484 :610:2005/12/04(日) 14:37:54 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜@

杜王港沖約20km
AM1:00
その夜季節外れの嵐が通り過ぎ、波は穏やかな表情を見せていた

バラララララ・・・・・

しかしその静寂を破るように2機のヘリのライトが海上を照らす
「ダメです!発見できません!」
「本部からの連絡はまだか!?」
「くそッ…なんて事だ!!取り返しの付かない事になるぞ…!!」


「うぃ〜、ちょっと飲みすぎてもうたな〜」
杜王駅前、千鳥足の男が1人
「まあたまにはええやろ、しかし今日の女の子はイマイチやったな〜
せっかくこの寺田が盛り上げようとしとんのに、全然ノってけえへんし
…まあ、今日はおとなしく帰って寝るか」
この男、寺田光男は合コン帰り、どうやら今日は収穫無しだったようだ

「お、なんや?」
寺田が路地裏に差し掛かったとき建物の間に人影が見えた
数人の男が何やら言い争っている

「おい、おっさん!何とか言えよ!」
「ふざけた格好しやがって…!俺らを馬鹿にしてんのか?」

よく見るとヤンキー風の二人組が1人の男に絡んでいるようだ
(ただのケンカか…。ん!?なんやアイツ…!?)
通り過ぎようとした寺田だが思わず足を止める
絡まれている方の男が『奇妙』なのだ


485 :610:2005/12/04(日) 14:39:25 0
何が奇妙かと言うと、まず『裸』なのだ
腰みののような簡単な布一枚しかつけていない
そして髪はボサボサで肩辺りまで伸び、身長2mはある巨躯だ

「なんとか言えッつってんだよ!」
ヤンキーの1人が大男に殴りかかる
大男は微動だにしない

スカァッ!!
しかし男の拳は空を切った
「え…?なんで俺のパンチがはずれるんだ?」
確実に捕らえたと思っていた男は困惑する
「おい…おまえの手…!?何だそれ?どうした!?」
もう1人の男が相棒の『手』を怯えた様子で見ながら言った

「なッ!?おッ俺の手がァ〜〜〜〜ッ!!??」
殴りかかった男の手は手首から先が無くなっている!
次の瞬間!

ガバアァァッ!!!

大男がヤンキー二人を抱きかかえるように自分の身体に押し付けると
ヤンキーの身体は大男のボディに飲み込まれていく!


486 :610:2005/12/04(日) 14:40:42 0
(なッ…なんやとッ!!?)
ヤンキー二人は跡形も無く大男の身体に吸収されてしまった

(こいつスタンド使いかッ!?しかしスタンドの像らしきもんは見えなかったで…!)
建物の影でじっと大男を見つめる寺田…
すると大男がゆっくりとこっちを振り向く
(な…なんやコイツは〜〜〜〜〜〜ッ!!??)
正面から顔を見て寺田は気付いた
大男の額には小さな二本の角らしきものが生えている!

「そコニも…ダレカ…イるな…」
大男はそう囁くとゆっくりと寺田に向かって歩き始めた…!


525 :610:2005/12/04(日) 23:36:39 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜A

(む…向かってくるッ!どうする!?)
「クッ!」
寺田は男に背を向け一目散に逃げ出した
入り組んだ路地裏を縫うように走る!
(もし俺の予想が当たってるとしたら…アイツは…!もしそうだとしたら
今ここで戦うのは得策やあらへん!)

ズゥン!!

逃げる寺田の前に空中から男が降り立った
「こいつッ…建物を飛び越えて来たんかッ!?」

「おマえも…いたダクとシよう…」
男が手を伸ばす

「俺を食うやて?やれるもんならやってみろや…!!」
寺田の顔付きが変わる!!

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ・・・

「いたぞッ!!奴を発見したァ―――――ッ!!!」

ピカアァッ!!!
突如激しい光が寺田と男を照らす
「なんやッ!?」
「ヌウウウウウウウッ!!!??」
バシュウッ!!

光を浴びた大男は飛び上がり、建物の壁、屋根をひとっ跳びにして去っていった


526 :610:2005/12/04(日) 23:38:00 0
「大丈夫ですか!?ケガはッ!?」
二人の男が寺田に向かって駆け寄ってくる
「ああ、大丈夫や」
その男達は揃いの制服に身を包み、大型の銃のような物を持っている
さっきの光はその銃から発せられた物のようだ
そしてその胸には『SPW』の文字が入ったバッジが光っている

「本部に連絡するんだ…やはり奴は上陸していた!」
「わかりました、今すぐ連絡を…」

「ちょっと待ちや」
携帯を取り出した男を寺田が制止する
「あんたら、もしかしてスピードワゴン財団の人間か?」

男は少し驚いたような表情を浮かべた
「は…はい、よくご存知で…。あなたケガが無いのなら早くここから立ち去った方がいい。」

「今から応援を呼ぶ気なんか?さっきの化け物を捕まえるために?」
「…そうです。奴は一刻も早く捕獲しなければ…」
「応援はいつ来るんや?」
「本部があるのはアメリカのダラスです…専門の武器や人員も必要ですから
最低でも二日はかかるかと…」
「ふぅん…ほんならその仕事俺に任せてくれへんか?」


527 :610:2005/12/04(日) 23:39:00 0
「「はァ!?」」
二人の男が同時に声を上げる
「何言ってるんだあんた…おい、早く本部に連絡しろ!」
「あ、はい…!」
男は再び携帯を取る

「『柱の男』は『波紋法』でしか倒せない」

「なッ!!」
「えッ!!」
寺田の言葉に動きが止まる男たち

「あ…あんた、なんでそのことを…!?」
「やはりなぁ…、いや俺もそんなに詳しい訳や無い。
それより応援が来るまでの間あいつをほったらかしにしとくわけにもいかへんやろ、
あんたらの中に波紋を使えるモンはおんのか?」

「い…いやそれは…」
「なら決まりや、俺の知り合いにはおんねん『波紋使い』が…
応援が来るまでの間だけでも俺に任せてくれや…!」


528 :610:2005/12/04(日) 23:39:57 0
―「『柱の男・サンタナ』は今から50年ほど前に一度復活し、一人の波紋使いに
よって封印されて以来、我々SPW財団が管理してきました、しかし日光で石化
した柱の男は完全に消滅させる事が出来ないのです。紫外線照射装置による管理を
続けてきましたが、人工的に作った紫外線ではいつ復活するかわかりません。
そこでサンタナを完全に消滅させる為の研究を最新設備の整った東京支部で行う事に
なったのです。しかしその輸送中、予想外の嵐に遭い輸送船への落雷で電気系統が
故障、紫外線照射装置も止まりサンタナが復活することになってしまったのです―

「なるほどなぁ…まあアイツならスタンドもあるし何とかなるやろ」
SPW財団の男の言葉を思い出しながら寺田は部屋でグラスを傾けた


778 :610:2005/12/10(土) 02:09:54 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜B

「よっしゃ!やってやるったい!」
ついにれいなの時代がやって来たんじゃなか!?
なぜって寺田先生から指令が来たっちゃ!
しかもれいな1人だけが呼び出されて直々に寺田先生にお願いされた!
いつもは紙切れに指令だけ書いて渡されるだけなのに…

なんでも波紋を使えるれいなしか今度の敵は倒せないらしい
そして今度はサポートなしのれいな1人での任務!
ついに寺田先生もれいなを演劇部のエースとして認めたとね?

でも先生なんか気になること言ってたなあ…
「田中ぁ、この任務はおまえ以外には任せられへんねん、おまえ以外だと奴に
触れられただけで死んでまうからなぁ…」


779 :610:2005/12/10(土) 02:11:10 0
どういうことやろ?
でも今回の任務はいつもとちょっと違うってことは分かった
なんでも今度の敵『柱の男』は数千年前からの人類の敵で遠い昔から波紋使いと
戦いを繰り広げてきたらしい
いわば波紋とはこいつらと戦うために生み出されたような物だったのだ

偶然身に付けた波紋にそんなルーツがあったとは!
いわばれいなは人類の救世主ってヤツ?
柱の男ねぇ…よく分かんないけどちょっと強い吸血鬼みたいなもんやろ?
「もう『吸血鬼しゅう』の時みたいな油断はれいなには無か!
覚悟するったい!『サンタナ』とやらッ!!人類はれいなが救うッ!!」

バアアアアアアァァァァァァァァアアアアアアン!!!!



780 :610:2005/12/10(土) 02:12:32 0
「こん辺りやね、先生がサンタナと出会った場所は…」
駅近くの路地裏、ここは街の中心に向かう方角ではないので夕方の帰宅時間でも
人通りは少ない
今は午後4時…なんら変わりない風景、人類を脅かす化け物が潜んでいるとは
とても思えない
太陽が出ているうちはやっぱりどこかに隠れているんだろうか?

「なんだこれ?」
しばらく路地裏をうろついていると不自然な光景に出会った
地面に服が落ちている、それも1人分ではなく何着ものシャツ、ズボンが
きれいにそろって…
…このへんに温泉でもあるとね?…いやいや、そんな訳無か
れいなはこの辺りを良く調べてみる事にした

建物の間の細い路地を歩く、そして幾つめかの角を曲がった時…
「な…!?」
な、何やこいつッ!?


781 :610:2005/12/10(土) 02:13:31 0
1人の大男がサラリーマンの顔を鷲掴みにしている!
いや、掴んでいるのではない!男の手はサラリーマンの顔に溶け込むように
同化している!!

ズキュウゥゥゥン!!

サラリーマンの身体はその男の手に吸い込まれるように萎んでいく!
そして着ていたスーツだけがバサリとその場に落ちた

こいつ…人間を食っとると!?さっきの服はこれだったっちゃ…!!
こいつが…こいつが闇の一族『柱の男』サンタナッ!!

サンタナの目がギロリとこちらを睨む
「サンタナッ!!このれいなが闇に葬ってやるったい!」


782 :610:2005/12/10(土) 02:15:05 0
「血だ…もっと血を…人間どもを数人食っただけではこの渇きは満たされん…」
およそ50年の眠りから覚めたサンタナは飢えていた

50年といっても彼らの感覚では普通の人間の一晩といったところだろう
主人達は目覚めただろうか?自分を封印した人間の男はまだ生きているのか?
サンタナの脳裏には様々なことがよぎったが、いまは空腹を満たす事が先決だった
「吸血鬼を作る石仮面…この世界にもあるはずだ、まずはそれを探すとしよう…」

ズキュウゥゥゥン!!

鷲掴みにした人間を手のひらから直接消化吸収する

「ん…!」
そのときサンタナの聴覚は小さな足音をとらえた
女だ、人間の女がこちらを見ている…まだ子供のようだ

「サンタナッ!!このれいなが闇に葬ってやるったい!」
その女が叫ぶ

サンタナ…そう言えば人間どもは自分をそう呼んでいたな…
この人間は自分を封印していた奴らの仲間だろうか?
まあいい、まだ腹は満たされていない、さっそくいただくとするか…!


916 :610:2005/12/13(火) 00:12:52 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜C

この化け物ッ!いま人間を手から吸収した!
寺田先生が言ってた「触られただけで死ぬ」とはこういう意味やったと!
やっぱコイツ人間じゃ無かたい…!なんか背筋寒くなってきた…

「ふふ…葬るだと…たかが人間がァ…」
サンタナが迫ってくる…!!!

でもれいなにはコレがある!コイツの弱点である波紋が…!
コオオオォォォォォォ・・・・!!
呼吸を乱すなッ!恐怖を我が物とするっちゃ!!

ブアォ!!
れいなに向かって伸ばされた手が空を切る!

遅いッ!コイツれいなをただの人間だと思って舐めとるなッ!
これはチャンスばい!

れいなは素早くサンタナの懐に潜り込んだ!
「くらえッ!!波紋疾走(オーバードライブ)ッ!!」
ズバオオオオォォォォォォォッ!!!!
波紋を込めた拳がサンタナの腹に突き刺さる!
「勝ったッ!任務完了ッ!!」


917 :610:2005/12/13(火) 00:14:06 0
!?
…いや、なんかおかしいっちゃ…、波紋の流れる感覚がいつもと違う…!?

「ムゥ…!?これは…!!」
サンタナがつぶやいた
「エッ!!!??」
こ…こいつ平然としている!?波紋を打ち込んだ箇所もなんともなってないっちゃ!!

バクン!!
突然サンタナの腹が花びらのように大きく開き、れいなの拳を包み込む!!
「うわあぁッ!!」
れいなは間一髪で拳を引き慌てて飛び退いた!!

ちょ、ちょっとタンマッ!!『柱の男』は吸血鬼と同じく『日光』と
『波紋』が弱点じゃ無かったと!?寺田先生ッ!!話が違うッ!!!

…あれ!?
バシュウウウウウウウ・・・・・・!!!

な…何やこれ!?


918 :610:2005/12/13(火) 00:15:14 0
サンタナの足元の水溜りが激しく弾けて飛沫を上げているっちゃ…!?
れいなの放った波紋がサンタナの体表を流れて地面に逃げているってことたい!!

「ほう…おまえもあの男と同じ、波紋と言ったか…呼吸のエネルギーを使うのか…
しかし、その程度では俺は倒せん…!!」
ダッ!!

またサンタナが突っ込んで来る!!
ヤ…ヤバイッ!!!どうすればいいっちゃッ!?

ゴオオッ!!
サンタナの拳が飛んでくる!!!

ドッゴオオッ!!!!
「ぐううッッ!!?」
とっさに両手でガードしたが思いっきり後方に吹っ飛ばされる!

クルッ…バッシイィ――ン!!!!
れいなはなんとか空中で体勢を立て直し、ビルの壁に『着地』した!
「うう…波紋でガードしたっちゃのにこの衝撃…!!き、効いたぁ〜」


919 :610:2005/12/13(火) 00:16:33 0
「吸収する事が出来ない…やはり俺とお前の身体は反発するようだな…」

反発する…!?そう言えばれいなは散々アイツに触れてるのに身体に取り込まれて
いないっちゃ…!!れいなの波紋は全く効果がない訳じゃなか!
なのにアイツにダメージを与えられないって事は…!

れいなの波紋が弱すぎるとッ!!??

「かかってこないのか?さっきまでの威勢はどうした…?人間…!」

「くっそ〜!言われなくてもブチのめしてやるったい!!」
きっとさっきは波紋の練りが十分じゃなかったと!!
渾身の波紋をお見舞いしてやるっちゃ!!
コオオオォォォォォォッ・・・!!!
「食らえッ!サンライトオレンジ…!!!」

ガッバアアアアアッ!!!!

なッ…何やとッ!!
突然サンタナの両の脇腹から何本もの槍のような突起物が飛び出した!!
そしてそれは鋏のようにれいなを左右から挟み込みに来るッ!!
これは…肋骨ッ!!??

うおおッ…ガードッ…!!!

バリバリバリ…バッシイィ――――――ン!!!!
なんとか防御したがまたしてもれいなは吹っ飛ばされた…!!

「な…なんて露骨な肋骨…たい…!!」


141 :610:2005/12/16(金) 22:51:52 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜D

「ううッ…」
れいなはさっきから波紋でガードしとるのに!アイツの身体にも波紋は流れているはず
たい!!なのに効かん!全く効かん!
「なんで効かんとッ!?吸血鬼とは全然違うやなかかッ!!?」

「吸血鬼などと一緒にするな…奴らは我らの食料に過ぎん…」

な…なんやとッ!!…ってことは

☆生き物強さランキング☆
柱の男(サンタナ)>吸血鬼(しゅう)>人間(れいな)

って事やなかッ!!??
生き物としてのレベルが違いすぎる――ッ!!

「諦めるんだな…人間」

サンタナが近づいてくるッ!!
ど、どうすればよか!?どうすればよかあああ!!?

サンタナの手がれいなに伸びる!

「うおおッ!!デュエル・エレジーズッ!!!」
バシイィッ!!!
発現したれいなのスタンド『デュエル・エレジーズ』の裏拳が
サンタナの手を弾き飛ばした!


142 :610:2005/12/16(金) 22:53:04 0
「ヌウッ!?」

波紋が効かんもんだから焦り過ぎて忘れとった!!
れいなにはコレがあったやなかか!スタンド『デュエル・エレジーズ』が!!

「なんだ…今のは?触れてもいないのに…」

やった!コイツにはスタンドが見えとらんばい!

ビキッ…ビキビキッ!
サンタナの手が徐々に石化していく
「これは…!?波紋でも太陽でもない…!なぜ俺の手がッ…!?」

相手はスタンド使いじゃないのにスタンドで戦うのは本来は気が引けるところやけど
コイツは人類にとってあまりに危険やけん…こんまま石になってもらうッ!!

ボキィッ!!ブチブチッ・・・!!



143 :610:2005/12/16(金) 22:54:08 0
「いいッ!!?」
れいなは仰天したッ!!
サンタナは石化し始めた自分の右腕を掴むと一気にもぎ取ってしもーた!!
これで確かに石化の進行は止まる…ばってんなんて奴たい!

くそッ!!これで一気に決めてやるたいっ!
「デュエル・エレジーズ!!!」
ドババババッ!!!!
れいなはデュエル・エレジーズのラッシュを見舞う!

ドシュウウッ!!!!
「えッ…!?」
外れた!?れいなのラッシュはサンタナに全てかわされてしまったと!!
コイツまさか避けたとッ!!?スタンドは見えんはずやのに何でッ!?

「はっきりとは見えんが…感じるぞ…お前のそばに何かがいるのを…」

サンタナ…こいつ…!見えとるッ…!!


205 :610:2005/12/18(日) 00:01:35 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜E

ブオッ!!
D・エレジーズの拳が空を切る!
やっぱりコイツ確実にD・エレジーズの攻撃を避けとるッ!!
まさかサンタナもスタンド使いなんか!?

「お前のその技…今までに見た事も無い技だ…人間め、波紋の他にもこんなものを
身に付けていたのか…」

いや違う!コイツはスタンドを知らんみたいやし、スタンドの像もはっきりとは
見えとらん!!超人的な感覚で感じ取ってるだけたい!!
そうか…!『柱の男』は人間を超えた生き物…、そして『スタンド能力』も人間を
超えた能力と考えれば、サンタナにスタンドが知覚できても不思議じゃなか…!!

「だが所詮はちっぽけな人間の能力…どおってこと無いなァ…!
ふふ…お前は人間の中でも特に栄養がありそうだ…必ず生きたまま食ってやる…」

ズギュウウン!!
サンタナの右腕が一瞬にして骨、筋肉、皮膚と元通りに再生されていくッ!!
バシィッ!!
「nyaaaaaaaaaaaa!!」
野良猫がサンタナの足に触れ、一瞬にして吸収される!

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド・・・

波紋もスタンドも通じんなんて…!!
コイツは人間やなか!吸血鬼でもなか!なんかとんでもない怪物ったいッッ!!!



206 :610:2005/12/18(日) 00:02:54 0
「D・エレジーズッ!!」
バキバキッ!!
れいなはその辺に生えていた『草』をちぎって石化させる!
れいなの腰辺りまであった鋭い葉っぱ、これで立派な『剣』になったばい!

コオオォ・・・
そしてその剣に波紋を流す!
やってやるったい!こんぐらいでビビるれいなじゃなかッ!!

「波紋&D・エレジーズ!!同時攻撃ッ!!!」

ドバババババババババババッ!!!!

D・エレジーズのラッシュとれいなの波紋剣がサンタナに襲い掛かるッ!!
「かわせるもんならかわしてみろコラァッ!!!!」

ドシュドシュドシュウウウッ!!!!

「ううッ!!?」
サンタナは人間の骨格では到底不可能な体勢で次々と攻撃をかわしていくッ!!



207 :610:2005/12/18(日) 00:05:30 0
「ふふ…」
こ…こいつ笑っとるッ!!れいなの攻撃をかわしながらッ!!
「この野郎ッ!!!」

ズドォッ!!!

れいなの剣がサンタナの腹に突き刺さった!!
やった!こんまま体内に直接波紋を流して…!
い、いやッ…!!

「さ、刺さっとらんと!!?」
剣の先端をサンタナの皮膚がゴムのように包み込んで…!!体内に刺さっとらんばい!!

ドボオォォッ!!!

「ぐッ…えッ!!!??」
サンタナの蹴りがれいなのお腹に…!!

「う…あああッ…!!」
ヤ、ヤバイッ…!!気を抜いたところにもらってしもーたッ…!!
サンタナが近づいて来とぅ…!!ヤバイ!立てんッ…呼吸が出来んッ…!!!

ブオッ!!
再びサンタナの蹴りがれいなに襲い掛かる!



208 :610:2005/12/18(日) 00:06:30 0
バチバチッ!!ドッゴオオオン!!

「ううッ…!!」
またしてもれいなは壁に叩きつけられる!

なんとか練れた波紋で蹴りはガード出来たっちゃけど…
「ハアーハアー…」
思えばこんだけ波紋を連続で使ったのは初めてやけん…!!
加えてさっきのお腹への一撃…呼吸が完全に乱れてしもーた…!
まさかアイツ…コレを狙ってれいなに散々攻撃させとったと!?

「そろそろ限界だなァ…人間…」

壁にもたれたまま動けんれいなにサンタナが近づいてくるッ!!
れいなを食うためにッ…!!

いや…!!これはチャンスばい…!!
ヤツの体内に吸収される瞬間、最後の波紋を振り絞って食らわしてやるったいッ!!
さあ近づいて来るとね…サンタナッ!!


253 :610:2005/12/18(日) 19:48:36 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜F

「ハア…ハア…!」
れいな自身があいつにわざと食われて!その時体内に直接波紋を流してやるたい!!
来いッ…!サンタナッ…!!

「どうした?もう終わりか人間…」
サンタナが壁にもたれて座り込むれいなにそっと手を伸ばす
波紋が放てるのは多分あと1回が限界だっちゃ…!!
まだたい…まだ波紋は使えん…!!

スウウ…

うう!?この異様な感覚…!!
サンタナの手がれいなの顔に溶け込んでいると…!!

「どうやら波紋とやらを発っする力も残っていないようだな…」
グイィッ!!
サンタナはれいなの片腕を掴み宙吊りにする

「では食ってやるとしよう!!」

ガバアアッ!!

サンタナの胸から腹にかけての部分が口のように大きく開いた!!
…さあやるっちゃ!!れいなをその中に放り込んだときがお前の最後ばい!!


254 :610:2005/12/18(日) 19:49:58 0
「ふむ…」

ドサリ!

え…!?
サンタナはいきなりれいなの腕を放し地面に落とした!
何しとるっちゃ!!コイツ…!?れいなを食うんやなかったと!?

ガシイッ!!

「ううッ…!!」
サンタナの足がれいなの肩を踏みつける!

「お前…わざと食われて俺の体内で波紋を使う気ではあるまいな…!?
死んだフリをしているのではあるまいな…?」

!!!!!!
なッ…!!バ、バレとるッ!!!

「二度と同じ手は食わん…!」

ギリギリギリ・・・
れいなを踏みつける足に徐々に力が込められていく!!

ゴキィ!!!

「うああああああああッ!!!」
れ、れいなの肩がッ…!!


255 :610:2005/12/18(日) 19:51:33 0
ガシイッ!!
さらにもう一方の肩もサンタナの足に踏みつけられる!!

コイツれいなを完全に動けなくしてから食うつもりたい!!
ヤバイッ!!波紋を使って脱出せんとッ!戦闘不能にされてしまうッ!!

「ぐううッ!!波紋疾走ッ!!」

バリバリバリィィッ!!!

れいなはサンタナの足に波紋を打ち込み、転がってその場を離れた!

「やはり死んだフリだったか…人間の考える事は一緒だな…」
サンタナは得意げにニヤリと笑う…!

「ハアッ!ハアッ!」
なんて用心深い奴たい…!!今ので最後の波紋も使い切ってしもーた…!!
ぜ、絶体絶命って奴ばい…!!!

「しかし人間のクセにしぶとい奴だ…!」
サンタナが向かってくるッ…!!

256 :610:2005/12/18(日) 19:54:13 0
「うおおッ!!D・エレジーズッ!!」

ドヒュン!!

だ…駄目たいッ!D・エレジーズの拳はサンタナにあっけなくかわされる!!

「いい加減うっとおしいぞ…原始人がァ…!!」

ズボオッ!!ズブズブ…!
サンタナの手がれいなの腹にめり込む!!

「あ…あ…!!」
「ふむ…どうやらさっきのが最後の波紋だったようだな…」

「う…わあああッ!!!」

バチィッ!

僅かな…本当に僅かな波紋を放ちれいなはサンタナから離れた…!
でももう身体に力が入らんばい…立っている事も出来んと…!!

ドシャアアアアアアアッ!!!

れいなは大きな水溜りの上に倒れ込んでしまった…!


257 :610:2005/12/18(日) 19:56:45 0
「力尽きたか…もうお前が余力を残していようがいまいが関係ない…」

ダンッ!!

サンタナが大きく跳躍した!

「これで終わりにしてやる…!!」

メリメリ…ガッバアアアアッ!!!

空中でサンタナの胸が大きく開く!!あの『露骨な肋骨』来るっちゃッ…!!!
ヤバイッ…!!どうやってもかわせんッ…!!!

イヤだッ!!絶対にこんなところで負けたくなかッ!!

「うおおおッ!!D・エレジーズ!!!」

バッシャアアアアアアアアン!!!!!!

D・エレジーズの手が水溜りの水を勢い良くすくい上げ飛沫を上げる!!

ビキビキビキィィッ!!!

そしてその飛沫は一瞬にして石化してゆくッ!!
まるで地面から突き出した『石の槍』のように!!


258 :610:2005/12/18(日) 19:57:41 0
「NUOOHHHHHHHHHHHッッ!!??」

ドスドスドスウゥッッ!!!!!

その『石の槍』はサンタナの身体を確実に貫いた!!

やった…!刺さったばい…!落下の重力とサンタナ自身の体重が加わって…
なんとか奴の身体に刺さっとるばい…!!
れいなは石を掴む!!

「食らえサンタナッ…!!これがれいなの正真正銘最後の波紋ったいッ!!!」

バリバリバリ・・・ドッパアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!

一瞬火花が散ったかと思うと…サンタナの身体はバラバラに砕け散った!!!


354 :610:2005/12/20(火) 00:39:22 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜G

肉片と化してしまったサンタナの身体がボトボトと地面に落ちる
やった!!ギリギリやったけど…勝ったと…!!

「ハアーハアー…れいなもまだまだ修行が足りんっちゃね…!」
ちょっと可哀想な気がするけど仕方なか、コイツを生かしておいたら
人類は滅亡してしまうけん…
れいなはバラバラになってしまったサンタナを見ながら思った

・・・!
あれ?そういえばなんでコイツの肉体は蒸発せんのやろ!?
波紋を体内に直接流したのに…柱の男はそういう肉体なんやろうか?

そのとき…れいなは世にも恐ろしい光景を見た…!!!

ウジュル…ジュル…

地面に散らばったサンタナの手が…足が…肉片が!
一つの場所に集まろうと動いている!!

「ああ…!ま、まさかッ…!!」

身体のパーツが集まり徐々にサンタナの身体が復元されていく…

「な…なんてあきれた生物たい…」
まともに波紋を食らわしてやったのに…倒せんかった…!!

れいなの波紋は…厳しい修行をしたとはいえ所詮偶然身に付けた力ばい…
きっと大昔の波紋使いはもっともっとすごい修行をしたんやろうな
柱の男を倒すために…


401 :610:2005/12/20(火) 23:42:31 0
銀色の永遠 〜過去からの贈り物〜H

「キィ…さぁ…マァ…!!」

サンタナが元の身体を取り戻しつつあるっちゃ…!!
ばってんれいなには波紋を練るどころか鼻クソをほじる力も残っとらんばい…!
もう駄目たい…!れいなの人生…まさかこんな化け物に食われて終わりとは思わん
かったと…さよなら…さよならみんな…

「…と、すぐ諦めちまうのがれいなの悪い癖ばい…!!もう今までのれいなじゃなか!
演劇部の仲間が待ってる…みんなのためにもここで諦めるわけには行かんッ…!!」
れいなは震える足で立ち上がる!


「おぉ〜よく立ったな田中ァ!見直したでぇ…!」


「へ!?」
い、今の声は…!?

「どうした?もう一息や、アイツにもう一発食らわしたれや!」

「て…寺田先生ッ!?」
サンタナからは死角になって見えんやろうが…れいなの横の路地に寺田先生がいるッ!!
い、いつから!?もしかして助けに来てくれたと!?


402 :610:2005/12/20(火) 23:44:00 0
「なにポカーンとしとんのや!言っとくけど俺は助けに来たわけや無いで、
アイツはお前が倒すんや」

こ…このオッサン何言っとると!?れいなが死にそうになっとぅと言うのに!
寺田先生がスタンド使いかどうかは知らんけど…
教え子を身体を張って助けるのが教師って言うもんじゃなか!?

「う〜ん、まあここまでやっただけでも大したモンやな、褒美にこれやるわ!」

寺田先生がれいなに向かって何かを投げた
れいなは反射的にそれをキャッチする!
これは…指輪!?赤い宝石が付いた古そうな指輪…!

「え!?え!?」
なんでこんな時にれいなに指輪を渡すと!?ますます意味が分からんったい!!

「ええからはめてみぃや!よく似合うと思うでぇ!」

こ…このオッサンれいなをからかっとるなッ!?
こんな血も涙も無い先生やったとはッ!!


403 :610:2005/12/20(火) 23:46:01 0
「GUOHHHHHHHHHHHッ!!」

「はッ!?」
ヤバイッ!!もう殆ど復元を終えたサンタナがこっちに向かってくるッ!!
れいなはとっさに構える!

本当に最後の最後の力ばい…!もう波紋が練れるかどうかも分からんけど…
全てを出し切ってやるッ!!!

「UGAAHHHHHHHHHHHHH!!!」

「おおおッ!!橙色の波紋疾走(サンライトオレンジ・オーバードライブ)!!!」

ガッシイイイイイイイィィィィン!!!

サンタナとれいなの拳がぶつかり合う!!

ブショアッ…!!

れいなの拳から血が吹き出した…!
だ…駄目たい…波紋なんて殆ど放てんかった…れいなの負けばい…!!


404 :610:2005/12/20(火) 23:47:10 0

ピシッ…!ピシッ…!

「えッ…!?」
サンタナの腕からいくつもの光の筋が噴き出す!!

「NUOHHHHHHHHHHHHHHッ!!?」

ブッショアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

そして光と共にサンタナの腕から上半身にかけてが吹っ飛んだ!!

「なっ…なんで…!?」
何度波紋を浴びせても全然通用せんかったのに…!
れいなはまじまじと自分の手を見つめる

れいなの指…さっきの指輪をはめとる…無意識だったけど自分ではめとった…!
もしかしてこの指輪の力なんか!?
サンタナの身体がシュウシュウと煙を上げて溶けていっとぅ…!



405 :610:2005/12/20(火) 23:48:01 0
「U…OO…!!」
ボシュウウウ・・・・・!!

サンタナは跡形も無く消えてしまった…!

本当に訳分からんったい…!でもれいなは勝ったとね…!
今日は本当に疲れたばい…
れいなの意識は薄れてゆく・・・


「やっぱりな…『赤石』は波紋増幅器やったんや…!」
(何年前やったか…?偶然手に入れたこの『エイジャの赤石』…柱の男と関係あるモンと
だけは分かったが、俺には必要ないモンやと思ってそれ以上は大して調べもせんかった…
いやいや、昨日思い出してよかったわ…!)

「そして本当によくやったで田中…!これで天下のSPW財団に『貸し』を
作る事が出来たで…どでかい貸しをなァ…」


406 :610:2005/12/20(火) 23:48:52 0
れいなが目を覚ましたのは病院だったと
以外にもれいなの傷は入院の必要が無いくらい軽かったばい!
サンタナに踏みつけられた肩は自分で関節をはずす事で折られるのを防いだし…

そして寺田先生にもらったこの指輪…!
あとから聞いたんやけどどうやら波紋の力を増幅させる物らしいったい!
何でも持っとるんやねあの人は…

でもこの指輪は滅多な事では使わないでおこう…
こんな物に頼ってたら強くなれんけんね!ネックレスにでもしておくっちゃ…


『柱の男』サンタナ
完全消滅 死亡

田中れいな
『エイジャの指輪』をゲット!


→TO BE CONTINUED