 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある57〜
「『言えないけど金のアテならある。』って」
「どういうことやよ?」
「そうそう、その子の手術には何千万もかかるって言ってたよね」
「じゃあ、たかが大学生の安室にそんな大金用意出来るわけがないのだ」
アッシたちは口々に言う。
「その通りです。だから私もテレビで見たときはおかしなこと言うなあ
とくらいしか思っていなかったんです。もちろんマスコミもそう言ってました。
でも今日待ち伏せていて、
鈴木亜美と一緒にいたのが安室さんだったとき私は考えたんです。
今回の栄高との戦いでは安室さんは参加しないと思っていました。
その安室さんが何故浜崎・鈴木に手を貸すのか。
その答えの先に浜崎あゆみの本当の狙いが見えるんじゃないかなって・・・」
「あぁ、その通りだよ・・・・・・・・」
観念したのか、こんこんのしゃべるのを遮って初めて安室が口を開いた。
17 :915:2006/10/28(土) 22:07:51.65 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある58〜
「あゆはね、3年前にあんたたち演劇部とやり合った時に
どさくさに紛れて『弓と矢』を盗んだんだよ。
あゆはその『弓と矢』を小室学園の連中に渡したんだけど
欠片を割って自分もキープしておいたんだ。
『弓と矢』にはまだまだ未知の力が眠っている、
あゆはそう言ってその欠片をいろいろ調べて実験していたんだ。
ところが、ある実験で一度手痛い失敗をしてね、
それに懲りたあゆはさらに詳しく調べるためにエジプトに行ったんだよ。
あゆはそこである男と出会ったのさ」
「エジプト?」
アッシとマメが顔を見合わせた。
「エジプトって・・・・、もしかして・・・・・・・・」
こんこんの顔が厳しくなる。
18 :915:2006/10/28(土) 22:08:46.68 0
銀色の永遠 〜新垣里沙には守るものがあり、高橋愛にはプライドがある59〜
「ホル・ホースと名乗るキザな男とね」
TO BE CONTINUED…
安室奈美恵:再起不能
スタンド名:トライ・ミー