187 :915:2006/03/16(木) 23:28:57.37 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る@〜

「浜崎さん、資料持ってきましたよ」
「ありがと〜」
「はい、ご指示のあった、ぶどうヶ丘演劇部の中学一年生です」
「ふ〜ん、久住小春、夏焼雅、菅谷梨沙子、徳永千奈美、
 熊井友理奈、須藤茉麻、村上愛、鈴木愛理、中島早貴・・・・
 この久住と鈴木って子は違うわね」
「どうしてですか?
 この鈴木って子、資料によると父親もスタンド使いなんでしょ?
 あと久住。出身が新潟のど田舎って事だから
 まずあり得ないわね・・・・・・・・・・・・」
「なるほど。でも浜崎さん、いい加減なぜ例の『矢』の使い方に
 どうして演劇部の中1が必要なのかそろそろ教えてもらえませんか?」
「う〜ん、まあいっか。
 3年前、アンタたちとぶどうヶ丘演劇部がやりあったあと、
 アタシはちょうど高校の卒業旅行って事でヨーロッパを一人旅したのよ。
 その時に片田舎でとあるフランス人と出会った話はしたよね?」
「はい。その男をだまして『矢』の秘密を聞き出したんですよね?」
「うん、それで実際に帰国してから欠片で試したのよ」
「え、試したんですか?」
「自分じゃ怖いから知り合いのスタンド使いでね」
「あはは、ひどい話ですね」


188 :915:2006/03/16(木) 23:29:25.82 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るA〜

「だって痛いのヤじゃない?
 結果は大失敗でね、暴走しちゃって大変だったのよ。
 やっぱりあのフランス人が言っていた通り、選ばれた人間でないとダメなのよね。
 おまけに小さな欠片だからスタンドに刺すのに結構力がいってね。
 本当はもうちょっと大きかったのに突き刺す時の衝撃で割れちゃって
 こんなに小さくなってしまったんだよね」
「だからもっと大きな『矢』が必要なんですか」
「うん、次失敗したらホントにこの欠片無くなっちゃうからね。
 選ばれた人間なら割れたりしないかもしれないけど・・・・」
「で、それと演劇部の中1に何の関係が?」
「『矢』に選ばれる条件が何か考えたのよね。
 『矢』の力を支配するだけの精神力が必要ってあのフランス人は言っていたけれど、
 もっと明確な基準が欲しいじゃない?」
「はあ・・・・・・・・」
「そうなるとやっぱり思い出すのは『あの男』でしょ。
 世界を支配するだけの精神力を持っていた・・・・」
「まあ確かに・・・・」

「で、『あの男』について調べ直したらあることがわかってね〜。
 実は・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「!!!!!!!!!!!!!」

「まあそういうこと。
 おそらくこの中の誰かだと思うんだけどねぇ〜」


255 :915:2006/03/17(金) 21:34:44.27 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るB〜

〜村上愛〜
「あれ、ももたちは?」
「昨日言ったじゃん。2年生は今日からスキー合宿って」
「あぁそうか。じゃあ小春ちゃんは?」
「小春ちゃんはコンクールの準備で亀井さんたちと一緒」
「ふ〜ん。しかし小春ちゃん良いなあ・・・。
 私も出たかったよ、コンクール・・・・」
「仕方ないじゃん。小春はギターとか楽器使えるんだもん」
「私もエレクトーンは出来るんだけどなあ・・・・」
「まあ四月の新歓祭典で良い役もらえるようにがんばらなきゃね」
「でも2年生も小春ちゃんもいなかったら、
 結局スタンド禁止令出てないのって愛理だけだね」
「あ、ホントだ。でも誰もそんな変な禁止令守る気無いでしょ?」
「当たり前じゃん。敵に襲われたら自分で自分の身を守らなきゃ」
「そうだよねえ〜。だいたい小春と愛理だけ使って良いって
 意味がわかんないよねえ〜」
「あと2年生は良いってのもね。何が言いたいんだろう、寺田先生は・・・」
「さあね。あの先生の考える事なんていつもわかんないよ。
 とりあえず全員そろった?じゃあ帰ろうか」


256 :915:2006/03/17(金) 21:35:14.16 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るC〜

私、村上愛が所属するぶどうヶ丘演劇部は今、栄米大付属高校から狙われている。
こないだも私と愛理が一緒に襲われたし、
なかなか警戒していても難しいのよね・・・・・・。
そんなわけで、ここ数日、中学生部員はできる限り
一緒に駅までみんなで歩いている。

本当は自転車通学の子とかもいるんだけど、
どっちみちこの時期は雪が降って危ない時もあるんで
学校も自転車通学にはあまりいい顔してないから、
とにかく駅までみんなで歩いて、
そこから家が近いメンバーは一緒に歩いたり、
距離がある子はバスに乗ったりしている。
駅からバスに乗れば一般乗客も多いし、襲われにくいって計算もある。

駅までの道を、私たちは2グループに分かれて
少し距離を空けて歩いていた。
別に仲が悪いとかじゃなくて単に全滅を防ぐためだ。

「いい加減面倒くさいよねえ。
 私、早く自転車通学に戻したいなあ・・・・」
「だよねえ・・・・・」
くまいちゃん(熊井友理奈)とまぁ(須藤茉麻)がぼやいた。
その横を私となかさきちゃん(中島早貴)が歩く。
道路の反対側にはみや(夏焼雅)、りぃちゃん(菅谷梨沙子)、
ちなみ(徳永千奈美)、愛理(鈴木愛理)、
そして新入部員の有原栞菜ちゃんの5人がいる。


257 :915:2006/03/17(金) 21:35:47.34 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るD〜

「あれ?」
なかさきちゃんが突然足を止めた。
「どうしたの?」
「こんなところのビルがあったっけ?」
なかさきちゃんに言われて私は彼女の指さす方向を見た。
歩いている道の側に5階建てのビルが建っている。

「さあ?どうだったっけ?」
自信なさげに、というよりもどうでもよさそうにまぁが答えた。
「絶対無かったよ。だって・・・・」

なかさきちゃんが反論しようとしたその時だった・・・・・。

突然、なかさきちゃんの身体が宙に浮き出した!
「あ?あ!あ〜!!!!」
そして、なかさきちゃんの身体は光に包まれたかと思うと
ビルの最上階の窓の奥に吸い込まれていった!!!!

「なかさきちゃんッ!!!!」
「スタンド使い!!」
「敵だよ!」
私たち3人はとっさにスタンドを出して周りを見渡す!

何?いまのは・・・・!


442 :915:2006/03/20(月) 20:18:27.76 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るE〜

「めぐ!何があったの!?」
みやたちが走り寄ってきた。

「みや!なかさきちゃんがあのビルに・・・・」
まぁがそう言ってなかさきちゃんが吸い込まれた
ビルの上の方を指さしたその時だった。

「あ〜ッ!!!!!」
まぁも突然身体が浮き出したかと思うと、
なかさきちゃんと同じように
光に包まれてビルの最上階に吸い込まれていった!!!

「なっ!!!!!」

みんながびっくりしてビルを見上げると、
最上階の中からなかさきちゃんとまぁが
窓のガラスをドンドン叩いてこっちに向かって何かを叫んでいる!

「あ!まぁと・・・・」
ちなみが二人を指さそうとした。

まさか・・・・・!!!!


443 :915:2006/03/20(月) 20:19:47.57 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るF〜

「ダメッ!!!」
私はあわててちなみに飛びついて手を押さえつけた!

「めぐ?」
「わかったのよ!指さしちゃダメなのよッ!!!」
びっくりしているちなみに私は叫んだ。

「そうか!なかさきちゃんはこのビルは今まで無かったって言ってた!
 無いはずのものがある事で興味をひいておいて、
 指さしたら閉じこめられるんだ!!!」
くまいちゃんも同調した。

「それでまぁも閉じこめられたんだ・・・・。
それが敵のスタンド能力・・・・・・・・・・・・・」
みやがビルの中の二人を見上げてつぶやいた。

「でもどうするの?」
りぃちゃんが私たちに尋ねてきた。
そうだ、指ささなきゃ閉じこめられないけど、どうすれば・・・・・・・・・

その時だった。


444 :915:2006/03/20(月) 20:20:24.61 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るG〜

ガーッッッッッッッッッ!

私たちは思わず音の方を見た。
ビルの入り口の自動ドアが開いている!!!

「来い・・・・って事だよね?」
「だよね・・・」
「どうする?」
私たちは顔を見合わせた。

「先輩たちを呼ぶ?」
ちなみが提案したその時だった。

「つまんないこと言わないでよ」
ビルの中から女の子の声が聞こえた。
あの制服は・・・・ッ!!!

「やっぱり栄高かよッ!」
みやが毒づいた。

「初めましてこんにちは。
 私は栄米大付属中学3年の西田静香。よろしくね」
自動ドアの向こうから女の子が言った。



513 :915:2006/03/21(火) 21:52:56.29 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るH〜

「挨拶なんてどうでも良いよ。これはアンタの仕業だね?」
みやがすごむ。

「あわてないでよ。言っておくけど二人を人質にしている
 こっちの方がアドバンテージあるんだからね」
西田という女が挑発した。

「みや〜、あどばんてーじって何?」
緊迫した空気の中、りぃちゃんがマヌケな質問をみやに振る。
「有利って事よ」
りぃちゃんを無視して西田静香をにらむみやの代わりに
くまいちゃんがりぃちゃんに耳打ちした。

「ゲームをしましょうよ」
西田静香は唐突に提案をしてきた。

「ゲーム?」
みんな一様にいぶかしがる。

「このビルの中には私を含めて計7人のスタンド使いがいるの。
 その全員を倒したら捕まえた二人は解放してあげる」
「どんな罠があるかわからないのに
 そんな勝手な提案に乗るとでも思ってるの?」
ちなみが言った。

「提案?勘違いしないでよ。
 言ったでしょ、アドバンテージはこっちにあるって。
 人質を取られている地点でアンタたちは拒否出来ないのよ」
西田の言うことに私たちは何も言えなくなる・・・・。


514 :915:2006/03/21(火) 21:53:27.96 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るI〜

「罠、ってわかっていても行かなきゃ仕方ないか・・・・・・」
みやがみんなを見渡して言った。

「当然仲間を呼んだりするのはNGだからね。
 アンタたちとやりたいんだから」
西田が口を挟む。

「わけのわかんない禁止令なんて当然無視だし、
 行かなきゃいけないのは仕方ないとして、栞菜ちゃんはどうする?
 まだスタンドを使いこなせないんでしょ?」
私は不安そうな顔の栞菜ちゃんを見て言った。

「けど置いていくわけにもいかないし、
 誰かが付き添って残るわけにもいかないよ。
 向こうが7人っていうのも多分本当みたいなんだよね。
 さっきから何人かビルの窓からちらちらこっちを
 のぞいている人影があるし・・・・・・」
くまいちゃんがビルを見上げて言った。

「7対7、実質6対7か・・・・・・・・・。
 確かにこれ以上数抜けるのはキツイね」
愛理が指を数えながら言った。


515 :915:2006/03/21(火) 21:53:59.95 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るJ〜

「足手まといでごめんなさい・・・・・」
栞菜ちゃんが泣きそうな声で謝ってくる。

「ううん、気にしないで。ポジティブに考えましょ。
 これで栞菜ちゃんのスタンドが発現するかもしれないしね」
みやが栞菜ちゃんの肩を叩いた。

「約束は守ってくれるでしょうね?」
みやが西田に念を押した。
「心配しないで。どっちみち私が倒されれば
 このビルのスタンド『プライベート・ウォーズ』は消えちゃうんだから」

「確かに・・・・そうね・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!!!」
突然、みやが西田めがけて槍をぶっぱなした!!!

「あわてないでよ。じっくりやりましょうよ・・・・・・・」
西田はそう言うと後ずさりして奥にあったエレベーターの中に入っていく。

ガチイイイイイーンッッッッッッッッッッッ!!!!!

みやのセクシー・アダルティは西田をとらえる前に
閉まっていくエレベーターの扉に止められてしまった!

「ちぇっ、逃したか・・・・・・」
口惜しそうにみやが言う。


571 :915:2006/03/22(水) 21:44:01.33 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るK〜

「とりあえず誰か先輩にメールでも打っておく?」
「ダメだよ。ほら見てよ、まだ上の階から見張られてるもん。
 それにビルの中に入ったら当然もうあの女のスタンドの中だしさ」
私の提案に、ちなみが窓の人影を指さして言った。

ん?指さして?

「あ〜ッ!!!!!!!!!」
「あ〜!!みんな、ごめッ・・・・・」

みんなが驚きの声を上げる中、
ちなみは最上階に飛んでいった・・・・・・・・・

「何やってんのよ・・・・・・・・・・・」
くまいちゃんが頭を抱えた。
最上階からちなみが窓越しにこっちに向かって合掌して謝っている。

「偵察能力持っているちなみが抜けたのは痛いなあ・・・・・・・・」
「あとはみんな直接攻撃メインだしね・・・・・・」
みやと私もため息をついた。

「ぼやいていても仕方ない、行こう!」
みやがみんなにハッパをかけながらビルに入っていった。


572 :915:2006/03/22(水) 21:44:58.45 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るL〜

「うん・・・」
ちなみの大ボケにテンション下がり気味のみんなもみやに続く。

と、みやはまっすぐ歩いていき、真正面にあったエレベーターの前で止まった。
「え?みや?」
私は思わず声を出した。

「ん?どうしたの?」
みやは私を不思議そうに見ながらエレベーターのボタンを押した。

「みや・・・・、エレベーター使う気?」
「うん。階段面倒くさいじゃん」
「だって・・・・・・」

そう言った時だった。エレベーターの扉が開く。

「さあ、行こうよ」
みやはエレベーターの中に入って私たちを促した。

「ちょっと待ってよ!そのエレ・・・・・」
私が言いかけたその時、エレベーターの扉は勝手に閉まってしまった。
みやのあわてる顔を残して・・・・・。

「あぁ・・・・・・・・」
「みやのバカ・・・・・・!!」
くまいちゃんと私は頭を抱えた。
敵が作り出したスタンドのビルなんだから
エレベーターなんかに入ったらこうなるのわかってるじゃん!!!!


573 :915:2006/03/22(水) 21:45:50.45 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るM〜

「みやびちゃん、どうなるだろ?」
愛理が心配そうに聞いてきた。

「さぁ・・・・。でも予想だけどね、とりあえずは無事だとは思う」
「なんで?」
「ちなみたちも一番上の階の部屋に閉じこめられただけで無事だったしね。
 ドアやエレベーターを操る事は出来ても
 直接攻撃は出来ないスタンドなんじゃないかな?
 ただ、ちなみたちと一緒では無いと思うんだよね。
 むしろ、私たちを分断させるのが目的じゃない?」
「う〜ん・・・・」
「実際、人質を取るなら一人だけで充分なのよね。
 本来人質って交渉のためのものだから。
 ちなみたちも閉じこめられただけで何か危害くわえられてる様子も無いし。
 それをわざわざ私たちに中に入ってきて闘えって
 言っているって事は何か他の目的があるんじゃないかなあ?
 とりあえず私たちは分断されて戦力ダウンしたのは間違いないけどね」
私はため息をつきながら言った。

「むしろ心配なのはみやが他のスタンド使いの
 何人かを相手に闘わされる事だよね」
くまいちゃんが続いた。
「うん、もしも私が敵なら、まず一人になったみやを倒すね。
 でも逆に言うとその間はこっちが手薄になるわけだから
 私たちも早く行動したほうが良いだろうね」
「そうだね。とりあえず行こうか」
私の考えにくまいちゃんはそう言いながら階段に向かった。
私とりぃちゃん、愛理、栞菜ちゃんは後ろに続いた。


665 :915:2006/03/24(金) 23:45:15.70 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るN〜

二階につき、三階に行こうとしたところで足が止まる。
防火扉のような扉で階段が閉鎖されている。

「これってきっとこの階で誰かと闘わなきゃいけないんだよ」
「うん、そうだね」
ということで私たちは近くの部屋をのぞいてみる。
と、一人の女の子がイスに座っていた。
なんかサッカーのユニフォームのようなスポーティーな格好をしているし
手にはサッカーボールを持っている。

「あの〜・・・・・・、スタンド使いのお一人さんですか?」
私はわかっていてもマヌケな質問をする。

「いらっしゃい」
そういって女の子は立ち上がった。

私たちもさすがに学習しているから安易には部屋に入らない。

「はじめまして、栄高1年の高本彩よ。
 って、そんなところに突っ立ってないで入ってきてよ」
高本という人が手招きする。

私たちは手を繋いだりひっついたりして一緒に入ろうとした。
先頭の私にひっついてりぃちゃんが入る。
続いてりぃちゃんの肩をつかみながら栞菜ちゃんが入ろうとした
その時・・・・・・・・


666 :915:2006/03/24(金) 23:46:05.74 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るO〜

突然廊下から私たちに向かって何かが飛んできた!!
飛び退いたりぃちゃんと栞菜ちゃんが分断される。
そしてその間に扉が閉まってしまった!

「あれれ・・・・・」
りぃちゃんがびっくりしている。
「はぁ、用心してたんだけどやっぱりねえ・・・・・・」
私もため息をついた。

「お〜い!大丈夫????」
愛理の声と一緒に外から扉をガンガン叩いたり
開けようとしたりする音が聞こえる。

とりあえず外の敵は愛理とくまいちゃんにまかせて
私たちはこの目の前の敵に専念するか・・・・。

「うん、大丈夫!こっちはなんとかするから
 そっちも気をつけて!!!」
私は外の愛理たちに声をかけた。

「そろそろ良い?始めよっか」
高本が言った。


3 :915:2006/03/26(日) 01:21:37.41 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るP〜

「りぃちゃん、あいつの能力もわかんないし、
 とりあえず私が相手するからりぃちゃんは見ていて」
「うん、わかった」

実物じゃなくて、あくまでスタンドパワーで生み出したビルだからか、
この部屋の中には何もないのよね。それこそ高本が座っているイスだけ。

だからりぃちゃんのファイアフライズ・スターは
ここではあまり役に立たないだろうな。
物を溶接したり溶解したりするスタンドだから
周りにもっと何かが置いてあったりすれば応用も利くだろうけど・・・。

でも、私のサッド・レディも超近距離型だし、
相手の能力によっては分が悪いなあ・・・・・・・。

「さあ、私たちも急いでいるからさっさとやりましょう」
色々考えながらも私はサッド・レディを出現させて身構えさせた。

すると高本は手に持っていたサッカーボールをいきなりリフティングし始めた。

「ちょっと!自分から仕掛けておいて遊ばないでくださいよ」
私は文句を言った。

「そう、じゃあ遠慮無く・・・・・・ッ!!!!」
高本はそう言うと、サッカーボールをダイレクトに私の方に蹴ってきた!


4 :915:2006/03/26(日) 01:22:39.68 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るQ〜

ドシュウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!

「なッ!?」
私はサッド・レディの竹刀でサッカーボールをブロックした。

バシイィィィィィィィィ!!!!

あれ?この感触は・・・・・・・・・

と、はじき飛ばされたサッカーボールが突然軌道を変えて
回り込んだかと思うとサッドレディの後頭部に直撃した!

グジャアアアアアアアアアッ!!

「かはッ!」
一瞬頭がクラクラする・・・・・・・。

サッカーボールを竹刀で払いのけると、
ボールは高本の方に戻っていった。

「めぐ!」
りぃちゃんが心配して声を掛ける。

「そ、そのサッカーボールがスタンドそのものとはね・・・・・」
私は頭を押さえながら言った。

「そう。私のスタンド、『Our Time』の変幻自在の動きから
 逃れる事は出来ないよッ!!!!!」


5 :915:2006/03/26(日) 01:23:22.43 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るR〜

ドシュウウウウウウッッッッッッッッッッッ!!!!!!!

高本は再びサッカーボールを蹴ってきた!

私は再び竹刀で跳ね返したけれど、
さっきと同じようにサッカーボールはあり得ない角度から
急旋回してこっちに襲いかかってくる!

ドムッ!!!!!

「ウエッッッッッッッ!!!」

鈍い音がしてサッカーボールはサッド・レディのお腹に直撃した。
いくら防具をつけているからと言って、痛いものは痛い。

「めぐ、大丈夫?」
りぃちゃんが心配して声を掛けてくる。


6 :915:2006/03/26(日) 01:24:27.48 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回るS〜

「大丈夫だよ、りぃちゃん。
 吉澤さんと似た様なスタンドだけど、
 吉澤さんの方がもっともっと強いもん」
私は強がってりぃちゃんに笑った。

「なんですって!」
高本がちょっと怒ったようだ。

「でもめぐって吉澤さんと闘った事無いんでしょ?」
りぃちゃんが真顔で反応した。

言わないでよ・・・・・・・・・・・・・・

私だって吉澤さんのスタンド見たことなくて
話に聞いてるだけなんだけど
向こうには演劇部のスタンドの情報が入ってるらしいから
敢えて吉澤さんのスタンドを引きあいにだして
少しでも精神的に優位に立とうと口から出まかせ言っただけなのに・・・・

「何よ、強がってるだけか」
ほらばれちゃった。高本が余裕の笑みを浮かべてるし・・・・。


47 :915:2006/03/27(月) 01:00:48.49 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る21〜

〜鈴木愛理〜
「お〜い!大丈夫????」
「うん、大丈夫!こっちはなんとかするから
 そっちも気をつけて!!!」
扉を叩きながら声をかけると中からめぐの声が聞こえた。

「なんか敵の策にはまりまくりだね」
くまいちゃんがため息をついた。
「そうだね・・・・・」
返事をしかけたその時だった。

「あぶないッ!!!!!」
栞菜ちゃんの声でくまいちゃんと愛理はとっさに
また飛んできた何かを避けた。

シュウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッ!

その何かは空中で旋回すると、飛んできた方向に戻っていった。
柱の影からスタンドの手が伸びてそれを回収する。

「今のは何?」
「何か円盤みたいだったけど・・・・」
「今のは・・・チャクラムですよ!」
愛理とくまいちゃんの会話に栞菜ちゃんが口を挟む。


48 :915:2006/03/27(月) 01:01:23.17 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る22〜

「チャクラム?」
「何それ?」
「昔インドで使われていた武器で、
 真ん中に穴のあいた金属の円盤の外側に刃が付けられているんです。
 その真ん中の穴に指をつっこんで、
 回転させて勢いをつけてから投げつけるそうですよ」

「なるほどね・・・・・・。
 でも栞菜ちゃん、よくそんなこと知ってるね」
「え、ええ。漫画の知識ですよ」
くまいちゃんの質問に栞菜ちゃんはまるで言葉を濁すように返事した。

「あと、栞菜ちゃん。私たち同級生なんだから敬語は無しね」
愛理は栞菜ちゃんの肩を叩いた。

「とりあえずこのままじゃいけないよね。近づいて本体叩かなきゃ。
 愛理ちゃん、栞菜ちゃん、あの武器の恐ろしいところは
 ブーメランみたいに返ってくるところだからさ、
 私がつっこむから避けるタイミングと方向指示してよ」
「わかった」
「じゃあお願い!」
くまいちゃんの提案に愛理が返事すると同時に
くまいちゃんは敵に向かって走り出した!!!


90 :915:2006/03/27(月) 20:28:21.04 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る23〜

チャキーンッッッッッッッッッッ!!!!

柱の影からスタンドが姿を現すと、金属音とともに、
チャクラムがくまいちゃんに投げつけられる!
くまいちゃんは紙一重でチャクラムを避けた!

スパアッ!!!!!

くまいちゃんの顔の近くを通ったチャクラムが
くまいちゃんの髪の毛を何本か切って
空中に巻き上げる・・・・・

「くまいちゃん、右!!!!!」
旋回して戻ってくるチャクラムにあわせてくまいちゃんに指示を送った。
それにあわせてくまいちゃんは右に身体を動かす!

くまいちゃんが避けた軌道をチャクラムが通り過ぎていく。
そして、チャクラムをスタンドが受け取った時、
くまいちゃんは射程距離に入った。

「フィール・イージィ・ソリッドヒューマンッ!!」
くまいちゃんは殴りかかろうとしたその時・・・・
突然、スタンドは消えて、すぐ近くの柱の影にいた女が逃走を始めた!!!!

「なっ!!待てエッ!!!!!!」


91 :915:2006/03/27(月) 20:29:02.61 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る24〜

くまいちゃんの後を愛理たちも続く!!
女は数メートル先にあるエレベーターに飛び乗った!
くまいちゃんが追いつく前に扉が閉まる・・・・!!!

「クソッ、逃がしちゃった!」
くまいちゃんが悔しがった。

「何で逃げたんだろう?」
「元々私たちを分断させるためでしょ?コソコソして!!
 そうだ、早くめぐたちを助けに行こう!!!」
愛理の疑問にくまいちゃんは深く考えずに答えた。

そうかなあ・・・・・?
愛理が考えていると栞菜ちゃんがくまいちゃんに声をかけた。
「それより熊井さ・・・、くまいちゃん、頭大丈夫?血が出てるよ」
「あ、ホントだ。さっき頭の近くを通った時か」
くまいちゃんがこめかみを触った手を見ると少し血がついていた。

「くまいちゃん、傷口見てあげるからちょっとしゃがんで」
愛理はくまいちゃんの顔を見上げていった。
170センチ以上あるくまいちゃんと150センチそこそこの愛理じゃ
頭の傷を見るにはそのままじゃ不可能だ。


92 :915:2006/03/27(月) 20:29:52.23 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る25〜

「うん」
おとなしくくまいちゃんが自分の顔を愛理の高さまで
下げてきたので傷を確認する。

「ホントにかすり傷だね。もう血も止まってるよ」
愛理が言うと、
「そう、良かった」
とくまいちゃんは身体を起こしてそう言った。

あれ?

「くまいちゃん、背伸びた?」
「今更そんなこと聞かないでよ」
「そういう意味じゃなくて・・・・・・。やっぱいいや、ごめん」

まぁ良いか。気のせいだ、きっと・・・・。

「変な愛理」
くまいちゃんがつぶやいた時だった。

「ダメだよ、やっぱり開かないよ」
栞菜ちゃんがめぐとりぃちゃんがいる部屋の扉を引きながら
こっちに向かって言った。

「う〜ん、どこ行けば良いんだろう・・・」
くまいちゃんが腕組みしながら考える。



3 :915:2006/03/28(火) 23:36:29.65 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る26〜

そのときだった。

ガラガラガラ・・・・・・・・・

めぐたちのいる部屋の向かいの部屋の扉が開く・・・・。
3人の視線が開いた扉に注がれる。

「これ・・・・」
「今度はこっちの部屋って事だよね」
「でも誰もいないよ?」
部屋をのぞいた栞菜ちゃんが言った。

「罠だとしてもとりあえず入るしかないよね」
愛理はそう言うと栞菜ちゃんの手を引いて部屋の中に入った。
栞菜ちゃんのあとにくまいちゃんが部屋に入る・・・・。

「いてっ」
くまいちゃんがおでこを押さえた。

「もう!なんでこんなに低いのよ!」
くまいちゃんがぶーたれた。
扉の上の部分に頭をぶつけたらしい。

って・・・・・・・・・・・。


4 :915:2006/03/28(火) 23:37:01.04 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る27〜

「あれ・・・・・・。愛理!栞菜ちゃん!!!!!」
くまいちゃんが突然叫んだ!!!

「アンタたち、スタンド攻撃受けてるよ!!!!」
「え?ウソ!!!!」
くまいちゃんに指さされて栞菜ちゃんが慌てて
周りをキョロキョロと見渡す。

「二人とも・・・・小さくなってるッ!!!!」
くまいちゃんが言った。

でも・・・・・・・・・・。

「違う、違うよ・・・・、くまいちゃん!!!」
今度は愛理はくまいちゃんを指さして言った。

「くまいちゃんが大きくなってるんだよッ!!!!!!」

くまいちゃんは・・・・すでに身長180センチを越していた!!!
くまいちゃんがさっき頭を扉の上の方にぶつけたのもそのせいなんだ!!

「え〜!!ウソッ!ホントじゃん!!!!
 やだ〜!!ますますジーパン探すの大変になるよ〜!!!」
「そういう問題じゃないでしょッ!!
 敵スタンドの攻撃でこうなったんだからッ!!!」
くまいちゃんのボケに思わず突っ込んでしまう。


5 :915:2006/03/28(火) 23:37:40.58 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る28〜

「でもなんでくまいちゃんだけ?」
栞菜ちゃんが聞いてきた。
「きっとさっきのチャクラムってヤツだよ!
 アレでくまいちゃんちょっと傷つけられたじゃない?そのせいだよ!」
そう言っている間にもくまいちゃんの背はどんどん高くなっていく。

「やだ、なんか身体が重い・・・・・・・・・」
くまいちゃんはしんどそうに片膝をついたその時・・・・・

「アニメに出てくるような巨大ロボットって
 何で実際には作られないか知ってる?」

声の方を見るといつの間にか女の子が立っていた。
さっきのヤツとは違う子だ。
愛理は思わず身構える。

「何でか知ってる?って聞いてるんだけど」
そいつがもう一度言った。

「何が言いたいのよ」
「今の技術じゃね、ロボット自身の重さを支えきれないからなんだよ。
 あと巨大怪獣。ゴジラとかも実際にあんなのいたら
 自分の身体の重みでつぶれちゃうんだって。
 アンタも一緒。麻未の『アイデンティティ』の術中にはまったら
 最後には巨大化したその身体の重さに
 筋肉も骨も耐えられなくなるんだよ」
そいつはくまいちゃんを指さして言った。


52 :915:2006/03/29(水) 21:12:55.35 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る29〜

「え〜!!」
くまいちゃんが苦しそうにしながら言う。

「じゃあその前にアンタを倒してそいつも倒す!!」
愛理は女を指さして言った。

「アンタじゃないよ、私の名前は阿部絵里恵。
 アンタたち中坊よりずっと年上の高1なんだから敬語使いなさいよ」
「ふんだ!誰がッ!!」
愛理は阿部という女を挑発した。だけど・・・・・

愛理はくまいちゃんと栞菜ちゃんに小声で話す。
ミスチーフ・エンジェルも出現して3人の会話を聞いている。
「くまいちゃん、栞菜ちゃん、これって結構ピンチなんだけど・・・・」
「どういうこと?」
「くまいちゃんを助けるために早くさっきの女を倒さなきゃいけないんだけど
 くまいちゃん、もう歩くのもしんどそうだよね?」
「うん、悪いけど・・・・・・・・」
「スタンドは使える?」
「なんか細かいコントロールが全然出来ないっぽい。
 ディハレーションでなんとなく漂わせているのは出来るだろうけど
 ソリッドヒューマンで自由に動かすのは無理ね・・・・」
『困ッタコトニナッタゼ!』
ミスチーフ・エンジェルが勝手にしゃべり出す。


53 :915:2006/03/29(水) 21:13:23.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る30〜

「うん、困ったな・・・・。
 ちなみちゃんが予想していた通り、ケータイがつながりにくいのよ。
 電波が届いてないみたいだから雅ちゃんやめぐたちに連絡取れないんだけど・・・」
「じゃあ・・・・」
「少なくともこの女は私たち3人で倒さなきゃいけないんだけど、
 そのあとくまいちゃんはもうここで待ってるしか仕方ないと思うの。
 だから、さっきの女は愛理が見つけ出して倒すつもり。だけど・・・」
「だけど?」
「愛理の『ミスチーフ・エンジェル』だけど、誰かの協力がないと
 相手に取り憑かせる事が難しいのよね。
 しかも愛理って栄高と闘ってるからスタンドの正体ばれてるし」
「でも愛理自身に取り憑かせるバージョンがあるんでしょ?」
「うん、そこが問題なのよ・・・・。
 能力は別にして、攻撃はチャクラムを投げるだけのようだから
 『セカンド』ならさっきの女を倒せる自信はあるんだけどね、
 『セカンド』になるためには条件がいるのよ」
「条件?」
「一つは相手が目の前にいること。
 愛理に取り憑かせるって言っても、やっぱり愛理のスタンドは
 『誰かにいたずらする』事が目的のスタンドなんだ。
 目の前にさえいたら何人相手でも良いんだけどね。
 だからこいつは倒せてもさっきの女は今いないからダメなのよ」
「じゃあこいつ倒してからもう一度・・・・」
「そこで二つめの問題なのよ。
 一回『セカンド』になったら、次に『セカンド』が使えるまでに
 30分から一時間はかかるのよ・・・・・」
「え〜!!」


54 :915:2006/03/29(水) 21:13:59.84 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る31〜

『せかんどハ愛理タンノ身体ニ負担ガカカルカラナ、
 連続シテ使エナインダヨ!!』
「エンジェルは黙ってて。
 だからここでまだくまいちゃんに協力してもらえるうちに
 こいつを『セカンド』抜きで倒しておいて、
 チャクラムの女は『セカンド』で倒すって計算になるね。
 それも他の敵と遭遇しなければだけど・・・・」
「雅ちゃんかめぐたちが倒してくれれば良いけど・・・・」
「とりあえず『セカンド』を使うタイミングは考えるよ。
 でもここで使うわけにいかないのだけは間違いないよね」
「そうだね」
「3人でなんとかしてあの阿部ってヤツを
 ディハレーションの領域に追い込むか、エンジェルに取り憑かせるか、
 とにかくやるしかないね!」
「わかった。栞菜ちゃんも頼むね」
「う、うん・・・・・・・・・」
「じゃあ時間もないしがんばるか〜!!!エンジェルも頼むね!!」
『オウ!任セロ、俺ノ愛理タン!!』

「相談は済んだ?そろそろ始めようか」
阿部という女は言いながら手帳を開いて何かを読み上げ始めた。


108 :915:2006/03/30(木) 23:28:16.99 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る32〜

「ん〜っと、鈴木愛理。スタンド名は『ミスチーフ・エンジェル』。
 その人形みたいなスタンドがそうね。
 スタンドに取り憑かれるとオートで攻撃を受けまくるので要注意。
 また、鈴木自身が大人の身体になって攻撃してくるバージョンもあり」
やっぱり愛理の情報は筒抜けか・・・・・・・。
そりゃ2回も闘ったもんねえ。

「熊井友理奈。スタンド名は『フィール・イージィ』。
 能力は・・・・不明っと」
やっぱりだ。高校の先輩は結構スタンド能力が
知られていて何者かが情報を広めているらしいけれど
中学生部員はあまりスタンドバトルした事無い子も多いから
まだわからないのも多いみたいね・・・・・。

「もう一人は・・・・、アレ?いないなあ・・・・。
 久住、菅谷、須藤、徳永、夏焼、村上・・・・。
 一年生のファイルにいない顔ねえ。
 あ、もしかして2年生?今日はいないはずじゃなかったっけ?
 でもたしか嗣永ってのがそんな顔だったかな・・・・。
 2年生のファイルも持ってきておけば良かった・・・」
チャンスだ!向こうは当然新入部員の栞奈ちゃんの顔は知らないし
都合よく桃子ちゃんと間違えてくれたみたいだ!

「くまいちゃん!桃子ちゃん!行くよッ!!」
愛理はわざと敵に聞こえる様に言った。


109 :915:2006/03/30(木) 23:28:56.35 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る33〜

〜夏焼雅〜
チーンッ!

エレベーターは3階を表示したところで勝手に止まって扉が開いた。
降りろって事だよね・・・・・・・。

エレベーターの外に出ると、殺風景なフロアに部屋がいくつかある。
近くには階段もあるけれど防火扉のような扉でしっかり閉まっている。

「ここで敵を倒さなきゃ先に進めないってわけか・・・・・。
 みんなは大丈夫かなあ・・・・・・・・。」
独り言をつぶやいたその時、エレベーターの扉は自動で閉まったあと、
階を示すランプが2階に光った。
なんか敵もあちこち移動してるっぽいなあ・・・・・・・。

そう思いながらフロアをぶらぶら歩いていると一つの部屋が目に入った。
中にいた人たちを見て私はびっくりした。

「な、何であなたたちがここにいるんですかッ????」

そこには石川さん、紺野さん、岡田さん、道重さんの4人がいた。


160 :915:2006/03/32(土) 01:17:04.15 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る34〜

〜村上愛〜
ドムッ!

いてててて・・・・・・・。これで何発くらったっけ・・・・。
それにしても私のサッド・レディとこのサッカーボールのスタンドは相性悪いな。
竹刀で払ってもダメージ受けないみたい。逆に勢い増してるし。
考えたら蹴られるのが仕事のサッカーボールだもんね。
打撃系の攻撃にはノーダメージと考えなきゃいけないか。
切りつけたり出来たら話は別なんだと思うけど・・・・。

だけど・・・・。

私に攻撃したあと、サッカーボールは必ず高本の足下に帰っていく。
そして次の攻撃にはかならず高本のキックから始まっている。
つまり、あのサッカーボール自身に力は無くて、蹴ったり払ったり、
外からの力でしか動く事は出来ないんだ。

つまり一度捕まえてしまえばこっちのもんね。

「りぃちゃん!こっち来てッ!!」
私は後ろで見ていたりぃちゃんに声を掛けた。

「うん!」
りぃちゃんが走り寄ってくる。

「りぃちゃん、ちょっと痛いかもしれないけど
 このサッカーボールがりぃちゃんに当たったら
 そのままファイアフライズ・スターでりぃちゃんの身体にひっつけてしまって」
私はりぃちゃんに小声でささやいた。



161 :915:2006/03/32(土) 01:17:38.43 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る35〜

「うん、わかった!」
りぃちゃんと私は背中合わせになる。
敵がりぃちゃんのスタンド能力を知らないなら・・・・

「ふん、二人がかりでも一緒よッ!」
高本はそう言うとサッカーボールを蹴った!

ボールはサッド・レディめがけて飛んでくる。
私はもう何度も繰り返しているように、サッド・レディの竹刀で
サッカーボールをはじき飛ばした。

はじき飛ばされたサッカーボールは途中であり得ない角度に曲がり、
一度地面にバウンドしたのち、りぃちゃんめがけて襲いかかった!

ドゴッッッッッッッッ!!

「いたーーーーーーーーいッ!!!」
サッカーボールはりぃちゃんの脇腹に命中する。

「もう!ファイアフライズ・スターッ!!!」

よし、計算通り!!!
今までならここではねた後、高本の足下に帰るはずのボールは
りぃちゃんの身体に密着したまま離れない!!

「りぃちゃんオッケーッ!!!!!!」
私はりぃちゃんがサッカーボールを捕獲したのを確認してから
高本に向かって走ろうとした。


210 :915:2006/04/02(日) 12:38:56.18 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る36〜

「きゃあああああッッッッッッッッッ!!!」
「ウゲエエエェェェェェェェッッッッッッ!!」
突然のりぃちゃんの叫び声と
この世の物とも思えない奇妙な声に思わず後ろを振り向く。

えっ・・・・・・・・・・?

「いやああああッッッッッッッ!!!!!」
私も思わず叫び声を上げてしまった!!

サッカーボールから腕が生えているゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
おまけに、ボールには大きなつり上がった目があるし、
大きく裂けた口があって、その中には何本もの鋭い牙が・・・・

「フギャアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!!」

気持ちわるうううううううううううッッッッッッ!!!!

そしてその腕は長い爪でりぃちゃんをひっかいていた!
りぃちゃんが思わず解放してしまうと、
ボールは二本の腕をまるで歩く様に動かして
高本の元に帰っていった・・・・・。

その姿も気持ち悪いしいいいいいいいいッ!


211 :915:2006/04/02(日) 12:39:22.98 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る36〜

「りぃちゃん、大丈夫!?」
私はしゃがみ込んでいるりぃちゃんに駆け寄る。
りぃちゃんは腕をひっかかれて血が出ていた。

「う、うん、大丈夫だもん!」
りぃちゃんは返事する。
確かに傷自体はそんなに深くない。

「グジュグジュグジュ・・・・・」
「サッカーボール自身がスタンドだって言ったのはアンタでしょ。
 私の『Our Time』はこういうデザインなのよ」
高本は帰ってきて奇妙な声をあげているサッカーボールを抱きかかえて、
爪についたりぃちゃんの血をハンカチでぬぐいながら言った。

「菅谷梨沙子のスタンドはものをひっつける能力、っと。
 まだプラスアルファありそうだけどとりあえずそういう能力なのね」
高本はポケットから手帳を取り出すとメモり始めた。

「めぐ、どうしよ〜」
「りぃちゃん、さがってて。やっぱ私がカタつけるよ」
私はりぃちゃんをさがらせると、サッド・レディを構えさせた。

「ふん、まだどうにかなると思ってる?」
高本は不敵に笑うとボールの手を引っ込めさせてからリフティングを始めた。
「こっからはね、当てるだけじゃないよ。
 腕も使ってこの爪で切り刻んであげる」


269 :915:2006/04/03(月) 23:57:36.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る37〜

そう言いながら高本はリフティングしていたボールを
一度高く蹴ると、ボレーシュートの要領で蹴った!

ボールは一直線にこちらに向かってくる。
私は正面から竹刀で防いだ・・・・・・

と、手が生えてきて竹刀をつかむ!!

「ムシャアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!」
サッカーボールは相変わらず気持ち悪い声を上げながら
もう片方の手で私を引っ掻こうとした!

私はすかさずメンの要領で真正面に竹刀を叩き降ろして
捕まっていたボールを地面に打ち据えた!!!

その途端、ボールは竹刀を離して
手を動かしてスタスタと歩いたかと思うと
腕を曲げてこちらに飛びかかろうとした!

私はあわてて後ろに飛び退く。
それを見てボールはまた歩く様にして高本の元に一度帰っていった。

「なかなかやるね。でもいつまでも『Our Time』にダメージを与えられず、
 捕まえる事も出来なきゃどうしようもないね」
言いながら高本はまたリフティングを始めた。


270 :915:2006/04/03(月) 23:58:21.68 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る38〜

たしかにその通りだけど、何よりもあの気持ち悪いスタンドを
近づけたくないなあ・・・・・・・・。
こうなったら・・・・・・・・・・・・。

私は・・・サッド・レディは左手で柄の部分を持ったまま
右手は竹刀の真ん中らへんを握って半身の体勢を取った。

「何よ、変な構えして。無駄な抵抗見せてくれるのかな?
 でもね、アンタのその剣道のスタンドじゃあ私には勝てないんだよッ!」
高本はさっきのようにボールを高く蹴り上げた。

今だッ!!!

サッド・レディは大きく振りかぶると・・・・・・・・・・

やり投げの要領で竹刀を高本に投げつけたッ!!!!!

「えッ?」

ゴオオオオオオオンンンッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!

予想もしていなかった攻撃に高本が戸惑ったその時、
サッド・レディの竹刀の先端が高本の頭に直撃したッ!!!


271 :915:2006/04/03(月) 23:59:00.49 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る39〜

「なッ・・・・!し、竹刀を投げつけるなんて・・・・!!!!」
高本は後ろに倒れそうになりながらつぶやいた・・・・。

さらにッ!!!!!!!

ドグゥオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!

その隙に走り寄った私はサッド・レディで思いっきり
高本の顔面を殴りつけたッ!!!!

「ごふッ!!!!そ、そんな・・・・・・・・・」
高本は激しく吹っ飛ぶ!!!
私はすかさず倒れた高本の上に馬乗りになる。
マウントポジションってヤツね。

「勝負あったわね」
私は高本を見下ろしながら言った。

「け、剣道なのに竹刀投げつけた上に殴るなんて・・・・」
高本が悔しそうに言った。

私は篭手をつけているサッド・レディの腕を振り上げてから言った。

「私、剣道なんてしたこと無いからルールわかんないもん。
 それに剣道の格好したスタンドだからって
 剣道のルールに従う必要無いでしょ?」
「だからって、唯一の武器の竹刀を投げつけて・・・」
「だからこうしてこれから殴ろうとしてるんじゃない?」
「納得・・・・・・・・・・」


319 :915:2006/04/04(火) 22:17:27.79 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る40〜

「めぐッ!!うしろッ!!!!!!!」
その時叫んだのはりぃだった。

「油断したわねッ!!!『Our Time』はまだ健在なのよォォォォォォ!!!!」
高本も叫んだ。

「ウギョオオオオオオオオッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
私の後ろからあの気持ち悪い叫び声が聞こえた。
飛びかかって私を攻撃しようとしているらしい。

「わかってるわよ」
「え?」

「簡単な話じゃない。攻撃受ける前に倒せば良いんだから。
 え〜っと、こういうときはどういうかけ声が良いのかなぁ?
 竹刀の時とパンチでリズム変わるからなあ・・・・。
 じゃあ・・・・・・・・・・」

私は少し考えてから両手の拳を振り下ろした。

「あ、あ、あ・・・・・・・・・・・・・」
「めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐ
 めぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐめぐッ!!!!」


320 :915:2006/04/04(火) 22:18:02.10 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る41〜

「な、それ・・・へ・・・・ん・・・・・・・・・」
ボコボコにされて気を失いかけながら高本は言った。
私の後頭部のあたりの髪の毛をスタンドが少し切った感触がした。けど、
ラッシュが終わった時にはすでに消滅していた・・・・・。

「やっぱり変かな。じゃあまた考えておくよ」

ボゴッ!!!!!

最後に一発殴りつけると高本は気を失った。

「ふう、それじゃあ行こうか、りぃちゃん」
「う、うん。めぐって結構むちゃくちゃだね・・・・・・」
「あの部活であの先輩達とつきあってるとどうしてもね・・・・」

私は苦笑いしながら入ってきた扉に手を掛けた。
「あれ、やっぱり開かないや・・・・・。
 どうしよう、閉じこめられた?
 こいつが鍵持ってるとかかなあ・・・・」
私は気絶している高本のハーフパンツのポケットに手を突っ込んだけど
血がついたハンカチが一枚出てきただけだ。

「めぐ、こっちから行けるよ!」
りぃちゃんが部屋の奥の方から私を呼んだ。


321 :915:2006/04/04(火) 22:18:48.82 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る42〜

「これは・・・・非常階段?」
りぃちゃんが開けた先にはビルの外から階段が伸びていた。

「行けるところから行くしかないか・・・・」
私とりぃちゃんはカンカンと音をさせながら3階へ進んだ。目の前には扉がある。

「あれ、鍵がかかってる・・・・・・」
私は3階入口のドアノブを回して言った。
「りぃちゃん、ここダメだからもう一つ上に行ってみようか」

私たちは四階に到着すると、今度は非常階段入口のドアが開いた。
さあ、次はどんな敵が出てくるか・・・・・・

「ええッ!!!!!!!???????」
「み、みんなッ!!!!!!!」

私とりぃちゃんは思わず息を呑んだ。目の前には最初に捕獲された
なかさきちゃん、まぁ、ちなみの3人が血だらけで倒れていた!

「り、りぃちゃん!はやくッ!!!」
「うん!!!」
りぃちゃんはあわてて駆け寄ってスタンド能力で3人の血止めをする。
その間、私は周りを見渡した。

3人はこの四階じゃなくて五階に閉じこめられていたはず・・・。
それに3人ともそれなりに実力はあるはず・・・・・。

「うまい具合に逃げる事出来たと思ったんだろうけどね・・・・・・」
突然廊下の奥の方から声が聞こえた。
誰かが歩いてくる・・・・・・・!!


352 :915:2006/04/05(水) 22:25:00.99 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る43〜

〜???〜
「高本さん、高本さん、いい加減目を覚ましてくださいよ」
「うっ、うう・・・・・・。」
「気が付きました?」
「あ、静香・・・・。それに長谷部さん・・・・・・・」
「彩、見事にやられちゃったね」
「す、すみません・・・・・・・」
「まぁ良いよ。でもアレは?」
「菅谷の分だけ入手出来ました。これがそうです・・・」
「村上のは?」
「そ、その当たりに少しは散らばっているはずですけど
 私がやられる直前だったんでこれって確実には・・・・」
「う〜ん、本人のだってはっきり言えないね、これじゃ。
 でも村上の次の相手は佳奈だからね。すぐに入手し直せるよ」
「申し訳ありません・・・・・」
「静香、彩の手当してあげて」
「長谷部さんは?」


353 :915:2006/04/05(水) 22:25:27.59 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る44〜

「三階で待ってるよ。村上と菅谷は佳奈が相手だから大丈夫でしょ。
 それより三階で紗也加と麻未が夏焼の相手してるけど、
 今、隣でやっている絵里恵が負けたら鈴木とかがそっちに合流するだろうからね。
 本当は絵里恵の手伝いしてあげる方が早いんだけど
 私と絵里恵のスタンドは相性悪いし」
「私はどうしましょう?」
「静香はここに残っていて絵里恵の方の決着ついたら見に行ってよ。
 まあ熊井のは麻未が入手しているし、
 鈴木のは不要だから良いけどね。
 それよりもう一人ってのが誰か気になるから
 絵里恵がもし負けたらそいつの情報仕入れなきゃいけないでしょ。
 アレを入手出来てないんだったら三階で私がやらなきゃいけないから
 その事を伝えに来てほしいの」
「わかりました」


354 :915:2006/04/05(水) 22:25:58.56 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る45〜

〜鈴木愛理〜
愛理と栞奈ちゃんが走り寄ろうとした時だった。

「ねえアンタたちの中に誰か火を使うスタンド使いっている?
 いたらそのスタンド使うの止めて欲しいのよ」
阿部という女は言い出した。

この女、何を言っているんだろう?
なんかものすごい自分に都合の良い事言っているような・・・
思わず愛理は首をかしげた。

「あ、変に思わないで。
 私のスタンド能力から言ってさ、もしここで火を使われると
 大火事になっちゃうのよね。
 いくら命のやりとりやっているからって
 全員火事で焼死したら割が合わないでしょ?
 だから聞いてるのよ。」
愛理たちの表情を見て言いたい事がわかったんだろう、
阿部が弁明するように言った。
でもまだ半分しか答えになっていない・・・・・・

「まだわからないって顔してるね。
 でも私のスタンド『ハート・オン・ウェイブ』を見れば納得できるよ」
そう言いながら阿部はスタンドを出現させた。


393 :915:2006/04/06(木) 23:09:47.48 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る46〜

出現させたスタンドは・・・・普通の人型のスタンド?

と、そのスタンドは自分の手で胸の当たりから出ている取っ手を持った。
そして観音開きの要領で自分の胸を左右に開ける・・・・・。

胸の中にはトイレットペーパーのようなロール紙がいくつも入っていた。

「だから・・・・何?」
愛理が言った途端だった。

シュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュルシュル!!!

突然その紙が空中にひっぱられ始め、部屋中に拡がり始める!!
あっという間に部屋中紙だらけになってしまった。

そして・・・・・・
愛理の手や足に紙が巻き付いてくる!!!!

「な、何よこれッ!!!!!」

愛理はあわてて紙を引きちぎった。
って、ホントにトイレットペーパー並の強度しかないから
簡単に引きちぎれる!

愛理は自分に巻き付く紙をすべて引きちぎると
空中に漂う紙の奥でわずかに見えた栞奈ちゃんの元に行くと、
栞奈ちゃんが自分に巻き付いた紙を引きちぎるのを手伝った。


394 :915:2006/04/06(木) 23:10:21.57 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る47〜

それから二人で部屋の隅に座り込んでいるくまいちゃんを助けに行った。
すでに2メートル以上になっているくまいちゃんは体育座りで丸まっている。
そのくまいちゃんにまとわりつく紙を二人で引きちぎった。

「くまいちゃん!大丈夫?」
「う、うん。だけど・・・・・・・・」
「?」

「熊井友理奈のスタンド能力は物を乾燥させる。
 いや、水分を吸い取る能力か・・・・・・・・・・・」
愛理達の後ろで阿部がつぶやいた。

「な、なんでそれを・・・・!!!」
「愛理、あの紙のせいよ・・・・・」
びっくりしている愛理にくまいちゃんが言った。

「何にでも何パーセントかは水分が含まれているからね。
 あの紙は部屋中に漂っているから
 ディハレーションに触れた途端にパリパリになってるの・・・」
「その二人で私をその乾燥させるスタンドの領域に追い込もうとしたんだろうけどね、
 種がばれたらあとはどうとでもなるよ」
くまいちゃんの言葉を阿部が遮った。


395 :915:2006/04/06(木) 23:11:03.91 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る48〜

愛理は唇を噛んだ。
この人数を相手にしようとしているんだから
敵スタンドはきっと近距離型じゃないはず。
だから愛理と栞奈ちゃんが近づけば距離を取るだろうと予測した。
その点については間違っていないと思う。
で、愛理たちから逃げるために動いた先にはディハレーションが待ちかまえている。
阿部が気が付いた時には水分を吸い取られて・・・・・、そのつもりだった。

でも・・・・問題はくまいちゃんのスタンド能力がばれた事だけじゃない。
あの紙が部屋中に拡がる事でレーダー代わりをしているのか・・・。
紙だから人の動きで起こるほんの少しの風にも反応するって感じかな・・・。
こりゃあ・・・・。

『愛理タン、ドウスルヨ!?』
「エンジェルが近づこうとしたら紙に触って見つかってしまうね。
 エンジェルの力じゃ紙を引きちぎるのは無理かな・・・・」
『オウ、無理ダゼ!!!!』
「変なところで威張らないでよ・・・・」
「愛理!危ないッ!!!!!!」

エンジェルとの会話中、くまいちゃんの言葉ではっとする。
愛理と栞奈ちゃんに紙がまた巻き付いてきた!!!!

「何度も同じ事をッ!!!!!!」
愛理は巻き付いてくる紙を引きちぎろうとした。

「えッ?」
さっきは簡単に引きちぎることができた紙が切れない!!!!
「こ、これはッッッッッッッ!!!!!!!!」


443 :915:2006/04/07(金) 22:07:04.65 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る49〜

巻き付いてくる紙に紛れて、細い紐が愛理の身体を縛っていた!!!
いや!これは・・・・紐じゃないッッッッッッ!!!!!

バターンッ!!!!!!!!!

愛理と栞奈ちゃんは身体の自由がきかなくなってそのまま倒れ込んだ。

「愛理!!」
座り込んだ状態で、身体が大きくなっているために愛理たちより
巻き付くのに時間がかかっているくまいちゃんが叫んだ。
しかしそのくまいちゃんも縛られるのは時間の問題だ・・・・。

「『こより』って知ってる?」
無様に転がっている愛理に阿部がいやらしく笑った。
「紙を細く巻いて作った紐の事なんだけどね、
 元が紙でも結構強度が出てくるのよね」
阿部が笑いながら言った。

油断した!!紙だからまた引きちぎれると思ったから・・・・ッ!!

「嗣永のスタンドをまだ見てないけど、こうなったら出現させる事も不可能だね。
 おっと、鈴木のスタンドも捕獲しておこうっと」
阿部は愛理の周りであたふたしているエンジェルに狙いを定めた。


444 :915:2006/04/07(金) 22:07:42.14 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る50〜

『愛理タン!俺逃ゲラレナイゼ!!!!』
エンジェルが震え上がっている!
エンジェルのスピードじゃこの紙から逃げるのは不可能だ!!

「愛理ちゃんッ!!!!」
愛理から少し離れたところで転がっている栞奈ちゃんが叫んだ。
「愛理ちゃん、さっき言ってたのをやってッ!!!!!!!!」
「な、なんで今!!!???
 だいたい栞奈ちゃんも動けないのに意味無いよ!!!!」
「このままじゃ全滅だよッ!!!!!!!
 『アレ』さえ来たら・・・・・・・・・・!!!!!!!」
「あッ!!!!」
栞奈ちゃんの言葉にピンと来たものの、愛理はやっぱり躊躇する。
『アレ』が素直にくる確率は何パーセントだろう・・・!?
それにこの作戦を提案したのは自分だけど、
栞菜ちゃんに負担が大きすぎる・・・・・・・・・・。

だけど・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!

栞菜ちゃん、戦闘経験無いはずなのになんて判断と決断をするんだろう・・・
今は・・・・それに賭けるしかない!!!!!

「エンジェルッ!!!頼むわよッ!!!」
『ヤ、ヤルノカヨッ!!!!』
「一か八かよッ!!!!」
『オ、俺ハ責任持タナイカラナッ!!!!!』
エンジェルは覚悟を決めて、栞奈ちゃんの方に飛んでいった!


76 :915:2006/04/09(日) 14:28:14.49 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る51〜

「何がやりたいのよッ!!!!!!!!」
阿部が叫ぶと同時に、紙がエンジェルの足にまとわりつき始める・・・

「エンジェルッ!!!!!」
『オオオオオオオオッッッッッッ!!!!!』
足を取られながらもエンジェルは縛られている栞奈ちゃんに捕まったッ!!

「ミスチーフ・・・・・・・・エンジェルッ!!!!!」
愛理の叫び声とともに、エンジェルが栞奈ちゃんにひっついて離れなくなる。

その瞬間・・・・・・・・・・!!!!!!!!

カーンンンンンンンンッ!!!!!!!!

栞奈ちゃんの上からかなだらいが振ってきて
栞奈ちゃんの顔に直撃した!!!!!

「いっ、いったぁ〜!!!!!!!」
手を縛られていて押さえる事が出来ない栞奈ちゃんは
痛みに悶絶してじたばたするッ!!!!

「はあ?誤爆でもした?それとも仲間割れ?」
意外な展開に阿部が笑いながら言った。


77 :915:2006/04/09(日) 14:28:58.56 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る52〜


栞奈ちゃん・・・・・・・・・・・ッ!!!!!!

愛理は祈る様な気持ちで栞奈ちゃんを見つめた。
その時・・・・・・、『アレ』が来た!!!!

「来たッ!!!!!!!栞奈ちゃんッ!!!!!!!!!」









「水とかかなだらいが上から振ってきたり、あと手をついたら画鋲があるとか
 歩いていたらつまづくようにロープ張られたり、それから落とし穴にパイ投げ・・・・」
さっき闘う前にセカンドになれないからどうしようって3人で作戦を練っていたときに
愛理は栞奈ちゃんにエンジェルのいたずら攻撃の事を説明していた。


78 :915:2006/04/09(日) 14:30:42.34 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る53〜

エンジェルのいたずらはある程度状況にあわせて選択されるし、
「何かを落としたい」って愛理が思ったら
だいたいその通りになってくれるけれど、基本はオートでしかもランダムだ。
何が降ってくるかわかんないし、これはもうエンジェルにも操れない。

でも、パターンは限られている。
建物内なら落とし穴とかは無いし、
『アレ』が来る確率は決して低くない・・・・・。






バシャーンンンンッッッッッッッッッ!!!!!!!
「ふ、ふがッ!!!!!」


120 :915:2006/04/10(月) 22:52:08.97 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る54〜

栞菜ちゃんは滝のように空から降ってきた水の中でもがいた。

「あぁッ!!!!!!??????」
阿部が叫び、慌てている!

ドドドドドドドドドドッ!!!!!!!

水が一通り降り終わったあと、栞菜ちゃんは
紙を引きちぎって立ち上がっていたッ!!!!!!!!!

「そんな!!なんで水が・・・・ッ!!!!」
阿部が動揺する。

そうッ!!栞菜ちゃんはエンジェルのいたずらの中で、
水が降ってくる事に賭けたんだ!
あの柔らかいトイレットペーパーのような紙にとって
火と同時に弱点である水が降ってくるのをッ!!!

「うわああああああッッッッッッッッッ!!!!」
阿部があたふたしている間に栞奈ちゃんは叫び声を上げながら
阿部に向かって走り出したッ!!!!


121 :915:2006/04/10(月) 22:52:44.92 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る55〜

これが・・・これこそが本来の作戦ッ!!!






「じゃあ私のディハレーションの領域に追い込むのを作戦その1、
 愛理のエンジェルを取り憑かせるのを作戦その2としてがんばろう」
「正直、その1はともかく問題はその2をどうやってかなんだよね・・・・。
 その1がダメな時にその2がうまくいくと思えないから・・・・」
「う〜ん・・・・・・・」
「まあエンジェルが相手に取り憑かなくても攻撃する方法が無いこともないんだけどね」
「愛理、どういう方法?」
「別の人間へのいたずらに巻き込んでしまうの」
「それって・・・・・・・」
「空から何か降ってくる時に隣に誰かいたら巻き添えくうでしょ。そういうこと」
「じゃあくまいちゃんは動けないから私がやるしかないですね」
「そんなこと栞奈ちゃんにさせるわけにいかないでしょ。
 まあ、巻き込むには相手に密着しないと難しいし、あくまで最後の手段ね。
 それよりもエンジェルを取り憑かせる事を考えましょ」


122 :915:2006/04/10(月) 22:53:17.81 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る56〜

「いたずらってどんないたずらがあるの?
 私、スタンド出せなくて力になれないんだからそれくらい辛抱するよ?」
「水とかかなだらいが上から振ってきたり、あと手をついたら画鋲があるとか
 歩いていたらつまづくようにロープ張られたり、それから落とし穴にパイ投げ・・・・
 他にも色々あるけどね。
 でもホントにこの作戦は考えなくていいよ、栞菜ちゃん・・・・・」






動揺している隙を突かれたのだろう、
阿部は突進してくる栞奈ちゃんにあっという間に距離を詰められた。
阿部はあわててバックステップして栞奈ちゃんと距離を取ろうとする・・・・

その時、次のいたずらが発動したッ!!!!!
走り込んできた栞奈ちゃんの足下にロープが張られている・・・・!!

ズダーンッッッッッッッッッッッッッ!!!!!

思いっきりスピードがついていた栞菜ちゃんは豪快にこけるッ!
あぁッ!阿部との距離が離れる・・・・・・

もう・・・追いつけない・・・・ッ!!!!!!!


154 :915:2006/04/11(火) 23:19:04.64 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る57〜










栞菜ちゃんは・・・・・倒れながらも阿部の足をしっかりつかんでいた・・・・。














155 :915:2006/04/11(火) 23:19:36.80 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る58〜

え?

そんな?あれだけ派手にこけて間合いを空けられて、追いつけるはずが・・・
まるで、栞菜ちゃんの身体が瞬間移動したような・・・・

い、いやッ!それよりも今はッ!!!!

「このッ!!!離せ・・・・・・・・」
阿部のスタンド『ハート・オン・ウェイブ』が直接栞奈ちゃんを殴ろうとしたその時ッ!!

また・・・かなだらいが栞奈ちゃんの頭めがけて降ってきた!!!

ガスッ!!!!!!

いつものような金属製特有の高い音はしなかった・・・・・・
だって、かなだらいは真ん中の部分が栞奈ちゃんの頭に命中する様に
降ってくるんだもん。テレビのコントだって普通そうでしょ?

そして、栞奈ちゃんは阿部の足下に倒れていたんだから、
かなだらいはその上の阿部に先に当たっちゃうよね。
しかも真ん中じゃなくて角の方で・・・・・・・・・・

「いっでええええええええええええええッッッッッッッ!!!!!!!」

今だッ!!!!!!!!!!!


156 :915:2006/04/11(火) 23:20:26.86 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る59〜

「エンジェル解除!!!!!」
愛理は栞奈ちゃんに取り憑いたエンジェルを解除させたッ!

「エンジェルッ!」
『オウヨ!俺ノ愛理タンッ!!!!!!!』
栞奈ちゃんから飛び出したエンジェルは頭の痛みに
苦しんでいる阿部に取り憑いたッ!!!!!

「あッ!!??しまった・・・・・・・・ッ!!!」
阿部はあわててエンジェルをはぎ取ろうとする。
だけどもう遅いッ!!!!!!!!!

パシィィィィィィィィィッッッッッッッ!!!!!!!

生クリームがたっぷり塗られたパイ生地が
阿部の顔面をとらえたッ!!!!

「ぶはッ!!!」
阿部がめんくらう・・・・・・

「今だッ!逃げてッ!!!!」
愛理の声に栞奈ちゃんは逃げようとした。


199 :915:2006/04/12(水) 22:01:22.16 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る60〜

「に、逃がすかッ!!!!」
阿部のスタンドから出てくる紙がさっきこけたときにすりむいて血だらけの
栞奈ちゃんの膝にまとわりついた!!!!

急だからこよりにできなかったのだろう、
栞奈ちゃんはいとも簡単に引きちぎってこっちに逃げてきたッ!

「ま、まて・・・・・・・・・・・うぎゃああああああああッッッッッッッ!!!!!!!」

追いかけようとした阿部が悲鳴を上げたッ!!!

「フィール・イージィ・ディハレーション・・・・・・・・」
隅に座り込んでいたくまいちゃんが苦しそうになりながらもつぶやいた。

やったッ!!
エンジェルのいたずらに気を取られてる間にディハレーションが
阿部にたどり着いていたッ!!!!!!!!

プスプスプスプスプス・・・・・・・

「命までは取らないけど・・・・しばらく再起不能になってもらうよ・・・・ッ!!!」


200 :915:2006/04/12(水) 22:02:08.52 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る61〜

「ぐぎゃあああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」

阿部は苦しさでのたうち回る・・・ッ!そして・・・・

「はが、はが、はがはががが・・・・・・・・」
阿部は白目をむいて泡を吹いて気絶してしまった。
それを確認してからくまいちゃんも愛理もスタンドを解除する。

「栞奈ちゃん、大丈夫!?」
「う、うん。大丈夫・・・・」
栞奈ちゃんは愛理に向かってやせ我慢ながらにこっと笑った。

「くまいちゃん!」
栞奈ちゃんが大丈夫なことを確認してからくまいちゃんに声をかける。
くまいちゃんはもう人間とは思えないくらいの大きさになっていた。

「くまいちゃん、ここで待っててね。愛理が大急ぎで敵を倒してくるからッ!!」
「う、うん・・・・。お願い・・・・・・」
「栞奈ちゃん、栞奈ちゃんはくまいちゃんと一緒にいてあげて」
「うん、わかった」
「ごめんね、愛理・・・・・・」
「気にしないで。他のみんなもいるし、絶対くまいちゃんは助けるから」


201 :915:2006/04/12(水) 22:02:32.65 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る62〜

「それより愛理さ・・・・・。一つだけ手伝ってほしいんだけど・・・」
「何?」
「ここ、日が当たらないから寒いのよ・・・。
 廊下は日が差してたし、そっちにいたいんだけど」
「わかった。栞奈ちゃん、そっち支えて・・・・」
たしかに、この部屋は太陽が入ってこないし
元々スタンドで作ったビルだからか暖房も無いみたいで少し寒い。

愛理は栞奈ちゃんと二人で自分たちの身長の2倍近くはあるくまいちゃんを
支えながらなんとか廊下まで出た。
うん、ここならまだ太陽が入り込んでいて少しはマシだ。
愛理と栞奈ちゃんはくまいちゃんをゆっくりと寝かせた。

「くまいちゃん、じゃあ行ってくるね。栞奈ちゃん、よろしくね」
「うん」
「気をつけてね・・・・」

愛理は二人を残すとさっきの階段のところに向かった。
上の階につながる階段の扉は・・・・開いてる!
神様お願い!すぐにあのチャクラムの女と遭遇出来ます様に!!
愛理は祈りながら階段を上り始めた。

それにしても、さっきの栞菜ちゃんの動きは・・・・
もしかして栞菜ちゃんのスタンド能力・・・・?


202 :915:2006/04/12(水) 22:03:04.81 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る63〜

〜???〜
「阿部さん、阿部さん、大丈夫ですか!?」
「うっ・・・・・・・」
「阿部さんッ!」
「あ、あぁ・・・・。静香・・・・」
「こっぴどくやられましたね」
「ごめん・・・」
「でも熊井が廊下の方に移動していてくれて助かりましたよ。
 アイツらと同じ部屋にいたら阿部さんの介抱も出来ないし」
「介抱よりも先に聞きたいことがあるからでしょ・・・・」
「ばれてました?まあ長谷部さんの命令なんで勘弁してください。
 熊井と鈴木と、結局もう一人って誰だったんです?」
「あぁ、嗣永だよ・・・・・・」
「嗣永?2年生の嗣永桃子?今日はスキー合宿とかでいないはずじゃ?
 それに私も入り口でちらっと見ましたけどあんな顔だったっけ・・・」
「でもそう言ってたし・・・・・・・」
「他の二人がですか?」
「うん・・・・・・・・・・・、あれ?」
「どうかしました?」
「いや、なんか違う名前を呼んでいた様な・・・・、
 ううん、ちゃんと鈴木が『桃子ちゃん、行くよ』って言ってたから
 あれは嗣永桃子で間違いないよ・・・・・・・」
「風邪引いて休んだとかですかねえ。
 じゃあ嗣永だったら2年生だからアレは必要ないですね?」
「一応嗣永のも入手しておいたよ。ほら、あれが・・・・・・」
「あぁ、ホントだ。たしかについてるや。
 違うと思うけど一応調べてもらいますね。
 熊井のは麻未が入手してますし、鈴木は必要ありませんからね。
 あとは夏焼と村上か・・・・・・・・・」
「そう、じゃあ後はよろしく・・・・・・・・・・」



258 :915:2006/04/13(木) 22:04:16.07 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る64〜

〜夏焼雅〜
ドゴオオッッッッッッッッ!!!!!!!
ドガドガドガッッッッッッ!!!!!!!

次々と殴りかかってくる先輩達を私はかろうじて避ける・・・・。
いやッ!石川さん、紺野さん、岡田さん、道重さんに化けている
この何かを・・・!!!

こいつらが偽者なのは一目瞭然だ。
もちろん理由もないのにこの4人が私を襲ってくる事自体おかしいけど
口も一切開かないし、スタンド攻撃してくるわけでもない。

「夏焼家槍戯雅棟燐虞槍ッッッッッッッッ!!!」
私は迫ってくる紺野さん(とでも言おうか・・・)に秒間60連撃を浴びせた!!

「ウオオオオオオオオッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
シュババババババババッ!!!!

だ、ダメだッ!やっぱり全部かわされる・・・・・・・!

ドグシャアッッッッッッッ!!!!!!
「グッ!?」

紺野さんに槍をすべて避けられたところに
横から岡田さんに思いっきり殴られて私は吹っ飛んだッ!


259 :915:2006/04/13(木) 22:05:16.66 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る65〜

「くッ!」
私は吹っ飛ばされながらも受け身から身体を回転させて身構えた。

何故?さっきからずっとこの繰り返し・・・・・。
奴らの力自体は大した事ない。
スピードもパワーもたかが知れている。

なのに・・・何故当たらない!?何故避けられない!?
これが敵の真のスタンド能力?
それがわからなければ勝てない???

いや、その理由の半分はわかっている・・・・・・・・
さっきの紺野さんへの攻撃も、微妙に連打が遅くなってきている・・・・・。
気のせいかもしれないけど、身体がだんだん重く感じる・・・・。

この4人は直接殴ったり蹴ったりしてくるだけなのに、
さっき一回だけまったく別の攻撃があった・・・・。
何か円盤みたいなものを投げられて、
腕のところを斬ったけどそのせいだろうか?

状況を判断したら、敵は石川さんたちの偽者で攻撃してくるヤツと
円盤みたいなのを投げてきたヤツの二人いる。
そのうち、円盤のヤツの特殊能力が私の身体を鈍くさせている。
そう考えて良いだろう。


260 :915:2006/04/13(木) 22:05:50.94 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る66〜

この部屋、奥の方で変に折れ曲がっていて
こちらからは死角になっている部分があるんだけど、
そこからこっちをチラチラ見ているヤツがいる。
おそらくそいつが円盤使いだろうな。

ちなみにこのビルって、スタンドで作り出したビルだから、
そのスタンド使い本人が自由に行き来して隠れていられるようにと思うけど
部屋や廊下がやたらと折れ曲がっていているのよね。

でもそれだけじゃ答えになってない。
まだあいつらをぶち抜けるくらいのスピードは残ってるはず。
なのに、どうしても避けられてしまう・・・・・・。
それはおそらく、偽者の方のスタンドの秘密・・・・・・・・。

今言えることはッ!
身体がだんだん動かなくなる前に
スタンドの秘密を解き明かして倒してしまうか、
こっちの様子をうかがっている円盤使い
を倒してしまわないと絶対に勝てないと言うことッ!

バッッッッッッ!!!!!!!!

考えている間に、四方から4人が飛びかかってきた!!!
くッ!逃げられないッ!!!!!!!


261 :915:2006/04/13(木) 22:06:21.25 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る67〜

「夏焼家槍戯渦龍回峰嵐ッ!!!!!!!!」
私は槍をヘリコプターの羽のように頭上でぐるぐると回して
上からの攻撃を防ごうとしたッ!!!!

これなら確実に上から飛び込んでくる攻撃を防ぐと同時に
ダメージを与えられるはず・・・・・・ッ!

って、ダメだッ!!!

敵は槍をまるですり抜けるように避けている・・・
いやッ!!!この動きは・・・・
私が当たらないように槍を回転させている?

ダメだッ!やられる・・・・・・・・・ッッッッッッ!!!!



「右に飛んでッ!!!!!!!」



突然の声に私はとっさに反応した。
声の通りに右に飛ぶッ!


299 :915:2006/04/14(金) 22:45:43.73 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る68〜

私は4人に囲まれていた中でほんの小さな隙間から
脱出する事が出来た・・・・・・・。

あの声は・・・・・・・

「愛理ちゃんッ!!!!!!」
愛理ちゃんがこっちに向かって走ってくる・・・・ッ!

「愛理ちゃんッ!来ちゃダメッ!!!!」
愛理ちゃんとコンビを組んできた私だからわかる・・・。
愛理ちゃんのスタンドはあくまで対人専用!
こいつらは人じゃないから愛理ちゃんのスタンドじゃあ・・・・!!!!

え?

ググッ!グググッ!!!

愛理ちゃんの身体が大きくなり始める・・・・・
これは・・・・・、私も直接は見たこと無かったけど・・・・・

ミスチーフ・エンジェル・セカンドッ!?

「愛理の声にびっくりしてこっちをのぞき込んだ
 そこに隠れてるヤツ!!オマエは愛理が倒すねッ!!!!」
身体が大きくなりながら愛理ちゃんが叫ぶッ!!!!


300 :915:2006/04/14(金) 22:46:15.27 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る69〜

あぁ!愛理ちゃんは私を助けるために叫んだアドバイスと同時に
さっきから顔をのぞかせていたヤツを発見したんだ!
そして、「対面」している間にセカンドを発動させたんだッ!!!

「ミスチーフ・エンジェル・セカンドオオオオオオッッッッッ!!!!!!!」
愛理ちゃんの身体が急に大人になっていく!!!

これが話に聞いていた愛理ちゃんのスタンドの第二段階!!!

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!!!!」
叫び声とともに、愛理ちゃんは170センチくらいの大人の女性に変身していた。

てか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

胸大きいなあ・・・・・・・・・・・・・・・・orz
愛理ちゃんって大人になったらこんな風になるのかなあ?
スタンドの力でこんな姿になってるだけだよね?

「さあ、悪いけどのんびり遊んでいる時間は無いのよねッ!!!」
大人になった愛理ちゃんはそう叫びながら
私の目の前を通り過ぎて部屋の奥に向かって走って行くッ!!!!

紺野さんや石川さんたちは・・・・愛理ちゃんを攻撃しない???


301 :915:2006/04/14(金) 22:46:48.21 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る70〜

そして、逃げられないと思ったのか、隠れていた敵が姿を現した!!
「ちッ!!!!」
女は舌打ちしながら、身構えた。
その女のスタンドが真ん中に穴が開いた円盤のような
スタンドを投げる動作に入る!!!

「隠れていたのがアンタだったとはねッ!神様に感謝するよッ!!
 そして・・・・今更愛理を巨大化させようとしても手遅れッ!!!!」
愛理ちゃんが飛びかかったッッッッッッッ!!!!

「うるせえええええッッッッッッッ!!!!!!!
 チャクラムだけでも充分攻撃力はあるんだよおおおおおッッッッッ!!!」
女はそう叫ぶと、愛理ちゃんに向かって
女がチャクラムと言った円盤を投げつけたッ!!!!

シュウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!

チャクラムが飛びかかってきた愛理ちゃんの顔に向かうッ!!!

カーンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!

だけど・・・・・・・・・
愛理ちゃんは左手に持ったフライパンで防いでいたッッッッ!!!!

「し、しまッッッッッッッッ!!!!!!」
「決めるわよおッ!!!!!!」
愛理ちゃんの右手には・・・・・ピストル!?


342 :915:2006/04/15(土) 21:48:24.60 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る71〜

プシャアアアアッッッッッッッッッッ!!!!!!

いや!あれは・・・・水鉄砲ッ!!!!!!
しかも中から発射されたのは墨汁ッ!!!!!!!!!!!

「ぶはああああッッッッ!!!!!」
女の顔はたちまち真っ黒に染まっていく・・・・・・・・

そして・・・・・・・・

ガアアアアアアアアアンンンンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!

愛理ちゃんはさっきチャクラムを防いだフライパンで
そのまま女の頭を思いっきり殴りつけたッ!!!!!!

「ふぎゃッ!!!!!」
倒れ込んだ女の頭を愛理ちゃんはそのまま踏んづけた・・・・・

「て、てめえ・・・・・・!!!!!!」
「これでゲームセットね。くまいちゃんも雅ちゃんも元に戻してもらうよ」

「え?」

私を元に戻す?
「愛理ちゃん?私を元に戻すって?」


343 :915:2006/04/15(土) 21:48:51.67 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る72〜

「雅ちゃん、気づかなかった?
 雅ちゃん、身体が大きくなってきているんだよ?」
「え?うそ?あ、ホントだ!」

愛理ちゃんの言うとおり、手も足も長くなってる!!!

ただ・・・・・・・・・・・、あくまで身体のサイズがそのまま大きくなってるだけだな・・・。
だから・・・、胸が大きくなってるわけじゃないんだよな・・・・・・・・・・・。

「もしかしてさっきから身体の動きが重かったのってこのせい?」
「うん。こいつはだんだん身体を大きくしていって動けなくするスタンドなのよね。
 くまいちゃんは今それにやられて苦しんでるから
 早く本体を倒さなきゃいけなかったの。
 でもホントに一か八かの賭けだったよ。
 愛理の声に反応して思わずこっちを見てきたのは良いけれど
 エンジェルが発動出来るくらい顔をのぞかせていたのはほんの一瞬だったのよね。
 もちろん愛理が探していた身体を大きくさせるスタンド使いかどうかまでわからなかったし。
 でもとりあえず一人倒せば雅ちゃんを助ける事になるし、
 あとは雅ちゃんに任せれば良いかって思ったのよね」

愛理ちゃん、あの一瞬でそこまでの判断を・・・・・。


344 :915:2006/04/15(土) 21:49:24.72 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る73〜

「さ〜てと、せめて名前とスタンド名くらいは聞いておいてあげようか?」
「いだッ、いだだッ!!!!」
ニコニコと冷たく笑いながら愛理ちゃんは顔を踏んづけた足をグリグリする。
女はたまらず悲鳴を上げた。

「早く答えなさいよッ!」
愛理ちゃんは右手に金属バットを出現させて
相手の身体を小突きながら言った。

「て、てめえええええええッッッッッッ!!!!!!!
 アイデンティティィィィィィィィィ!!!!!!!!!!」

はいつくばった状態から女は手に持ったチャクラムを握って
直接愛理ちゃんに斬りかかったッ!!!!!

カーンッ!!!!!!
グシャッッッッッッッッッッッッ!!!!!!

愛理ちゃんはとっさに金属バットでチャクラムをはじくと、
そのままスタンドの腕に金属バットを叩き降ろしたッ!!!!!

「いでえええええええッ!!!!!!!」
女が苦しみのたうち回るッ!!!


345 :915:2006/04/15(土) 21:50:00.09 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る74〜

「そう、スタンドの名前は『アイデンティティ』って言うのか・・・・・・」
愛理ちゃんは足で女をひっくり返してうつぶせにさせると
その上をまたいで腰を下ろした。

「うげッ」
大きくなった愛理ちゃんの体重が女の腰にのしかかる。

「アンタの名前を・・・・・、まあもうどうでも良いか。
 くまいちゃんが心配だしあんまり時間も無いし」
愛理ちゃんはそう言いながら女のあごを両手で持った。

「これっていたずらって言うのかなあ?
 でも愛理が小学校の時に男子の間で流行っていて
 先生が禁止しますって言ってたんだよね。
 やっちゃダメって言われてることを
 男子は悪ふざけでやってたからやっぱりいたずらだよね」
愛理ちゃんはそう言うと、女のあごを持った両手を
自分に向かってひき寄せた・・・・・・・。

これは・・・・・・
雅の小学校でも禁止令が出ていた・・・・・・・

キャメルクラッチイイイイイィィィィィ!!!!!!!!!!!!


393 :915:2006/04/16(日) 22:09:41.33 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る75〜

「うがああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!」
背骨が思いっきり反り返った女は苦痛に絶叫するッ!!!!!

「ギッ、ギブッ!ギブギブギブギブウウウウウッッッッッ!!!!!!!」

そういやこないだめぐが言っていた・・・・・・・・・・。
愛理ちゃんのセカンドはいたずらだって本人は言うけれど、
あれはいたずらじゃなくて、いじめだって・・・・・・。

「じゃあ・・・・、このままね〜むれッ!!!!!」
愛理ちゃんはそう言うと、キャメルクラッチの体勢から頭を大きく振りかぶった・・・・・・

ガツンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!

愛理ちゃんの頭突きが女の後頭部に直撃したッ!!!!!!

「は、はが・・・・・・・・・・・・・・・ッ」
最後のうめき声を残して、女は白目をむいて気絶してしまった。

「いたずら終了・・・・・・・」
愛理ちゃんが立ち上がると、愛理ちゃんの身体はどんどん縮み始めた。
そして、あっという間に元の愛理ちゃんに戻った。


394 :915:2006/04/16(日) 22:10:17.05 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る76〜

そして・・・・・・、私の身体もドンドン小さくなっていく・・・。
身体も軽くなっていく!!!!!!

「雅ちゃん、これで雅ちゃんの身体も元に戻ったよ。
 でもさっき雅ちゃんも言ったけれど
 愛理はこいつら相手じゃ手助けする事が出来ないからね、
 こいつらは雅ちゃんが倒してくれないといけないよ」
愛理ちゃんは岡田さんや紺野さんたち4人を見た。

「愛理ちゃんありがとう。
 そして、一つわかったことがあるのよ・・・・・・・・」
「何?」
「こいつらは愛理ちゃんには絶対攻撃しなかった。
 私にしか攻撃出来ないのよ。
 私の攻撃が絶対こいつらに当たらないのと同じ理由だと思うけど、
 その謎さえ解ければこいつらに勝てるッ!!!!!」
私は4人をにらんだ。

そうだ、考えろ!
何故この4人なんだ?
何故私の攻撃は当たらない?
何故愛理ちゃんは攻撃を受けなかった?


441 :915:2006/04/17(月) 23:03:43.50 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る77〜

私は自問自答しながらさっきまでと同じように
4人とやり合い始めた

うん、身体が元に戻って身が軽くなっているからさっきよりは闘いやすい。
少なくとも、向こうの攻撃は見切れている!

だけど・・・・・・・

「うおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!」

とにかく身体を動かせ!
動かしながら考えてやる!!
「夏焼家槍戯雅棟燐虞槍ッ!!!」

ドシュドシュドシュドシュドシュウウウウッッッッッッッッ!!!!!

一番近くにいた道重さんにとにかく槍をぶっ放した!!!!
だけど、相変わらず完璧に避けられる・・・・・・・・・・。

そこへ、左右から石川さんと紺野さんが襲ってきた。
「こなくそおおおおおッッッッッッッッッッッ!!!!」
私は槍を真横にして二人の突進を止めようとする。

二人はギリギリのところでとっさに突進を止める。
その隙に後ろに飛び退くッ!

くそッ・・・・・・・
どうしても・・・・どうしても当たらない!!
どうすれば・・・・・・・・・・。


442 :915:2006/04/17(月) 23:04:33.92 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る78〜

秘密が解けないなら・・・・
それなら本体を倒せば・・・・・・・・!!
でもドコに????

「雅ちゃん!!あのロッカーだッ!!!!」
考え込んでいた私に愛理ちゃんが叫んだ。

さすが愛理ちゃん!私と同じ事を考えていた!!

敵が作ったこのビルは建物だけで備品らしい備品が一切無い・・・。
その中で、あの部屋の隅にあるロッカーだけはあまりにも不自然!!

「セクシー・アダルテイイイイィィィィィィッッッッッッ!!!!」

私はロッカーめがけてセクシー・アダルティーを思いっきり伸ばしたッ!!!

バンッッッッッッッッッ!!!!!

突然ロッカーの扉が開いて何かが飛び出してきたッ!!

ガシイイイイイイイイッッッッッッッッッッ!!!!!!

何かは私のセクシー・アダルティーを受け止めるッ!

「なッ?????????」
受け止めたのは・・・・藤本さんと田中さん????


520 :915:2006/04/19(水) 20:57:24.51 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る79〜

「また偽物かよッ!!!!」
私は毒づきながら槍を引っ込めた。

でも、愛理ちゃんの洞察は正解だったようだ。
藤本さんと田中さんの偽物の後ろには栄高の制服を着た女がいた。
やっぱりロッカーに隠れてスタンドを操っていたんだッ!!

「ふん、私が見つかるのも計算のうちよ。
 だからこうして護衛を二人残しておいたんだからね」
ロッカーから出てきた女は言った。

「まあ、麻未のアイデンティティが
 あぁもあっさり負けるとは思わなかったけど、
 でも私、山本紗也加の777(トリプルセブン)は絶対に負けることはないッ!」

ちッ、本体を守るヤツもしっかりいたのか・・・・。
それにしても今度は藤本さんと田中さんか・・・・・。

それにしてもいったい何なんだろうなあ?
石川さん、紺野さん、道重さん、岡田さん・・・・
そして今度は藤本さんと田中さん・・・・・。


521 :915:2006/04/19(水) 20:57:57.89 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る80〜

「愛理ちゃん、いったいどういう事かわかる?」
「何が?」
「なんでこの人たちの偽物なのかって事。
 別に吉澤さんでも高橋さんでも誰でも良いのにさ。
 たしかに私は藤本さんと田中さんとは仲良いけれど、
 石川さんとか紺野さんとかとはこれといったつきあいも無いし。
 特に岡田さんなんかほとんどしゃべったことも無いよ?」

「岡田さん、ねえ・・・・・。あ〜!!!わかったッ!!!!!!
 そうか!!!岡田さんなんだ!!!!!!!」
「わかったって何が・・・・・、うおッッッッッ!!!!」

愛理ちゃんの答えを聞こうとしているところに4人が襲いかかってきた。
私と愛理ちゃんは慌てて飛び退く!
でも、敵は愛理ちゃんは完全に無視だ。
4人ともやはり私だけを狙ってくる・・・・・・・。

ガキッ!
石川さんのパンチを槍で食い止める・・・・・。

「雅ちゃん!わかったよッ!!!!!!
 藤本さんと田中さんは偽物なんだッッッッッッッ」
愛理ちゃんが私に向かって叫んだッ!!


7 :915:2006/04/23(日) 00:39:34.18 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る81〜

「そんなのわかってるでしょッッッッッッッ!!!!」
「違うの!偽物なのよッッッッッ!!!!
 愛理、こないだ二人がコソコソしゃべっているのを聞いたのよッ!!!!!」
「何がッ!!!???」

「パッド入れてみたけどばれないかなって!!!!」

「え?」

あまりにも予想もしなかった愛理ちゃんの答えに思わず動きが止まる。

ドゴオオオオオオッッッッッッッ!!!

「ぐええッッッッ!!!!!!」

岡田さんのパンチを思いっきり受けて私は吹っ飛んだッ!

「いでえ・・・・・・・・・。
 愛理ちゃん、どういう事よ!?」
私は殴られた左ほほを抑えながら4人と一旦距離を置いて
愛理ちゃんに聞き直した。

「だからそのまんまよ!
 藤本さんと田中さん、最近胸にパッドを入れてるのよッ!!」


8 :915:2006/04/23(日) 00:40:20.12 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る82〜

「うそ・・・・・・・・・・・」
私は呆然とした。そのとき・・・・・・・・・。

「え?ウソ?なんで??????????????????」
山本紗也加と名乗った女が慌てはじめた。
山本を守っていた藤本さんと田中さんの偽物が
ボロボロと崩れはじめた・・・・!!!!

「やっぱりッ!!!!」
「愛理ちゃん、いったいどういう事?」
「雅ちゃん、もしかして雅ちゃんって、藤本さんと田中さんが
 最近胸が大きくなったと思ってショック受けてなかった?」
「う、うん・・・・。
 たしかにあの二人、最近胸が大きくなったなぁ・・・って気にしてたんだけど・・・」
「きっとアイツのスタンドは相手のコンプレックスにつけ込んで
 偽物を生み出すスタンドなのよ!
 だからあの4人と藤本さんと田中さんは別行動なんだよ!」


9 :915:2006/04/23(日) 00:40:49.98 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る83〜

私はようやく納得がいった。
たしかに・・・・、私は胸が無いのが悩みだ。
千奈美なんか「私たちもそのうち大きくなるよ」なんて
笑いながら言っていたけれど、ママも胸が小さい私はとっても不安だ。
このまま胸が大きくならなかったらどうしようって心配になってくる。

だから演劇部一巨乳な岡田さんや立派なのを持ってる紺野さん、石川さん、
そして中学生にしてはそこそこある道重さんがうらやましかったし、
仲間だと一方的に思っていた藤本さんと田中さんが最近大きくなってきたような気がして
なんとなくイヤな気持ちになっていたんだけど・・・・・・・

そういう事か・・・・・・・・・・

ちくしょう・・・・・・・・・・

ちくしょう・・・・・・・・・・・・・・





10 :915:2006/04/23(日) 00:43:45.89 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る84〜
  __,冖__ ,、  __冖__   / //
 `,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ヽ、::::
 ヽ_'_ノ)_ノ    `r=_ノ    /  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/        i::::::|
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   ll     || .,ヘ   /   ::::::::::::/ .,,イ;゚;;;;;ヽ     ,イ;゚;;;)ゝ|::::|
   ll     ヽ二ノ__  {    :::::::/  ` u`=-'   〈  `-='' l:::::|
   l|         _| ゙っ  ̄フリ :::/   U        ヽ      |:::::|
   |l        (,・_,゙>  / /|/                   |::::|
   ll     __,冖__ ,、  >::::::|               ヽ    |::::|
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11 :915:2006/04/23(日) 00:44:34.48 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る85〜

バカにしやがって!!!!!!!!!!!

私のコンプレックスが生み出した人形だからこそ、
私にはどうしても攻撃を当てる事が出来なかったんだ!!!
それがヤツのスタンド能力!!!

そして、少なくとも藤本さんと田中さんのはウソだとわかったから!
二人のあの胸は偽物だってわかったから!
藤本さんと田中さんに対するコンプレックスがなくなった今!
二人の偽物は形作っている事が出来ないんだッ!!!!

ボロボロボロ・・・・・・・

藤本さんと田中さんの偽物は完全に崩れ落ちた・・・・・

「クソッ!!!いったい何が・・・・・・・・・・・。
 だがまだ4人は健在だッッッ!!!!」
山本は叫ぶと同時に4人が襲ってきた!!!!

「余計なお世話なんだよおおおおおおおおッッッッッッッッッ!!!!!」
私は山本めがけてセクシー・アダルティーをのばした!!!


79 :915:2006/04/24(月) 23:59:55.29 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る86〜

ドスウウウウッッッッッッッ!!!!!!!!

山本に紙一重で避けられた槍は
さっきまで山本が隠れていたロッカーに突き刺さったッ!

「ふん!これくらい生身でも避けられるわ!!!!!!
 そして・・・・これで終わりだあッ!!!」
山本の声と同時に、4人が私に殴りかかる・・・・・

「あぁ、終わりよ。あんたのね」

私はつぶやくと同時に、伸びきったセクシー・アダルティーを
元の長さに戻し始めた。

ただし、ロッカーに刺さった穂先の方に!

アダルティーをつかんでいる私の身体は急速な勢いで
ロッカーの方向にひっぱられる・・・・・

そしてその途中には・・・・・・・・・・・・


80 :915:2006/04/25(火) 00:01:28.45 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る87〜

「しま・・・・・・・・・・・・ッッッッッッ!!!!」
「夏焼流槍転脚ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

私は足を伸ばしてアダルティーが元に戻るスピードに乗せて
山本の顔面に思いっきり蹴りを入れた!!!!!

バゴオオオオオオオッッッッッッッ!!!!
「はがッ・・・・・・・・・・・・・・」

石川さんたちがこっちに向かって走ってくる・・・・
だけど、4人が来るまでにコイツをぶちのめすだけの時間は十分!!!!

「うおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!
 夏焼家槍戯奥義魅栖斗琉弖胤(ミストルテイン)!!!!」

「ぐはあああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!」

全身全霊をこめた渾身の一撃が山本に命中した瞬間、4人は
さっきの藤本さんたちと同じように身体が崩れていく・・・・

バドゥワアアアアアアアアアンッッッッッッッ!

山本はセクシー・アダルティーに吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた!


181 :915:2006/04/27(木) 21:58:45.70 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る88〜

「てんめええええええェェェェェェェェェェェェェ!!!!!!」
私はとどめを刺そうと槍を振りかぶる!!!

「雅ちゃん!もう終わったッ!!!!」
愛理ちゃんが私を後ろから羽交い締めした。

「殺す殺す殺す殺す殺す・・・・・・
 あ・・・・・・・・・・・・・・・」
山本は大の字になって完全に伸びていた。

「あ、ありがとう。完全に頭に血が上ってた」
私は笑いながらそう言うと片膝をついた。

と、同時に私に迫ってきていた
石川さん、道重さん、紺野さん、岡田さんの偽物は崩れ去り、
砂の様になったかと思うと散っていった・・・・・・・・・・。

「雅ちゃん!大丈夫!?」
「うん、大丈夫。でも・・・・さすがに疲れた・・・・・・」
私は座り込んだ。
「愛理もだよ。
 セカンド使ったあとはしんどくてね」
愛理ちゃんも私の隣に座って笑った。


182 :915:2006/04/27(木) 21:59:17.39 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る89〜

「ほかのみんなは?」
「あ!そうだ!!くまいちゃん大丈夫かな・・・・」
「くまいちゃんやられちゃったの?」
「うん、雅ちゃんもやられた身体が大きくなるスタンドにね。
 それでもう身体が動かないくらいまで大きくなっていたの。
 スタンド使いはさっき愛理が倒したからもう大丈夫だと思うけど・・・」
「めぐたちは?」
「めぐとりぃちゃんとは途中ではぐれちゃったの。
 くまいちゃんには栞奈ちゃんがついている」
「敵は7人って言ってたよね。
 今ここで2人倒したから・・・・」
「さっき下の階で愛理たちが一人倒したよ。これで3人。
 あと、めぐとりぃちゃんがたぶん一人相手している」
「それと最初にいたこのビルそのもののスタンド使いね。
 でもアイツは戦闘力なさそうだし・・・・。
 めぐたちが一人倒してくれていたらあと2人なんだけどな・・・・」
「とりあえずどうしよう?先にくまいちゃんの様子見に行こうか?」
「そうだね。栞奈ちゃんの事も心配だし・・・」

私と愛理ちゃんは立ち上がって廊下に出た。
だけど・・・・
「ちッ、連戦か。いい加減つらくなってきたな・・・・・・・・」
私は舌打ちした。

廊下の先には女が身構えていた


40 :915:2006/05/09(火) 21:34:41.80 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る90〜

〜???〜
「あ〜あ、麻未も紗也加も負けちゃったか。
 でも麻未が夏焼のは入手してくれたし・・・・
 え〜っと・・・・・・・、熊井のも麻未が入手と。
 菅谷のは高本さんが、必要無いと思うけど嗣永のは阿部さんが。
 中島、須藤、徳永は長谷部さんと橘さんで入手出来たし、
 あとは鈴木はいらないって言われているし村上だけか。
 まあ橘さんなら余裕だろうな。
 問題はあの人じゃあ回収出来ないから私が行かなきゃいけないか・・・。
 でも橘さんの戦闘中ってあんまり近づきたくないんだよなあ。
 終わってからで良いかな?
 って・・・・・・・・アレ???
 な、何・・・・?なんか・・・・・・・・・。
 し、しまった、これは・・・・・、くま・・・・・・・・・・」


73 :915:2006/05/10(水) 20:23:14.54 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る91〜

〜村上愛〜
「そいつら、喧嘩してるフリしてこっちの気をひいたのよね。
 それでこのビルのスタンド使いである静香が気になってのぞいたところを捕まえて、
 それで5階から脱出したのよ。
 まあ、4階で私と優が待ちかまえていたからあっさりそんな姿になったけどね」

橘佳奈と名乗った女は、最初姿を見せた時にこう言った。
そこまでは普通だったんだ、そこまでは・・・・・・・・。

りぃちゃんが倒れていた3人に止血している間、
私はサッド・レディを出して橘に対して身構えた。

「剣士タイプのスタンドね、ちょうど良いわ・・・・」
橘はそう言うと右手をかざした。

突然右手に大きな青竜刀のような剣が出現する。
雅ちゃんみたいな武器そのものがスタンドってタイプか!

「悪いけど私たちも必死なのよ。
 浜崎さんらからお荷物扱いされていてね、
 ここでミッションクリアしておかないとね・・・・・・・・・」
橘はつぶやきながら、右手に出現した刀を握りしめた。



74 :915:2006/05/10(水) 20:23:57.22 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る92〜

と・・・・・・・・・

橘の目つきが変わる。

何?

「く、く、くくくくくくく・・・・・・・・・・・・・」

わ、笑ってる?

「う、う、う・・・・、うきゃああああああッッッッッッッッッ!!!!!!」
突然橘が奇声をあげた!!

「あふ、あふ、あふ・・・・・・・」

な、なんだこいつ・・・・・!!!???
そう思った時・・・・

突然橘が私に襲いかかってきた!!!!!!!

「えッ??????うわッ!!!!!!」

ガシイイイイイッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

ドガアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!

橘の振りかぶった青竜刀を私は
サッド・レディでしっかり受け止めた・・・・・・・
はずがふっとばされた!!!!!!


187 :915:2006/05/12(金) 21:58:03.96 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る93〜

な、なんてパワー・・・・・・・・・・・・。

「うきょきょきょきょきょきょきょきょお〜ッッッッッッッ!!!」
間合いが離れた私に橘は相変わらず奇声をあげながら刀を振るった。
と、刀から水晶の様な固い突起がたくさん飛び出してきて
私に襲いかかる!!!!

「うわあ!!」
私は竹刀で一本一本はじき飛ばしながら後ろに飛び退いた。

この攻撃・・・・、無差別すぎる!
このままここで闘ったら今近くに倒れているまぁたちに当たりかねない・・・・。

そうか、これがこいつのスタンド能力か・・・・・。
バーサーカー状態になって戦闘能力を高める代わりに
めちゃくちゃやってしまうタイプなんだな・・・。

だったら!

「りぃちゃん!みんなをお願いッッッッ!!!!」

私はそう叫ぶと敵に背中を向けて逃げ出した!


188 :915:2006/05/12(金) 21:58:28.48 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る94〜

「えぇ????」
りぃちゃんがびっくりしているけど、橘は予想通り、私を追いかけてきた。
うん、やっぱり私の事しか目に入っていない。

とにかく倒れている3人が巻き添えをくわずに、
りぃちゃんが安心して治療出来るまでこいつを引き離さないと・・・・!

「うけけけけけけけけけけけーッッッッッッッ!!!!!!」

ドシュドシュドシュドシュドシュッッッッッッッ!!!!!!!

橘は叫びながら刀を振りかざした。
またあの攻撃が来る!!!!!!

槍状の水晶が次々と私めがけて放たれる!

「う、うわあああああああああッッッッッ!!!!!」
私は竹刀ではじき飛ばしながらも何カ所もダメージを負った。

こいつ強い!!!!
はっきり言ってこいつは・・・・やばすぎるッ!!!!!!!


302 :915:2006/05/14(日) 15:32:01.64 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る95〜

〜鈴木愛理〜
「正直ね、ここまでやられるとは計算外だったよ」
長谷部優と名乗った女は言った。

「3人捕まえたまでは良い方に計算外だったんだけど
 まさかそのあと連敗とはねえ・・・・」
そう言いながら長谷部は人型のスタンドを出現させた。

「私の『エターナル・ドリーム』と佳奈の『Movin' on』で
 アンタら残り全員倒せって言われたら出来なくはないけど
 面倒くさいよね・・・・・」
「連戦がキツイのはこっちもだけどね・・・・。
 でもおばさん一人くらいなら十分倒せるだけの体力は残ってるよ。
 なんせこっちは若いんでね!!」
雅ちゃんが挑発する。

「ふん、私を挑発して精神的に乱そうとでも思ってる?」
「お、ひっかからないか。
 さすがだてに年だけは食ってないね、お・ば・さ・ん♪」
「しつこいなあ・・・・」

雅ちゃんもさすがだけど、
挑発に乗らない長谷部って女もやるなあ・・・・・。



303 :915:2006/05/14(日) 15:32:35.26 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る96〜

「悪いけどガキと無駄話している時間も無いのよね・・・」
「あ、そう。じゃあ・・・・・・・・・」

ドシュウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!

雅ちゃんはいきなりセクシー・アダルティーを伸ばした!!

「ふんッ」
長谷部は軽々と避ける・・・・

と、セクシー・アダルティーから何かがとびあがる!
そう、愛理と雅ちゃんが得意としている二人の連携技!
エンジェルが長谷部にとりつく・・・・

「小細工は・・・」

え?

『ウギャッッッッ!!!!』

長谷部にとりつこうとしたエンジェルが弾かれる!!!
「うわあッッッッッッッッッッ!!!!!」
私も吹っ飛ぶ・・・・!!!!


304 :915:2006/05/14(日) 15:33:04.98 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る97〜

「まず一人・・・・ッ!!!」
長谷部のスタンドが倒れたエンジェルに殴りかかる・・・・

まずい、やられる!!!!!

「エンジェル!!捕まって!!!!!」
雅ちゃんが慌ててエンジェルにセクシー・アダルティーの穂先を向ける!

「遅い!!!」
長谷部が叫んだ・・・・・・・・・・

そのとき・・・・・・・・・・・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

「え?」



394 :915:2006/05/15(月) 22:20:29.55 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る98〜

〜村上愛〜
うわあああああああああッッッッ!!!!

ドシュドシュドシュドシュドシュッッッッッッッ!!!!

橘のスタンド刀から繰り出される水晶の槍が
私を次々と襲う・・・・・・・・・。

もうりぃたちからかなり離れているから
攻撃に転じたいけれど、何せ逃げてる姿勢から
身体を反転させる余裕すらもらえない・・・・!!

この女、とにかくむちゃくちゃ攻撃してくる!
と、とにかく今は逃げなきゃ・・・・

と・・・・・、目の前に階段が!
とにかくここは下の階に降りよう!誰かと会えるかもしれないし・・・

「うがああああああああああッッッッッッッッッ!!!!」
橘は今までで一番大きな叫び声をあげた!

ブウウッッッッッッッッッッンッッッッッッ!!!!!!

それと同時に刀が風を斬る大きな音がする。

「うわああああッッッッッ!!!!」
私は思わず横に飛び退いた!


395 :915:2006/05/15(月) 22:21:05.90 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る99〜

今までで最大規模の水晶の槍が私をかすめていく・・・・

ドゴバゴオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!

げっ!!!!

飛んでいった水晶の槍は階段の入り口にしっかりと挟まって道をふさいだ。
こ、こいつッ!ただ暴れているだけじゃない!
こう見えても・・・ちゃんと考えている・・・・!!!

だけど大振りしてくれたおかげでその隙に
反転して正面に向く事が出来たぞ!

私は正眼の構えを取って橘に対峙する。

「うぐ、うぐ、うぐぐるぐるぐるぐる・・・・・」
逃げ道をふさいだ代わりに状況が変わったことを理解したのだろう、
橘も一息ついて私を見据える。

そのときだった・・・・・・・・。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

な??????????


396 :915:2006/05/15(月) 22:21:31.59 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る100〜

・・・・・・・・・、違う!

床が・・・・沈みはじめた・・・!!!!
そして、壁もぐにゃぐにゃと歪みはじめる!!!!

「うが?」
橘も予想外だったのか、キョロキョロしている。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・、ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・

ビルは・・・・あっという間に崩壊して、沈んでいった・・・!!!

ドドドドドドドドドオオオオオオッッッッッッッ・・・・

ビルの崩壊が終わって、我に帰ると、私と橘は空き地に立っていた。
そして・・・・

「めぐッ!!!!」
みやが私を見つけて叫んだ。
「みや!愛理!いったい・・・・」

「みんな無事!?」
そう声をかけてきたのはくまいちゃんだった。
「くまいちゃん!いったい何が・・・・」
「あ!ちな!まぁにさきちゃんも!!」
くまいちゃんは私の問いかけに答える代わりに
3人と介抱しているりぃちゃんを見つけて走り寄った。

510 :915:2006/05/17(水) 20:56:39.92 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る101〜

私はもう一度辺りを見渡す。
みやと愛理が一緒にいる。
そしてくまいちゃんと栞菜ちゃんも一緒だったようだ。
りぃは最初に拉致された3人と一緒にいる。

敵は・・・・・・・

私と闘っていた橘という女、
そしてみやたちの近くに一人。闘っている最中だったようだ。

あちこちに何人か栄高の制服を着た女が倒れている。
そのうちの数人はもう気がついているようだけど
まだ立てないといった様子だ。そして・・・

くまいちゃんがいた近くには一人倒れていた。
あれは・・・最初に会ったビルのスタンドの女!

「くまいちゃん!もしかして・・・・!!!」
「うん、私も敵のスタンドの術中にはまって身動き取れなくなっていたんだけどね、
 みやたちが倒してくれたから元に戻れたのよ。
 それでフィール・イージィを漂わせたら
 この女がマヌケにもうろうろしていたのよね」



511 :915:2006/05/17(水) 20:57:11.53 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る102〜

「長谷部さんって言ったね、こっちが有利みたいだね」
みやが言った。
敵は残るは橘と長谷部の二人。
こっちは私、みや、くまいちゃん、愛理、りぃちゃん。
愛理とりぃちゃんが闘わなくても3人いるし、人数的にこっちの方が多い!

「ふん、さっきも言ったでしょ。
 私と佳奈の二人で十分だって・・・・」
長谷部が言った。

「ほざけえええええッッッッッッッッ!!!!!!!!!」
突然そう叫ぶとくまいちゃんのフィール・イージィが
粒子状で長谷部を襲う!!!!!!

そうだ!くまいちゃんのスタンドは形が無い状態だけに
本体がやられない限りは無敵に近い!!!

「アンタは敵じゃないんだよ、熊井友理奈あああああああ!!!!!!」
長谷部が叫んだ!!!

「寝言は寝てから言えええええええええッッッッ!!!!!!!!
 フィール・イージィ・ディハレーションッッッッ!!!!!!」

フィール・イージィが長谷部を襲う・・・!!!

え?

長谷部がにやりと笑った・・・・・・・・・・


60 :915:2006/05/19(金) 00:00:40.86 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る103〜

「うわああああああああ!!!!!!!」
くまいちゃんが叫んだ!!!

「あぁッ!!さっきと・・・さっきと一緒だ!!!
 愛理のエンジェルが弾かれた時と・・・!!!」
愛理が言う。

フィール・イージィは長谷部の目の前で止まっている!!
そして、くまいちゃんが苦しそうにしている!!!

「なんなの!?バリアでもあるって言うの!!!???」
みやが言う。

「違う・・・、バリアなんかじゃない・・・・。
 これは・・・・、私と相性最悪・・・・・・・・・・」
くまいちゃんはそういうと倒れてしまった!

「くまいちゃん!!!」
私たちは倒れたくまいちゃんに駆け寄る。
「あ、あの女・・・・・、
 水を使うスタンドよ・・・・・・・」
「水?」
「う、うん・・・・。
 水で薄い膜を張って、それをバリアにしている・・・・。
 私のフィール・イージィ、強制的に水分を吸い取ってしまって
 スタンドパワー使い果たしちゃった・・・・」


61 :915:2006/05/19(金) 00:01:20.82 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る104〜

「その通り、私のエターナル・ドリームは水を操るスタンド・・・」
そう言った長谷部の近くに立っているスタンドが私たちの方を指さした。

ヅガガガガガガガガガガッッッッッッッ!!!!!!!

「ぐ、ぐうッッッッッッ!!!!!!」

突然の衝撃に私は飛び退く・・・・・

「め、めぐ!!めぐのスタンドの防具が・・・ッ!」
みやに言われて私はサッド・レディの防具を見た。

「なッ?????」
かなりの防御力を誇るサッド・レディの防具に見事にひびが入っていた・・・。

「高圧力で水を噴射するってスタンドか・・・・・」
みやが身構えながら言った。

「そう、私のエターナル・ドリームは指先がホースになっていてね。
 今みたいに相手を攻撃する事も出来るし、
 指が伸びるから上から薄い水の膜を噴射して
 バリア代わりにすることも出来るのよ」
長谷部がそう言うと、長谷部のスタンドの指がにょろにょろと伸びて
シャワーのように上から水を降り注がせた。
その途端、長谷部の目の前に水のカーテンができあがる。


62 :915:2006/05/19(金) 00:01:46.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る105〜

「めぐ、まだ闘える?」
みやが声を掛けてきた。
「うん、防具だからダメージ無いし・・・」
「もう一人、アイツの能力は?」

長谷部の隣には橘がまるで飢えた野良犬のように
うなり声をあげながらこちらをにらんでいた。
「アイツは刀から水晶の槍が飛び出てきて攻撃してくるの。
 あとは見ての通り、気が狂ったようになってるけど
 その分、かなりのパワーがあるみたい・・・」

「言ったでしょ。私と佳奈がいればアンタたちなんか数じゃないって」
長谷部が笑いながら言った。

「二人ともシンプルといえばシンプルな能力だね。
 シンプルな方が強くてやっかいだけど・・・・・・・・」
くまいちゃんを支えながら愛理が心配そうに言った。

「大丈夫、私とめぐに任せなさい」
みやが自信満々に言う。
「私のセクシー・アダルティーとめぐのサッド・レディは
 演劇部でももっともシンプルなスタンドだしね」
「あはは、たしかにね」
私は思わず笑った。



98 :915:2006/05/19(金) 21:28:27.86 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る106〜

「んじゃ、いい加減日も暮れて遅くなってるしちゃっちゃと片づけますか!」
みやはセクシー・アダルティーで構えを取った。
私もサッド・レディを構えさす。

「おばさん」
みやが長谷部に言った。
「ここで予言をしておくね。おばさん・・・・。
 アンタは・・・自身のスタンドの能力で滅びるよ・・・!!」

「ガキのくせに生意気でむかつくね、アンタたち。
 まあその自信もすぐに崩してやるわ」
長谷部が憎々しげに言った。
「ぐる、ぐる、ぐるるるるるる・・・・・・・・・・・」
隣で橘が吠えながらこっちをにらむ。

「いくぜええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッ!!!!」
みやは叫ぶとセクシー・アダルティーを橘に向かって伸ばした!!

「うおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!」
私も長谷部に向かって突っ込む!!

「うぎゃあああああああああッッッッッッッッ!!!!」
私たちのかけ声を合図に、橘も刀を振るってみやに襲いかかる!

「ガキがああああああああッッッッッ!!!」
長谷部も私に向かって水を噴射してきた!!


99 :915:2006/05/19(金) 21:29:10.41 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る107〜

私は紙一重で避けてさらに突っ込む!!
長谷部のスタンドを観察したところ、
確かにスタンドの指がホースのようになっていて
そこから水が噴射されるようになっている。

でも、それは右手の人差し指だけ・・・・
だとしたら、攻撃と防御は同時に出来ないはず!

「くらえええッッッッッッッッ!!!!!」
私はのど元めがけて思いっきり突きを入れた!!
よし!今ならまだ防御は出来ないはず!!!

バチイイイイイイイイインンンンッッッッッッッッッ!!!!
「う、うわああッッッ!!!」

予想は思いっきり外れて、私はサッド・レディごと吹っ飛ばされた!

「はいざんね〜ん。どうせ水を出すのは一カ所だけと思ったんだろうけど
 足の指からも出せるのよね〜」
長谷部が笑いながら言うと、スタンドの右足の親指から水が噴射された。

そこへ・・・・・

ドゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオッッ!!!
「うわあああああッッッッッッッッッ!!!!!!」



100 :915:2006/05/19(金) 21:29:50.36 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る108〜

叫び声の方を思わず向くと、みやがこっちの方に吹っ飛ばされてきた!
橘の水晶の槍をまともにくらったようだ!!

「みやッ!!!!」
「う、うおおおおおッッッッッッッ!!!!!」

吹っ飛ばされながら、みやは長谷部の方に身体を向ける。

「夏焼家槍戯土錐龍!!!!!!!」
上空からみやが長谷部に槍を突きつける!

「ふんッ!」
長谷部が悠々と避けたセクシー・アダルティーは
ザクザクと空き地の地面に穴を開けた・・・・・・・・。

「くッ!!!」
地面に落ちてきたみやは回転して受け身を取る。

「ぷぎゃあああああああああッッッッッッッッッ!!!!」
そのみやを追って橘が刀を振るってきた。

「あぶないッ!」
私はまだ体勢不十分なみやをかばって橘の刀を竹刀で受け止める!

ガシイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッ!!!!

「う、ううッ!」
つばぜり合いの状況で橘の強烈なパワーに私は劣勢になる・・・


147 :915:2006/05/20(土) 22:25:14.44 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る109〜

「ほら、よそ見してたら死ぬよ!!!」
「めぐッ!危ないッッッッ!!!」

ピシイイイイイイイイイイイッッッッッッッッッッッ!!!!!
シュバババババババババ・・・・・・・・・・

今度は長谷部が水をレーザーのように噴射して私を狙ってきた。
とっさにみやがセクシー・アダルティーを盾のように回転させて私をかばう。

「ふぐ、ふぐ、ふぐ・・・・・・、ぐぎょええええええええッッッッッッッ!!!!」
「う、うわあああッ!!!!!!!!」
橘が叫ぶと同時に力を込めると私は背後のみやごと吹っ飛ばされた!!

ドスーンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!

私たちは二人一緒に遠くに飛んで地面に叩きつけられた。

「いったあ・・・・・・・・」
「やばいね、こいつらパワーが半端じゃない・・・」
「困ったね、めぐ・・・・・」

「大丈夫!?」
愛理と栞奈ちゃんが近づいてきた。

「うん、あんまり大丈夫じゃないけどなんとかなるよ、たぶん・・・・」
みやが自嘲気味に笑いながら言う。


148 :915:2006/05/20(土) 22:25:48.17 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る110〜

「なんとかってどうするのよ?」
「めぐ、アンタががんばって」
「はぁ???????」

私はみやの言い方にびっくりした。
「がんばってって言われたって!!!」
「まぁ聞きなさいって。あのね・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

「う、う〜ん。わかったけど・・・・・。
 どっちみち私危ないよね?」
「今のままならみんなやられちゃうでしょ!!」
「わかったわよ、やれば良いんでしょ・・・・」
私は渋々承知した。

「キャスト・オフ!!」
私はサッド・レディの防具を外した。

「ちょっと、めぐ!別に防具は外さなくても・・・・」
「さっきマトモに攻撃くらった時に防具にダメージくらったし、
 たぶんもうこれ以上攻撃受けたら防具破壊されちゃうよ。
 それなら少しでも避けられるようにスピードアップした方がマシだし」


149 :915:2006/05/20(土) 22:26:51.88 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る111〜

「なる〜。めぐ、ごめんね!」
「謝るからにはちゃんとしとめてよ!あと、今度ドゥ・マゴでパフェおごりね!」
「う〜、ノーマルで良い?」
「もちろんジャンボパフェに決まってるでしょ」
「足下見るなあ・・・。
 めぐ、アンタ最近太ったんじゃない?」
「あ〜!そうやって人が気にしている事を言う!
 心配しなくてもみやがジャンボパフェおごってくれたら
 次の日からダイエットはじめるから!!」
「今日から始めた方が良いと思うけど。
 まあジャンボパフェで手を打つよ」
「了解、じゃあがんばってくるよ・・・・」

私は覚悟を決めた。

「いっくぞおおおおおおおおおッッッッ!!!!!!!」
私は長谷部と橘に向かって走り始める!!!

「一人でやられに来たかああああ!!!!!」
「うがあああああああああああっっっっっっっっっっ!!!!」
二人が同時に攻撃をかけてきた!!

私は・・・・・・・・・

走りながらサッド・レディの竹刀の先を地面にこすりつける!!!


232 :915:2006/05/21(日) 20:54:12.22 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る112〜

「な?????????」
「うが?」

ズズズズズズズズズズズズズズズズッ!!!!!!!

空き地の整備されていない地面は・・・・
竹刀に削られてモウモウと激しい砂埃を巻き上げたッ!
たちまち辺りは視界が悪くなる。

私は二人の攻撃を避けながらジグザグに走り出す!
それに併せてさらに砂埃がさらに巻き上がり、
辺り一面何も見えないくらいになった・・・・。

「目くらましのつもりかあああ!!!!!」

長谷部は指先からあちこちに水を噴射した!!

晴れが続く日の道路に水をまいた時のように・・・・・・・
あっというまに私が巻き上げた砂埃は収まっていく・・・・

そして・・・・

「いったあ・・・・・・・・・・・」
私は砂埃の中で長谷部の攻撃を肩に食らって倒れていた。


233 :915:2006/05/21(日) 20:54:39.78 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る113〜

「ふん、その程度で私の攻撃を避けようなんて甘すぎるわよ」

「うう・・・・・・・・ッ」
痛みに苦しみながら、私は仲間の方を見る。
みやは・・・・?

みやは・・・・、愛理たちと一緒にこっちを見ていた。
みや、ホントに大丈夫なんだろうね・・・・・?

「ふごおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッ!!!」
そこへ、橘が襲ってくる・・・・

「めぐ!右に5歩!!!!」
愛理の声に反応して、私は愛理の言われるままに動く・・・・。

「遅い!」
長谷部の声が聞こえた・・・・・。
数歩動いたところで橘が刀を振り下ろす音が聞こえた・・・・・。

やられる・・・・・・・・・・!!!
私は思わず目をつぶる。そのときだった・・・・

『おっけーダゼっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!』


234 :915:2006/05/21(日) 20:55:03.42 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る114〜







ゴオオオオオオオオオオオオオンンンッッッッッッッッッッッ







「うぎゃああああああああああああああッッッッッッッッッ!!!」







橘が頭を抱えて悶絶する!!





292 :915:2006/05/22(月) 23:40:29.54 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る115〜

「な、なんで金だらいが空から・・・・!!!???」
長谷部がびっくりする。

そう、橘の足には・・・・・、
愛理のミスチーフ・エンジェルがとりついていた!!

「いつの間に!!!???」
長谷部が叫んだそのとき、橘の頭上から何かが振ってきて
頭の上にぽとりと乗った。

「ふが?」
橘が手に取ったそれは・・・・・・蜂の巣!!!
たちまち巣から蜂の大群が出てきて橘を襲う!

ブウウン!ブウウウウン!!!!
「ふぎゃ、ふぎゃああああ!!!!!
 うわ、うわあッ、イタイイタイイタイイタイイタイ!!!!」
蜂に襲われた橘は思わず刀を落としてしまった。
その途端、バーサーカー状態が解除されて
正気に戻ったまま悶絶する!!

私はその隙にみやたちの元に走って逃げた。



293 :915:2006/05/22(月) 23:41:06.92 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る116〜

「か、佳奈!」
長谷部が橘にとりついた愛理のエンジェルをはがそうと近寄る。

「無駄だよ!愛理のミスチーフ・エンジェルは
 とりついたらもう愛理が良いって言うまで絶対はがれないから!!」
「じゃあ・・・・、オマエを倒す!!!!」
長谷部は愛理に向かって水を噴射しようとした!!

「させるかああああああああッッッッッ!!!!!!
 セクシー・アダルティーィィィィィィ!!!!!!」
みやが槍を伸ばして長谷部を狙う!!

「オマエらのぬるい攻撃なんて効かないんだよおおッッ!!!」
長谷部は足の親指から水を噴射して水のバリアを貼る!

「防御したね!!今だッ、めぐ!!左へ3歩!!!!」
「おっけぇッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!
 くらええええええええッッッッッッッッッ!!!!」
私はみやの言われた通りに動くと
地面に向かって思いっきりサッド・レディの竹刀を突き立てた!!

「何をやり・・・はッ!!!!!?????」

ボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴッッッッ!!!!!

私が竹刀を突きつけたところから、長谷部のいる方向に向かって
直線上に次々と地面が陥没していく・・・!!!


294 :915:2006/05/22(月) 23:41:42.50 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る117〜

「な、何が・・・・うわあああああああああああッッッッッ!!!!」
小さな陥没は長谷部の付近に近づくと、
突然長谷部と橘を飲み込んで大きな落とし穴となったッ!!!

「今だ!!!!」
みやはそのまま長谷部の眉間にセクシー・アダルティーを直撃させる!

「うおおおおおおおッッッ・・・・メーンッッッッッッッッ!!!」
一方、私は突っ込んでいって、橘の頭を思いっきり叩いた!!!!

「は、はが・・・」
「グホッッッッッ」
橘はそのまま気絶し、長谷部も悶絶する。

「な、なんで・・・・・」
長谷部はそう言いながら苦しむ。


347 :915:2006/05/24(水) 00:26:19.18 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る118〜

みやがセクシー・アダルティーの穂先を長谷部ののど元に突きつけた。
「さっきめぐが砂埃をあげている間にね、
 私のセクシー・アダルティーを伸ばしてトンネルを掘ったのよ」
「と、とん・・・ねる・・・?」
「私の足下からアンタたちまでね。
 そのトンネルを使って愛理のエンジェルが
 地下をアンタたちに見つからないように移動していたのよ」
「で、でもアンタのスタンドは直線しか進まないし、
 角度的に・・・・・・・」
「確かに私の腕の高さから地面に向かって槍を伸ばして穴を掘っても
 地下を潜っていく一方だよね。
 だから、その前に橘に吹っ飛ばされながら上空からアンタに攻撃したでしょ?
 あのときに縦にいくつも穴を掘っていたじゃない?
 その縦に掘った穴の一つにトンネルをつなげたのよ」
「あ、あのときすでに・・・」
「そう。私だってそれなりに計算しているのよ」
「じゃあこの落とし穴は・・・・・・・・・」
「横に掘ったトンネル用の穴をめぐが上から叩いたからトンネルが崩れていったの。
 で、横のトンネルが崩れていった先に縦の穴がいくつもあって穴だらけだったからね。
 それに・・・・・・・」
「それに・・・・?」


348 :915:2006/05/24(水) 00:26:53.96 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る119〜

「アンタ、砂埃を消すのと防御のために水を使ったじゃない?
 それで穴だらけの地面のところにさらに地盤がゆるんだのよね。
 そこへ土が崩れてきたので連鎖的に大きな陥没になったわけ」
「じゃあ・・・・」
「そう、アンタは自身のスタンドの能力で墓穴を掘るのを手伝ってくれたのよ!!」
「ど、どこまでもナマイキなガキね・・・・。
 予言通りって言いたいのか・・・・・・・。」
「そのガキに負けたのよ、おばさん♪
 だいたいね、何が目的か知らないけど、
 あのビルのスタンドの女をうろうろさせすぎ。
 せっかく自分たちのフィールドで闘えていたのに。
 私の作戦も地面が土じゃなけりゃダメだったしね」
「こっちだってなんだかんだあるのよ・・・」
「あっそう」
そういうとみやはセクシー・アダルティーで
長谷部の頭を思いっきり叩いてとどめを刺した。

「めぐ、大丈夫?」
愛理が心配そうによってきた。
「うん、私は大丈夫。それよりちなたちを・・・・」
「ビルが無くなった時に先輩たち呼んであるからもうすぐ来てくれると思う」
りぃちゃんが携帯を持って言った。

「そう、じゃあ安心ね。
 私たちだけで病院行ったらなんでこんなケガしたんだって
 騒ぎになっちゃうもんね」
私が笑いながら言ったそのとき・・・・


349 :915:2006/05/24(水) 00:27:26.19 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る120〜

シュルシュルシュルシュルシュル・・・・

私の身体に何かが巻き付く!
「な、何?????」
これは・・・・紙???????

「まだ抵抗するかあ!!!!」

ビリビリビリビリビリッ
ボゴオオオオオオオッッッッッッ!!!!

みやが私に巻き付いたトイレットペーパーのような紙を槍で破ると、
その紙を出してきたスタンドを思いっきりひっぱたいた。

「うぐッ・・・・・」
すでにリタイアしていたはずの阿部という女が再び気絶する。

「無駄な抵抗を・・・」
私は言いながら身体に巻き付いた紙を引きちぎって捨てた。

そこへ・・・・・・・

「お〜い、大丈夫かYO・・・って、この様子だと決着ついたみたいだな!」

小川さんがかけつけてきた。
それに続いて藤本さんと石川さんが自転車二人乗りでやってくる。


350 :915:2006/05/24(水) 00:28:13.29 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る121〜

「あっちゃ〜、派手にやったなあ・・・・」
「何人かやられたみたいね。大丈夫?」
「はい、止血したのでなんとか」
「でもとりあえず病院連れて行かなきゃ」
石川さんが慣れた手つきで指示を出す。

「中1はスタンド禁止って言われてたのに全員で戦闘しちゃって」
石川さんは苦笑しながら私たちに言った。
「そんなこと言われても襲われたら仕方ないですよ・・・」
みやが反論する。
「ま、そりゃそうだよな。とりあえずさっさとずらかろうぜ」
「藤本さん、この人たちは?」
くまいちゃんが栄高の連中を指さして言った。

「あ?ほっとけよ。どうせ向こうも誰かくるさ。
 てか、逆に言うとこいつらを回収しに鈴木とか浜崎が来たら面倒だからな」
そう言いながら藤本さんと石川さんは一番大きなまぁを二人で肩に背負った。
「めぐちゃん、肩やられたみたいだけど大丈夫?」
石川さんが心配そうに尋ねてくる。
「はい、これくらい・・・、ああッ!!!!!!!」

私が受け答えしたその時だった・・・・・・・・。
私は目に入った様子に思わず叫ぶ。

「栞奈ちゃん!危ない・・・・・・ッ!!!!!!!!!!!!」


398 :915:2006/05/24(水) 21:33:01.28 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る122〜

地面に埋まっていた長谷部の手がわずかに動いた。
ほとんど無意識の状態から噴射された水のビームが
たまたま指さした方向にいた栞奈ちゃんを襲う・・・・・・

完全にみんな油断していた。
誰も対処出来ない・・・・・・・・・・・・・。

「う、うわああああ!!!!!!!」
声に振り向いた栞奈ちゃんを水が襲う、避けられない・・・・・!!!












へたり込んだ栞奈ちゃんの頭の上を水が通り過ぎていく・・・・・。


399 :915:2006/05/24(水) 21:35:11.57 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る123〜

「おまえ、まだッ!!!!!!!!」

ガンッ!!!!!!
みやがセクシー・アダルティーをのばして長谷部をぶっ叩いた。
長谷部は再度気絶する。

「大丈夫?」
みんなが心配そうに栞奈ちゃんにかけよる。
「はい、大丈夫です・・・」
栞奈ちゃんはぎこちなく笑いながら立ち上がった。

「とどめさしておこうっと」

ドガン、ドガン、ドガン!

みやがセクシー・アダルティーを伸ばして
倒れている7人全員の頭を順番に叩き始めた。

「みや・・・」
私は苦笑した。

「んじゃ行こうか」
石川さんがみんなに声を掛けた。みんなはそれに従って歩き出す。


400 :915:2006/05/24(水) 21:35:40.67 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る124〜

そこへ、愛理がこっそり話しかけてきた。
「めぐ・・・・・」
「何?」
「今の見た?」
「今のって・・・・、栞奈ちゃん?」
「うん、最初に気づいためぐだから
 見ていたと思うんだけど、栞奈ちゃんの動きがおかしかったよね」
「うん・・・・・、完全に当たると思ったけど何故か避けていたね・・・・・・」
「2階で闘っている時も一回あったんだよ」
「じゃあ今のが・・・・」
「たぶんね。よくわかんないけど・・・・・・・・」

まるで瞬間移動したようだった。
いや、瞬間移動なんてそんなもんじゃないような・・・・・・。


479 :915:2006/05/25(木) 23:19:15.72 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る125〜

「ふ〜ん、全滅か。まぁアイツらにはあんまり期待してなかったけどね。
 でもちゃんとノルマははたしてくれた?」
「はい。目的のものはすべて集める事が出来ました。
 鈴木は手に入らなかったんですけど、最初から候補から外れていましたので問題ないかと。
 徳永、須藤、中島の3人は長谷部と橘が倒した時に血だらけになったのでそれを、
 夏焼と熊井は中島がスタンドで攻撃したときにチャクラムについた血を、
 菅谷は高島のスタンドがひっかいた時にスタンドの爪についた血を、
 それぞれハンカチで拭き取っておきました。
 あとは村上と嗣永が阿部のスタンドで巻き付いたときに
 紙についた血を・・・・」
「嗣永って、2年生の嗣永桃子?」
「あ、言い忘れてました。
 中2は学校の行事ででスキー合宿という話だったのですが、
 なぜか嗣永桃子がいたんです。
 それで必要ないんでしょうけど連中が嗣永の血も回収していたので
 ついでなので分析に回しておきました」
「ふ〜ん、おかしな話だね。で、分析結果は?」
「もうすぐ出ると思うんですが・・・・・・・」

ガラガラッ・・・・・・・


480 :915:2006/05/25(木) 23:19:41.41 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る126〜

「鈴木さん、浜崎さん、結果出ましたよ」
「あぁ、ご苦労さん、ちょうど話していたところなんだけどどうだった?」
「それが・・・・・・・・」
「もしかして全員違った?」
「いえ、やはり一人該当しました」
「本当!?で、誰だったの??」
「それが・・・、ついでに調べた嗣永桃子だったんです・・・・・・」
「はぁ?」
「嗣永桃子の血から反応が出たんです・・・・・・・」
「それ本当?」
「間違いないです」
「う〜ん、情報では中1のはずだったんだけどなあ、
 アミーゴ、どういう事だろう?」
「おかしいですね・・・。ちょっと待ってください。
 演劇部の資料によると嗣永桃子は誕生日が3月6日ですね。
 だったら誤差の範囲じゃないですか?」
「なるほどそうかもね・・・・・・・。
 よし、じゃあとりあえず嗣永をさらってきて」
「はい、ではさっそく・・・」
「うん、ご苦労ね〜」

ガラガラッ・・・・・・・


481 :915:2006/05/25(木) 23:20:19.51 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る127〜

「あれ?アミーゴ、なんか不満でもある〜?」
「いえ、そんなこと無いですけど」
「そう?その割には浮かない顔してるよね〜」
「わかりました・・・・。じゃあ言いますけど、
 嗣永の件も大事ですけど、今のところ演劇部の主力で
 リタイアに追い込んだのって吉澤だけじゃないですか。
 そっちの方にも本腰をいれないと・・・・・・・・」
「あ〜、アミーゴにとってはアレよりも小室の復讐の方が大事だったもんね〜。
 でも嗣永だって利用出来るようになったら
 アイツらへの復讐なんてちっぽけな話どころじゃないと思わない?」
「まぁそうですけど・・・・・・・・」
「ま、アミーゴの言いたい事もわかるけどね。
 でもそっちはそっちで手を打っているしね〜。」
「手?」
「知り合いの社長に演劇部の戦力を削ってくれって頼んであるからさ、
 とりあえずこっちは先に嗣永を捕まえちゃおうよ」
「わかりました、浜崎さんがそう言うなら・・・・・」








482 :915:2006/05/25(木) 23:20:55.87 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る128〜

「困った奴らやなあ、闘うなって言ったのに・・・・・」
「理由も言わないのに無理じゃないっすか?
 特に夏焼とか超武闘派ですし」
「そやけど理由なんて言えるわけないやろ」
「まあそうですけどね〜」
「そやけど、浜崎の捜し物がうちの学校の生徒ってあの情報屋の話、ホンマやったんやなあ。
 まさに間一髪やったわ。有原を保護しといて良かったなあ」
「演劇部に入れたから、かえって狙われたんじゃないんっすか?」
「そうかもしれんかったけどな、見つかるのかって時間の問題やん?
 矢口が一日中守ってくれるんやったら話は別やけどな?」
「そんな面倒くさい事お金もらってもイヤっすよ」
「そやろ?そやから演劇部で守ったるのが一番ええねん。
 でももう正体ばれたと考えた方が間違いないやろうなあ。
 有原が無事やったんは良かったけどな」
「他にも何人も怪我して入院しているのに
 有原有原って先生も相変わらずひどいっすね〜」
「いやいや、他の生徒のことも気にかけてるんやけど
 有原ってまだスタンド使えへんやん」
「また嘘くさい言い訳を〜」
「本心やって。だいたい、有原ってかわいそうやと思わんか?」
「まあ境遇には同情しますけどね」
「そやろ?今でこそ祖父母に引き取られて普通に生活してるけど
 今までかなり苦労してきたからなあ」
「母親が放浪癖でしたっけ?」


483 :915:2006/05/25(木) 23:21:25.47 0
銀色の永遠 〜村上愛は階段を駆け回る129〜

「あぁそうや。母親の放浪先のエジプトで生まれてな、
 小さい時はそのまま母親に連れられてアジアを旅してたそうや。
 そんなかわいそうな生い立ちの有原を守ってやりたいやん」
「はいはい。とりあえずオイラは富樫の調査で手一杯ですし、
 浜崎とか鈴木とは金輪際関わりたくないからこれ以上は手伝いませんからね」
「わかっとるって。けど出来る範囲でよろしゅうな」
「はいはい。まあオイラは『D』の娘だからって特別何かあるとは思えませんけどね・・・」



TO BE CONTINUED…

西田静香 スタンド名:プライベート・ウォーズ
橘佳奈 スタンド名:Movin' on 
長谷部優 スタンド名:エターナル・ドリーム
中島麻未 スタンド名アイデンティティ
山本紗也加 スタンド名:777
高本彩 スタンド名:Our Time
阿部絵里恵 スタンド名:ハート・オン・ウェイブ
以上7名リタイア

徳永千奈美 スタンド名:シークレット・ディーヴァ
須藤茉麻 スタンド名:トゥデイ・イズ・マイ・バースディ
中島早貴 スタンド名:ワンダフルハーツ
以上3名入院

村上愛 スタンド名:サッド・レディ
肩にケガで全治2週間