638 :610:2005/11/13(日) 12:42:06 0
銀色の永遠  〜『噂』の転校生〜


「あ〜〜ダルイよな〜、月曜の朝ってのは…」
いつもの通学路、わたし藤本美貴は疲れていた。いや、身体はいたって健康だ。
っていうか最近気付いたんだけど美貴は意外とタフな女らしい。
普通の女の子がまずしないようなケガを何度もしながら普通に学校生活を
送ってるんだからな。ただそんなこともあって最近演劇部に対してちょっと
疑問を感じ始めた。寺田先生は一体何をしようとしているんだろう?
理由も知らないまま戦わされてそのたび大怪我していたらたまったもんじゃねー。

まあそれはいずれ確かめるとして…今はこの月曜の朝の憂鬱な気分を
どうするかが問題だ。
「よし!時間もあるしちょっと寄り道していくか!」

いつもの道を少し外れると街中にアイスクリーム屋「レインボー」が見えた。
この店は朝から営業しており、一部のぶどうヶ丘高校の生徒はここのアイスクリームを
舐めながら登校するのが憂鬱な月曜の朝の心の慰めなのだ。

「ちょっと値段は張るから毎日は食えないけどね〜」
そういいながら店の中に入るとぶどう校の制服の後姿が見えた。
おッあれは亀井だな。



639 :610:2005/11/13(日) 12:44:35 0
「おいっす!亀井!」「あ、藤本さん!おはよーございまっす!」挨拶を交わし
ながらカウンターのアイスを物色する。
「やっぱアイスはここに限るよな〜、って!ストロベリー&チョコチップ売り
切れてんじゃあねーか!おまえので最後かよッ!」
「あ〜一番人気ですからね〜残念でしたね〜、でもここのアイスはどれも
美味しいからいいじゃないですか!」
「今日はストチョコの気分だったんだよッ!一口くれよ」
得られると確信していた物が得られない、これ程の落胆はない、
どうしてもコイツ(亀井)の一口もらわなきゃあ気が済まない。
「言うと思った…。いやですよぉ〜」
「いいじゃんいいじゃん」
「ダメですダメです〜ッ!」
「今日はストチョコって決めてたんだよッ!一口だけ!」
「あっ!こんなことしてる場合じゃない!今日は朝礼ですよ、藤本さん、
早く行かなきゃ!」
「え!?あ〜そうだったな…」これ以上粘ってもコイツは分けてくれそうもないし…
しょうがない…
「バニラ1つ下さい」

「ほら〜!遅刻じゃないですか〜!藤本さんのせいですよ〜!」
「うるせーおまえがケチだから悪いんだよッ!」
思いの他レインボーに長居してしまったようだ。学校に着いた私と亀井は
ダッシュで体育館に向かう。先生に謝りながら体育館に入れてもらうと校長が
話し始めてる。既に朝礼は始まっていたみたいだ。



640 :610:2005/11/13(日) 12:46:17 0
生徒は学年ごとに分かれて並んでいるが、遅れてきた私と亀井は自分の
クラスのところに行けないので一緒に列の最後尾に並んだ。

「藤本さん、今日確か転校生が来るんですよ。噂ではそ〜と〜可愛い
女の子らしいですよ、いひひひ」
「何でおまえが嬉しがるんだよ…。そういえばクラスの男子がそんなこと
言ってたな、美貴にとってはどうでもいいけど」

「え〜本日よりこの学校に新しい仲間が増えます」ちょうどその時校長が話し始めた。
「あ、紹介されますよ!どんな子かな〜」
生徒達が注目する中、壇上に一人の女子生徒が上がり、こちらを向く。すると…

おおお〜〜〜〜〜ッ

男子どもがいっせいにどよめいた。
「すげーかわいくねぇ?」「ヤバイ、大当たり来たぜ!」
あちこちから喜びの声が聞こえてくる。

「うわ〜ホントにかわいい子だ〜、藤本さん見てくださいよ!」
「そんなにはしゃぐ程のもんかぁ?」
とは言ったが確かに、幼さを残しつつ整った顔立ち、背も低めでいかにも
男受けしそうなルックスだ。「可愛い」っつーのはあんな感じの女のことを
言うんだろう。まあ私ほどではないがね!



641 :610:2005/11/13(日) 12:50:38 0
「今日から高等部1年に編入する『上戸 彩』さんです。」
「上戸彩です。みなさんよろしくお願いします☆」 
満面の笑顔、そしていかにも「ブリッコ」という感じでその転校生が名乗った。
またしてもどよめきが起こる。

「上戸さんかぁ〜…声もかわいいなぁ〜」
「亀井…男子と同じ反応するなっつーの」
この転校生ちょっと亜弥ちゃんにタイプが似てるかも…。名前も同じだし…。

「ん…!?」その時わたしはある異変に気が付いた。

今何か見えたぞ…。上戸と名乗ったこの転校生の背後に…人型の何かが…!

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ・・・

まさか…この転校生…!!


656 :610:2005/11/13(日) 20:51:49 0
「おい亀井ッ!今の見たか!?」
「え?今のって何ですか?」
「さっき見えたんだよ!あの転校生の背後にスタンドっぽいものが…」
「え〜!?見間違いじゃないですかぁ?」
「いや、絶対見えた」
しかしもう上戸はステージから下りてしまっている。特に変わった様子は無い
「とりあえず演劇部のみんなに伝えてみるわ、他にも見えた人がいるかもしれない」

昼休み…
どうやら転校生上戸彩は亀井と同じクラスらしい。
そして上戸にスタンドが見えたのはあたし以外にはいなかったようだ。
やっぱり見間違いか、でもなんか嫌な予感がする。直感だがあの上戸っつー女に
何かドス黒いものを感じる(決してかわいさに嫉妬してるわけじゃないからな!)
ちょっと様子を見に行ってみるか。

亀井のクラスを覗き込むと上戸の机の周りには人だかりが出来ていた。
ちゃっかり亀井もその中に混じっている。
「おい!ちょっと来いッ!」
「ちょちょッ!藤本さん!?何ですかいきなりッ!」
「オメーには警戒心ってもんがねーのか!あいつスタンド使いかもしれねーんだぞ!」
「それは藤本さんの見間違いでしょ〜?」
「だけど念のため放課後に臨時集会やることになったろーが!」
そう、演劇部はスタンド使いの可能性がある上戸彩ついての対応を決めるため、急遽集まることになったのだ。
「でも上戸さんってやっぱりいい人ですよ!外見だけじゃなくて性格も明るいし優しいし…
一緒のクラスになれて良かったなぁ〜〜」



657 :610:2005/11/13(日) 20:54:55 0
「どうしたの亀井ちゃん?」
来た!上戸が近づいてきた。手っ取り早いのはこいつにブギートレインで殴りかかって
やればいいんだが…まだそこまでしなくてもいいか…
「あ、上戸さん!ほら、この人がさっき話した演劇部の先輩の藤本美貴さん」
「よろしく、ミキティって呼んでくれ」
「はじめまして!上戸っていいます!亀井ちゃんから話は聞いてますよ。
この学校の演劇部ってすっごい人気みたいですね。何でもこの学校のアイドル集団
だとか…上戸さんなら入れるよってクラスの男子に言われたんですけど…藤本先輩を
見て自信なくしちゃいました」
「そ、そう?う〜んそれもそうだね〜。あそこはオーディション厳しいからな〜」
何だ?こいつ結構いい奴じゃないか!
「上戸さんなら絶対入れるよ。僕なんかよりずっとかわいいし!」
「そんなことないよ〜!亀井ちゃんだってかわいいよ!藤本先輩はどう思います?
私かわいいですか?」
美貴こういうの苦手なんだよな〜、よく女同士でかわいいね、かわいいねって
言い合ってる光景を見るけど…正直虫唾が走る、美貴はそんな性格じゃあないんだよ
「まあ、いいんじゃないの?」
「そうですか…ありがとうございます!こんど演劇部見学させてくださいね」
上戸はそう言うと教室に戻って行ってしまった。

「ね、いい人でしょ〜?」
「う〜ん、あのブリッコ…本性を隠してそうで怪しいんだよなぁ〜〜」
「もう〜藤本さんは素直じゃないんだからぁ」
「おまえこそちゃんと部活来いよッ!疑いは何も晴れてねーんだからな」


658 :610:2005/11/13(日) 20:58:07 うp分
放課後…
そろそろ演劇部の臨時集会だ、美貴が言いだしっぺの…。
しかし美貴はいま教室の掃除をさせられているッ!!そう、今日の遅刻の罰だ
「亀井も今頃やってんだろーな…」

「お!みんなそろったね〜!」
愛ちゃん、麻琴、コンコン、れいな、さゆ、そして新入りの小春。演劇部部室にずらり
揃った部員を仕切っているのは私、新垣里沙だ。
なぜこんな事をしているのかと言うと、今日の朝もっさんから『転校生がスタンド使い
の可能性がある』という連絡が入ったのだ。
だからもっさんと相談して部の主要メンバーを集めて、緊急集会を開く事にしたのだ。
まあ私自身一度こういうのを仕切ってみたかったというのもあるが…w

「みんなに集まってもらって悪いが、肝心の藤本さんと亀はいま遅刻の罰を受けている
のだ。その間みんなにこの資料を渡しておくのだ」
「あぁん?ガキさん何だよこれ〜」
「麻琴、私語は慎むのだ、今から説明するのだ」
「これは私が上戸彩について調べた資料なのだ。学校を抜け出して上戸がもといた高校
があるS市まで行って調べてきたのだ」
「げーそこまでするかぁ!?」
「学業をおろそかにするのは本意ではないのだが…演劇部にとって仲間、もしくは敵に
なるかもしれない人物なのだ、これくらいした方がいいのだ」

私はプリントを読み上げる。


659 :610:2005/11/13(日) 21:01:15 

「上戸彩…小、中学校と成績優秀、持ち前のルックスと明るい性格で常に学校のアイド
ル的存在だったらしい。家庭もかなり裕福だったみたいなのだ。ただ両親共に仕事であ
まり家には帰らなかったらしいが…」

「典型的なお嬢様ってヤツだナ!羨ましいゼ…!」

「問題なのはここからなのだ。今から一ヶ月前、上戸がいた高校で美少女コンテストが
あったのだ。当然上戸がグランプリを取ると誰もが思っていた。しかし結果は2位…どう
やら上戸の人気を妬んだ当時人気NO,2の女子生徒が、上戸は男好きだの何だの根も葉も
ない噂を流し、さらに組織票を使って自分を1位にしたらしいのだ。
その翌日…グランプリを取った女子生徒とその仲間数人が突然失踪。
一週間後全員無事に発見されたが、なぜか全員が顔面の皮を剥がされていたという。
そして失踪中の一週間の記憶は全く無い、ということなのだ」

みんなの表情が少し強張った。
「なーんかヤバイ予感がしてきたっちゃ…」
「絵里、大丈夫かなあ…心配なの」
れいなとさゆは心配そうに互いに顔を見合わせる。

「大丈夫ですよ道重さん。転校生たった一人で何も出来やしませんよ」
「そうそう!少しでも変な動きを見せたらあっしがやっつけてやるヨー」

うーむ小春と愛ちゃんは強気だな。

「まあ、今は様子を見るしかないんじゃないですかね?」
コンコンは冷静なのか何も考えていないのか、スナック菓子を食べながらつぶやいた。
まあこう見えてしっかり考えているのがコンコンなのだが…。

コンコン!ガチャリ!
そのとき突然部室のドアが鳴った。
誰だ?今いる部員以外は呼んでいないはず…!

「失礼しまぁ〜〜す!」

「待つのだ!今は取り込みちゅ…」

!!

「演劇部の部室ってここでいいんですよね〜?」

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド・・・

こいつは…ッ!! 上戸彩ッ!!!何しに来たのだ…!?

「わたし演劇部に興味あるんですよ、少しお話聞かせてもらっていいですか?」





830 :610:2005/11/15(火) 23:56:35 0
「お〜い、終わったか〜?」
掃除を終えた美貴が亀井を迎えに行くと、ひとり机に向かっている亀井がいた
「あんた何やってんの?」
「あ、藤本さん、彩ちゃんのためにノートを写してあげてるんですよ。
他にも教科ごとにテストの傾向と対策とか…」
「そんなことしてる場合じゃねーだろ!今から何のために集まるのか
分かってんのか?…それにその量、全教科ひとりでやるつもりだったのかよ?」
「そうですよ?彼女はもうボクの親友なんです!それに彩ちゃんがスタンド使い
だったとしても絶対悪い人なんかじゃないです!」
「親友?まだ知り合って1日だろ…。とにかく行くぞ!道重だって待ってるぞ」
「さゆなんかどうでもいいですよ。それより見て下さい、彩ちゃんが親友の証と
してコレくれたんです!手作りだって、うふふ」
そういって亀井は手首を見せた
そこにはゴム紐にビーズを通して作ったアクセサリがあった
(おかしいぞ…亀井が道重のことをこんな風に言うなんて…)
その時、プツンとそのゴム紐が切れた
亀井が自分の爪で引っ掛けて切ってしまったようだ、床にビーズが散らばる



831 :610:2005/11/15(火) 23:58:35 0
「あ〜〜〜〜!!!彩ちゃんの手作りがぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
あわてて拾い集める亀井
「うッうッ…ううッ…」
(な…何だこいつ…泣いてんのか!?)
ポタッ…ポタッ…
後ろを向いてうずくまっている亀井の足元に雫が落ちる
(い…いや涙だけじゃないぞ…これは…血!?)
「おいッ!?亀井ッ!?」
異変を感じたあたしは亀井の肩をつかんでこっちを向かせる!
!!!
亀井…こいつ自分の指の爪を剥がしている…!!!自分の歯で…!!!
「何やってんだオメーーーーーーッ!!?」
「うう…ボクの爪が伸びてたばっかりに…せっかく彩ちゃんがくれたのに…」
「それに藤本美貴…おまえ彩ちゃんの悪口を散々言ったなッ…!!殺してやるッ!!」
ガシィッ!!
突然亀井はあたしの首を両手で掴んできた!
「が…はッ…!」
(こいつ…!?こ…この力…!!マジだ…マジであたしを殺る気だ…!!!)
「ブギートレインッ!!!」
ズドォッ!!!
ブギートレイン03の拳が亀井のみぞおちに突き刺さる
亀井は意識を失い崩れ落ちた
「ハア…ハア…決まりだ…上戸はスタンド使い!あたし達の敵だッ!!」


44 :610:2005/11/19(土) 19:09:23 0
「何処だッ!何処にいる上戸彩ァ――ッ!!」
いるはずだ!近くで亀井を操っているはずだ…!!
「あの女ッ!ぶっ飛ばしてやるッ!!」
教室を飛び出し辺りを見回す…簡単に見つかるわけないよな
美貴は廊下を歩いていた一人の男子生徒に声をかける
「ねえ君!転校生の上戸彩見なかった?」

「ぶっ飛ばされるのは…おまえだ」
バキィッ!!
「ぶはッッ!?」
な…ッ!?いきなり殴られた!?



45 :610:2005/11/19(土) 19:10:10 0
「上戸さんをぶっ飛ばすだとぉ〜?許さねえ…!」
「俺も聞いたぞ…、この女…生かしちゃおけねぇ…」
「殺してやる…!」

な、何だ!?教室や廊下にいた生徒が次々集まってくるぞ!?
しかもこいつら…目が尋常じゃあないッ!!
「こいつらも全員上戸の能力にやられてるのかッ!?」

「ブッ殺せぇーーーーーーッ!!」
10人程の男子生徒が一斉に襲い掛かってくる!

「やれやれ…美貴を恨まないでよ」
ブギートレイン03がゆっくりと構える
「おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらぁッ!!!!!」

ズドドドドドドドドドド!!!!

吹っ飛ぶ生徒達
「さて…と、本体は何処だ!?」



46 :610:2005/11/19(土) 19:12:13 0
今襲ってきた生徒達、学年もクラスもバラバラだった
上戸彩…奴は徹底的にやる気だ無差別だ!

上戸は今日の朝礼のとき確かに壇上でスタンドを出していた
あのときすでに何らかの能力を使っていたんだ!
全校生徒に向けて…!!

そのときふと疑問が浮かんだ
「待てよ?なんで美貴は平気なんだ?」
あたしは朝礼の時にもいたし、昼休みに上戸と接触までしてるんだぞ?
なんで上戸の能力にかかっていないんだ?

考えても分からない…今はとにかく…

「演劇部のみんなに知らせなければ!」
いまみんなは部室で会議中のはずだ!



47 :610:2005/11/19(土) 19:13:01 0
上戸への対応についての…
美貴は部室へと走る!

亀井のクラスから部室へはそう遠くない、すぐに部室が見えた
「みんな!、やっぱり上戸はスタンド…!!」
ドアを開けた美貴は言葉を失う

「いないッ…!?誰も居ないぞ!」
なぜか部室には人っ子一人いない
おかしい!美貴たちを置いて帰っちまったっていうのか?
しかし机の上には食べかけのお菓子や飲み物が残されたままだ

「これは…!?」
美貴は机の上のプリント用紙を手に取った
「上戸彩について調べてある…」
なるほど…やっぱりイカれた奴だったようだな

「遅かったね、藤本先輩」
突如背後から呼びかけられた
振り向くと部室の入り口に立っているッ…!奴が…!!


85 :610:2005/11/19(土) 21:47:04 0
「上戸ッ…!!おまえの目的はなんだッ!?演劇部のみんなはどこだッ!?」
「質問は一つずつにしてくださいよぉ〜藤本先輩〜」
相変わらずムカつくしゃべり方で上戸が答える

「目的ですか、う〜ん…『アイドルになる』ことかなぁ〜」
「この学校の、日本中の、いずれは世界中のアイドルになることが
わたしの目的かな〜」
「てめーふざけてんのか?」
「ふざけてなんかいませんよ…わたしの美貌とこの『能力』があれば…
わたしは絶対にそうなれる」

まったく…この学校にはスター志望やらアイドル志望やらが多過ぎやしないか?
美貴も人の事言えないけど…

「演劇部のみんなはどうした!?」
「『始末』させてもらいました」

…なッ…なんだってッ!?

86 :610:2005/11/19(土) 21:49:57 0
「始末しただって…!?嘘をつくなッ!!」
「嘘じゃないですよ、でも安心してください、殺したわけじゃないですから」
「演劇部の皆さんはある場所に監禁させていただきました…証拠にホラ!」
そういうと上戸はポケットから何かを取り出した

これは!!みんなの学生証だ…!!
ばかな…こいつ一人でやったっつーのか?
高橋、久住…いや全員が一筋縄ではいかないスタンド使いたちだ
それがこいつ一人によって全滅したっつーのか!?

「この能力スタンドっていうんですね、まさか演劇部の皆さんが全員
スタンド使いだったとは知らなかったけど…わたしの方が強かったみたい」
上戸の背後にスタンドがゆらめく!
その姿は華やかなドレスを纏った女性のように見える
しかしその顔は無表情でロボットのようだ

88 :610:2005/11/19(土) 21:53:48 0
「な…何故みんなを…?」
半ば信じがたい事実を前に美貴は上戸に尋ねる

「…邪魔なんだよ…!おまえら演劇部は…!」
突然上戸の顔が邪悪にゆがむ
「この学校に来てから散々おまえらの噂を聞いたよ、たいそうな人気じゃん
だけどね…この学校にアイドルは1人でいいんだよ…わたし1人でね…」

「前の学校では少々やりすぎちゃって転校するハメになっちゃったから
ここではしばらく大人しくしてようと思ったんだけど…
やっぱり我慢できないや…わたしを差し置いて目立ってる奴を見るとさぁ〜」

こいつ…!?そんな事のためにスタンド能力を使ってるのか!?
転校初日にこんな事をする度胸といい…ヤバイ!ヤバすぎる!

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド・・・ 

「藤本美貴…!おまえもだ…!今日、演劇部は謎の失踪をすることになるんだ…!」

89 :610:2005/11/19(土) 21:55:10 0
「そう上手くいくかなぁ〜?何故だか知らないけど美貴はあんたの能力に
かかってない!あんたの能力、人を操る能力みたいだけど…操るには何か
条件があるな!」
「そして美貴はその条件を満たしてない…そうだろ?」

「ふん…」
上戸は何も答えない、どうやら図星みたいだな

「あんたのスタンド…大勢の人間を操るのに相当エネルギーを使ってるな?
そういう奴は大体『パワー』や『スピード』はショボいんだよなぁ〜」
「…接近戦で勝負をつけさせてもらうッ!」

「おおおッ!!ブギートレイン03ッッ!!!」
上戸に向かい一直線に襲い掛かる!
このままテメーの自慢の顔をボコボコにしてやるッ!!

「確かに…そう上手くはいかないよね…」
ガッシイィッ!!!
突然誰かが美貴と上戸の間に割って入り、美貴の拳を受け止める!

「お前はッ…!!」
「彩ちゃんに…手出しはさせない…」

「亀井ッ…!意識を取り戻してたのか…!!」


105 :610:2005/11/20(日) 02:02:36 0
「亀井ちゃん、こいつはわたし達の敵よ!倒して!殺しちゃっても…いいんだよ」
「わかったよ彩ちゃん…」
そう言うと亀井はサイレント・エリザベスを発現させる

「や、やめろ亀井ッ!おまえは上戸に操られてるんだッ!!」
「許さないッ!彩ちゃんを傷つける奴は絶対に許さないッ!」

くそッ…やるしかないのか!?亀井が相手じゃ手加減は出来ないぞ…!

「うりゃあああああッ!!!」
エリザベスが蹴りを放ってくる!美貴は横っ飛びに跳んでそれをかわす!

「あたし達は仲間だろ!目を覚ませ亀井!」
「彩ちゃんを苛める奴なんか仲間じゃないよ…
あんたなんかより彩ちゃんのほうが100倍かわいいしね…」

…!!
わかったぞ…!!亀井の言葉で今わかった!上戸の能力…!



106 :610:2005/11/20(日) 02:04:30 0
亀井は最初に上戸を見たときこう言った…
「うわ〜ホントにかわいい子だ〜」
そして他の生徒達もかわいい、かわいいと騒いでいた
そして上戸自身も美貴に対してこう言ってきた…
「藤本先輩はどう思います?私かわいいですか?」
言葉だ…!美貴はある言葉を言わなかったから能力にかかっていないんだ!

「上戸に対して「かわいい」と言った者が心を操られるのかッ!!」

「藤本美貴…わたしの能力を見抜くとは…!バカじゃないみたいだね…」

「だけどわたしの能力がわかったからどうするっていうんだ?
おまえは亀井にやられるんだ!」

ドカッ!!
「しまった!エリザベスの蹴りを食らっちまったッ!」
『ウェー・ウェー(上へ上へ)!!!』
美貴の身体は宙に浮き始める…身体の自由が利かない!


107 :610:2005/11/20(日) 02:06:48 0
「終わりだね…藤本美貴、さあ亀井、とどめをさしなさい」
亀井がゆっくりと近づいてくる…!!
「やめろ亀井!あいつの言いなりになっていいのかッ!?
演劇部のみんなもあいつにやられちまったんだぞッ!!」

ピタリ!

亀井の足が止まった…!?

「亀井!さっさとやりなさい!あいつはわたし達の友情を壊そうとしてるのよ!」
「そうだよね…わたし達親友だもんね…あいつは殺すよ…」
再び向かってくる亀井!

「道重もあいつにやられちまったんだぞッ!!!!」

「う…!!!」
亀井の動きが再び止まる
「道重とおまえは親友だろ!?そいつは道重を倒し監禁してるんだぞッ!!」

「うう…!さ…ゆ…!!」
うずくまる亀井!
そして…

顔を上げた亀井は上戸の方に向き直る!
「さゆを…みんなを…許さないぞ上戸彩ッ!!!!!!」


128 :610:2005/11/20(日) 17:32:18 0
無重力が解除され美貴は床に着地した
「亀井―ッ!?元に戻ったのか!?」

「いてて…!よく覚えてないんですけど、迷惑かけたみたいですいません!」
「後でアイスでもおごってもらうからな…それよりやるぞ!あいつを!」

「上戸ッ!あんたの能力もたいしたことないな!こんな簡単に能力が解けちまう
んじゃあなぁ〜!!」

「亀井ちゃん…わたしたち親友じゃなかったの?道重って子なんかより
わたしの方がかわいいでしょ?」

「無駄だよ上戸さん、ボクはもうキミの命令には従わない!さゆを返してもらうッ!!」
亀井は上戸に突っ込んでいく!

「こいつもか…なんでこう強情なんだろうね、演劇部の連中って…」
上戸がつぶやく、一体何のことだ?

「くらわせろ!ACT3ッ!!」
ゴアッ!!!
エリザベスの蹴りが上戸の顔面に迫る!

その瞬間…


129 :610:2005/11/20(日) 17:33:29 0
「な…!?」
美貴は自分の目を疑った
エリザベスの蹴りが上戸の顔面に炸裂する瞬間…
亀井とエリザベスの姿が一瞬にして消えたのだ
「き…消えた!?」

上戸は不敵な笑みを浮かべている
「消えたんじゃないなぁ〜、わたしの足元をよく見てみなよ」

上戸の足元…?これは…!?
人形だ!UFOキャッチャーの景品のようなぬいぐるみが転がっているぞ!
この人形…どことなく亀井に似てるような…!?まさか!!

「藤本…お前の言ったとおりこの上戸彩に対して『かわいい』といった人間は
わたしの『虜』になる、だがたまに居るんだよ、『虜』になることに抵抗する
強情な奴が…」
「そういう奴は人形に変えてやるのさ!どんなに精神力が強くても人形化には
抵抗出来ない!それがわたしのスタンド『プリティ・アイドル』の能力ッ!!」

人形にッ…!!これが上戸の真の能力!…ということは…!!


130 :610:2005/11/20(日) 17:34:45 0
「そう、演劇部の奴らも全員人形にさせてもらったよ…本当は操って同士討ちにさせようと思ったんだけど、どうも言うことを聞かなくてね…!」
「『かわいい』なんて言わせるのは簡単さ、こっちがちょっと褒めてやればすぐに
ハマってくれたよ」

「ほらッ!!」
突然上戸は亀井を美貴に向かって投げつけた
「うおッ!?」
不意を突かれた美貴はあわててキャッチする

「てめー…はッ!?」
上戸がいないッ!しまった!逃げられたッ!

「逃がすかよっ!!」
こいつを見失ったら終わりだ!きっと無限に虜を増やして襲ってくる!
なぶり殺しにされてしまうッ!!
亀井をそっと椅子に置き、美貴は必死で上戸を追う!
部室を出ると逃げる上戸の背中が見えた!
「校舎の外に出しちゃだめだ!ここは2階、『上』だ!『上』に追い詰めるんだ!」

132 :610:2005/11/20(日) 17:38:20 0
「みんなーッ!!助けてッ!殺されるーッ!!」
逃げながら上戸が叫ぶ、すると…
出てきやがった!あらゆる所から上戸の『虜』どもが…!!

「邪魔すんじゃあねエエエエエエェェェェェェェ!!!!!」

ドゴバキズゴグッシャアアア!!! 

ブギートレイン03でそいつらを蹴散らしながら突き進む!
だがだめだッ!もう上戸は階段のすぐそばだ!逃げられちまうッ!

「うおおッ!!ブギートレインッ!!」
美貴は廊下にあった消火器を思いっきり投げつけた!

「うッ!!?」
のけぞって消火器を間一髪でかわす上戸
その隙に美貴は駆け寄る!


133 :610:2005/11/20(日) 17:39:49 0
「ちッ!」
上戸は階段を駆け上がっていった
「よし!当たらなかったけど上手く進行方向を塞いでやったぜ!」

「何処だッ!?」
三階に上ったが奴の姿が見当たらない…どこかの部屋に隠れたのか?

ブツン…
なんだ今の音は…何かのスイッチが入ったような…!?

『『みんな〜!上戸彩よ!いま演劇部の藤本美貴に襲われているわッ!!
助けてッ!三階の階段前にいるッ!!あいつをやっつけてッ!!』』

こ…校内放送だとぉ〜〜〜〜〜ッ!!?奴は放送室かッ!!

「まずい!ここに居るのはまずいぞッ!」
ガシイッ!!
美貴の腕が掴まれる!
「てめえか…彩ちゃんを襲ってるのは…」
来やがった!次々に来る!10人や20人じゃない…数え切れないほどの
『虜』どもが美貴を狙って集まってくる!!


134 :610:2005/11/20(日) 17:41:04 0
いったい今日一日で何人を『虜』にしてるんだッ!?
「てめえらどきやがれええええええええッ!!!!!!!」

ドガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!
ブギートレイン03のラッシュを叩き込む!しかし数が多すぎる!

ガシイッ!ガシガシッ!
ヤバイ!、身体のあちこちを掴まれちまった!
虜どもが次々にのしかかって…!!
「うおああああああああッ!!!」

ミシッ…!
やっべ…美貴の足から嫌な音が…

上戸彩…こいつ…強いッ…!!


135 :610:2005/11/20(日) 17:44:43う

「わたしの勝ちだッ、藤本美貴ッ!」
山のようになって藤本にのしかかっている生徒達を見ながら私はつぶやく。

残りの演劇部も始末して…数日のうちにこの学校の生徒、教師、全てを私の『虜』にして
やる!全ての人を私に『注目』させてやるぞッ!!『注目』されるのは気分がいいッ!!
女としての魅力でも、スタンド能力でもこの上戸彩に勝てる奴などいないッ!!!

「フーッ…!おとなしくわたしに従ってれば良かったのにね…」
私はポケットのピンクの箱からタバコを取り出すとそれに火を付ける。

「さて…そろそろ済んだかな?」
勝利の一服を終えた私は廊下の様子を見に行こうと立ち上がる。
クククッ!アイツ、どんな無残な姿になってるかな〜!?

ドン!

教室のドアから出した顔が何かにぶつかった。
人だ…!私の前に立ち塞がっているコイツはまさか…!!

「ああ…もう済んだぜ…!!」

「ふ…藤本美貴ッ!!?ばかなッ!あれだけの数を倒したって言うのかッ!?」

「もうアンタの味方はいない…!今から美貴が『かわいい』から『かわいそう』
な顔面に変えてやるぜッ!!」


283 :610:2005/11/22(火) 22:24:08 0
「ハア…ハア…覚悟しろよ…オイ…!!」
美貴は上戸ににじり寄る
コイツの『虜』どもはすべて倒した!もう本体であるコイツをブチのめして終わりだ!

しかし美貴の受けたダメージも大きい、体中で痛くない場所が無いくらいだ
右足は確実にヒビ入ってるな…

「そ、そんなボロボロで何言ってんのさ…!覚悟するのはおまえだよ!」

「じゃあなんで後ずさりしてんだ?そう思うならさっさとかかってきなよ、
その貧弱そうなスタンドでさァ〜…」
美貴はさらに距離をを詰めていく

スタンド自体は互いに近距離型…!射程距離に入った瞬間決着はつく!!
だがコイツのスタンドが格闘向きとは思えない…絶対に美貴の方が速いッ!


ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド…


射程距離に踏み込む寸前、上戸がニヤリと笑った
「残念だったね…藤本先輩…!」

ブアッ!

何だ?こいつ何か投げやがった!
…人形!?服のどこかに隠し持ってたのか!?


284 :610:2005/11/22(火) 22:26:42 0
「プリティ・アイドルッ!!人形化を解除だッ!!」
上戸がそう叫ぶと宙を舞う人形はみるみる巨大化し、人の形を成していく!

ズッシイィィン!!

美貴の目の前には身の丈180センチ、体重100キロは超えるであろう大男が現れた!

「なッ…!?」

「こいつはこの学校の柔道部のエースさ…!さあ目の前の女は敵だよッ!
ブチのめしてやりなッ!!」

ギロリ!
大男の目が美貴をとらえる…!!

「おおおおッ!!」
大男が突っ込んでくる!
しかし所詮は一般人、美貴のブギートレイン03の敵ではない…!!
どんな奥の手を使ったかと思ったら、この程度か上戸彩…!!

「らあッッ!!」
ドゴォッ!!
B・トレイン03の拳が大男の顔面に炸裂する!

「ぐおおおおおッ!!!」

「えッ!?」
な…なんだコイツ!?止まらないぞ!向かってくる!
手加減したとはいえ美貴のスタンドのパンチを食らって…!


285 :610:2005/11/22(火) 22:29:48 0
「こいつッ!!」
ドボォッ!!!
今度はみぞおちに拳をめり込ませる!

「がああああああああああッ!!!!」
 
何ィ〜ッ!?今度はほとんど本気で撃ったぞ!!き…効かないッ!?

バッゴォォォン!!!!!

「ぐええッ!!」
大男の体当たりをもろに食らった美貴は激しく壁に叩きつけられた!

「よぉ〜し!そいつを捕まえとけッ!!」
大男は美貴をガッチリと羽交い絞めにする…!

「その男はわたしに一目惚れしてたみたいでねぇ〜、『虜』にする前からわたしに
メロメロだったんだよ!そのせいで他の者より強力に能力にかかっている!
ちょっとやそっとじゃ意識を失わないくらいにね…!!」

「くそッ…!ブギートレイ…!!」
もう一度B・トレインの拳を振り上げようとして美貴はハッと気付いた…!

「バカでもわかるよね…あんたのスタンドでそれ以上殴ったらどうなるか…?
殴れないよねぇ〜!何の罪も無い一般人をさぁ〜ッ!!」

「こ…このゲス女ッ…!!」


337 :610:2005/11/24(木) 00:39:10 0
「ぐ…ああッ…!!」
大男は美貴の身体をギリギリと締め付ける
動けない…ダメージと疲労で頭がボーッとしてきた…!

「このままあんたを殺しちゃうのは簡単…、でもそれじゃあわたしの
気がすまない。わたしのことを『かわいい』と言え藤本美貴!
心の底からこの上戸彩に忠誠を誓うんだ!ボディーガードにでも使ってやるよ…
なぁに屈辱感なんて無いさ、わたしに仕えることが喜びになるんだからね
ただしその顔をグチャグチャにしてからだけど…」

「さあ!言えッ!」

「う…上戸…あんたは…」

「かわいそうな奴だな」

シィ―――――ン・・・

「…あ?なんだって…!?」


338 :610:2005/11/24(木) 00:40:05 0
「かわいそうな奴だって言ったんだ…
あんたには仲間や、ましてや親友なんて1人もいないんだろうな…」

「急に何言ってんだおまえ?ダメージでおかしくなったか?」

「いくら外見が良くても愛想振りまいても、あんたのやってることは全て上辺だけだ…
その他人を見下すことしか出来ない心じゃ、あんたのことを心から好きになって
くれる奴なんて絶対に現れないぜ…!一生、心を操って無理矢理従わせるだけだ…」

「おい…それ以上喋るんじゃあねえ…!」

「美貴には居るぜ…、心から『仲間』って思える奴らが…」

「喋るなって言ってんだよッ!!!」

「つまりブスなんだよあんたは…!心がな!
美貴の顔をグチャグチャにするだって?やってみろよ!!でもな!どんな顔に
されようが…てめえみてーな心のブスにはならねえ!!!」

「てめえぇぇッ!!!」

上戸が教卓に置いてあった「花瓶」を手に取り向かってくる!
「その口をきけなくしてやるッ!!!」


339 :610:2005/11/24(木) 00:41:24 0
振り下ろされる花瓶
だめだ…身体が動かない…!かわせないッ…!

グワッシャアァァッ!!!

破片が飛び散り、美貴の視界は真っ赤に染まった
意識も遠のいていく…!

「ハハハッ!!ざまあみろッ!!」

「…ハッ!?」

「効かないね…そんな気の抜けた攻撃…!美貴はタフな女なんだ…!!」
ここで意識を失ったらダメだッ!こんな奴には絶対負けねぇッ!!

「そしてやっと入って来てくれたな…射程距離に…!!」
「しまっ…!!」
「おらァッ!!!」
ズドォッ!!!

あわてて飛び退く上戸のボディにブギートレイン03の拳が突き刺さった!!


340 :610:2005/11/24(木) 00:42:30 0
「ぐぶえええぇぇぇッ!!!!?」

ガッシャアアアアアアン!!!!!!

吹っ飛んだ上戸は教室の窓枠に叩き付けられ衝撃でガラスが飛び散った
上戸はそのままズルズルと崩れ落ちた
どうやら意識を失ったようだ

「ハアーハアー…ようやく奴に一発ブチ込んでやれたぜ…
挑発しておびき寄せる作戦は成功だ…一か八かだったけど…」

くそ…立ってるのもツライぜ…!でも美貴の勝ちだ!
これでこの学校の生徒や演劇部のみんなも元に戻っただろう!

そのとき…
上戸の指先がピクリと動いた…気がした

「上戸彩…!!おまえ意識を取り戻してるなッ!?」

上戸は動かない
「これから美貴はあんたを演劇部のみんなの所へ連れて行く!
抵抗しなければこれ以上何もしない!美貴も立ってるのがやっとなんだ…
あんただってアバラの2,3本折れたはずだ、もう戦いたくないだろ?」

依然上戸は動かない
「今から行くぞ…そっちへ」
美貴は一歩踏み出す


341 :610:2005/11/24(木) 00:43:09 0
「それ以上近づくんじゃねェ―――ッ!!!このゴミがァ――――――ッ!!!!」
上戸が突然顔を上げ叫んだ

「それ以上近づいてみろ…!こいつをブッ殺すッ!!」
上戸のスタンドはいつの間にか気絶した男子生徒の首根っこを掴んでいる

「窓をつたって下の階から持ってきたんだよ!てめーが勝ち誇ってベラベラ
喋ってる間になァ―――ッ!!!」

「わたしはこれから窓から飛び降りるッ!校庭にはまだ部活をやってる生徒がいる…!
そいつらを片っ端から『虜』にしてやる…ッ!!
そのダメージ!おまえは追って来れないッ!!」

「ふふふッ覚悟してろよ…!てめーは顔面だけじゃなく全身の生皮剥がしてやるぜッ
…!!」

「上戸…あんた気付かないの?この部屋の異常に、自分がもう負けてるってことに」

「なに訳の分かんねーこと言って…!!」
(いや…!おかしい!さっきまで操っていた柔道部員がいない!
わたしは確かに意識を失ってた…!能力が解けてそこにブッ倒れているはずだぞ!?)

「てめえッ!!さっきの大男はどこへやったッ!?」

「美貴の能力は『物体の時間を戻す』能力…さっきの大男の時間を3分戻した!
あんたの能力で『人形』になっていた3分前にな…!!」


342 :610:2005/11/24(木) 00:44:43 0
「その『人形』はどこにあるっつーんだよッッ!!?」
「あんた意外と鈍いんだね…背中を見てみな」

「なッ…!!」
(わたしの襟元に…いつの間に!?突っ込まれている!人形が…!!)

「そしてちょうど3分…そいつは時の流れに戻る」

「げええええええぇぇぇぇッ!!!!!!!????」
人形は上戸の背中で元の柔道部員に戻り、容赦なくその身体を押しつぶした!

「こ…こんなものッ…!!…ハッ!?」
美貴は脱出しようともがく上戸に向かい突っ込む!!

べキイィッ!!!
B・トレインのローキックがプリティ・アイドルの右足をへし折った!
「ぎぃやああああああああッ!!!!」
その隙に人質を奪い取る!


343 :610:2005/11/24(木) 00:47:25 0
「あんたに一撃入れると同時に背中に突っ込んどいたんだよ…
あんたに逃げられず…確実にトドメをさす為にね…!!」

「さ…さっき抵抗しなければ何もしないって…言ったのに…!」

「そんなオイシイ話があると思う?あんたのような人間に…」

「なんてひどいおん…!!」
上戸が苦し紛れに飛びかかってくる!
「おらぁッ!!」
ドゴォッ!!
しかしその顔面にB・トレインの拳がめり込む!

「おおおおおッ!!!!!ゴールデンゴール決めてッ…!!!!」
さらにB・トレインの弾幕のような拳を叩き込む!!!
「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!

「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!

「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!

「BOOGIEEEE――――――――――――――――――――――――!!!!!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!

「V!!V!!V!!V!!V!!」
ドゴ!! バキ!! ガス!! グシャ!!


344 :610:2005/11/24(木) 00:49:33 0
「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!!!!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!
「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!!」

「Vィィッ!!!」
ドグシャアアアアッ!!!

吹き飛んだ上戸は窓から飛び出し…校庭の木の枝に引っかかって止まった

「さて…と、部員のみんなを探しに行かなきゃ…うッ!!」

美貴は置いてあった鏡を見て驚愕した
「何これ〜ッ!?美貴の顔…これじゃホラー映画じゃんッ!!この傷…跡になって
残んねーだろうな〜ッ!?美貴だって女の子なのに…」

それにしても上戸はいつスタンドを身につけたんだろう…?
これも寺田先生の仕業なのかな…?もしこんな奴がまた現れたら…

藤本美貴
重傷

上戸彩 スタンド名 プリティ・アイドル
再起不能

亀井絵里
軽傷

演劇部の面々
部室のロッカーにぎゅうぎゅう詰めになっていたところを無事発見される

→TO BE CONTINUED