387 :198:2005/10/26(水) 11:35:28 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜1

あの事件から数ヶ月・・・
晴れて演劇部に入部したみうなは、「親友作り計画」を発動。
しかし、なかなか自分にかまってくれない部員。
でも彼女はまったくめげない!自分と同じ『能力』をもった者達の中にいることが
何よりもうれしいのだッ!

バアアアアアアアアアアンンンンンンンンンン!!!!!

学校帰り寄り道をしてしまったので、すっかり遅くなってしまったみうな。
帰りのバス停への道の途中の公園を通りがかった。
「やっぱまだ嫌な感じだな・・・」
表情を落とし、ぽつりとつぶやいた。
前のことがあったため、みうなはすっかり「公園」というものには寄り付かなくなっていた。
「ん?あれ?」
みうなはあるものに気付き、早く通り過ぎようとした足を止めた。


388 :198:2005/10/26(水) 11:36:55 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜2

小学生くらいの少女が夜も遅いのに、一人公園の中で踊っているように揺れている。
「・・・」
よせばいいのにみうなは公園に近づいた。
近づくにつれ、中にはもう一人男が居ることに気付く。
明かりが少ないのではっきり顔が見えないが、なかなかのイケメンに見えた。
少女が踊っている?のをなにやら眺めているようだ。
(知り合い?いや、妹かな?)
学芸会かなんjかで見せるダンスを見てもらっているんだろう。
しかし、それは不安定でお世辞にも上手くない・・・

コテッ・・・

すると少女がバランスを崩して倒れてしまった。
男は少女の側による、手を貸して起こそうとするかと思いきや・・・

グシャッッッ!!!!

なんと、少女の頭を思いっきり足で踏み潰したのであった!
少女の頭だったモノは、まるで地面に落としてしまい潰れてしまったスイカのように飛び散った。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

390 :198:2005/10/26(水) 11:41:27 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜3

「きゃあっ!」
おもわず声を上げてしまった。男が声に気付いてこちらを見た。
(しまった・・・)
みうなは、声を上げてしまったことに後悔して逃げようとするが、
ショックで金縛りにあったかのように体が動けなくなってしまった。
男がこちらに歩いてきた。
(背はそんなに高くないけど・・・おお、やはりイケメンだ・・・)
白っぽいスーツにすらっとした体。
優しそうな顔立ち。髪は少し襟足が長く、これで白馬に乗っていたらまさに「王子様」であろう。
一瞬うっとりしてしまったが、そんな状況じゃないと我に返った。

「おやおや子猫ちゃん・・・見てしまったのかい?」
イケメンが話しかけてきた。
「え?いや・・・暗かったし、そんなによくは見えなかったか・・・な?」
みうなが苦しい言い訳をすると、男が「そうか・・・」と目を閉じた。

「じゃあ、少しは見えていたわけだなああああぁぁぁぁあぁl!!!!!!!!!!!!!!!!」
するとそのイケメンフェイスは怒りの形相に変わり、
みうなにつかみかかってきた。
「いやあ!!」

ドンッ!

みうなは間一髪で男の手をかわし、彼の腹を突き飛ばした。
男は勢いよく後ろにのけぞった。
いや違う!華麗に、そしてエレガントに2回ほどバック転して後ろに下がったのだ。


391 :198:2005/10/26(水) 11:44:04 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜4

(マーヴェラス!おお・・・マーヴェラスッッ!)
みうなは、あまりの華麗さに魅了された。
(・・・って、そうじゃなくてっ!)
だが0.2秒で首を横に振り、それを打ち消した。

男は乱れた髪を手でかき揚げると、さっきのイケメンフェイスに戻っていた。
「君・・・名前と年齢は?」
イケメンは態度を翻し、いたって冷静に話しかけてきた。
「はあ?」
突拍子な質問にみうなは、恐怖を忘れ、間の抜けた声を出した。
「名前と年齢は?」
イケメンはもう一度同じ質問をした。
「何言ってんの?相手のことを尋ねるんだったら、まず自分の身分を明かしなさいよ!
そしてあの娘は何?!なんであんな酷いことを?!」
「おお・・・そうだったね、失礼した。僕の名前は『堂本光一』26歳、職業は『医者』だ。」
イケメン・・・いや、堂本光一は改めてみうなのほうを向き、胸にてをあてがいながら自己紹介をした。
「で、君の名前と年齢は?」
そして相変わらず同じ質問を投げつけるのであった。

392 :198:2005/10/26(水) 11:46:22 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜5

「・・・みうな・・・16歳・・・高校生・・・」
丁寧に自己紹介をされたので、みうなは仕方なく堂本の質問に答えた。
「で、あんたはなんであんなことをっ?!」
頭が潰れた少女を指差し堂本を睨み付ける。
目にはうっすら涙が浮かんでいた。
本当は怖かったが、みうなの正義感がそれを跳ね除けた。

「ん〜・・・みうな、か・・・ん〜・・・16歳・・・」
堂本はみうなの質問を無視し、顎に指を当てながら、なにやらぶつぶつ独ごとを言っている。
「ちょっとあんたっ!!聞いて・・・」
「うん!許容範囲内だッ!Good!!!!!」
みうなの言葉を遮るように堂本は大きく頷いた。


395 :198:2005/10/26(水) 13:22:08 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜6

「あの娘はねえ、僕の患者だった・・・足が悪かったんだ・・・もう直る見込みは絶望的だった・・・
ダンスが好きな娘でね・・・『いつか足が良くなったらダンサーになるんだ』ってよく言ってたよ・・・」
唐突に堂本は少女の話をしだした。
少女の遺体に少しだけ目を向け、そして夜空を見上げた。
「僕は医者の傍ら、ダンスを子供達に教えてるんだ。
だから、足が治ったら踊りを見てあげるよって約束したんだよ。」
「・・・」

「教え子の中でも特別な子は、週末にそのダンスを僕のために披露してもらってる。」
「足がよくなったらって言ってたみたいだけど、あの娘の足は治ったの?」
なんとか平静を保ちながらみうなは堂本に質問した。
あの少女は確かにその足で立ち踊っていたが、とてもよくなったようには見えなかった。
堂本は首を横に振り答えた。
「いや、生前治ることは無かったよ・・・」
「あんたが殺したせいでね!」
みうなは堂本を睨みつけた。
「いやいやいやいや・・・あれでも良くなったほうなんだ。
あれが精一杯さ。『前に生きていた頃』は立つことも出来なかったんだから!」
「はあ?!あんたが・・・」
再びみうなの発言を遮るように堂本はこう言った。
「だから・・・僕 が 生 き 返 ら せ て あ げ た ん だ よ ・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


396 :198:2005/10/26(水) 13:25:17 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜7

「自分だけのお人形さん。女の子ならそういうのを持っていなかったかい?」
しばらく静寂が二人を支配している中、、堂本が再び口を開いた。
「僕も欲しかったんだ・・・カッコいいロボットや何とか戦隊じゃなく、可愛いお人形さんが。
まあ、F1マシンの模型は好きなんだがね・・・」
そう言うと堂本は、みうなに向かって改心の笑みを見せた。
「人間って欲深い生き物だよね・・・もっとリアルな物が欲しくなってくる。
そう考えてるうちにいつの間にか僕は、診察のとき可愛かった患者の女の子を家に呼び、
首を絞めてたよ・・・」

「・・・っ!!」
みうなはその場面を想像してしまい、目を強くつぶった。
「まあそれを部屋に飾っておくわけなんだけど、やっぱりどんどん腐っていっちゃうんだ。
専門の防腐処理を出来るシステムが無いからね」
堂本は照れくさそうに下を向いて笑った。
「だからいつか別れなきゃいけない・・・そして次の女の子を探す。終わりの無い旅人だね」
「狂ってる・・・あんたは永遠に呪われた異常者よっ!!」
みうなは堂本を指差し罵った。

ドオオオオオオン!!!!

だが堂本はそれに動じることは無く、ただみうなに向けて視線を送っている。

(あの娘はコイツに殺された!私の目の前で残酷に・・・・・・・・・・・
・・・「生き返らせた」?・・・たしかにアイツはそう言った・・・どういうこと?
嫌な感じがする・・・ものすごく・・・)
自分の欲望のために幼い子を殺したこの男を許せなかったが、
先ほどの堂本の言葉を思い出し、疑問が浮かび上がった。

399 :198:2005/10/26(水) 14:03:35 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜8

「だが僕はついに『力』を手に入れたァッ!!!!」
突然堂本が叫んだので、みうなはおもわずビクッとなってしまった。
「見てくれッ!僕の可愛い妖精(フェアリー)達をぉッ!」
堂本の叫びをきっかけで、後ろに人が大勢いるかのような
気配を感じたみうなは後ろを振り返った。
「これはっ・・・!!」

いつの間にか、先程の少女くらいの年代の女の子が4人並んでいた。
目は虚ろで手を下にだらしなく伸ばし、生気は感じられない。
そして良く見ると、何人か見覚えのある顔があった。
そう、ついこないだニュースで見た行方不明になった少女の写真と一緒だったのだ。
「あんたが・・・犯人・・・そして、まさか・・・」

幼い頃よりの不思議な力!イヴでの経験!演劇部の部員達!
そしてこの異常な事態!思考を巡らせると、「そう」としか説明できない!
この男は・・・

ゴゴ・・・ゴゴゴゴゴゴ・・・

       −スタンド能力者!!!!!−

(スタンド能力者同士はお互い引かれあう・・・たしか石川さんが言ってた・・・
まさかこんなところで・・・)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


409 :198:2005/10/26(水) 14:36:03 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜9

堂本のほうに向き直り、目を凝らしてみと、彼のスタンドが見える。
「あんた、それ・・・スタンド!」
「ほう・・・君にも見えるのかい?『スタンド』というのか・・・
何時だったか・・・突然学生に弓矢で射抜かれてね・・・それ以来からかな・・・
僕はこれを『チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ』と読んでいるがね」
人の形をしており表面にヌメヌメした光沢が見える。
(弓矢・・・?う・・・それより気持ち悪い・・・
スタンドは『心のヴィジョン』持ち主に似るのね。私のとは大違い)

「・・・誰もあまり口にしないけど、この町・・・年間の行方不明者の数が
全国平均の8倍もあるみたいだけど、まさかあんたの仕業だったのね?!!!」
「おいおい、人聞きが悪いな・・・まるで僕が全部やったかのような言い草じゃないか
僕はそんなに極悪人じゃないよ」
堂本は方をすくめ、冗談っぽくおどけて見せた。
「まあ、でも・・・また今日行方不明者がでることになり、そしてその犯人は僕だけどね」
ニヤリと笑い、堂本は空手の構えのようなポーズをした


412 :198:2005/10/26(水) 14:50:56 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜10

「くっ!スノー・ドロップッ!」

バシュウゥゥゥぅぅ!!!

(あいつはスタンド使い、私に危害を加えようとしている。そして何よりもあいつが許せないッ!)
みうなはスタンドを出した。
「君も同じような『スタンド』・・といったかな?それを持っているのか?」
堂本は目を閉じた。
「んんんンンンmmm・・・それはそれで・・・・Good!!!」
「Good!」の掛け声とともに目を見開くと、少女達も同じように「Good!」と目を見開き、
それを合図に「チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ」が襲い掛かってきた。
「君はちょっと僕の規格外だけど、君も可愛いお人形さんにしてあげるよ!!」
「くそおっ!スノー・ホワイトォッ!」

バスバスバスッ!

スノー・ドロップのパンチがC・G(チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ)の顔面にヒットする。
「ぐうっ・・・これは?」
スタンド攻撃を受けた堂本の鼻から血が流れた。
「スタンドが傷つけられると、その本体も同様のダメージを負うのよ!」
みうなはご丁寧にスタンドルールを説明した。
「私はあんたの思いどうりにはならない!そして、あんたが彼女達にしたこと・・・絶対許さないッ!」

バアアアアアアアアアアンンンンンンンンンン!!!!!

「・・・・・・Good・・・」
堂本は鼻を押さえながら呟いた。


426 :198:2005/10/26(水) 20:25:34 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜11

「僕は手荒なことはあまり好きじゃないんだが・・・しょうがない、
少し痛い目にあってもらう。でも心配しなくていい、顔は傷つけない。」
堂本は再び構える。
「顔は傷つけない?ふんっ!あんたのおもちゃになるくらいならこうしたほうがマシよっ!」
みうなは落ちていた小石を手に取り、なんと自分の頬を引っ掻いた。
そしてその小石を堂本に投げつけた。

ビシッ

小石が堂本の顔に当たった。
「・・・あまり僕を怒らせないでくれないかな・・・このままでは君は、行方不明ではなく
明日の朝に死体となって発見されることになってしまう・・・」
堂本の額に血管が浮かび上がり、ピクピクと動いている。
冷静を装って入るが、侮辱されたことに明らかに怒りがこみ上げている。
「死体となって発見?やれるもんならやってみろ!その前に私があんたを殺してやる!」
「そうかっ!ではそうさせてもらおうっ!君はもはや可愛い妖精達とは程遠い!
畑の中で蠅にも見向きされない腐りきったカボチャだッ!!!!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンン!!

C・Gが勢いよくみうなに迫り、鋭いパンチを入れてきた!

バキッ!

みうなはすかさずスノー・ドロップで防御したのが、すぐさま次のパンチを繰り出され、
みぞおち部分に一発喰らってしまった。
「ゲホッ!・・・くっ!!」
反撃の蹴りを入れようとしたが、それはあえなくかわされてしまった。


427 :198:2005/10/26(水) 20:26:41 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜12

「ふん・・・君の動きはスローだし、隙も多い。さっきは油断して一発喰らってしまったが、
キチンと対処すれば僕の敵ではないんだよ。そら、もう一発ッ」
みぞおちに入れられたダメージで動けないみうなに容赦なく攻撃が加えられる。
「クソォッ!」
みうなは苦し紛れにカウンターを入れようとしたが、それは力なく空を切った。

メキャッ!

「ガハァッ!!」
わき腹にパンチを入れられ、さらに鈍い音がしする。
「ん〜んんんん・・・今の音は・・・あばら骨がいっちゃったかな?入院が必要だな
フフフ・・・これでも医者なんでね・・・もっとも、君にそんな心配はいらないがね」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

(痛い・・・私って弱いんだな・・・こんな時心の通い合った友達がいればきっと
助けにきてくれるんだろうけどな・・・いや、そんなことを嘆いてたってしょうがない!
一人で戦って勝たなきゃ!私の能力「引き付ける力」を使って・・・
でも、少し前にわかったことだけど、あれは相手をロックオンしないと使えない。
ストーカーの時は偶然できてたみたいだけど、こいつは・・・)

ドガッ!!

C・Gが休む暇を与えずにすぐさま腹を蹴り上げると、
スノー・ドロップと共にみうなの体が中を浮き、地面にたたきつけられた。
(もう・・・駄目・・・)


428 :198:2005/10/26(水) 20:58:25 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜13

堂本はふと攻撃をやめ、地面にはいつくばるみうなを見下ろした。
「君・・・やはりいい瞳をしている。君がもう少し若ければ
僕は本気で君に恋をしていたかもな。できれば殺したくないんだがな・・・」
と言いつつも、その目はまるで屠殺される豚を見るようなめをしていた。
「だったら見逃してくれない?このことは誰にも言わない!今夜あったことも忘れる!だからっ・・・!」
この男のわずかな情に期待を込め、みうなは目を潤ませながら懇願した。

「駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目〜!」
堂本は大げさに首を横に振り、みうなの要望を却下した。
「こんなことを忘れるなんてできるわけないでしょ!それに誰にも言わない?
信じられると思っているのかい?」
そう言い、一歩近づく。
「いやっ・・・お願い!」
みうなは仰向けになり、しりもちをついたままあとずさった。
「・・・がっかりだよ・・・君の瞳の中に一瞬でも誇り高き煌きを感じた僕がバカだった」

もはや半泣きのみうなを見て堂本は深くため息をつき、
一歩はなれた距離を再び縮めた。
「どうしても見逃してくれないの?」
「無理だね」
「本当に私を殺したらアシがついちゃうわよ」
「その心配はいらない、後処理のことはもう考えている」
「こんなに頼んでも・・・駄目?」
「しつこい!・・・フゥ・・・もう黙ってくれないか?」
止めを刺すべく、堂本は呼吸を整えた。
「じゃあ、あんたの負けだね、間抜けな王子様!」
みうなはニヤリと笑い、堂本を指差した。


430 :198:2005/10/26(水) 21:24:15 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜14

ズズズズズズズズズ・・・・・・・

「なっ!これは?!」
堂本は、突然体の自由が利かなくなり、みうなに引き寄せられる事態が理解できずにいた。
「スノー・ドロップ・・・ロックオン完了ね・・・」
みうなはヨロヨロと立ち上がり、自分から彼の側まで歩いた。
「貴様あああ!!!何をしたあああああぁぁぁぁあぁぁぁあ!!!!!!」
「答える義理は・・・ないわね」
歯をむき出しにして喚く堂本に、勝ち誇った顔で静かに答えた。

「あんたは人として超えてはならない一線を越えた・・・
もはやあんたを生かしておく道理はない!」
その目には激しい感情が渦巻いていた。
自分は殺人者になってしまうが、そんなことはどうでもいい!
この男を許すことは出来なかった!
「ぬうううああああ!!!貴様のような賞味期限の過ぎた女に僕の高尚な趣味を
批判される筋合いはないいいいいいいい!!!!!!!!」
「チェックメイトよッ!「くらららららららららららららららああああああああああッッッッッッ!!!!!!」

ボコボバキメタクソニカボギャケコバポビスレアソニコボバキメタグッシャアア!!!!!

堂本の体が中を浮く。
「ららららららららららららららららららああああああぁぁぁぁァァァァァァァァッッッッッ!!!!」
中に浮いた状態をさらに乱打するッ!

グシャアアッ!

堂本はボロキレのように地面に叩きつけられた。


434 :198:2005/10/26(水) 22:18:20 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜15

「ううっ・・・」
「まだ息があるのね・・・」
意外にしぶとい堂本に呆れながらみうなは近づいていった。
と、そのとき・・・

トオゥルルルルルルルルルルルルルルル・・・・
トオゥルルルルルルルルルルルルルルル・・・・

携帯電話の着信音がした。
すると堂本は瀕死ながらもポケットから電話を取り出した。
突然のことにみうなはポカンと見ていたが、やがてそれに気付いた。

電話は真っ二つに折れ、中の部品が飛び出してしまっている。
そして・・・携帯から着信音が鳴っているのではない!
よく聴くと発信源は・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


435 :198:2005/10/26(水) 22:32:38 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜16

発信源は堂本の口からだった!!!
「ピッ・・・はい・・・ああ・・・君か・・・」
血まみれの男がボロボロの壊れた携帯電話を耳に当て、独り言を喋っている。
またもや異常な光景に、みうなはただ見ていることしか出来なかった。
「お前!なにをしている?時間稼ぎのつもりかッ?!」
やがて我に返ったみうなは、堂本を怒鳴りつけたが、彼はそれを無視し、
独り言を喋っている。
「・・・えっ?今から?・・・いやでも・・・え?・・・もう着いた?・・・もしもし?剛?」
「おい・・・もうやめ・・・・・・っ!!」
言いかけたみうなは目の前で起きている光景に目を疑った。

ヴヴヴヴヴヴ・・・・ヴヴヴヴ・・・・

堂本は白目を剥き、頭を高速で揺らしているのであった!!
(えっ?これは・・・何が起きているの?)

ヴヴヴヴヴヴ・・・・ヴヴヴヴ・・・・ヴ・・・・

やがて揺れがおさまると、なんと堂本は立ち上がったのだ。
いや、よく見るとそれは堂本光一ではなかった。
まったく別の顔、体格の男だった。
「はあ、はあ・・・危ないところだった・・・こいつが死んだら俺まで死んじまうからな」
声までもまったく違う、まさに別人であった。


436 :198:2005/10/26(水) 22:33:42 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜17

「てめえ・・・やってくれたな・・・」
男はみうなを睨み付けた。
「一体どういうこと?あなたは・・・誰・・・?」
大怪我にもかかわらず、男のただならぬ殺気に危険を感じたみうなは
数歩後ろに下がって距離をとった。
(やばい!堂本ともやばかったが、こいつはもっとヤバイ!私の直感がそういってる)
「俺か?俺は堂本剛・・・光一とは別の人格ってやつだ・・・
もっとも、あいつはただの電話、メル友だと思ってるらしいがな」

(まさか?!そんなことが?・・・でも確かどっかの本で読んだことがある。
この世には複数の人格をもった人間がいて、それは精神だけでなく肉体、
言語までも別のものとなるケースがある・・・)
そう考えると、こころなしかダメージも少し和らいでいるように見える。

「光一は俺を本当の親友だと思ってくれている。奴が死ねば俺が消えるってだけじゃない
俺もあいつを親友だと思っている!だから来たんだ!親友がピンチなのを見過ごせねえだろうがっ!」

プッツン・・・何かが切れる音がした。
「死ねあああああ!!!!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ!!!!!


437 :198:2005/10/26(水) 22:40:02 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜18

C・Gが猛ラッシュをする。
「スタンドも共有しているのッ?くっ、スノー・ドロップォっ!」
スノー・ドロップで防御しながら反撃するも、何分手負いのみうなは
そのほとんどを喰らってしまった。

ドサアっ!

(あいつの怪我のほうが重傷なのに・・・あいつの精神力のほうが上だというの?)
みうなはひざを突き剛を見た。
完全に我を失い、さらに追撃を加えようと突進してくるのが見えた。
「URYYYYYYYYYAAAAAAA!!!!」
(せっかく勝ったと思ったのに・・・今度こそおしまいね・・・さよなら、お父さん、お母さん・・・
短い間だったけど、演劇部のみんな・・・)
観念してしまったみうなは、静かに目を閉じた。

しかしそのとき。
「何だ?てめえはっ?!」
剛が声を荒げ、自分ではない誰かに向けて喋っている。
「VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV!!!!」
「うげああああ!!!!」

ドッギャーーーーン!!!!!!

439 :198:2005/10/26(水) 23:00:55 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜19

その姿をみうなは知っている!いや、その強い意志を秘めた瞳を知っている。
そして両肩に電車をあしらったスタンド!

「近くを通りかかったらよお・・・みうなっぽい姿が見えたもんで来てみたら
とりあえず、こいつは敵ってことでいいんだよな?」

      藤本美貴っっっっ!!!!!

「藤本さん・・・」
みうなは涙が出てくるのを押さえられ中なかった。

ブシュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・

何かがしぼむ音が聞こえた。
そのほうを見てみると、人形状態だった少女達が溶け、骨だけになっていた。
「どわぁぁぁっ!何であんなところに死体が5個もっ?!」
藤本は場違いな声を上げ、驚いて見せた。
「あとで全部説明する、それより・・・」
みうなはボロボロになった体を励まし立ち上がり、剛に止めを刺そうとした。
それを見た藤本はみうなを体で受け止め、制した。
「おいっ!なにやってんだ!死んじまうぞ!」
「離してっ!あいつだけはこの手で殺さないと!」
みうなは必死で抵抗し、剛に向かっていこうとする。

藤本はたまらずみうなに当身をした。
「うっ・・・」
みうなは気を失う。
「そんなことしたってしょうがないだろうが・・・
とりあえず、警察と救急車を呼んでおくよ・・・」
気を失ったみうなに、藤本は優しく諭した。


448 :198:2005/10/26(水) 23:48:14 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜20

藤本はみうなをおんぶし、幸い近くにあった病院へと向かっていた。
「う・・・んん・・・」
「あ、気がついたみたいだね」
揺れる背中の上でみうなは目を覚ました。
「もうすぐ病院だから」と藤本は優しく声を掛けた。
「助けに来てくれたんだ・・・」
みうなはダメージのせいか、力なく話しかける。
「そりゃあ、友達がピンチなのを見たら誰だってそうするだろ」
その言葉にみうなは涙が止まらなかった・・・。

「あ、ごめん・・・痛い?」
「ううん・・・違う・・・そうじゃない・・・」
さらなる気遣いに余計涙が止まらなかった。
「良くなったら、全部説明してよ」
「うん・・・グスッ・・・」
そして二人は病院まで着き、みうなは緊急手術をして入院することとなった。


449 :198:2005/10/26(水) 23:49:23 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜21

一週間後の朝、病室のテレビの音で目を覚ましたみうなは、何気なくそちらに目を向けた。
(あ・・・藤本さん・・・)
藤本がテレビを見ていたのだった。
(人の病室でかってにテレビって・・・でも、ずっと看病しててくれてる・・・いい人だな)
みうなの視線に気付いた藤本がこちらに目を向けた。
「あ、起きたんだ!どう?調子は・・・ってまだ一週間じゃそんなにいいわけないよね」
藤本は笑顔でみうなに話しかけた。
「うん・・・でもかなり良くなってるよ」
心配掛けまいと、みうなは腕をあげてアピールした。
「痛っ!!」
「ほら、無理しないで!」
藤本がみうなの側に行き、めくれた布団を直した。
「ごめんなさい・・・」
みうなは笑顔で謝った。

--ええ、次のニュースです。--
テレビのニュースのアナウンサーの声に
なんとなく二人はテレビに顔を向けた。

450 :198:2005/10/26(水) 23:50:32 0
銀色の永遠 〜パラノイド〜22

--。最近失踪事件が頻発しておりますが、
今朝、またもや女性の失踪事件が発生しました。名前は「○○××」さん22歳。
彼女は3日前より連絡が取れなくなっており、家族が捜索願を警察に提出しましたが・・・
ここのところ3日連続で失踪事件が発生しており、付近は見回りを強化して・・・--

(え?一週間前にあいつは死んだのに・・・なんでまた・・・)
そう、堂本光一(剛)は救急車が到着後手術を受けたが、実は担当医の誤診により
既に死亡していたのだった。顔が剛のままだったので、結局身元不明として処理された。
みうなは背中に薄ら寒いモノを感じていた。
「藤本さん・・・?」
藤本に目をやると、彼女は険しい、そして怯えた表情で画面を見つめていた。

『まるで僕が全部やったかのような言い草じゃないか・・・僕はそんなに極悪人じゃないよ・・・』

みうなは堂本の言葉を思い出していた。
(全部あいつの仕業じゃなかったの?まさか・・・あいつ以外にも・・・まだ・・・)
冷や汗が額を伝う・・・

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


みうな 
重傷入院中

堂本光一(剛) 結果的に医療ミスで死亡
スタンド名 
チルドレン・オブ・ザ・グレイヴ

TO BE CONTINUED…