206 :915:2006/02/06(月) 20:08:43.52 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む@〜

いててっ・・・・・。
こりゃあ肋骨にヒビくらい入ってるかもな・・・・・・・・・・・。
でもこれくらい怪我の内に入らないぜ。

しっかし、やってる事はほとんど通り魔だよな、俺・・・・・・・・・。
でも今はこれしか方法思いつかないや。

栄高の生徒が集まってそうな場所で
Mr.ムーンライトを出現させてとにかく暴れ倒す。
その様子を観察して、反応したヤツは
問答無用でスタンド使い認定して全員ブッ倒す。

よくもまあこんな無茶苦茶な作戦考えたよな、俺も。
けど、今は一人でも多く栄高のスタンド使いを倒さなきゃ。

そう自分に言い聞かせながら、栄高の生徒がよく集まる
S市駅前のアミューズメントビルに入った。
ゲームコーナーとかカラオケとかボーリングとかが
一緒になっているビルだ。

入り口の近くで栄高の制服を着た女たちが何人も
プリクラの機械に夢中になっている。
他にもUFOキャッチャーで遊んでいる高校生や大学生らしき連中が数人いる。

俺はMr.ムーンライトを出現させて衝撃をリフティングする。
さあ、スタンド使い出てこいよ・・・・・・。


207 :915:2006/02/06(月) 20:09:15.41 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むA〜

プリクラを撮っていた3人組の女子高生が
撮り終わって機械から出てくる。
3人とも一瞬だけ俺の方を見たけれど、
すぐにさっき撮ったばかりのプリクラに夢中だ。
コイツラはシロだな・・・・・・・・・・。

続いてゲームコーナーの方から一人の女が出てきた。
栄高の制服を着ている。

女は俺の方を見た。
一瞬顔がこわばった後、すぐにそらす様に目を伏せる。

間違いない。こいつ、Mr.ムーンライトが見えてる。
一人ってのは面倒くさいな。
今まではツレと一緒だったとかで
自由にスタンドを出して動けないところを狙ったからなあ。

でも・・・・、やるしかない!!!!

俺はリフティングでかなりの破壊力のたまった衝撃を
彼女に向かって蹴ろうとした。


ドギューンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!


208 :915:2006/02/06(月) 20:09:58.80 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むB〜

「グハッ!?」

突然背中に焼ける様な感覚が拡がる。
しまった・・・・・・・・・・

俺が後ろの方を向くと、
さっきまでUFOキャッチャーをしていた大学生くらいの男の側で
銃のようなものを握りしめたスタンドが立っていた。

まさか、こいつもスタンド使いだったとはな・・・・
栄高の制服着てるヤツしかチェックしてなかったよ。
でも考えたら「栄米大付属」高校なんだし、
浜崎あゆみは栄米大の学生なんだから
大学生が仲間になっていも不自然じゃないか・・・・

バシュバシュバシュッッッッッ!!!!!

続けて連弾をくらう。


209 :915:2006/02/06(月) 20:10:26.60 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むC〜

ドウッ!!!!!!

俺はその場に倒れた。
男と、そして栄高の制服を着た女が歩み寄ってくる。

やべえ、完全に読まれていたよ・・・・・・・
罠にはまっちゃったかな。意識が遠くなる・・・・

「ヴザゲタゴドゥジデグリヅヨナ、オンドゥル・・・」

もうろうとした意識の中で
そう言いながら男のスタンドが俺に銃を向けたのが見えた。
けど、もう何言ってるかすらわかんないや・・・・・・・
やられるな、こりゃあ・・・・・・・・


262 :915:2006/02/07(火) 20:56:20.97 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むD〜

その時だった。

ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!

シャアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!!

突然火災警報機が鳴り響き、スプリンクラーから水がまき散らされ始めた。
俺に近寄ろうとしていた男も、栄高の制服を着た女も、
そして遠巻きに倒れた俺を見ていた他の客も
何が起こったのかと天井を見上げた。

ザシュッッッッッッッッ!!!!!!!!!
「うぐッッッ!!」
その隙に男のスタンドの銃を持っている手に何かが刺さり、男がうめき声を上げる。

「今の内に逃げるわよ!」
誰かが俺の身体を起こす。キンキンした甲高い声が俺の意識を取り戻させる。
俺が顔を見ると、見飽きるくらいに見慣れた顔がそこにあった。

「ちっ、余計な事しやがって・・・・」
「あら、じゃあ助けなければ良かった?置いていこうか?」
「冗談です・・・」
「よし。肩につかまって!!」
「ごめん・・・・!」


263 :915:2006/02/07(火) 20:56:52.64 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むE〜

「逃がすか!!」
「待て!!」
さっきの男女が俺たちを追ってくる。

「チャーミング・フィンガー!!」
こういうとき遠距離型のスタンドはありがたいな。
ザ☆ピースで二人を牽制している間に俺たちは
ざわめく店を出て駅の方に逃げていった。



「ここまでくればとりあえず大丈夫ね」
駅の地下街の一角で石川梨華は俺が肩にかけた手を外して
俺を地面に座らせた。
このあたりは閉店している店も多く、
ゴースト化してしまって人通りもほとんどない一角だ。


264 :915:2006/02/07(火) 20:57:30.03 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むF〜

「バカだとは思っていたけれど、
 ホントにここまでバカとは思わなかったわよ」
石川はあきれるような顔で言った。
「バカとは何だよ、バカ」
「バカにバカって言って何が悪いのよ、このバカ!!」
「バカバカ言うなよ!」
「何回でも言ってやりますよ!
 このバカバカバカバカバカバカ大バカ野郎!!
 アンタ、一人で栄高と闘うつもりだったの?」
「んなこと言ったってさ・・・・・・・・・」

なんて言いながらも頭がぼ〜っとしてきた。
やばい、さっきのダメージ結構あるかも。
いや、それまでの蓄積もあるか・・・・・・・・・・。

あぁ、ここまで一方的にやられて動けないのも
あのとき以来かも・・・・・・・


265 :915:2006/02/07(火) 20:58:04.99 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むG〜

俺が高1の初夏の事だった。
あの頃は顔をあわす度に真希と喧嘩ばっかりだった。

そもそもタイミングが悪すぎたんだ。
高校に進学せずにいた市井さんが家を出て行ったのがほんの数ヶ月前だった。

さらに輪をかけて「あの事件」で真希は身近な大切な人をまた失い、
くわえてその経緯から演劇部の「正義」に疑いを持つようになっていた。

そこへ・・・・

「演劇部員を増員する」
寺田のおっさんの発表はホントにいきなりだった。

そもそも、俺と真希がつきあってる事を誰にも秘密にしていたのは、
単純にみんなにはやし立てられるのが恥ずかしいって気持ちもあったけど、
それ以上に俺が「女子」演劇部にいる事と
演劇部が部員を募集していないという事が原因だった。


266 :915:2006/02/07(火) 20:58:37.01 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むH〜

普通、中学高校の部活で入部テストしたり人数制限なんて
全国大会に出るような強豪体育系クラブくらいなもんで
別に伝統も実績も無いうちの演劇部が
入部を拒否してるなんて異例中の異例だったんだ。
もちろん入部したい生徒から不満の声もあったけれど
寺田のおっさんは俺や石川たちの入部以降は部員の増員はしなかった。
学校も何故か寺田のおっさんの言いなりだったし。
山崎学園長や瀬戸校長あたりが寺田先生に弱みでも握られてるんじゃねえ?
そんな根も葉もないウワサがまことしやかに囁かれていたくらい。

そうなるとやっぱり俺の存在が目立ってしまう。
女子限定、しかも部員数を限定しているクラブに
何故男の俺が入る事が出来たのか?

それは学校中の関心事だった。
おかげで俺は好奇の目に晒されたし、
友達連中にからかわれる対象になった。
俺だから良いものの、ちょっと弱気なヤツなら
速攻でいじめの対象になっていただろうな。

もちろん、演劇部が普通の部活じゃないことを
部員なら知っているが、そんなことを説明出来るわけがない。

そんな中で演劇部員とつきあってるなんてバレたら
それこそ何言われるかわかったもんじゃない。
だからこそ(真希はオープンに出来ない事を不満に思っていたけれど)、
二人がつきあっている事は部員にすら隠す事にしていた。


345 :915:2006/02/08(水) 23:09:28.70 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むI〜

そんな状況だったので、
演劇部の今までの方針を覆すおっさんの発表には俺もびっくりだったし、
部員みんなもどういうつもりなんだろうってウワサしあっていた。

その中で真希が大反対したのは当然だった。
「あの事件」によって、「正義」という信念に揺らぎが生じていた真希は
「スタンド使いは不幸しか呼ばない」と思うようになっていた。

たしかにスタンド使いにさえならなければ、不必要な闘いにも
巻き込まれずに済んだかもしれない・・・・

でもそれじゃあ悪のスタンド使いから誰が街を守るんだ・・・・

そもそもスタンド使いがスタンド使いを呼ぶんだ・・・・

俺と真希は二人になるといつもそんな話になってしまっていた。

そして言い争いの最後にはいつも
「私が演劇部を辞めたらよっすぃ〜も辞めてくれる?」
という真希の問いと、返答出来ずに言葉を濁す俺だった。

会うたびに二人の心がずれていくのが実感出来た。
俺たち別れちゃうのかなあ・・・・ってなんとなく実感している自分がいた。



346 :915:2006/02/08(水) 23:10:07.89 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むJ〜

悪い事は重なる。

ついさっき、サッカー部の練習が終わってから、
寺田のおっさんに呼び出されて言われた言葉に俺は愕然とした。

「この二人、どっちかの二次審査をしてほしいんや」
そう言って寺田は写真付の履歴書を差し出した。

つまり・・・・、この写真に写った二人の少女は
すでに一次審査をパスしていると言うことだ。
俺は「考えさせてください」としか言えなかった。

「はぁ〜・・・・」
すっかり遅くなった夜道を歩きながら思わずため息が出る。
この仕事引き受けたら、真希は怒るだろうなあ・・・・・。
確実に別れる事になるだろうなあ・・・・・・・・。
もう、真希と一緒に演劇部を辞めた方が楽かもなあ・・・・・・。
でも俺だって何も知らないで入部したけれど、
先輩たちが正義の名の下に闘う姿はあれはあれで憧れたわけだし・・・・・・・・・。


347 :915:2006/02/08(水) 23:10:40.29 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むK〜

歩きながら、部活中のチェックしてなかったなと思いだし、
自分のサッカーボールを脇に抱えて、ポケットからケータイを取り出す。

着信一件アリ。

「はぁ〜・・・・」
もう一度大きなため息をついてから電話をかける。

プルル、プルル、ピッ

『もしもし?今何やってたの?どこ行ってたのよ』
「今部活終わったところ・・・」
『ウソだ・・・ま、いいけどね。今からバイト行くところ。忙しいんだから、切るね』

ツー、ツー、ツー・・・・・

なんだよ、自分から電話しておいて・・・・。
まぁ寺田のおっさんから指令受けたなんて
今の真希に言えないからウソついたって言われたらウソだけどさ、
真希だってバイトなんかしてないじゃん・・・・・・。

「あ〜あ」
一人つぶやくとケータイをポケットに入れた。


348 :915:2006/02/08(水) 23:11:14.20 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むL〜

その時だった。

「キャ〜!!!!!!!」

女の子の悲鳴!!!
俺は思わず悲鳴の方向に走り出した!!!
すぐ近くの空き地の辺りだ!!!

走っていった俺が見たのは
学ラン風の服を着た男が引き絞った弓矢の先が
うちの学校の制服を着た女の子に狙いをつけているところだった。

「やめろ〜!!!!!」
俺は反射的に手に持っていたサッカーボールを男に向かって蹴った!

「うぐッ!!!!」
ボールは矢が放たれるより前に男の手に当たって大きくはねた。
俺が命知らずにも走っていく途中、女の子は通り魔に襲われた恐怖からか、
気を失って足下から崩れ落ちるように倒れた。
俺は女の子をギリギリでキャッチする。

「テメエッ、何やって・・・・・!!!!!」
女の子を抱きかかえながら男を見て俺は愕然とした。


349 :915:2006/02/08(水) 23:11:48.91 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むM〜

男が手に持っていたのはいかにも古めかしい弓と矢だった。
デザインとか全然違うけど・・・・・・、でも・・・・、あの『弓と矢』だ!!!

「なッ????????」
俺は一瞬混乱する。
ばかなッ!『弓と矢』は寺田のおっさんが・・・・・

そう、俺はさっきミスムンのスタンド攻撃ではなく
普通のサッカーボールを蹴って男の邪魔をした。

無意識にだったけど、やっぱりスタンドとは関係無い話だと思ったからかもしれない。
普通にただの通り魔が愉快犯的に弓矢で女の子を狙っている、そう思ったんだ。
まさか他にも『弓と矢』があるなんて夢にも思っていなかったから!!

だが・・・・、男が持っているのはまぎれもない、あの『弓と矢』だ!!!
複数存在するということなのか!!!!!

「邪魔をするな。まぁオマエでも良いんだがな・・・・・」
男はそう言いながら『矢』を引き絞った。俺を狙っている!!!

これがあの『弓と矢』ならそれを持っているこの男もおそらくスタンド使いだ!!
出さなきゃやられる!!!!!!


350 :915:2006/02/08(水) 23:12:30.77 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むN〜

「う、うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!Mr.ムーンライト!!!!!!!」
俺はミスムンを出現させると同時に衝撃を男にけり込んだ!!!

ボゴッ!
「ぐほッ!!!!!!!!!!!」
見えない衝撃は男のみぞおちに直撃した!

だが・・・・、あわてて出したから衝撃はイマイチだ。
男は一瞬のけぞり、そしてみぞおちを押さえながらうめいた。
「オマエ、スタンド使いだったのか・・・・・・・・・・」

敵のスタンド攻撃が来る!!俺はミスムンを身構えさせる。
だが、敵スタンドは現れない・・・・

「?」
一瞬油断したその時だった。

ピスピスピスピスピスピスピスピスピスピスピスピス!!!!

「なッ!!!!????」
手や足に細かい傷がつく!まるで針に刺されたようなこのダメージ!!
「ぐわぁッッッッッッッッッ!!!」


351 :915:2006/02/08(水) 23:13:05.81 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むO〜

ばかなッ!!!
敵スタンドはまだ姿を見せていないはず!!!!

そう思いながら俺は目をこらして、そして敵スタンドの正体がわかった。
「何だ、こいつら!!!!」

男の足下には小さな人形の兵隊やおもちゃの戦車が
幾何学模様のようにきれいに並んでいた。

いや、人形じゃない!これがヤツのスタンドか!!!!
複数個体のスタンドというのもあると聞いたことあるけれど、
こいつがそのタイプなのか・・・・・・

「どうやらオマエも俺が求めるスタンド使いじゃなかったらしい・・・
 それなら・・・・オマエに用はない」

男がすごむ。

「だから死ね」

男は冷たく言い放った。


409 :915:2006/02/09(木) 21:22:47.95 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むP〜

この目は・・・・何か強い目的があって、その目的の為なら殺人も厭わない目だ!!!
やらなきゃやられる!!!!

「ふざっけんな〜ッッッッ!!!!!!!!
 HEY!!!!! LET'S HAVE A DANCE!!!!????」
一気にカタを付けてやる!!!!!
俺は今度こそちゃんと作った衝撃を
敵スタンドたちの頭を飛び越えて本体の顔面に向かって蹴った!!
ヤツにはこの衝撃は見えないはず!!!

ところが・・・・

パパパパパパパパパ、パシュウウウウウウウウ!!!!!!

兵隊たちは一斉に銃を空に向かって乱射し始めた。。

ドグオォォォォォォォンンンンッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

俺が蹴った衝撃は途中で爆発したようだ・・・・

「バカな!?」
「オマエの能力はその見えない何かによる遠距離攻撃か。
 しかし戦車7台、戦闘ヘリアパッチ4機、歩兵60名!
 このバット・カンパニーの前では無力!!!!」
男は不敵に笑う。そして・・・・・・・


410 :915:2006/02/09(木) 21:23:33.80 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むQ〜

首筋に何かが触った感触のあと、耳の辺りを激しい痛みが襲う!!
「ぐあッ!!!て、てめえッ!!!!」
いつの間にか、俺の身体を兵隊が登ってナイフを突き立てていた!!!
俺はよろめきながら兵隊をミスムンで叩きつぶした。

「ふん、一体くらいでは何ともないのだよ。そして・・・・」
俺はふらふらとよろめいて、倒れない様に右足を踏ん張った。

ドゴォッッッッッッッ!!!!!!!
突然その右足の足下から小さな爆発が起こる。

「うぐッ!」
俺は今度こそ倒れ込んだ。
地雷を仕掛けてたとは・・・・・・・・・・・・・・・・。

こいつのスタンド、攻撃の一つ一つはダメージも小さいが
それだけに数でこられるとそうとう強い!!!!!!

ヒューンッッッ!!!!!!!!
ボゴオオオオオッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!

倒れ込んだ俺に次々と戦車の砲撃がヒットする。

411 :915:2006/02/09(木) 21:24:03.00 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むR〜

バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ・・・・・・・
今度は上空から軍用ヘリがやってきた。アパッチってヤツか・・・・・・

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッッッッ!!!!!

ヘリからの集中攻撃を食らった俺は声をあげる事も出来ずに
その場でダメージを食らい続ける。

マヂやべえ・・・・・・・。こいつ強いわ・・・・・・・・・・・・・。

俺は立て続けに攻撃を食らって意識がもうろうとしてきた。
そしてその視界の先には俺に迫り来る兵隊たち・・・・・・・・・

その時だった。
「う、う〜ん・・・・・・・・・」
俺が倒れている近くから別の声が聞こえた。
女の子の声!!!

やばい!さっきの女の子が気がついたか・・・・!
今気がついても狙われるだけだ!
頼む、このまま寝ていてくれ・・・・・・・・・・!!!!


412 :915:2006/02/09(木) 21:24:43.43 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩むS〜

俺の願いもむなしく彼女は身体を起こして辺りを見渡した。
「あ、あれ、なんでこんなところで・・・・・・・
 そういやたしか・・・・・・・・・」
そう言いながら女の子はゆっくりと周りを見渡した。

倒れている俺と目があって女の子の動きが止まる。
「な、何これ・・・・・・・」
「に、にげ・・・・」
「このちっこい人形はいったいなんね?」

!!!!!!!!!!

ば、馬鹿な・・・・・・・・・・
『矢』で射抜かれる前に俺が助けたのに、
この子は何故スタンドが見えてるんだ・・・・・・・・???

「どういうことだ?オマエもスタンド使いだと言うのか?」
男も女の子の言葉を聞き逃さなかったようだ。
「ならば、そのスタンド能力見せてもらおうか!」

俺に迫っていた兵隊たちの一部が突然女の子の方に進軍し始めた。

「あ、あ、あ・・・・・・・・・・」
女の子は恐怖に震え始める。


413 :915:2006/02/09(木) 21:25:14.12 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む21〜

「さあ、見せてみろ!オマエのスタンド能力を!!!!」
男の声とともに、軍用ヘリが女の子に向かって急降下した。
さっき俺がやられたミサイルが来る!!!!
さらには兵隊たちも女の子に迫る・・・・・!!!!

「きゃあ〜ッッッッッッッッッッッ!!!!!」
「や、やめろ〜ッッッッッ!!!!!!!」
女の子と俺の悲鳴が重なったその時・・・・!!!!

ボコッ!!!!!!!!

突然地面が大きくへこみ、そのくぼみに兵隊達が落ちていく!!!

「なんだ!!!???」

そして、今度はまるでその反動のように、
くぼみが大きく隆起して地面がせりあがった!!!!

ドグシャアーッッッッッッッッッ!!!!!

次々と吹っ飛ぶ兵隊達!!!さらに隆起はヘリに直撃!
ヘリはバランスを失って墜落する!!!!

「うごぉおおおおおおおおお!!!!!!」
何十人もの兵隊がやられたからだろう、
男も兵隊達につられるように、何メートルか吹っ飛んでいた。
これは・・・・・、この子のスタンド能力か????


489 :915:2006/02/10(金) 23:05:51.90 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む22〜

一方の女の子は・・・・・・・・
「な、なんか悪い夢やよ、これは・・・・
 う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言ってまた気絶してしまった。

男はさすがにダメージを負ったようだ。
しかし致命的ではないようで、フラフラとしながらも立ち上がった。

「少しびっくりしたぞ・・・・・・・・・・。
 だが、まだスタンド使いとして目覚めたばかりのようだな・・・・・。
 しかし・・・・・、この街には俺以外にも『弓と矢』を持ってるヤツがいるという事か?」
そう言ってから俺をにらんだ。
「オマエも何か知っているようだな。
 二人ともすべてしゃべってもらおうか・・・・・・・・」

女の子の方に進軍しなかった兵隊達が俺を取り囲む。
なんとかしなきゃ・・・・・・・・・・

男が迫る。その時・・・・・・・・・・!!!!!

「相変わらず派手にやってるじゃん」

男の後ろの方で女の声が聞こえた。


490 :915:2006/02/10(金) 23:06:23.74 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む23〜

「ちっ、またキサマか・・・・・・・・」
男が舌打ちしながら振り向いた。

見た目からして派手な女だった。
春先の、しかも夜だというのに
派手な毛皮を着てサングラスをしている。

あれは・・・・・・、どこかで見たことあるぞ・・・・・。
たしか、小室学園とやり合っていた時に・・・・・・・・・・・。

「浜崎って言ったな。
 人間、長生きする方法って知っているか?」
男が口を開いた。
そうだ、栄高の浜崎あゆみだ!
あのとき高校3年だったからもう卒業しているはずだけど・・・

「さあ?」
「簡単な事だ。自分より強いヤツと戦わない事さ」
「ふ〜ん。あゆはアンタより強いから関係ない話だね」
「いいや、関係あるぜ。俺が逃げるんだからな・・・・・・・・・!」

なんだ?この二人、今までにもやりあっているのか?


491 :915:2006/02/10(金) 23:07:06.61 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む24〜

「また逃げる気?いい加減相手してよ〜」
「それよりもどうだ?こいつらもスタンド使いなんだ。
 どうやら俺以外にも『弓と矢』を持っているヤツはいるみたいだぜ?」
「知ってるよ。でもそっちよりアンタの方を狙う方が楽なんでね〜」

何だ?この二人何を言ってるんだ?

「ちっ、仕方ないな・・・・・・・・」
男は戦車とアパッチを前に出して浜崎あゆみの方に向けた。

「そんなのがアタシに効くと思ってんの?」
浜崎あゆみは自分のスタンドも出さずに
ポケットに手を突っ込んで悠然と立っている。

「その余裕の態度、気に入らないな・・・・・・・・。
 FIRE!!!!!!!!!!!!」
男のかけ声とともに次々と砲撃が開始された。

ヒュー!!!!!!!!!
ドガドガドガドガドガドガドガドガッッッッッ!!!!!!!!

浜崎あゆみに次々とミサイルや砲撃が命中し、白煙が舞い上がる・・・・

あれだけ集中砲火を食らえば・・・・・・・・
そう思っていると煙が晴れてきた。


492 :915:2006/02/10(金) 23:07:59.01 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む25〜

「えぇ????」
俺はびっくりした。浜崎あゆみは相変わらずポケットに手を突っ込んだまま
一歩も動いていなかった。
あの攻撃を無傷とは・・・・・・・

だがそれよりも・・・・・!!!

「ちぇっ、目くらましか・・・・・・」
浜崎あゆみは残念そうにつぶやいた。

そう、男は白煙に乗じて逃げていた。
どうやらこれが目的だったようだ。
煙幕弾を発射していたらしい・・・・・・・・・。

俺を取り囲んでいた兵隊たちも消えていく・・・・・・・・・。

「ふぅ・・・・・・」
俺は身体を起こして一息ついた。
しかし安心するのはまだ早かった。
浜崎あゆみが俺の方に近づいてくる・・・・・・・。


493 :915:2006/02/10(金) 23:08:40.99 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む26〜

浜崎は俺の前で止まって俺を見下ろした。

俺はスタンドを出して身構える事も出来ない。
座り込んだままの状態で浜崎あゆみを見上げる。

「アンタ、弱いね」

なッッッッッッッ・・・・・・・・・・・

浜崎の一言に俺は何も言えなかった・・・・・・。

「アンタみたいな奴らばっかりなら虹村つけねらうより
 『つんく』の演劇部を狙う方が楽かな〜。
 まあせいぜい鍛えるんだよ、演劇部さん」

そういうと浜崎あゆみは俺を背にして歩き出した。

一体あの男と浜崎あゆみとうちの演劇部に何の関係が・・・・
いや、それより・・・・・・・


494 :915:2006/02/10(金) 23:09:29.12 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む27〜

真希と言い争いしている時には
スタンド使いだからこそ悪から人を守れるんだと主張していた。
だけど、弱かったら何も守れないじゃないか・・・・・・・。
力だけが正義とは思わないけれど、
力が無ければ正義を貫き通す事も出来ないじゃないか。
現に今、浜崎あゆみが乱入したから助かっただけで、
実際はおれはこの子を守れなかった!!!!

激しい自己嫌悪に襲われながら女の子を見た。

「あっ!!!!」
びっくりして思わず声をあげてしまった。
女の子はついさっき、寺田のおっさんに見せられた
写真の子の一人だったんだ。

なんてことだ・・・・・・・・・・・。
まさか、あの男に『弓と矢』で狙われていたこの子は
今日、寺田のおっさんに『矢』で射抜かれたばっかりだったんだ・・・。

じゃあもしかして、もしも俺や真希が入部審査の事を事前に知って
寺田のおっさんを邪魔したとしても
結局この子は『矢』で射抜かれる運命だったんじゃないのか?
この子はスタンド使いになる運命だったんじゃないのか?


495 :915:2006/02/10(金) 23:10:27.18 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む28〜

そういや、返事を渋る俺に寺田のおっさんは写真を俺に見せながら言っていた。

「後藤とか反対しとるけどな、こいつらがスタンド使いになるのは運命なんや。
 俺がスタンド使いを増やそうと思ってるんやない。
 『弓と矢』の意志が選んでいるだけで、人に、その意志に逆らう力は無いんやで」

それが運命という事か。

真希が言うとおり、スタンド使いがスタンド使いを呼んで争いになるのが運命だとしても、
スタンド使いになることも避けられない運命。

それなら・・・・・、俺も、他の部員も、この子も、これから入ってくるヤツも、
逃げる事は出来ないんだ!闘わなきゃ生き残れないんだ!
そして、生き残るためには強くならなきゃいけないんだ!!!

正義?生き残らなきゃ、勝たなきゃ正義も遂行出来ないだろ?
力のない正義なんて正義じゃないんだよ!!!


553 :915:2006/02/11(土) 20:42:27.90 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む29〜

俺はポケットからケータイを取り出してボタンを押した。

プルル、プルル、ピッ

『もしもし、どないしたんや?さっきの話考えてくれたんか?』
「えぇ、その話なんですけど、
 実は今ちょうどそのうちの一人の二次審査終わりました」
『な、なんやて????』
「能力的には充分魅力です。
 これから鍛えればきっと強くなりますよ」
『そ、そうか。何があったんかしらんけどおおきにな。
 で、どっちの方や?』
「高橋って子ですよ。
 あ、あと、もう一人の新垣って子の二次審査も俺が引き受けますよ」
『なんや、えらいやる気やなあ・・・・・・・。
 まあそう言ってくれるならありがたいわ。よろしく頼むで』
「はい・・・・・・・・・・」

ピッ


554 :915:2006/02/11(土) 20:43:05.73 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む30〜

このままにしておけないから、俺は自分の身体にむち打って立ち上がると、
女の子を器用に自分の背中におぶって歩き始めた。
う〜ん、細身の子だけどさすがに重いな・・・・・・・。

「う、う〜ん・・・・・・・、あれ?」

しばらく歩いていると女の子はやっと目を覚ました。

「あ、アンタなんやの???一体・・・・?????」
「おはよう・・・・・」
「あれ?たしか変な男に弓矢で・・・、おもちゃの兵隊が歩いて・・・」
「何寝ぼけているんだよ。
 君がフラフラ歩いているから危ないなぁ、どうかしたのかなぁって思って
 俺が近づいたらその場で倒れたんだよ。
 貧血でも起こしたんじゃないのかい?」
「え、そうなんや、夢でも見てたんかいな」

信じちゃったよ、この子・・・・・。単純だなあ。
別に演劇部に入るんだから真相話しても良いやと思いつつ
とりあえず適当にウソついてみただけなのに・・・・


555 :915:2006/02/11(土) 20:43:46.74 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む31〜

「あーッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「な、なんだよ、耳元でいきなり叫んで!」
「アンタ、知ってるやよ!!!高等部の吉澤さんやね!!!」
「そうだけど、俺ってそんなに有名?」
「演劇部の吉澤ゆうたら超有名やよ!!
 男なのに女子演劇部に入っている超女ったらしだって!」
「最後のはウソだよ・・・・・・・・・・・・・」
「あっし、宝塚に憧れとってね、前から演劇部に入りたかったんやよ。
 で、やっと寺田先生に入部のための面接受けさしたるゆわれて、
 今朝面接やったんやよ。あ、そういや今朝も記憶無くしてるんやったわ。
 やっぱり朝メシ食べんとダメやね」
「あっ、そう・・・・・」
なんかなまりまくりの子だなあ・・・・・・

「なんかわからんけどまた審査あるんやて。
 もし受かったら先輩になるわけやね」
「あぁ、もうそれは良いよ」
「へ?」

女の子を背負って歩きながら思う。
これで・・・・・・、真希と別れるの決定だな・・・・・・・・。

「っていうか、いい加減降りてくれないかな?」
俺は高橋という名の「後輩」にお願いした。


556 :915:2006/02/11(土) 20:45:21.83 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む32〜

そうだ、あのとき俺は誓ったはずだ。

寺田のおっさんの思惑なんてわかんない。
でも・・・・!!
俺はスタンド使いになることは避けられない運命だから
スタンド使いの存在を否定する真希と別れてまで、
自分と演劇部員が勝ち残るように、強くなる事を誓ったんだ。

「よっすぃ〜!よっすぃ〜!」
石川の声が聞こえる。

「あ、あぁ、大丈夫だよ・・・・・・」
俺は石川に返事してからヨロヨロと立ち上がった。
「ちょっと!まだ無理しちゃ・・・・」
「平気だって。それより、なんであんなところにいたんだよ?」
「栄高に通ってる友達がね、
 ここ数日、栄高の生徒が通り魔に襲われているから
 気をつけろって学校から注意されたって言ってたのよ。
 そこにきてよっすぃ〜の様子が変だってコンコンに言われて、それでね。
 アンタの考える事なんてお見通しよ。
 どうせ一人で、少しでも多く栄高のスタンド使いを倒そうなんて思って
 S市の繁華街あたりで暴れてるかもと思って来てみたら案の定よ」


557 :915:2006/02/11(土) 20:46:18.77 0
銀色の永遠 〜吉澤ひとみは思春期に悩む33〜

「はは、通り魔はひどいな・・・・」
まあ自分でも思っていたけどね。

「とりあえず怪我もひどいから帰ろう?」
「あぁ、でもそういう訳にはいかないらしいぜ・・・・・」
俺は向こうから歩いてくる二人組に目が留まって言った。

「あれは!!!!!!」
「見つけられたみたいだぜ。
 わりーけど、今の俺一人で二人倒すの無理だから
 手伝ってくんねえかなあ?」
「よっすぃ〜、アンタって人は・・・・」




「今さっき連絡がありました。
 吉澤に深手を負わせたところで石川が乱入してきて二人は逃走、
 現在追いかけているらしいです。
 あの子の能力があれば見つけるのは時間の問題かと」
「ふ〜ん。で、ちゃんと伝えてあるよね?」
「はい、吉澤は生け捕るようにと」
「うん、吉澤なら人質として交渉材料になるからね」


TO BE CONTINUED…